人狼物語 三日月国


88 灰色うさぎと紫うさぎの新生活

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【人】 イウダ


 俺としちゃ、「彼ママとの初対面」ってテーマで紫亜がどんな格好すんのか、そっちのが楽しみだな。

[単なる顔合わせ、それも実家ということもあり、卯田の方はスーツではなく普通のシャツとスラックスで行くつもりだ。
靴だけ二人で選んだオーダーのものだが。
意気込みを見せる彼女は果たしてどんな服装だろう。
何度でも言うが、何を着ても可愛いので、恐らく一目見た時の感想は「可愛い」で決まりだろう。

食事は宅配の寿司を取ったと言っていた。
しょうゆが服に散る恐れがあるから出来れば避けて欲しかったが、そういうことも気軽に言えないのがこの親子だ。
気をつけて食べてもらうしかない。]
(14) 2021/08/19(Thu) 22:51:26

【人】 イウダ


 土産は駅前でシュークリームでも買っていこう。
 日持ちするもの買ったところでどうせほぼ家にいないんだし、その場で食えるモンの方が食ってもらえる。

[そうやって打ち合わせる。
実家に顔を出すのは昼前だ。
そんなに早起きはしなくても良いが、寝坊し過ぎても良くない。
今夜は「2回戦」は控えた方がよさそうで、その点でも卯田は両親を面倒に思ってしまった。*]
(15) 2021/08/19(Thu) 22:51:40

【人】 イウダ

[卯田にとって織戸家の方が家族という感覚がある。
それはこれまでに何度も言ってきた。
その位、両親とは没交渉なのだ。
反抗期になるタイミングすらないまま大人になった。

そんな自分にとって「薄い」つながりの人々のことも、紫亜は大切に考えてくれる。
卯田を放っておいたと怒ることもなく、ただ「放っておかれた」という感覚が奥底に眠ったままの卯田の心を包むように、温かい手が重ねられる。]


 ……紫亜のそういうところ、好きだよ。


[実家への挨拶を強く希望したのは紫亜の方だ。
その希望の元には、そういう考えがあったのだと知る。]
(19) 2021/08/19(Thu) 23:59:12

【人】 イウダ

[そしてその包容力にホッとしたのも束の間、服装に迷いだす彼女を見て、今度は「ふはっ」と声に出して笑った。]


 そーいうところも好きだよ。


[洋服が好きで、たくさん持っているからこその不安というか悩みというか。
卯田は紫亜が何を着ても可愛いと思っているので、意見を求められてもまったく戦力にはならない。]


 いや、特に好んでる記憶はないけど、
 シュークリーム食えないなんて特殊な好み持ってたら逆に記憶に残ってる気がして。
 そんな記憶はないから多分食える、程度だよ。

 お中元やお歳暮は、礼状書く為に一度開封はされるけど、あの人たちが調理したり食ったりしてんの見たことないなあ。
 

[「ごちそうさま」も二人合わせて。
食洗機は買ったが、今日は話をするがてら、二人で並んで洗い物をしようか。]
(20) 2021/08/19(Thu) 23:59:31

【人】 イウダ


 いや本当そんな話せるような思い出も特にないんだけど。
 特に父親の方は顔も声もうろ覚えで……
 母親は飯が不味かったって記憶しかない……


[それでも話すうち、幾つかの記憶が呼び起こされた。

誕生日とクリスマスは必ず「予め予約した」ケーキが用意されていたこと、
外食で色んなレストランに行ったから、幼年期に舌が肥えたかもしれないこと、
卒業式はいなかったが入学式は両親がそろっていたこと、

などなど。
つらつら。

片づけが終わって風呂に行くまでの間、紫亜に出会う前の「自分」を説明した。
彼女は聞き上手だから、きっと他の人では引き出せなかった話もあったことだろう。**]
(21) 2021/08/19(Thu) 23:59:50

【人】 イウダ

[挨拶に行く前から顔も人となりも知られていた卯田ですら、改めて紫亜の両親に挨拶に行くのは緊張した。
会ったことのない紫亜の緊張はそれ以上だろう。
事前に好みなどリサーチ出来れば幾分和らいだかもしれないが、残念ながら息子の卯田ですら自分の両親の好みはわからない。]


 自然体の紫亜で大丈夫だよ。
 食事作法も普段の立ち居振る舞いも立派なお嬢さんだ。

 もし何かしら合わないって思ったら、そのまま俺みたいに疎遠になれば良いよ。
 会いに行かないからって嫌味を言うような人たちじゃないってことだけは言えるから。


[果たしてその言葉は彼女の気持ちを少しでも軽くすることが出来ただろうか。]
(27) 2021/08/20(Fri) 19:37:16

【人】 イウダ

[朝のアラームで目が覚めて、傍らの肢体を抱き締めようと思って伸ばした手は空を切り、彼女が早くに起きたことを知る。
支度でギリギリまで悩みたいだろう彼女の邪魔にならないように朝食を用意する。

にんじんの千切りに酢とオリーブ油、塩コショウをしてキャロットラペを作る。
食パン2枚にマーマレードを塗り、片方に薄く切ったクリームチーズとキャロットラペを乗せたらもう一枚で挟んでホットサンドメーカーで焼き上げる。
半分に切ってそれぞれの皿に置いた。
小さなプレーンオムレツは、プロの料理人の技。
千切ったレタスも合わせて一皿に展開したら、紅茶を淹れて紫亜を呼んだ。]

 ん、今日も綺麗だよ。
 落ち着いた色合いだし、膝丈ギャザースカートは男のロマン。
 あと、その髪型、俺はすごい好き。

[結局主観丸出しの感想となる。
選ぶスカートの色がグレーなんだなと、自分のトレードカラーを見つけて嬉しくなった。]
(28) 2021/08/20(Fri) 19:37:37

【人】 イウダ

[卯田家は織戸家よりはこじんまりしている。
両親ともにあまり家にいないので、広いと管理がしにくいというのが理由らしい。
両親の仕事や給料を詳しく聞いたことはないが、二人ともスーツはいつもオーダーしているらしいから、それなりに稼いでいるのだろう。
服に関しては紫亜の方が詳しいので、母親との話題に出来るかもしれない。]


 ただいま。久しぶり。
 えーと此方、電話で話してた……


[リビングには数える程しか座った覚えのないソファが向かい合う形で置いてある。
まるで応接室のようだと思ったが、どうやら母の仕事の関係で来客がよくあるので、応接室という印象もあながち間違ってはいないらしい。

上座に並んで座り、紹介しようとしたら、その先は紫亜自身が言葉を継いだ。]
(29) 2021/08/20(Fri) 19:37:55

【人】 イウダ

[両親は黙って彼女が話すのを聞いている。
いつものことだが、明るい家庭で育った彼女には少し冷たい印象を与えてしまうかもしれない。
安心させるように、膝上で震える手に手を重ねた。

『織戸さんには昔からよくお世話になっています。
その上お嬢さんも頂くなんて、基依は幸せ者ですね。』

父親が織戸家のことを知っていたのは意外だった。
母親以上に自分に興味がないと思っていたから。
どうやら入り浸っていた当時、織戸家に卯田がいるというのは母親に連絡が毎度あったらしく、母親から父親にも話が行っていたらしい。
(当時はクラス連絡網というのが存在していた。)

あまりに頻繁なのでお金を包んだこともあったそうだが、受け取っては貰えなかったという。
それでは申し訳ないと裏で何度か菓子折りを持っていたことを卯田自身も初めて聞いた。

「放っておかれた」訳ではなかったのだと、大人になってから知る。

『基依のことをよろしくお願いします』

二人揃って両親は頭を下げた。
夫婦仲は良くも悪くもないと思っていたが、長年連れ添っただけあって、その角度や時間まで揃っていた。]
(30) 2021/08/20(Fri) 19:38:58

【人】 イウダ

[元々口数の少ない両親だ。

『上手く話せなくて申し訳ない』と言った後も、静かに土産のシュークリームを食べていた。
ソファの間にあるテーブルに置かれた飲み物が缶コーヒーなあたり、相変わらずだなと思いながら、双方が気まずい時間を長引かせないように早目に切り上げた。]


 ……紫亜、ありがとな、今日。


[帰り路、繋ぐ手が自然に振れる。]


 嬉しかった。
 ――支えあっていこう、これからも。


[駅へと戻る足取りは軽い。**]
(31) 2021/08/20(Fri) 19:39:25

【人】 イウダ

[普段は紫亜をお喋りだと思うことはない。
比較対象がずっと一緒に働いてきた宇張や御園、常連客の野葡萄なので、彼女らと比べてお喋りだとどれだけだよ、という話だが。
卯田といる時は比較的口数も多いが、それでも会話が途切れることがあり、その途切れている間の沈黙も心地よいのが紫亜の魅力のひとつだと思っている。

今日の紫亜は饒舌だった。
内容はすべて普段の自分の様子――それも「恋人フィルター」を通してのものだったから、どうにも照れくさい。
視線を泳がせると、父親の耳が赤いのが見えた。
息子についての惚気は父親も照れくさいのか。
共通の話題で照れていることが何だかおかしくて、下を向いて笑いを堪えていた。

人見知りの彼女が初対面でこれほど喋ること、精神負荷が掛からない筈もない。
帰って早くのんびりさせてやりたい。]
(37) 2021/08/20(Fri) 22:30:37

【人】 イウダ


 本当に喋んない人たちだったろ。
 菓子折り持ってった話なんて、俺だって初めて聞いたからな。

 気ぃ遣わせてずっと喋らせて悪かった。
 疲れたな?


[絡んだ指の間を擽るようにわきわきと曲げた指で水かきを擦る。
「おふざけ」が戻ってきたことで、嗚呼自分も緊張していたのかと自覚する。]
(38) 2021/08/20(Fri) 22:30:50

【人】 イウダ

[スーパーで食材を買い足しても、アイスはコンビニが上手いという理由で寄り道した。
勿論アイスだけではなく、「同棲」の内は必需品のアレも買うのだが。
最近のコンビニにはセルフレジも導入されているのでますます買いやすくなった。]


 なに?タウン誌?


[買い物を終え、雑誌の陳列棚の前にいる紫亜を迎えに行くと、彼女の手にある雑誌には花火の写真が載っていた。
毎年店にも浴衣姿の客が多く訪れる時期だなと苦笑する。
シーズン中はとにかく忙しいし、汁が飛び散らないメニューなど気を遣うことも多い。]


 花火大会、は無理だけど……
 あー、この最終日は昼シフトで上がってそのまま盆じゃない盆休みだから、花火だけは間に合うかも。


[屋台は店じまいのところもあるかもしれないし、ゆっくり見回れないかもしれないが。]
(39) 2021/08/20(Fri) 22:31:05

【人】 イウダ

[嘆息する彼女を見て眉を下げる。
こういう時はどうしても寂しがらせてしまうなと、イベント事でプライベートを優先できない職種特有の悩みが胸を刺す。]


 この位置なら、マンションからも見れるかも。
 もし仕事が長引いたらベランダから花火を見ようか。
 酒とつまみ用意して……

 ……浴衣見たい。なー?


[温泉旅行の時の彼女の浴衣は本当に似合っていて美しかった。
はだけた時の艶めかしさも――これ以上思い出したら下半身が危ないので止めておこう。*]
(40) 2021/08/20(Fri) 22:31:52

【人】 イウダ


 俺の事を説明するのに、紫亜以上に上手く言ってくれる子はいないよ。
 だろ?

 親父と顔が似てるってのにも今日気づくくらいには向き合ってこなかったからな。
 あの人たちが「楽しい」って思ってたかどうかまで、自信持って言えないんだけど。
 自分たちが知らない俺のことを知るのを嫌がってる感じは無かったから、まあ、
 「顔合わせ」は成功って言えんじゃないかな。

[指先を丸めた抵抗に、此方もくすくす笑う。
こんな何気ない戯れが幸せで堪らない。

誓わずとも毎日幸せだと確信している。]
(44) 2021/08/20(Fri) 23:26:19

【人】 イウダ

[彼女の表情が一瞬で輝いて、胸がきゅうと鳴る。
この表情を見られるのなら、疲れなんてどうだって良い。]


 遠くまで歩いてとか人混みに行くのは仕事終わりはキツいかもだけど、家で二人きりならな。


[交代で盆休みを取る関係で、その前は10連勤だ。
流石に疲労は溜まっているだろうが、近所の祭りでまだ開いている屋台のちょっとしたものを買って、花火はマンションから見るスケジュールなら、無理なく行ける気がする。

自宅でかき氷も花火を見ながらだとより風情が出るだろうし、野外フェス用に買ったけど不要になったと友人から譲り受けた折りたたみの椅子をベランダに出して隣り合って見る花火はきっと忘れられない思い出になる。

楽しみだ、と頷いて。]
(45) 2021/08/20(Fri) 23:27:03

【人】 イウダ


 えっ俺も……?


[上目遣いにどぎまぎしてしまう。
浴衣は温泉で着て以来だ。もう着方など忘れてしまったし、そのものも持っていない。
ネットで買えるだろうか。]


 う〜〜〜〜〜〜〜ん……
 紫亜の浴衣見る為だ、俺も着るよ。


[帰ったら早速検索してみよう。

荷物は分け合って、空いた手で手を繋ぐ。
男に全部持たせるではなく、自然とそれを選択する紫亜が好きだ。

本当に――毎分彼女に恋をしている。*]
(46) 2021/08/20(Fri) 23:27:24

【人】 イウダ


[息子の自分から見ても、両親は口下手だと思う。
それなのに、自分の親だからともっと仲良くなることを考えている彼女の懐の深さに感心した。

新たな恋に臆病になっていた卯田の心を溶かしたように、紫亜ならば柔らかな早春のような温かさで両親が話しやすいと思える空気を作れるだろう。]

[彼女の中での「理想」は連れ立って会場で花火を見ることだったかもしれないが、代替案でもかなり喜んでいる様子だ。
言ってみて良かったなと思う。]
(49) 2021/08/21(Sat) 0:21:48

【人】 イウダ



 おう、採寸もな。
 着物って確か頸から手首までを計るんだよな?
 俺は背もあるけど、腕も結構長いし、ネットで見つかるかな〜。


[ネットでよくわからなければ実店舗にデートだ。
出来れば彼女の選ぶものと調和がとれているものが良いなとリクエストをする。

そこからは、屋台で買いたいものやおつまみで食べたいものなどの話をした。
行きよりも早く自宅に着いた気がする。**]
(50) 2021/08/21(Sat) 0:22:00
イウダは、メモを貼った。
(a5) 2021/08/21(Sat) 0:24:28

【人】 イウダ

[盆休みまでの10日間はあっという間だった。
連勤中は通し勤務が多く、また休暇を取る店員の分も働くということでかなり消耗し、紫亜とは一緒に夕食を取れないばかりか夜シフトの日は朝も起きられなかったりして、一緒に住んでいるのにすれ違いの日々が続いた。

連勤が始まる前に浴衣を買いに行っていて良かったと言わざるを得ない。
店に赴いた時には今ほど顔に疲労が色濃く出ていなかったから、黒とグレーのシックな浴衣が顔に良く映えた。
自分ならつい全面同じ色を選んでしまっていただろうから、彼女の見立ての絶妙さには感謝している。
併せて買った帯は自分でも結べそうなもの。
着付けは彼女がしてくれると言っていたが、自分で出来るに越したことはないと思うから。

彼女の方は店では気に入ったものが見つからず、ネットで探したと言っていた。
残念ながら選んだ時には見られなかったので、帰ってからのお楽しみだ。]
(55) 2021/08/21(Sat) 11:05:42

【人】 イウダ


 たっだいまっと。
 悪い結局夕方っつかもう夜だな。
 急いでシャワる――……


[走って汗だくでバスルームに直行しようとして、出迎えてくれた彼女の浴衣姿を見る。
パッと目を引く白い浴衣に泳ぐ、彼女を象徴する紫の蝶。
幸せを招いてくれるモチーフは、まとめ髪にもある。
温泉旅行で買ったものを身に着けてくれているのを見て、目を細めた。]


 すごく似合ってる。
 綺麗だよ。
 後で俺も着たら二人で写真撮ろう。


[かつては食事の写真しかなかったカメラフォルダには、今はツーショットも多く並んでいる。]
(56) 2021/08/21(Sat) 11:06:05

【人】 イウダ

[シャワーを浴びて着つけて貰ったら、窓の外はもう夜の帳が落ちていた。
慣れない下駄に素足を突っ込んで、彼女と手を繋いで祭り会場へと。
定番の焼きそばとベビーカステラを買っての帰路、折角だからスーパーボール掬いにチャレンジしてみたくなった。
どれだけ取れても上限は10個らしいが――]


 よーし、いざ!


[ポイを片手に意気込んだ卯田が取れたのは66個だった。]
(57) 2021/08/21(Sat) 11:06:21

【人】 イウダ


 ……結構イケたんじゃね?

[満足顔で10個をビニル袋に入れて貰う。]
(58) 2021/08/21(Sat) 11:06:59

【人】 イウダ

[戦利品を片手に、紫亜の手を片手にマンションに戻る。
少し急いで調理しないと花火に間に合わなければ意味がない。
メインは今買ってきた焼きそばがあるから、それと酒を先にベランダの脇に寄せたローテーブルに出して貰い、つまみを作り始めた。

まずは紫亜のリクエスト。
アボカドを二つ割にして中身をくり抜き、種を取ってボウルへ。
刻んだピクルスとスモークサーモン、レモン汁を入れて和える。
それを皮に戻した。

次に推し味噌蔵の商品「クリームチーズの味噌漬け」からクリームチーズを角切りにしてピンを刺す。
残った味噌にはマヨネーズを加えてディップソースにした。

サバの味噌煮缶を汁ごとボウルにあけて細かく潰し、すりおろしたショウガとにんにく、酢、ケチャップ、カレー粉で調味したサバカレーディップと合わせて3種のディップを楽しむ為に、スティック状に切ったきゅうりと大根、にんじん、コリンキー、軽く茹でたアスパラをグラスに入れる。
バゲットも置けば組み合わせだけで様々な味が楽しめる。]
(59) 2021/08/21(Sat) 11:07:11

【人】 イウダ

[ピクルスはディップだけと見せかけて、実は作り置きで根菜ピクルスも用意している。
茹でたレンコンゴボウ人参長芋を、煮沸消毒した瓶に入れたピクルス液に漬けて置いたものだ。
取り出してピンで留めればつまみやすい。

デザートのかき氷は一度食事を終えてからになるだろうか。
単なる氷ではなく牛乳と砂糖を混ぜたミルク氷を凍らせているから、今日はそれを削って上からマスカルポーネと生クリームを混ぜたチーズクリームをかけてココアパウダーを振るティラミス氷にするつもりだ。]


 お待たせ。
 間に合った?
 あーっ ビール飲みてー!


[出来上がった皿と共に、彼女がセッティングしてくれているベランダへと向かった。**]
(60) 2021/08/21(Sat) 11:07:30

【人】 イウダ

[腕をいっぱいに伸ばしてツーショットを撮ることにも慣れた。
いつもと違う格好に鼓動が速いのは此方も同じ。
温泉旅行の時には別の土地だったから気分も最初から開放的だったが、今は自分の生活圏内仕事上がりに着物でいることにどこかそわそわした気持ちになっていた。

スーパーボール10個は一度家に持ち帰ったが、羽出のところの弟妹がもしいるならあげようと思っている。
連絡だけ1本入れておいて、「花火大会おうち席」の準備に取り掛かった。]


 お〜サンキュー。
 じゃあ乾杯!


[グラスに注がれたビールは泡とビールの比率も理想的だ。
彼女自身ビールを飲まないのにこんなに綺麗に入れられるということは、これまで多くの酌をする機会があったのだろう。
社会人なんだなと、彼女の「大人」の部分を見つけて感慨深い気持ちになった。

ゴクゴクと喉を鳴らして1杯目を飲み干す。
唇の上に泡が残って、舌で舐めとるのもまた醍醐味だ。]
(66) 2021/08/21(Sat) 16:29:12

【人】 イウダ


 思ったよりよく見えるな〜。
 この部屋にして良かったかも。


[会場で見ていたら、これ程優雅に楽しめていたかどうか。
大根スティックにつけたサバミソカレーを食べて、我ながら上手くいったと口角を上げた。

花火の光に照らされた彼女の横顔や後れ毛が綺麗で、思わず花火より横を見てしまいそうになる。
食材を取る時にこっそりと盗み見るだなんて、童貞でもあるまいし、バレたら呆れられるかもしれない。**]
(67) 2021/08/21(Sat) 16:31:59

【人】 イウダ


 男前度が上がった?


[泡の白髭を指摘されたなら、舐めとる前に顎に指を当ててポーズ。
正直髭は似合わないから実際の髭は伸ばしたことはないのだけれど、お約束というやつだ。

「清涼飲料水」と変わらない缶ビールを数本開けても卯田は酔わないが、紫亜の方はチューハイが程よく回るようだ。
露わになっている白い頸筋がほんのりと赤みを帯びて、着物の白によく映る。

酒のグラスを傾けた後は、二人でそれぞれのおつまみを好き好きに摘まむ。
美味しいと相槌を打つ間もその声を消すように大きな音が腹に響いた。]
(70) 2021/08/21(Sat) 20:23:25

【人】 イウダ


 じゃあ来年からも同じ時期の休みを希望しなきゃな。
 大きな大会に一緒に見に行けないのは残念だけど、この祭りで特等席があるのはありがたい。


[家族が増えて引っ越す時も条件の一つにしてしまいそうな程、ベランダからの景色は最高だ。
人混みもなし、蒸し暑さも扇風機のおかげで和らいで、ゆっくり酒とつまみを食べながら遮るものなく花火を鑑賞できる。

今年は二人だけど――]


 この部屋からの花火が綺麗ってハネムーン中のあいつに送ったら、
 来年は夫婦でこっちに来るって言いだしたりしてな。


[その時には花火ではしゃぐ少年時代に戻ったような二人が見られるかもしれない。]
(71) 2021/08/21(Sat) 20:23:40

【人】 イウダ

[「おうち席」の良いところは、こんな風に花火を見ながらも気兼ねなく会話できるところにあるだろう。
義兄夫婦だけではなく同僚カップルも呼びたいところではあるが、自分が休みを取るという事は彼らは出勤という事なのできっと実現しなくて、それは少々寂しいなと思ってしまった。
人の気配のない家庭で育ったからなのか、自分はどうにも随分寂しがりらしい。

空は花火の影響で煙の雲が漂っている。
最初は間隔が開いていた花火も連続で上がるようになっている。

こうしてゆっくり花火を見ることがあまりないから知らなかったが、最近の花火はハート型もあるらしい。
その後にメッセージ花火も打ちあがって、夜空でプロポーズか……とどこかの男の想いが実ることを祈った。**]
(74) 2021/08/21(Sat) 21:29:40
 




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