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【人】 宵闇 迅[露天風呂へ向かった妹を見送って、 背の後ろについていた腕を、 だらしなく座卓に投げ出して肘をついた。 頭を支えているのも億劫で、曲げた肘に挟まるように 座卓に凭れて目元を覆うと、そっと目を閉じる。 雪の降っている場所は静かだ。 そっと耳を澄ませれば、ひとの気配と、 遠い水音さえ聴こえそうなほど、 穏やかな時間が横たわっている。 電話で声を聞いていても、 記憶の中の声は、いつだって幼かった。 おにいちゃん、と舌足らずに呼ぶ、つたない声色。 突拍子もないことをしては兄の肝を冷やし、 心を温め、飾らない笑顔を連れてきてくれる] (24) 2021/01/08(Fri) 22:15:08 |
【人】 宵闇 迅[ふと気を抜いた時にやってくる追想はいつだって涙で終わる。 痺れを切らした母親に抱えられて遠ざかっていく、 肩越しに目一杯手を伸ばして、くしゃくしゃの泣き顔で。 彼女に笑顔を覚えておいてほしかったぶんだけ、 自分はあの顔を覚えておこうと思っていた。 無力だったこと。 恩知らずと言われようが、背を蹴り飛ばしてでも、 腕の中に引っ張り込んでやらなかったこと。 あの子のヒーローで、いてやれなかったこと。 ――けれど。 成長した面差しが重なる。 泣いてはいなかった。 相変わらず、くるくるとよく変わる表情と、 未だに突拍子もないことをしかねないあやうさと、 変わらないあたたかさと、掛け値なしの笑顔を連れて。] (25) 2021/01/08(Fri) 22:15:18 |
【人】 宵闇 迅[今の自分なら、夢を現実で書き換えてしまうことだって出来る。 ここと同じように雪は降らないかもしれないし、 きっとはてなあじのゼリーもないし、 あの気の抜けたマスコットも居ないだろうけれど。 温泉、というワードだけが重なるお隣の県の宿ででも。] うん、 [ぺたり、と触れる手は温かい。>>14 閉じていた目を開けて、浴衣に着替えた妹を見る。 思考の波打ち際は微睡みによく似ている。 数度目を瞬いてから、にへら、と笑い返した。] 黒が映える。 似合ってるね。 [座卓を押しやって、足の間を叩いて招く。 ポケットを漁った時に、ヘアゴムを見つけた。 あんまり凝ったことはできないけれど、 編み込んで結い上げるぐらいなら、今でも出来るから*] (26) 2021/01/08(Fri) 22:15:58 |
【人】 宵闇 迅そうだね……いや、足を呼びますよ。 そのほうがおれがゆっくりできる。 ほとんどバイクですしね、おれ。 [頷きかけて、少し考えてからゆるく首を振った。>>27 運転しながら、助手席の妹とふたり、でも構わないが、 後部座席に並んで座ったほうが気兼ねなく話もできる。 ――あと、運転は荒いとダメ出しを貰ったこともあるし。] 旅行に行く予定でもあったと? [不思議な話ではあったけれど、 そもそも扉を開いて以下略の時点でもう最大級だ。 準備してた荷物が出てきたのだろうか、と すんなり受け止めて、 そうして多少の戯れを重ねてから見送った] (59) 2021/01/10(Sun) 14:05:34 |
【人】 宵闇 迅うん、 [するすると指の間を滑る髪を編み込みながら、 あのね、と呼びかける声に相槌を。] うん。 [――似たもの兄妹だなあ、と、吐息だけで笑って、 編み込んだ髪をまとめて、ヘアゴムで括ってからお団子に。 簪でもあればいいんだけれど、と少し顔を引いた時に、 視界の隅に銀色の簪を認めて、先程の妹の話に得心する。 そっとそれをさして、できあがりだ。*] (61) 2021/01/10(Sun) 14:06:36 |
【人】 宵闇 迅真里花が可愛くないときがないからね。 似合ってますよ。 [軽い音を立てて胸元に飛び込んできた妹を抱きとめ、>>68 着付けを崩さないように背を撫でる。 指先でさした簪を揺らせば、細工がしゃらりと鳴った。] 先は丸かったけど、 頭に刺さらないように気をつけるんですよ。 畳に寝転んだりしたら、引っ掻いちまうかもしれんから。 [わかってはいたが、細い。 成長途上であるということを差し引いても。 膝に乗せて、背を撫でながら寝かしつけたことを思い出す。 大した重さでないとはいえ、次第に痺れてくる足も、 妹の安らかな寝顔で全く気にならなくなったことを。] (74) 2021/01/10(Sun) 22:16:45 |
【人】 宵闇 迅[徹夜明けで、寝る前にシャワー、というタイミングだったから。 それに、女性は近しい男性親族の匂いを嫌うというけれど。 離れるまでは好きにそうさせておくとして、 身を起こすなり、微睡むのならそのタイミングで] さて、それじゃあ、おれも浴びるかな。 ――あのマスコットのビビッドカラー浴衣しかない、なんて ことになったら、同じのを選ぶので。 [おそろいでもいいなんて戯れを引き継いで戯言を。*] (75) 2021/01/10(Sun) 22:16:55 |
【人】 宵闇 迅 ―部屋に帰りたい(心からの叫び)― [思わず題字になるほどには寒い。 降り積もる雪を心底、ウワァ、という顔で見上げて、 ただ、晴れ間でないだけ気分はいい。ひたすら寒い。 鳥肌が立った腕をさすって、 修行もかくやといわんばかり、勢いよく掛け湯をしてから、 端の方にずるずると身体を滑り込ませた。 尻の下で少しぬるついているのは泉質によるものだろうか。 ほかほかと立ち上る湯気に蒸されている気分だった。 室内にいるときも思っていたが、 雪が降ると本当に静かだ。 水面を打つ源泉と、自分の身動ぎでたつ水音しかない。 地元では雪なんてそうそう降るものじゃない。 降ったとして、積もることなんて稀だ。 よくて地面に残っている程度。山間部は多少積もるようだが] (80) 2021/01/10(Sun) 23:28:09 |
【人】 宵闇 迅[だらしなく預けた首を逸らして、空を見上げる。 切り取られた景色は十分非日常を示しているのに、 髄まで染み渡るようなお湯の温度だけはいやにリアルだった。 思考に暗幕を下げられたように鈍る。 ――静かすぎるのは実際のところ、あまり得意でない。 ただ、辺りに漂う空気感が、そっと自罰に蓋をする。 無心で雪が踊るのを眺めながら、 手足を投げ出して暫くそうしていた] (81) 2021/01/10(Sun) 23:28:20 |
【人】 宵闇 迅 ―長風呂(当社比)― [烏の行水とは呼べない時間ではあったけれど、 それでも身綺麗にして室内に戻ってくるまでの時間は、 世間一般でいうところの長風呂には当てはまらないだろう。 ビビッドカラーのマスコット浴衣、は、 幸いか生憎かなかったので、 黒地に流水柄のシンプルなものを選んで身につけた。 芯まで温まれば、普段から血行が悪いと揶揄される顔色にも 僅かばかり血色が戻るというものだ。 これで肩凝りが多少マシになればいいのだけど、と、 軽く肩を回しながら、自分のポケットに入れていた荷物を 引きずり出して、もう一度露天にリターン。 ――流石に妹が居る室内で、受動喫煙させるのは頂けない。 ここが禁煙であるかどうかよりそちらのほうが重要だ。 携帯灰皿を片手に、慣れた手付きで火を灯す。 冷え切ってしまう前に戻るけれども、 こればっかりはルーティンとして譲れないので。 いつもより手早く一服を済ませてから、漸く。 室内に戻って、片手をあげた。流石にもう畳とは決別したろう] (82) 2021/01/10(Sun) 23:28:32 |
【人】 宵闇 迅うん、汗が出そうだ。 ずっとシャワーで済ませてましたからね、 [雑にタオルで水気をきっただけの髪をかきあげて、 ゆったりと畳の上に腰を下ろす。 いつもは細身のジーンズばかりの足が、なんとなく心許ない] ここはずっと、雪が降ってるんですかね。 湯に浸かるまでの間で凍死するかと思いましたよ。 [眠いと温かいと寒いと心地いいとで、 わりと変な方向にハイになっている自覚はある] (101) 2021/01/11(Mon) 14:50:07 |
【人】 宵闇 迅[すごく多い。 もう一度言おう。 す ご く 多 い え、これ食いきれんばい、と思わず真顔になった。 旅館ってこんなに出てくるのか、と思わずしみじみした。] ……まあ、食べましょうか、 [既に満腹である。気持ちの問題だ。 好きなものからお食べ、と見守り姿勢になるのもやむなし。 まあ、妹よ、兄はここまでです。*] (105) 2021/01/11(Mon) 15:42:14 |
【人】 宵闇 迅零しちまったら行儀が悪いですからね。 ……まあ、おれ相手ならいいですが、 あんまりよその男にもやるんじゃねぇですよ。 [あーん、を終えたあとについつい小言が出るのは、 実父の代わりという名の兄心だ。 そこまで危機感を失っているとは思わないが、 そして兄だからこその空気感というのもわかってはいるが、 言わずにはおれないものなのである。 釘はさしておくに越したことはない。 そのほうが、安心して友人どもにお披露目できるし、とは。 ――若干の下心。 無論、妹以上に、あちらには百倍くらい釘を刺すとも] (120) 2021/01/11(Mon) 22:32:17 |
【人】 宵闇 迅おまえの年なら、よっぽど毎日食べすぎなけりゃあ充分。 変にダイエットなんてやるのはやめなさい。 身体を壊したら元も子もない。 それより、運動の習慣をつけておくことです。 [ほわほわと幸せそうに平らげていく様を見ていれば、 ついついこちらも笑顔になるというもの。 食べる量はまあ、こちらは控えめではあるが*] (121) 2021/01/11(Mon) 22:32:23 |
【人】 宵闇 迅ふむ。 [ちいさいがいっぱい、は確かに。>>122 小さい頃から、真里花のすきなもの、だった。 白いスケッチブックに、大きいものをひとつ、ではなく、 ちいさいすきなもの、をたくさん描く。 ――その頃から、女児の趣味嗜好は形成されているのか、と、 妙に納得しつつ。] ごま入ってましたか。 [入ってません。あいにくながら。] ……まあ、おまえは女子校ですしね。 ただ、大学にでも入れば共学でしょうよ。 [機会がない、はノーだ。>>123 気づいていないだけで、それこそそこいらにあるのだ。 高校〜大学にかけての、男の生存本能(オブラート)は、 凄まじいのである。そしてそこから抜け出せない輩も] (128) 2021/01/11(Mon) 23:17:46 |
【人】 宵闇 迅……兄が音楽やってるからって、 変なバンドマンに引っかかるんじゃねぇですよ、マジで……。 ファン食うようなやべーのが、 普通の男の顔して紛れてやがりますからね。 [自分も誇れる恋愛遍歴をしているとは言い難いが、 少なくとも連中よりはマシだ。 あれは満腹中枢ぶっ壊れたハイエナである。] (129) 2021/01/11(Mon) 23:18:00 |
【人】 宵闇 迅[まぁ些か食事時の話題ではなかったかもしれないが、 それ以外にも料理に対する感想であったり、 近況だったり、ぽつぽつと会話を楽しんでいれば、 あれほど大量に見えた料理も、ちょうどよく胃袋に収まる。] まったく、胃に悪いですよ。 [呆れたふうを装うのは言葉だけだ。 声色は穏やかなまま、 布団を引き上げてきっちりと肩までかけてやる。 少し考えてから、土産物は枕元に置いて、 そっと簪を引き抜いて土産の袋の上に置いた。 並んで敷かれた布団の片方に身を横たえて、 肘をついて半身を起こしつつ、手を伸ばしてそっと肩を叩く。 とん、とん、と。寝かしつけるリズムで*] (130) 2021/01/11(Mon) 23:18:07 |
【人】 宵闇 迅 ―奇跡からの”おはよう”― [瞼に刺さる光で目を覚ます。 数度の瞬きの後、輪郭を取り戻した視界には、 作業途中で保存されたDTMソフトの画面が映っていた。 ゆめ、と声もなく呟いて、眉間の皺を解すように指を当てる。 随分リアルな”夢”だった。 ともあれ、現実でもちょうど シャワーを浴びようと思っていたところだったし、と 立ち上がって、ふと足が真下にあったビニール袋を蹴る。] ……これ、 [蹴っ飛ばしてしまったそれからは、 ――ちょうどはんぶんこ、された土産物が転がり落ちて。 せんべいを踏み割ってしまわないように、丁寧に拾った。 行きが突然なら、きっと帰りも突然だ。] (139) 2021/01/12(Tue) 0:14:57 |
【人】 宵闇 迅[時計を見る。 鼻先を擽った温泉の香りを鑑みるに、 今更シャワーを浴び直す必要もないだろう。 きっともうすぐ、電話が鳴るだろうな、と。 予測したのと、着信音が響いたのと、どちらが先だったか。 その時は、] おはよう、真里花、いい夢見ましたか。 [太陽の位置なんてそっくり無視して、 そんな言葉から始めようか*] (140) 2021/01/12(Tue) 0:15:04 |
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