【人】 よろず屋 シラサワ「そうなんよ。年一の稼ぎ時や言うのになぁ。 しゃあないから今年の土産屋台用の品、 馴染みさんに渡してもうたわ。 そっちの屋台で売ってもらえるようにてな。 "アタリ"か分からんかったから用意だけはしとったんよ。」 島民の間でモクレンに対して囁かれる噂もなんのその。 顔は広く、悪客でも無ければ平等に接している。 「…毎年ちゃあんと里帰りするんはえらい子やなぁ。 じーさんばーさん捕まって 『婿取れ』やら言われんかったらええけどな。」 五十鈴の悪態は祭りの雑踏に飲まれて届かなかったかもしれない。 そう言って男はモクレンの隣で笑った。 「舞手? あぁ、あれそうなんか。よう分かるなぁ。 俺は"舞が苦手"やさかい、よう分からんかったな。」 (14) 2021/07/20(Tue) 1:12:40 |
【人】 よろず屋 シラサワどうやらありがたい話、今の所挨拶をした島民は シラサワに偏見を持っていないようだ。 「せやねんなぁ、"これ"やとどうしてもな。 屋台主が途中で抜けるかもなったら許可できん言うてな。」 そう言って長い袖を捲り、ユヅルにブレスレットを見せた。 どうせ島民同士だ、隠すことは出来ない。 …まぁ儲からん言われても、本島戻る気ないんやけどな。 「言うて、元からうちの店にあるもんを 欲しい言うヒトに売るんはなんも言われへんやろ。 旦那はんにも、入用あったらよろしゅうてな?」 (15) 2021/07/20(Tue) 1:28:36 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>2 >>19 「せやなぁ、ま、三日の辛抱や。 言うても島が潤えば廻り廻ってそのうちこっちにも 入って来るさかい、悪い事だけやあらへんな。 その為にも、旦那はんとこも儲けてもらわんとな?」 首を振るユヅルに朗らかに答える。 言ってしまえば経済循環で、この祭りで島が潤えば、 終わった後に消費が増えるだろうという見込みだ。 そう思わんとやってられんのもあるけどなぁ。 「所で、ユヅルはんはまだ若い思うんやけど、 島の外、出たりしようとかは思うてないんか?」 先程五十鈴を見た故か、ユヅルにそう話を振る。 眼鏡の位置を平手で直しつつ、一瞬だけ空を仰ぎ見た。 ありふれた表面的な会話はアザミに届くだろうか? 今も神狼の元暮らす島民たち。 そちらと目が会えば、男は朗らかに手を振り挨拶し、 ユヅルに『あちらはんは宿あるんやろか』 と、話を振ったりなどするだろう。 彼女をヒトで無きと思っておらず、偏見も無く。 (24) 2021/07/20(Tue) 9:54:35 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>25 >>27 「なるほどなぁ、確かに島外は色々とあるな。 気持ちはわからんでもないよ。うちも島に来た時は、 商売敵があんまおらんのに拍子抜けしたしな。 まぁ、代わりに伝手も無かったけどな。」 そう言って屈託無く笑った。色々あるにはあるが、 都会の喧騒や競い事は確かに無縁の土地だ。 「褒めても飴ちゃんぐらいしか出えへんで? 商いは笑顔が大事やからな。 まぁ、言うてまだ余所者扱いされることもあるんよ。」 大人しいええ子やわ。 ええ子は飴ちゃんあげよか飴ちゃん、いるか? どこからともなく飴を出しつつ片手の扇子を畳み、 それの先端で自分の頬を突きあげ、口角を上げて見せる。 「せやと思うんやけどなぁ。 …お、リェンはんが声かけに行ったな。」 可能ならユヅルとリェンの元に向かおうか、どうする? (28) 2021/07/20(Tue) 14:15:19 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>29 「沙華はんやないか。今年も本島からご苦労さんやなぁ。 吹き込むやなんてそないなこと言わんでなぁ、 単純に俺は気になっただけやで? 島の若者がな?」 沙華の割り込みにも屈しない笑み。 商売人は精神が柔くてはやってられないのだ。 それが例え年上相手だろうとも。 所でシラサワは181cmのそこそこの長身だが、 沙華はどれぐらいの身長だろうか? 168cmのユヅルと並んでいると差が目立つ。 「バレたなぁ、今年はうちの屋台出せんから言うて、 仕入れの方を事前に手伝ったんよ。 言うてちゃあんと島土産の方もやったで? 木彫りやら貝殻細工の屋台、あったやろ?」 まぁ"アタリ"なるまでは うちの屋台で売るつもりやってんけど。 「まぁその辺の量はおいおいな。 ……へぇ、沙華はんは分かるんか?」 未だ100年に一度と言われるのを 目の当たりにしたことの無い男はそう沙華に問いかけた。 (30) 2021/07/20(Tue) 15:42:05 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>31 >>33 >>34 「長はんが何考えとるかは俺も知りたいこっちゃやなぁ。 伝統で毎年のこと言うても、なかなかに独特や。」 元々外を知る身故の言葉でもある。 いやはや、ユヅルとシキの前で繰り広げられる言葉の応酬。 もしかすれば毎年の事なのかもしれない。 シキには見慣れぬ光景だろうが。 「商売人は強かでないと生きていかれへんからなぁ。 図太く生きるで? うちの商売の需要が、 この島にある限りはな。」 そんなことを言いつつ、沙華のブレスレットを見やる。 合わせるように見上げる二人に少し屈み、 己も長袖から自分のブレスレットを見せる。 「今年はようよう近い人間が"アタリ"やな。俺もやけど。 話、聞けるんならそのうち聞きたい所やなぁ、 情報かて価値あるもんやさかいに。 ユヅルはん、コラーダ好きか? 欲しかったら言うてや。 サービスするよう屋台に言伝ぐらいは出来るわ。」 (36) 2021/07/20(Tue) 17:12:41 |
【人】 よろず屋 シラサワ「…と、そろそろ夜が落ちるなぁ。」 顔を上げ、そんなことを呟くと、 シラサワは皆に別れを告げて歩き始める。 この男はおそらく自分の自宅兼店に居ることだろう。 (54) 2021/07/20(Tue) 20:54:27 |
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