人狼物語 三日月国


51 【完全RP】ポムペッシュ・フェーリンコロニー【R15】

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【人】 受験生 雨宮 健斗


[掠れて、震えて。
 
 ゆっくり振り返る。
 そっと見上げた矢川の顔は、
 思っていたより遠くにあって。>>@61


 眉が、少し上がる。
 あぁ、届いてなかったのか、と分かったら
 少しだけ、ちからが抜けて。

 瞳を見つめるのが、こんなに難しい。
 泣きそうに笑った声が、静かな廊下に響いた。  ]



   …ごめん。
   こっちこそ。

   ずっと、わかんないままだったら
   良かったのにな。   *  
 
 
 
(151) 2020/12/01(Tue) 8:12:00

【人】 受験生 雨宮 健斗


[差し込む月の光は人工的な光とは異なる色で
 動きかけた足が止まるのを照らして、
 矢川の眉根がぎゅ、と寄るのが良くわかった。

 問われた事に、違う、って、
 すぐに口は開いてくれなくて、

 ぎり、と噛み締める奥歯の音が聞こえた。


 堰を切って流れ出すような矢川の言葉を。
 言いづらいこともきっとあるだろう、
 必死ささえ含むような、その声を、
 いつもよりずっと困ったように
 寄せられるその眉根も、

 全部、全部、漏らさずに、受け止めたいのに。
 
なんでかな、視界が滲む。
  ]
 
(154) 2020/12/01(Tue) 10:54:09

【人】 受験生 雨宮 健斗


   …告白じゃん。
   それ。


[瞬きをしたらふ、と顔が歪む。
 笑っているのか、泣いているのか、
 自分でもよくわからないまま。

 五反田が言っていたことが月灯に浮かぶ。>>2:12

   諦めたくないなら。
   好きなら、好きなだけ
   続けたらいいと俺は思いますけど。
   無理してるんなら
   やめてもいいと思います。
   ]
 
(155) 2020/12/01(Tue) 10:55:43

【人】 受験生 雨宮 健斗



   矢川、俺。
   好きなやつ、いたみたい、って、
   そう言ったんだ。



[一歩だけ、踏み出した足は、
 思ったより、震えてなかった。  ]*
 
(156) 2020/12/01(Tue) 10:57:54

【人】 受験生 雨宮 健斗


[結ばれた唇が、また開くのが見えた。
 すう、と息を吸い込むのもわかって、
 吸った息の割に短い言葉が
 返ってくるのを聞いていた。

 一度落ちた視線が、また上がる。

 謝罪と、礼を伝える矢川の顔から
 視線は逸らせずにいた。

 今どんな顔をしているか、
 わかっているのだろうか。
 応援する、なんて言う彼は、
 もしかして笑っているつもりなのだろうか。 ]
 
(158) 2020/12/01(Tue) 13:45:10

【人】 受験生 雨宮 健斗


[体調を気遣う言葉が聞こえる。
 ああほら、やっぱり。
 こんな下手くそな笑顔、記憶になかった。 ]


   (…あ、そうか。俺、大事なとこ…)


[どくん、と心臓が跳ね上がる。
 差し出された手を見つめて、
 届く距離まで足を進めた。

 何も言わずに差し出されたのはちゃんと右手で。
 ふ、と笑いが溢れて、それをそっと握り返した。 ]
 
(159) 2020/12/01(Tue) 13:47:17

【人】 受験生 雨宮 健斗


   なんでお前がそんな顔、してんだよ。


[さっきと同じ言葉を繰り返す。 ]


   泣きたいのはこっちだよ。
   …まじサイアクだ。


[握った手に力を入れて、ぐいと引き寄せた。
 腹の立つことに、ちょっと背のびをしないと
 届かない。



 少しだけ、かさかさした唇に
 そっと己のそれを重ねて。     ]
 

 
(160) 2020/12/01(Tue) 13:50:05

【人】 受験生 雨宮 健斗


[確認の為に、と言った近藤>>2:117が、
 ちらりとよぎった気がした。   ]


   …あーもう。

   キスって、こんな、緊張したっけ。
   近藤に、笑われる。


[顔を伏せて、呟いた言葉は、
 今度こそ届いているといいなと思う。  ]
 
(161) 2020/12/01(Tue) 13:50:56

【人】 受験生 雨宮 健斗


[あーあ。
 やってしまった。
 おまけに言ってしまった。


 一瞬触れて離れた唇。

 初心な中学生でもあるまいし、と思うけれど、
 まるで初めてのキスのあとみたいに顔が熱くて、
 とてもじゃないけど顔なんて上げられなかった。
 同じように紅潮した顔が>>@78
 すぐそこにあったと知っていたとしても。

 図体のデカい男二人して、震えているのは
 どちらの手だったか。
 俯いたままの耳に届く矢川の声は、
 やっぱり震えていた。      ]
 
(162) 2020/12/01(Tue) 18:19:44

【人】 受験生 雨宮 健斗

 
   …馬鹿じゃねぇの。
   言えるか何回も。


[つい、と顔を背けて。
 けど、とぽつり付け足す。 ]


   …友達で、男だし。
   積み上げたの、壊れるのが
   怖いんだよ俺。

   理由がわかんないまま
   あんま寝られなかったり
   食えなかったりしてて。
   手は死んでるし、ピアノは弾けないし。
   ───だけどさっき、わかって。  
 
 
(163) 2020/12/01(Tue) 18:22:12

【人】 受験生 雨宮 健斗




   ずっと。

   好きだったんだな。


 
(164) 2020/12/01(Tue) 18:22:38

【人】 受験生 雨宮 健斗


[しょうがないから繰り返してやったのに、
 最後まで言えなかった。

 長い身体を折るようにした矢川が、
 俯いたままの唇を掬い上げて塞いだりするから。


 ──聞こえた言葉に、ふ、と息が漏れて。
 笑ったはずなのに視界が滲んだ。   ]*
 
(165) 2020/12/01(Tue) 18:23:28

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
 それから。 
  


[久しぶりに、腹が減ったな、と感じた。
 けれど残念ながらというか当たり前というか、
 バーベキューは終わっていて。

 どこからか知らないけれど、己が倒れた、
 と言う情報はある程度伝わっていたようで、
 何人かには気遣う言葉をかけられただろう。

 その都度、さんきゅ、大丈夫、と返しながら、
 赤羽にバレたらまずいな、と苦笑いして。  ]
 
(175) 2020/12/01(Tue) 21:52:44

【人】 受験生 雨宮 健斗


[隅の方に座って、おにぎりを齧る。

 入江のカッターで抜かれた、海苔の
 猫だかうさぎだかが>>2:109
 キャンプファイヤーの炎にゆらり
 照らされて、オレンジ色に染まっていた。
 
 カバンに入れっぱなしだったから、
 冷えてちょっと形が歪になったそれは、
 佐藤の神のスピードで握られたおにぎり>>2:@6
 と同じくらい、美味かった。  ]*
 
(176) 2020/12/01(Tue) 21:54:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


[I love you を月が綺麗ですねとでも
 しておきなさい、と言った文豪の気持ちは、
 わかるはずもないのに、
 おっさんやっぱやるな、なんて
 頷けるような気がした。

 我君ヲ愛ス、なんて。

 そんな言葉で括れないものが、
 世の中には嫌と言うほど溢れてる。


 深淵でもがきもせずただ沈んでいた己に、
 伸ばされた手があったこと。

 人より少し大きな手に掬い上げられながら、
 暗闇から光が見えたような気がしていた。



 ───あれは、きっと今日みたいな綺麗な月。  ]
 
 
(178) 2020/12/01(Tue) 22:49:28

【人】 受験生 雨宮 健斗


[さて。
 なんやかんやで向かい合ってしまえば、
 この同室というのはなかなかどうして
 困ったもので。

 ───なんて思っていたけれど、
 窓の外に今度こそ本当に張り付いた
 軍曹(体長約20センチ)と目が合ってしまって、
 それどころじゃなくなって、布団を頭から被って、


 …いつのまにか、眠っていた。


 こんなに、ゆっくり眠ったのは、
 随分と久しぶりだった。   ]
 
(179) 2020/12/01(Tue) 22:51:37

【人】 受験生 雨宮 健斗


[目が覚めたら、ベッドから足がはみ出して
 狭そうに寝ている男がいて。

 昨日の朝を思い出して、苦笑混じりのため息を
 吐きながら、アラームを鳴らし続けた。

 ───そりゃまぁ見事に起きないもんで。
 しまいには上に飛び乗って起こしてやろうか、
 と一瞬過ぎったけれど、以前言葉を交わした
 バンドメンバーの話を思い出して踏み止まる。


 代わりにそっ、と前髪に手を差し入れて。
 近くで見る唇は、やっぱりカサついていて、
 親指で撫でた。

 ちょっと悩んで、またままごとのような、
 かすめるだけのキスをひとつ、落とそうか。 ]
 
(180) 2020/12/01(Tue) 22:54:30

【人】 受験生 雨宮 健斗


[遅刻魔の意識がようやくはっきりしたころには
 すっかり日が登る。
 遅すぎる今、何時、には、
 しかめ面で起床時刻ぎりぎりアウトだよ、
 と返す。

 慌てる様子もなく欠伸をする様子に呆れて、
 文句を言おうとしたらつられて欠伸が出た。

 手招きをしているその頬は緩んでいて、
 ドキリとしたことを恥じて隠すように
 ふいと顔を背けたら、布団から身を乗り出して、
 ───キスが降る。   ]


   朝から何やってんだ。


[と睨んだ顔はきっと、
 赤かったと思う。    ]
 
(181) 2020/12/01(Tue) 22:56:36

【人】 受験生 雨宮 健斗


   あー!そうだ。
   肩、ちょっと痣になってるんだけど。
   あと頸動脈キメられたの根に持ってるので、
   掃除はよろしく。


[誤魔化すように言って、箒を押し付けた。
 林間学校は、終わろうとしていた。   ]**
 
(182) 2020/12/01(Tue) 22:58:04

【人】 受験生 雨宮 健斗


[少し思案したけれど、赤くなってしまったことが
 癪で先に朝食会場に向かった。

 誰か知った顔がいたら挨拶をして、
 言葉を交わして。
 昨日と変わらず豪華な朝食を、
 昨日よりは沢山食べた。

 
 帰りのバスの座席は、行き道と同じだったか、
 それともランダムだったのか。

 もし同じだったのなら隣には異色の瞳が
 見えたかもしれない。
 もう、己の上着が必要無さそうな様子が
 そこに見て取れれば、お疲れ、と
 手を上げて、笑みを浮かべただろう。  ]
 
(183) 2020/12/02(Wed) 16:36:50

【人】 受験生 雨宮 健斗


[色々あった山が背中に小さくなっていく。

 来た時と同じように、よーいお茶が
 膝の上で暖かい。

 左手に持ち直して、右手でキャップをまわす。

 ──ぱきゃ、と、久しぶりに一度で音が鳴った。 ]**
 
(184) 2020/12/02(Wed) 16:37:38

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
なんやかんやで自宅の話
  


[玄関を開ければすぐにぱたぱたと
 駆けてくるスリッパの音。
 荷物をどさりと落として、ただいま、と告げた。

 18の息子に向けるには少々、いや大分甘い顔で、
 不安げに笑って、どうだった、と尋ねる母親に、
 うん、と頷いた。      ]


   ──楽しかったよ。


[そう、とまた笑った母親の視線が一瞬
 手元に落ちたのがわかって。   ]


   カレー、作った。
   おにぎりも。
   …料理って、大変だな。


[母親の目が落ちそうなくらいまん丸になった。 ]
 
(185) 2020/12/02(Wed) 18:06:04

【人】 受験生 雨宮 健斗


   ──やっぱ、卒業したら、
   家出ようと思う。
   ま、大学、受かったらだけど。


[眉を下げて笑ったら、母親の口が、だって、と
 言いたげに動くから、    ]


   …母さん。
   色々心配かけてごめんな。


[と遮った。
 まん丸な瞳が緩んだのが見えたから、
 やば、と思って、   ]


   受かんなかったら、父さんに
   ひとつよろしくって言っといて。


[と片手を上げて、自室へ階段を足早に。 ]
 
(186) 2020/12/02(Wed) 18:09:41

【人】 受験生 雨宮 健斗


[はぁ、と息を吐いて、ベッドに腰掛ける。
 ようやく落ち着いて、煙草に火をつけた。

 あ、と思い出してポケットと鞄から
 旅の相方を取り出して、窓辺にそっと。

 
 追いかけてきた母親がそれを見て、
 可愛い折り鶴、誰に貰ったの?と
 しつこかったのは、想定外の話。  ]**
 
(187) 2020/12/02(Wed) 18:10:59

【人】 音楽教師 雨宮 健斗

  
 いつかの 
  



   おまえら!
   未成年が煙草なんか吸ってんじゃねぇ!
   没収だ没収!


[はー?先生ふざけんなよ返せよー、と笑う声に
 こちらもにやりと笑って凄む。  ]


   お?やんのか。
   お前らの卒業は俺次第だっつーのを
   忘れてんじゃねぇだろうな?ああ?


[なんの因果か林間学校。
 キャンプファイヤーの炎に揺らされて、
 少し離れたベンチで上がる紫煙を
 目敏く見つけた。

 ひょい、と没収したそれにこれ見よがしに
 火をつけて、深く吸い込む。

 わーまじかよ最悪、と言う声に笑いながら
 吐き出した白が、月に向かって登る。   ]
 
(197) 2020/12/02(Wed) 21:24:41

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[なんで全員必須なのか、なんとなくわかった気がする。
 希薄になっていく未来のために。
 そうならないための絆を。
 解けかけた糸があるならもう一度結んで。

 そんな願いが、きっと込められているのだ、
 と思う。


 会ったばかりの煙草臭いパーカーに吸わせた涙も、
 敷かれたレールから少し外れて出逢った恋にも
 同じ方向を向いた愛も、
 年季の入ったネックレスも

 思い出したら頭を抱えるような不器用な恋も、

 きっと全部まとめて、月は見ていた。  ]
 
(198) 2020/12/02(Wed) 21:26:29

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[───さぁ、明日。
 朝食ブッフェ食ったら帰ろう。

 首から下げた銀色が、キャンプファイヤーの
 炎で僅か煌めいた。



 ただいま、って言う相手はあの頃と変わって。
 
 図体のデカい二人にはちょっと不似合いな、
 折り鶴と雪の結晶がちょこんと佇む家に。


 深く吐き出した紫煙は、


 ───細く、白く、月に伸びた。   ]**
 
(199) 2020/12/02(Wed) 21:30:12

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


   ──笑いすぎ。


[だから言いたくなかった、と、目の前で
 顔を伏せて笑い続ける彼をギロリと睨んで。

 友人の名前を出してまた笑いを増やされて。
 しぶしぶ口を開いたら、きっとさらに笑うくせに。]


   …もう笑われた。
   理科室に灰皿もうないですよ、だって。
   ──マジムカつくあいつ…

 
(202) 2020/12/02(Wed) 22:32:10

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[ひとしきり笑ったあとで褒められてもな、と
 また睨んで、残ったおはぎをぽいと口にした。

 そうして、口を掌で抑えながら
 ぼそりと告げられた言葉には、
 息を呑んで、ふ、と笑んで。  ]


   まぁーな。
   モテちゃうかな。


[にやりと笑ってやった。
 籠った小さな声には、ちらりと視線を流して、]


   …おっそ。気づくの。


[とそっぽむいてやるのだ。  ]
 
(203) 2020/12/02(Wed) 22:33:39

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[着任の日。
 珍しくスムーズに起きた彼から渡された、
 銀色に目を見張る。
 まじかよ、と言いながら、完全に赤くなった顔を
 誤魔化すように、そっと、唇を合わせた。


 せんせー、彼女いるんですかー?
 なんて、早速きゃっきゃする声に、  ]


   いまーす。
   わかったからとりあえずはやく座れ!


[と、相変わらずの言葉使いで、
 お世話になった校長室に呼び出されたと言えば、
 きっとまたお前は笑うんだろう。  ]**
 
(204) 2020/12/02(Wed) 22:36:32