【人】 死神のジン ナディル『ねぇ、ナディルは、願いを叶えるんでしょう? それって、誰でもいいの? 天使でも、対象になるの?』 以前よりも随分小綺麗になった神殿の礼拝堂で ラナーはどこか急き立てられるように早口だった。 俺が『願いを叶える』のは人間だけだ。 天使は対象じゃない。 答える前に、矢継ぎ早に言葉が継がれてゆく。 『それには対価が必要? あんたの罪を教えれば、対価になるかしら?』 (27) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:26:02 |
【人】 死神のジン ナディル対価なんて貰っても、どうしようもない。 俺は人間の為に造られている。 そもそも罪が対価になんて─── 『あんたの罪は、───』 耳を塞ぐまえに、いや耳を塞いだとしても ラナーの言葉は真っ直ぐに突き刺さった。 ああそう、それが──俺の罪か。 成程……成程ね。 それは確かに俺の罪なのかも知れない。 けれどそれが俺の罪だと 、、、、、、、、、、、、 そう、神が告げたのならば。 あの方はなにも──俺のことなど 、、、、、、、、、、、、、、 何ひとつわかってはいないのだ。 (28) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:27:49 |
【人】 死神のジン ナディル『──あたしの願いを、叶えてほしいの。』 俺の明らかな落胆を ラナーはどう受け取ったのか。 気にも止めなかったのか。 そのまま、片翼の秘密を語った。 『ナディル、あなたはどうするの』 項垂れたまま、どれくらいそうしていただろう。 「───俺には、天使は救えない。 」 ぽつりと放たれた言葉だけが 光に満ちた礼拝堂に沈んで、消えた。 [パスor〆] (29) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:29:21 |
【人】 死神のジン ナディル■ドラマシーン@ 秘密取得 ■相手:シャフリヤール ■場 所:酒場※任意可 成否判定:(4)(4)2d6 (32) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:43:59 |
【人】 死神のジン ナディル (34) kintoto 2021/09/19(Sun) 0:05:25 |
【人】 死神のジン ナディル (35) kintoto 2021/09/19(Sun) 0:06:29 |
死神のジン ナディルは、メモを貼った。 (a13) kintoto 2021/09/19(Sun) 0:31:27 |
【人】 死神のジン ナディル湯煙が薄く立ち籠める石造りの浴場で サーリフの汚れた翼を洗ってやりながら 俺は頗る不機嫌だった。 「なんで俺がこんなことを……」 人型ゴーレムに働かせようとしたら 温泉には連れて入れないと言われ、 適当に人を雇おうとしたら 知らない者に翼を預けたくないと我儘を言われ、 何故かこんな羽目になっている。 だいたい、ラナーもサーリフも ちょっと一声で俺を使役しようだなんて いくら天使様でも安く見積もりすぎだろう。 そこらで十把一絡げの下級精霊じゃないんだが。 (47) kintoto 2021/09/19(Sun) 6:44:09 |
【人】 死神のジン ナディル>>47 「気持ちいいです…」 擽ったいのか、時折ふるりと羽を震わせ サーリフはのぼせたようにうっとりと呟く。 所詮、天使と精霊が分かり合えるわけもない。 この愛おしいような腹立たしいような生き物に対する 苛立ちと諦めを綯い交ぜて溜息に吐き出し、 羽根を一枚一枚丁寧に洗い流す。 そうしていると手首の鎖がいやに目について これもまたよく分からんのだよな……と 返事も期待せず、ただ気紛れのように尋ねた。 「何故お前達は片翼なのか」 「どうして俺達は繋がれたのか」と。 ……そう、別に答えなぞ期待してなかったのだ。 (48) kintoto 2021/09/19(Sun) 6:45:34 |
【人】 死神のジン ナディル>>48 『本当に知りたいですか? もう、予想はついているのではないですか』 急に目が覚めたような『天使の顔』で サーリフは俺の瞳を覗き込む。 ──しまった、と思った。 予想がつくかどうかで言えば、大方は。 知りたいかどうかで言えば、正直どうでもいい。 、、、、、、、、、、 だからたぶんこの後は 、、、、、、、、、、、、、、 サーリフが望むほうへ事が進む。 掴まれた指先を振り解けないまま、 俺は早くこの無防備な場所から逃げ出したかった。 [パス] (49) kintoto 2021/09/19(Sun) 6:48:17 |
【人】 死神のジン ナディル>>44>>45 アルバリ 『むかつく!』 他愛ない憎まれ口に腹が立つわけもなく ナディルは目を細め、2つのグラスに酒を注いだ。 難しい顔のアルバリの向かいに腰掛け、 指先でトントンとテーブルを叩く。 アルバリの肩で羽を畳んでいた若い鷹は ちょっと小首を傾げ、ナディルの腕に飛び移った。 『その酒…、好きなんだな。なんで?』 「なんでって…美味いから?呑んでみろ。」 未成年じゃあるまいし、と笑いながら 酒精で唇を鞣したが── そこから止めどなく続いたアルバリの問いは まるで子供のような種類のものから始まった。 『精霊ってなに』『斬ったら死ぬの』……etc. ──恐らくナディルよりもずっと長生きで 物知りな腰の妖刀に聞けば答えてくれるようなこと。 アルバリはたぶんその妖刀に知識があることさえ 知らないのだろう。 それは間違いなくアルバリが 幼い頃から過酷な日々を送ってきた証で、 だからナディルはゆっくり、ひとつひとつ丁寧に 話せることは話してやった。 (53) kintoto 2021/09/19(Sun) 10:15:15 |
【人】 死神のジン ナディル>>53 『……願いを叶え続けるのって、 オマエにとって生きる事でしょ。 それってさ……空っぽだなあって思う?』 ──生きる事が空っぽだとは思わんな。 そこに『意味が無い』と感じたなら、 終わらせるしかなくなるだろう。 人間は皆、『生きる為に生きている』ものだよ。 『ナディルは、何か欲しいもの、無いのかよ。 叶えたい願いは……あるの。』 ──我の欲しいものか…何だろうな。 ──叶えたい願い……考えたこともない。 、、、、、、、、、、、、、、、、 だって俺自身はいつも空っぽだから。 (54) kintoto 2021/09/19(Sun) 10:19:25 |
【人】 死神のジン ナディル>>54 「アルバリ。 お前の答えはお前の中にしかない。 我はお前を導く存在ではない。」 それまでの質問が 自問自答に近い自覚はあったのだろう。 ぱっと顔を上げたアルバリは まだ迷子から抜け出せていないらしく 縋るようにナディルを見つめた。 「……なんの手助けにもならないが 土産にひとつだけ教えてやろう。 我が名は『ラグヴァ・シトゥラ』。 ──『願望の器』だ。」 アルバリには何の意味も価値もないその名が いつかアルバリを救うだろうか。 ただの自己満足だな、ナディルは短く自嘲した。 [パス] (55) kintoto 2021/09/19(Sun) 10:21:03 |
【人】 死神のジン ナディル>>56 サーリフ あからさまに身構えた俺に何をみたのか、 サーリフはするりと指を解いた。 『私たちのことは気にしないでくださいね。』 こんな鎖をつけておいてよく言うものだ。 「……一人で戻れるな?」 白くなった羽に満足そうな笑顔から目を背け、 さっきまで握られていたのとは別の手で 指を鳴らした。 ──もしも、俺にも白い翼がついていたなら 罪を犯さずに済んだのだろうか。 そう考えたことは何度もあったが、 それを欲しがったことは一度も無かった。 それなのに、何故だろう。 サーリフの白い羽根を 無性にその背から落としたくなったのは。 ただ、その衝動から逃げる為だけに 俺は湯煙に紛れて姿を消した。 [〆] 【感情取得:嫉妬(-)>サーリフ】 (61) kintoto 2021/09/19(Sun) 12:45:13 |
死神のジン ナディルは、メモを貼った。 (a27) kintoto 2021/09/19(Sun) 12:59:12 |
【人】 死神のジン ナディル>>32 ■ドラマシーン 2d-@:秘密取得>シャフリヤール --- 何服目の煙だったか。 ぽわ……と吐いたあとを追うように シャフリヤールの右眉が上がった。 『──貴様、なぜ此処にいる?』 フ、と笑って、知らんよと返す。 「ある日、唐突に流星に撃たれた。 誰からも何処からも沙汰など有りはしない。 こちらが聞きたいくらいだ。」 『──貴様の『罪』は、何だ?』 「そうだな…、此処に堕ちたからには 我にも罪は有ろうな……。」 誤魔化そうかとも思ったが、 隠すほどのことでもないかと思い至る。 すう……と甘い煙を咽んで、ゆっくりと吐いた。 (87) kintoto 2021/09/19(Sun) 17:36:42 |
【人】 死神のジン ナディル>>87 「…… 怠慢の罪 だそうだ。」幸せの運び手なれど…一度たりとも真の意味で 人を、幸せを、知ろうとしなかった。 自らの手で触れもせず、 表面だけを撫で遊び、真実から目を背け、 挙句自分の姿すら知らない。 ───それが、あんたの罪よ。 ラナーの声が俺を刺す。 幸せの運び手……そんな善いものだったのだろうか。 目の前の靄を払うように首を振る。 今更それを悔いたとして、何になる。 怠惰はジンの性質のひとつ。 勤勉なジンなど世に在ろうか。 「……で? シャフリヤール、お前の罪は何なのだ。 対価を払わぬことはあるまい? 桃の香が薄れる前に、腹の内を開け。」 まだ、宴席の灯は点されたばかりだった。 [パス] (89) kintoto 2021/09/19(Sun) 17:42:31 |
【人】 死神のジン ナディル■ドラマシーンA 絆取得 ■相手:アルバリ ■場 所:タウンの外※任意可 成否判定:(5)(4)2d6(+1) (90) kintoto 2021/09/19(Sun) 17:52:37 |
【人】 死神のジン ナディルわかっていたはずだろうに。 それでも、もしかしたら、と望んだのだろう。 ラナーの落胆には胸が痛んだ。 いいのよ、と明るい声が宙に浮いて、 それでも光の中に立つラナーは『天使』だった。 『あたしは、あんたがあんたである事を、尊いと思うわ。』 声まで眩しく聞こえるようなことを言う。 (92) kintoto 2021/09/19(Sun) 18:01:52 |
【人】 死神のジン ナディル>>92 ──俺が俺であること。 怠惰故に人間を理解できず 天使でない故に人間を導けず 人間でない故に人間に交われず 神の怒りに射貫かれた無様な精霊。 神の子故に穢れに馴れず 人の子故に欲を御せず 器ゆえに自身を知らず 全く不完全な聖杯。 (93) kintoto 2021/09/19(Sun) 18:03:55 |
【人】 死神のジン ナディル>>93 こんな俺でもラナーは好きだという。 ラナーの願いも叶えられないのに。 『ね…ナディル、おねがい。』 そんなふうに笑わないでくれ。 ラナー、俺は此処にくるまで知らなかった。 天使の願いは叶えられなくても 天使の願望は視えるんだ。 ラナーとサーリフの願望はふたりとも同じ ───淡く薄い水色の勿忘草の姿をしていた。 [〆] (94) kintoto 2021/09/19(Sun) 18:07:32 |
死神のジン ナディルは、メモを貼った。 (a53) kintoto 2021/09/19(Sun) 18:42:17 |
【人】 死神のジン ナディル■ドラマシーン(F) 絆取得 ■相手:ファルーサ ■場 所:闘技場※任意可 成否判定:(6)(4)2d6 (108) kintoto 2021/09/19(Sun) 20:27:52 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新