人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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【人】 軍医 ルーク

 
  君に個人的に関わろうとするなって、
  念を押されたこともあるんだ。>>0:305
  仕事に徹しろと。
  いまにして思えば、
  わたしには知らされていなかったけれど、
  上の方もある程度は、
  君に対しての予測や警戒があるのかもしれない。


[ “天”の向こうには何者かがいるということは、
 知る者は知っている事実だ。
 第二研究所には、彼女がいた――カイキリア。

 最初の襲撃の際に現れた、
 身元が分からず極めて戦闘能力が高い、だれか。
 可能性としては、当然考えることだろう。
 彼もまた、天の向こうから来たのではないか――と。
 そうであるならば、治療の体面すらかなぐり捨てつつある、
 実験めいた検査の理由もわかる。
 到底、納得できるものではないけれど。]
(170) 2020/05/25(Mon) 21:01:58

【人】 軍医 ルーク

 
  “葬儀屋”が関わったところで、
   迷惑だろうってね。
  そのシロップ、ずっと作ってはいたけれど、
  きっと渡せないだろうと思ってた。
  でも、結局、ダメだった。
  関わらないようにするなんて、出来なかった。
  

[ 通信機を探しに行くときに、
 研究班に声をかけるやり方だってあったはずなのだ。
 あの研究馬鹿たちなら、捜索に加わる者もいたかもしれない。
 そのことに、思い至らなかった理由。
 真っ先に思い出したのが彼だった理由。
 司令直々に念を押されながら、従うことが出来なかった。

 自身の感情を理解するよりも先に、
 きっと、心が歩き出していた。]
(171) 2020/05/25(Mon) 21:03:11

【人】 軍医 ルーク

[ 通信機を探しに行ったときのこと。
 それを口に出すのは、やはり恐怖もあった。
 今はもう、何が引き金になるか分からない状態だ。

 それでも、状況も分からず手探りで立ち向かうことと、
 自身の状態について何らかの知識を持って臨むこと――
 どちらがより安定していられるだろうかと考えた。
 何より、他ならない彼自身のことなのだから、と、
 そう思って伝えることにしたのだ。

 ――重なるような鼓動の音が、
 先ほどまでよりも落ち着いて聞こえたことも、
 その理由であったかもしれない。
 
 それでも、痛む素振りで頭に当てた手に、
 咄嗟に息を呑み、手を伸ばす。
 頭に触れた手の上から、そっと添えるように。]
(172) 2020/05/25(Mon) 21:04:41

【人】 軍医 ルーク

  そうか、総司令に――
  あの通達は、それでか。

  あのひとは、多分、目的のために
  自分が必要で最適と判断したことは、
  きっと、何でもする。
  情がないとか感情で動くとか、
  そういうことはなくて、
  私利私欲で動くということもなくて。
  目的はきっと、“前線の死守”。
  先の先を考えていることも
  あるかもしれないけれど、
  そうだね、わたしにも、本音は見えない。
  

[ 総司令と関わる頻度は彼と似たり寄ったりだろうけれど、
 ここに来る前から多少の面識はあった。
 学問所にいたころの父の後輩だったと聞く。
 判断は下していない、というのなら、
 きっとその通りなのだろう。
 いつかその『判断』が下されたとき、
 それが承服できない内容であったなら――
 もう、目を閉じて耳を塞ぐようなことはしない。]
(173) 2020/05/25(Mon) 21:06:22

【人】 軍医 ルーク

  じゃあ、起こすときは念のために、
  とびきり苦い薬も準備しておく?
  びっくりして飛び起きるくらいの。
  シロップかあ。
  それで目が覚めるなら、
  どれだけ君は甘党だということになるな。
  ――考えとく。


[ そのとき何が起こるかということも、
 どうすればよいかも分からない。
 それでも、“手を握ってくれていれば”と、
 そう伝えてくれた言葉が。>>55
 今もこの足元に深く広がる、底のない不安と恐怖に、
 立ち竦みそうになる足を励ましてくれる。

 ひとよりはひどく遅い足だけれど、何処にでも行く。
 この手で出来ることは、何だってする。]
(174) 2020/05/25(Mon) 21:07:01

【人】 軍医 ルーク

[ 名前をタブレットで告げたのは、
 言葉で話そうとして、少しだけ躊躇ったから。
 いざ口に出すのが、どうしてか――
 そうだ、これは気恥ずかしいというやつだ。
 “大きな秘密”、“宝物”なんて言われて、
 実際にその名を口に出してもらったなら、
 泣きすぎて赤くなっていた顔が、またすこし、
 かっと赤くなってしまう。
 咄嗟に俯いたから、
 向こうも微かに顔を赤くしていたとは気づかない。
 それでも、やっぱり顔を上げて、]


  うん……、
  わたしも、普段通り呼ばれる方が慣れてるな。
  ありがとう、シュゼット。


[ 名前一つ呼んだり呼ばれたりするのに、
 どうしてこんなに心臓がうるさい。
 すこしだけ緊張したように、
 けれども嬉しそうに笑い返した。]
(175) 2020/05/25(Mon) 21:08:07

【人】 軍医 ルーク

[ ――記憶のこと。
 彼が考えていた内容は、自分も心の何処かで
 あるいはと思っていたことだった。>>120

 一番新しい日記に記されていた内容。
 零れた写真へと手を伸ばす、その姿は、
 他ならない“彼”のものであるように、見えたのだ。
 旅の中、朽ち果てた亡骸が握りしめていた一枚の写真。
 それを“大事な宝物”として持ち続けていたのは。]


  最初の機獣を君が倒したというのは、
  確かに、事実だと思う。
  公的な記録がそうなっているというだけじゃない、
  わたしの参照した残骸の記録とも、
  矛盾なく一致するから。
  君は、機獣とともに降りてきたのに、
  下にいたひとたちを殺そうとすることはなかったと、
  わたしも、そう信じたい――…
  ううん、信じている。


[ “信じたい”
 それは、“下にいたひとたち”を――
 父を殺したのが彼だったと、思いたくないから?
 もし万が一そうだったとしたら、
 自分はきっと、ひどく葛藤もするし、苦しみを感じる。
 それは否定が出来ないことだ。
 けれど、信じていると言った理由はそうじゃない。]
(176) 2020/05/25(Mon) 21:10:13

【人】 軍医 ルーク

[ あの日記に綴られていた言葉たちが、
 いまも強く語りかけてくる。
 感情がなかった彼が、はじめて強く感情を感じた、
 その瞬間の記憶。
 その記述を読んだ時に、貫くように胸を打った何かを、
 言葉で言い表すことなんて、できやしない。
 だから――信じている。]


  そうだね、きっと――
  君は、君だ。
  

[ 自分を信じてみる、と彼は言う。
 怖れを知らない勇敢さではないだろう。
 それどころか、怖がりなところもあって、
 苦手な薬にぷるぷると怯えてしまうこともあるくらい。
 自分が自分ではなくなるかもしれない恐怖だって、
 想像してもしきれないものだろう。
 怖さを知っていて、感じていて、
 それでも立ち向かう。
 ―― それは、本当の意味で勇敢ということだと思う。
 その真っ直ぐな眼差しに、目を細めた。 

 だから、自分ももう、逃げない。
 この先へと、歩みを進めてゆく。]
(177) 2020/05/25(Mon) 21:13:17

【人】 軍医 ルーク

  連絡手段か。
  うん、わたしも一応自室はあるけれど、
  あまり戻らないしな。
  どうしようか。


[ 首を傾げていると、ぺんぎんがくいくい、と
 彼の服の裾を引っ張る。
 まかせて、と胸を張った。
 胸を張る――というか、
 どこまで胸でどこからおなかなのか微妙な丸さであるから、
 おなかをぺんっと突き出したような体勢ではあるけれど。]


  ああ、どうか。
  基地の中ならぺんぎんに頼むといいんだ。
  こいつら、何かこう、
  独自のネットワークがあるから。
  手近なぺんぎんに聞けば、
  どこにこのぺんぎんがいるか、
  そう待たないうちに分かるはず。


[ 本当は、次にいつ会えるか分からないのは、
 ひどく不安でもあった。
 次に眠ればどうなるか分からないと、
 そう聞いてしまえば猶更だ。
 けれど、此処が前線基地で、
 互いにしなければならないことがある以上、
 ずっとこうしていることは出来ない。]
(178) 2020/05/25(Mon) 21:15:00

【人】 軍医 ルーク

[ 何かあったならすぐに駆け付けると、
 そう心に決めて。
 医務室を去る後姿が、角を曲がって見えなくなるまで、
 扉を閉めずにそこに立っていた。]


 

[ 敵の総攻撃の情報が、
 前線基地の総員に伝えられたのは、翌朝の事。
 攻撃の日は、  ]
*
(179) 2020/05/25(Mon) 21:16:14
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a12) 2020/05/25(Mon) 21:18:11

【人】 軍医 ルーク


  『ああ、探した探した!
   そこの兎君、えーと、ゼット!』


[ 皆がせわしなく動きまわる前線基地を、
 ぱたぱたと走る人影がある。
 一斉攻撃の情報が齎されて後、基地内の空気は一変した。
 当初は絶望に近いものでもあっただろう。
 一度の降下で一体の機獣を倒すにあたり、
 犠牲を出さずに済むこともあったけれど、
 これまでどれ程の死傷者、損害を重ねてきたことか。
 けれど、此処は最前線にして最後の砦であるという認識は、
 否応なしに、基地にいる者皆が感じていることでもある。
 
 廊下で第一攻撃部隊隊長に声をかけてきたのは、
 技術班長、ジルベール。
 賑やかに両手をぶんぶん振って、駆け寄って来る。]
(181) 2020/05/25(Mon) 21:48:46

【人】 軍医 ルーク

 『君に渡したいものがある、
  暇かい?
  あはは、愚問だったね、
  いまこの基地は、年中行事を袋詰めして振り回して
  ごちゃまぜにしたような有様だ、
  窓を開けたら年始の祭りの飾りが仮装して
  菓子を強請り始めたっておかしくない。
  けれど、いくら暇じゃなくたって、
  これは来てもらわなきゃいけない』


[ そう言った彼女は、彼をぐいぐいと
 武器倉庫に引っ張ってゆくだろう。
 天井が高い堅牢な倉庫には、
 整備された通常の装備に加え、
 新たに運び込まれているものがある。]


 『実戦への投入はまだ先の予定だったのだけれどね、
  “いま使わずにいつ使う!”っていうやつさ。
  技術班総出で、徹夜突貫で整備した。
  機獣から回収された装備を元に開発したものだ。
  各部隊長に支給して回っているところだったんだが、
  実際、今この基地の最大戦力は君と言っていい。
  最大の戦力に出来るだけ火力を集中するのは、
  理にかなったことだよ、うん』


[ 一画にある金属製の筒を、ずるずると引きずって来る。
 彼女の腕力でぎりぎり動かせるくらいの重みのようだ。]
(189) 2020/05/25(Mon) 21:58:54

【人】 軍医 ルーク

  『それに、こういうのを軽々持ち運べるのは、
  馬鹿力の連中のなかでも
  そう多くはないだろうからね。
  携帯式対機銃弾発射器といったところか、
  反動はかなりのものだが、君のそれと違って、
  物理的な反動だけだ。
  つまり一言で言うと、筋肉でなんとかなる!』


[ 義手の解析に携わったこともある彼女は、
 彼の義手の性質もある程度は心得ているようだった。>>2:65]

  『それからこっちは、対機獣の手榴弾。
   爆発の威力は前方にだけ収束するわけじゃなくて、
   周囲にも爆風が来るから、
   離れたところから投げるんだ。
   機体に吸着して爆発する。
   立ち回りによっては中々の効力を発揮するだろう。
   それから――』


[ 部隊長のみならず、
 部隊全体への一通りの追加装備について説明をした後、
 彼女は顔を上げる。]
(190) 2020/05/25(Mon) 21:59:38

【人】 軍医 ルーク

 
  『ルースに頼まれた。
   通信機を運んできてくれたときにね。
   君のその義手の代わりになる、
   身を守れる武器が何かないかと。
   わたしもその考え方には賛同する。
   最大戦力が行動不能になるような武器は、
   実に非効率的だから』


[ 自分たちの発明品を嬉々として解説する彼女の様子は、
 状況分かってるのかこのひと、と、
 装備の確認に訪れた他の部隊の兵士たちの
 胡乱な視線を受けていたけれど。
 気にせず、にやりと笑う。]
(192) 2020/05/25(Mon) 22:00:11

【人】 軍医 ルーク


 『我々は技術者で、非戦闘員で、後衛だ。
  でも、我々なりの戦闘というものがある。
  この世界の技術は、どこかで唐突に始まっている。
  遺失技術だって、どこからともなくもたらされたものだ。
  そのことについて話し出すと
  三日三晩かかるから割愛するとして――
  けれど、そこから積み上げた我々の技術と
  生きるための知識は、我々のもの。
  成果の多寡じゃない、
  わたしたちは、
  先人の成果の上に自分たちの石を詰むのさ。
 
  その石の一つに、この基地が調査拠点であった頃、
  命を落とした学者たちの成果もある。
  君は、何があったか覚えてないそうだけれど――
  機獣を退けたのは君なのだろう?
  そう聞いている。>>1:213
  だとしたら、そのおかげで、
  彼らの研究はごく一部なりとも此処に残っていたんだ。
  彼らに代わり、一度礼を言いたかった』


[ そうまくし立て、部隊長の兎の肩をばしんと叩き、
 また次の部隊へと、装備品の支給に走り出した。]*
(194) 2020/05/25(Mon) 22:01:13

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
前線基地・外壁
 ――

[ 基地の周りをぐるりと取り囲み、
 高く高く張り巡らされた壁面の上に、
 一つの人影がある。

 針金のようなその人影は、
 爆風の一つも食らおうものなら吹き飛ばされそうに
 ひょろりと頼りなく、細い。
 ――けれど、何が起きたとしても目はそらさない、
 退くことはしないと、二つの脚でそこに立っている。
 爆風に吹き飛ばされないようにと、
 ぺんぎんをしっかり両腕で抱えて。

 サイレンが叫んでいる。
 この基地が始まって以来発せられることがなかった、
 最大の警戒レベルを告げて。
 
 高く遠く、『太陽』に照らされた天の岩肌に、
 穿たれた大穴がある。
 世界の蓋に闇が口を開け、
 数多の死が吐き出されようとしている。
 けれど、届かない場所へと手を伸べることは、
 もうしなかった。

 ――彼は、あの大穴の向こうの世界から来た。
 この地に降りてきたとき、
 彼は何を思い、何を見たのか。
 これまでに読んだ、日記の記述は、
 一語一句たりとも忘れられるものではない。]
(204) 2020/05/25(Mon) 22:24:53

【人】 軍医 ルーク

[ 赤茶けて荒れ果てた荒野に、
 前線基地の兵士たちが隊列を組んで散開してゆく。
 西側の外壁の砲台が、一斉に『天』を、
 そして荒野を差して動き始める。
 降下が予測された刻限まで、もう間がない。
 
 此方からは向こうがよく見えるけれど、
 向こうからは、此方のことは見えないだろうか。>>0:14
 前回の襲撃と同じように。
 そうだったとしても、そうでなかったとしても――…
 自分がここにいることは、
 きっと、知っていてくれるだろうと思う。

 他の医師や技術者たちとともに、
 建物の最深部に籠ることを選ばなかった。
 戦場は彼らの領分と心得ていたとしても、
 近くにいては足手纏いになってしまうことが分かっていても。
 それでも近くにいて、
 もし何かが起きたなら――
 ここにずっとこうしている、心算だってない。]
(205) 2020/05/25(Mon) 22:26:00

【人】 軍医 ルーク

  



[ それから、いくらかの時が過ぎる。
  耳鳴りがするような静寂に、大気が張りつめる。
 
 そして、
 ――風が、吹いた。]*
(206) 2020/05/25(Mon) 22:26:38
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a13) 2020/05/25(Mon) 22:28:32

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a14) 2020/05/25(Mon) 22:29:41

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a15) 2020/05/25(Mon) 22:33:20

【人】 軍医 ルーク

[ 少しばかり前のことだ。
 人の波に逆行して外壁へと向かおうとしていた自分に、
 ぺたぺたと駆け寄って来る足音がある。
 先に足を止めたのは、一緒に歩いていたぺんぎん。
 視線を向ければ、一羽のぺんぎんが此方に向かってくる。
 抱えているのは、あの赤い袋。
 それを見た瞬間、心臓が一歩、早足のように打つ。
 ぺんぎんはぺんぎんに袋を渡し、
 きゅいきゅいと鳴き交わしていた。]


  預かってきてくれたのか。


[ 軽く屈みこみ、ぱたぱた手を振る二羽の頭を軽く撫でた。
 袋を受け取り、落とさないよう大事に抱えて外壁を上る。
 それまでよりも、少しばかり早足で。
 何が記されているのか、直ぐにでも開きたくてたまらない。

 一歩の歩みごとに名前のつかない感情が噴き出して、
 次の一歩でその正体に名前を付ける。 
 一体の襲撃ですら食い止められる保証もなかった戦線に、
 数も知れない敵が押し寄せようとしている。
 それを、先頭に立って迎え撃つのは。]
(274) 2020/05/26(Tue) 20:59:15

【人】 軍医 ルーク

[ 石造りの階段を上がる脚は、思うようには動かない。
 漸く外壁の上へと昇り切れば、
 袋を開き、タブレットを取り出す。
 ノートには、また新しいページが付け加えられていた。
 
 今までのように、日付から始まる日記ではない。
 それは確かに、この自分に向けて綴られた言葉だ。
 食い入るように最後まで読んで、読み切って、
 じいっと此方を見上げていたぺんぎんに、振り返る。]

 
  ……莫迦なこと、たくさん書いてた、
  あの莫迦。


[ それは、いつかの防衛線で、義手が放った光を見た後に、
 自分が言った言葉と、似ている。 
 けれど、その声も、その表情も、
 何一つ比べ物にならないほどに違った色合いを帯びて。
 底にある感情は、やはりどこかしら繋がるものだった。]
(275) 2020/05/26(Tue) 21:00:31

【人】 軍医 ルーク


  総司令に直接?
  それは確かに、このタイミングで君に何かをする程、
  戦局が見えてない人じゃないけれど。


[ 声に滲み出るのは、どうしようもないもどかしさだ。
 彼が自身を身を危険に晒しているとき、
 自分は何も出来ずにいる。
 今も、だ。
 後方にいて、黙って待っていることしか出来ていない。
 眠れていることは安心したけれど、
 あの頭痛は今も彼を蝕んでいる。

 けれど、声に滲むのはそれだけではなくて。
 表面の硝子に、そっと掌で触れる。
 そこに綴られたいくつもの言葉たちに、
 いま、ここにはいないその人に、
 せめて、想いだけでも触れようとするかのように。]
(276) 2020/05/26(Tue) 21:01:37

【人】 軍医 ルーク


  しかも、そのやり方……
  ええ、反動とか…?
  いや、確かに理屈なら出来るとは思うけれど、
  ああ、いや待て、少し考える。
  他にも方法はあるはずだ。


[ そんな風にぶつぶつと独り言を言いながら、
 指は自然と、タブレットを滑り出した。]*
(277) 2020/05/26(Tue) 21:01:56

【人】 軍医 ルーク

[ 帰って来る彼を待って、言葉で伝えても良い内容だった。
 けれど、降下の時を待ちながら、今ここで書き記したのは、
 どうしても、直ぐにでも伝えたいと、指が動いたから。

 綴ったところで、届けられるのは
 この戦闘が終わった後のことだというのに。
 それでも、ただ黙って言葉を抱えていることが出来なくて。]*
(278) 2020/05/26(Tue) 21:13:57
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a22) 2020/05/26(Tue) 21:19:57

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
外壁
 ――

[ 天の孔から落ちてきた機獣の先鋒は、数体。
 四足型、蜘蛛型、それから――
 自分の視力では、落ちてくるその姿を
 すべて捕えることは出来ない。
 手足を折り畳み、地上へと真っ逆さまに落ちてくる。
 隕石――という言葉は知らないけれど、
 もし知っていたなら、それに例えたことだろう。
 それらは轟音と共に地に落ちて、
 一斉に、金属が軋むような咆哮を上げた。

 防衛部隊の陣取る外壁の長距離砲台が、
 着地点に火を吹いた。
 轟音が地を揺らし、砲声が空を貫き、
 もうもうと舞い上がる土煙の中で、戦いが始まる。
 
 地上に居て近接戦を行っているであろう攻撃部隊の姿は、
 土煙と爆炎の向こうに紛れて、
 此処からでは既に視認できない。]
(292) 2020/05/26(Tue) 22:55:30

【人】 軍医 ルーク

[ 此処から見えていた一体――蜘蛛型の身体が沈み込み、
 脚が力を溜める。
 地を蹴りひと飛びに、まるで獲物を狙うように跳躍し、
 着地するや、回転を始めた頭部から、
 四方八方に弾が放たれる。

 胴体を狙った防衛部隊の砲撃は、
 その装甲に弾かれたようだった。
 振り上げた鉤爪が、
 その巨体からは想像もつかない速度で振り下ろされ、
 その切っ先が足元を穿とうとしたその瞬間、
 跳ね飛ばされるように、蜘蛛脚が千切れて宙を舞う。

 外壁からの長距離射撃か、
 あるいは近接で誰かが撃ったか、切り飛ばしたか、
 それすら分からない。

 千切れた脚は宙を舞い、荒れ地に今も残る建物の残骸を、
 まるで紙で出来た箱のように押しつぶした。]
(293) 2020/05/26(Tue) 22:56:55

【人】 軍医 ルーク

[ 戦場は此処から遠く、けれどもその距離は近い。
 機獣が全速力で駆け出したなら、
 瞬く間に射程圏内に入るだろう。

 その場所は此処から近く、けれどもひどく遠い。
 帰ってきてくれるとどれ程に信じていても、
 爆音が轟くたびに、閃光が閃くたびに、
 どうかその場所に彼がいないよう、無事であるようにと、
 ぺんぎんを抱く腕に力が籠る。

 潰してしまわないようにと腕を戒めながら、
 かたかたと震える指に、
 きゅう、と小さな声を上げて、ぺんぎんの羽が触れた。]


   大丈夫だ……


[ 自分自身にそう言い聞かせるように呟いた声もまた、
 ひどく震えていて。
 それでも目を逸らすことは、しない。
 最後まで、ちゃんと見守っている。見ている。]
(294) 2020/05/26(Tue) 22:57:46

【人】 軍医 ルーク

[ どれほどそうしていただろう、
 天の大穴から、再び落ちてくるものがある。
 ぞくりと、背筋が凍り付く。

 “総攻撃”
 それは、どれほどの規模の攻撃なのだろう?
 天の大穴の上には、どれほどの兵器が残されている?
 押し寄せる濁流のように、次々と投下される機獣は、
 その一体がどれ程のひとを殺すだけの力を持っているのか。

 ―― ぎらり、と、
 視界の片隅で、何かが光った。
 落ちてくる一体の軌道が変わる、

        
此方へと、落ちてくる。
]


  ――…っ!


[ これまでにはいなかった機体、
 これまでにはなかった状況だった。
 それが何かを頭が理解するよりも先に、
 総毛立つ尻尾が、耳が、その危険を全力で告げる。]
(295) 2020/05/26(Tue) 22:59:37

【人】 軍医 ルーク

[ 咄嗟にぺんぎんを庇い、物陰に飛び込み、伏せる。
 耳を劈く轟音が、先ほどまでよりも遥かに近くで炸裂し、
 爆風が巻き起こり、外壁を打つ。

 吹き飛ばされそうな衝撃を、うつぶせに伏せたまま、
 地面にしがみ付くようにして必死でやり過ごす。
 フードが風に飛ばされ、白い耳が露になる。
 その耳が捕らえたのは、二重三重に轟く砲撃音だ。

 外壁の方向が攻撃された、
 けれども、直撃はしていない。
 狙いを外したのか、防衛部隊が防いだのか、
 あるいはそれとは別の何かが起こったのか、
 何が起こったのかは分からない、けれど――…

 言うことを聞かない脚を励まし、よろりとたちあがれば、
 外壁の向こう見えたのは、
 今までに見たことがない形の機体が、三体。
 捻じれた首が回転し、昆虫のような複眼が、
 ぎろりと外壁を――その向こうの前線基地を睨み据える。
 遠くにあるはずのその目が、酷く間近に見えた気がした。
 射抜かれたように、脚が竦んで動かない。

 直感する。
 あいつらは、基地を狙っている。]
(296) 2020/05/26(Tue) 23:00:46

【人】 軍医 ルーク


  ――…、
  いいか、逃げるよ、
  この場所は駄目だ。


[ 先程の爆音のせいか、
 ぺんぎんに語り掛ける自分の声が遠くに聞こえる。
 以前の自分であったら、自身の命にすら頓着せずに、
 外壁に留まり続けていたかもしれないけれど――
 今は、違う。

 自分のいる場所に敵は近づけさせないと、
 彼はそう言ってくれた。
 何かあったら、名前を呼んでと。
 けれど、自分だって、足手纏いになるだけじゃいけない。

 外壁どころか基地のどこにいたとしても、
 安全な場所なんてきっとない。
 それでも少しでも逃げやすい場所で、自分の身を守らないと。
 戦いが終わったら、怪我人だって出ていることだろう。
 彼が守りたいと思った者たちだ、
 自分の責務でもある、皆を“死なせない”ようにするために。

 それに、なによりも。
 ちゃんと、最後まで見守って、
 帰って来るのを “ 待っている ”。

 足を励まし、ぺんぎんと共に外壁の階段へと。]
(297) 2020/05/26(Tue) 23:02:36

【人】 軍医 ルーク

 
 
 


[ 蟲型の機獣三体の“前方からの”突撃に紛れるように、
 静かに戦場を迂回して移動する“もう一体”の存在に、
 いまはまだ、気付かない。]*
(298) 2020/05/26(Tue) 23:03:13
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a23) 2020/05/26(Tue) 23:47:59

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a25) 2020/05/27(Wed) 0:43:12

 




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いえやすをじぃ…

アロイス
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渡辺 春嗣
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(・×・)もえ

雨宮 千夏
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墓==光速=⇒墓

渡辺 入矢
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(・3・)ぴと

五十鈴 雨音
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雪也くんーー

相星 雪也
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あまね

カミラ
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いつかどこかで!

少女
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