人狼物語 三日月国


28 【恋愛RP】星降る宴の必然を【R15】

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ジゼルは、つ /*
(a0) 2020/05/19(Tue) 0:20:43

【人】 無口な使用人 ジゼル

[ 人気の消えたベンチで、私は靴を脱いで、膝を抱えて座る。


家族の眠るお墓の前で、この座り方をしたのがもう遠い昔のことのような気がした。


胸元に抱えた星の飾りが、澄んだ光と共にかたり、と音を立てる。



   
どんなに祈っても、どうしようのないこと、というのが世の中には悲しいかな存在するのだと、

そう知ってしまった自分には、彼の無事を祈り続けることさえ、震えるほどの勇気を必要としていた。]
(22) 2020/05/19(Tue) 13:57:49

【人】 無口な使用人 ジゼル

[
    
風が、ひとつ。髪を揺らす。



     た、ただいま。ジゼル、無事でしたよ。




[ 悪戯を見つかってしまった子供のような気まずさを浮かべたその笑顔。


弾かれたように飛び上がって、裸足のまま駆け寄る。


その瞳の色がはっきり見える位置で立ち止まって。]
(23) 2020/05/19(Tue) 13:59:59

【人】 無口な使用人 ジゼル


   
おかえりなさい!


                   (うわぁ!)



[ 自分で出した声のあまりの大きさに自分でびっくりして、

星の飾りを持った手で、口元を慌てて押さえたけれど。]



……ぷっ。



[ 二人同時に吹き出した。


止まらない笑いのまま、彼の胸へ飛び込む。]
(24) 2020/05/19(Tue) 14:04:38

【人】 無口な使用人 ジゼル

   
遠くで、わん、わん、と鳴くアデルの声が聞こえた気がした。



あぁ、そうだ。
星の飾りのお礼に。


あの魚の被り物は、マシューにプレゼントしよう。



新しい礼服の香りに包まれながら、そんなことを思った。]*
(25) 2020/05/19(Tue) 14:08:44

【人】 無口な使用人 ジゼル

  
翌日のこと

[ ギィ、と馬車の止まる音がした。]

  『ただいま、ジゼル!』

[ 旦那様が先に降りて、当たり前のように奥様の手を取る。

今までなら何とも思わなかったそんな光景に、
視認出来ずとも"愛"というものは確かに存在していたのだ、と知ることが出来たのはあの人のおかげだなと思った。]


おかえりなさいませ。


[ お辞儀をする。
なんの苦労もなく声が出たことが嬉しかったし、
奥様と旦那様が、驚いた顔で動きを止めたこともおかしくて、もう笑顔になることを止められない。]



  『…?あなた、今、ジゼルが…』


[ …ああ、と掠れた声のあと、一瞬あげてがばと二人に抱きしめられる。
笑っていたはずなのに鼻の奥がつんとした。]
(80) 2020/05/20(Wed) 15:23:06

【人】 無口な使用人 ジゼル


『それでっ、それでジゼル?!
 相手はどんな方?
 おいくつ?
 なにをなさってる方なの??
 ご出身はどちら??
 身長は??!
 髪の色は?!?!』


[ たくさんの荷物を解くことも忘れて、前のめりで機関銃のように話す奥様は、あれからずっと私の手を自分の両手で握ったままだ。]


 『…いい加減にしなさい。』


[ 彼の足のサイズまで聞くつもりかい、と苦笑いしながら旦那様がそんな奥様を嗜める。]



 『だってあなた!
  ジゼルが星の飾りを見せてくれたのに…
  これが落ち着いていられますかっ!!
  …こっ、声も、こんな笑顔だって…』


後半は嗚咽で声にならない奥様に、だめだこりゃ、と肩を竦めたジェスチャーをして、私を見てにっこり笑った。

なのに旦那様は何故か部屋を出て行こうとする。]
(81) 2020/05/20(Wed) 15:27:48

【人】 無口な使用人 ジゼル

どちらへ行かれるのですか?


[ やはり良くない気持ちにさせてしまったのだろうか。
不安になってそう問えば、]


 『あなたっ!まさかこの娘に良い人が出来たことが
  認められないなんて、古代の化石のような
  父親ぶったことを言い出すんじゃないでしょうねっ!』


[ と奥様の厳しい声が飛ぶ。]


 『…あー!もう!
  違うに決まってるだろう!
  まぁ多少…少々…少し…寂しい気持ちはあるが』


  『だったらお座りになって。
    じっくりジゼルの話を聞きましょうよ』


  『いやほんとに違うんだよそうしたいのは山々だが
   急ぎ、必要なものがあったからね、
   先ほどディアスに使いを出したのだが』


ディアス。レオンハルトさんとノアのお店だ。]
(82) 2020/05/20(Wed) 15:37:03

【人】 無口な使用人 ジゼル

なにかあったのですか…?


[ 『私もよくわからないんだが…
  その者が、店主のレオンハルト氏の様子が
  少しいつもと違うと言うんだ。
  チョコレート一箱で…とかなんとか言いながら、
  部屋を行ったりきたりしている、と』


ちょっと様子を見てくるつもりだ、と話す旦那様に、

あら…レオンハルトさん、大丈夫かしら、と奥様も眉根を寄せる。

私は、なんとなく心の中がそわそわするのを感じて、]


わ、私も行きます

[ と立ち上がった。
ノアと話がしたかった。

ああ、奥様には、

マシュー・ド・リヒテンシュタイン、と言う方をご存知でいらっしゃいますか?
私に星の飾りを下さったのは、その方です…素敵な魔法使いなの。

と、夕食後に打ち明けようと決めて。

きっとそれはそれは長いお話になるだろうな、と思った。]**
(83) 2020/05/20(Wed) 15:42:46