【人】 修理屋 一二三[狐面の店主が浮かべた斜め上の勘違いを知ったら、 俺と九朗は真逆の反応をしていただろう。>>23 苦いものを噛んだ顔と、よく分かってねぇって顔だ。 九朗とつるんで長いせいかお互いに言葉を端折るもんで、 昔から周りに勘違いをさせることがままある。 俺としてははなはだ不本意ではあるし、 時と場合によっては九朗の方が悪乗りするんで、 行商人の勘違いは知らないままでよかったんだが。] 赤と桃か… どうなんだろうなぁ? 子供の好みってのはいまいちよく分からねぇや。 [こういうのは九朗の方が得意だろう。 そう思って隣を見れば、 行商人の勧める飾りの方を熱心に見比べていた。] (34) 2022/10/04(Tue) 22:12:18 |
【人】 修理屋 一二三ん? あぁ、俺はいいさ。 こいつならともかく、俺の方はなぁ… [元々女顔の九朗ならともかく、 四十を過ぎた男が髪を飾るのも…。 そう言って狐面の娘の提案を断るが、 俺の隣ではすっかりその気になった九朗が 桃色と白、紫と黒の飾り紐を選んでいた。] (35) 2022/10/04(Tue) 22:12:49 |
【人】 修理屋 一二三「「それとこっちの蜻蛉玉がついているものと、 このガラスの猪口もふたついただけますか?」と 飯屋に着く前にいそいそと荷物を増やしている。 っと、うっかり見ている場合じゃねぇな。] あー、悪いが飾り紐は別にしてくれねぇか? 会計は全部こっちで。 桃色のと猪口だけ包んでくれ。 [値段を聞いた九朗が財布を出す前に口を挟んで、 俺の方でさっさと支払いを済ませることにした。*] (36) 2022/10/04(Tue) 22:13:58 |
【人】 修理屋 一二三[狐面の娘が広げる露店で支払いを済ませた後。 そろそろ飯を…と思った俺の腕を、 今度は九朗が引いて歩く。 そうは言っても、 九朗に腕を引かれて歩く速度や歩幅を急だと思わない。 はやる九朗の気持ちが上乗せされてる分、 普段より少し早いくらいだ。 それくらいならまだ両足の義足は 機嫌よく重心を移動させながらこっちの意をくんで 素直に歩いてくれる。 それはつまり、そんだけこの義足を作った 職人の腕がいいってことなんだが。] (41) 2022/10/04(Tue) 23:13:01 |
【人】 修理屋 一二三九朗、今度はどっち行くんだ? [人の往来を横切るように通りを歩いていく。 俺と九朗は知るはずもねぇが、 その道筋はしばらく前に同じ露店で買い物をした 澤邑さんと同じもんだった。 つまりは行きつく先も同じってわけで。 店の外にまで席を広げて甘味を振る舞う うさぎ堂へ辿り着いた。 店の名の通り薄桃色をした兎の面を付けた娘が ぴょこぴょこと愛想よく働きまわる姿は 見ているだけで目が回りそうだが。 元気がある分楽しそうでもある。] (42) 2022/10/04(Tue) 23:13:13 |
【人】 修理屋 一二三「すみません、まだ月見団子はありますか?」 [昨日の今日で。 ここへ来てまた団子を買おうとする九朗を お前団子に恨みでもあるのかよと冗談めかして見れば 「来年の参考にしようと思いまして」 なんてしれっと言いやがる。 姪っ子に袖にされたこと、 まだ根に持ってるんじゃねぇか。**] (43) 2022/10/04(Tue) 23:13:32 |
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