情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 少女 コトネ「駄目よ、包帯だけでいい訳無いわ!」 歯を磨かないと思ったら、今度は怪我の放置だなんて! ぷりぷり怒りながら、手当てに必要な諸々を持ってこようとしたけれど、ジェイドは飄々と別の事に話を振ってくる。 この人、大丈夫かしら。色んな意味で。 とりあえず雑に巻かれている包帯は巻き直してあげながら、私は俯いた。 「………わからないわ」 素直な気持ちを、ぽつりと零す。 わかってるわ。 このままキネイが権利を手にしてしまったら、私はきっと寂しい。 当たり前に繋いできた手が離れる様で、すごく、寂しいわ。 「…………そう」 吸血鬼だ、という告白には、そんなに驚かなかった。 内容自体はかなり受け止めにくいけれど…でも、ジェイドの目は嘘を言っている人の目では無いと思うの。 きっと、彼は吸血鬼なんだわ。 ずっと前、私が会った人と同じ人。 ………キネイには、また心配されてしまうかしら。 すぐ人の事を信じちゃ駄目だって。 でもね────キネイ。人を信じるって、素敵な事よ? (5) rein-joir 2019/12/30(Mon) 10:39:39 |
【人】 少女 コトネ「!?」 急に泣き出したのを、驚いて見つめてしまう。 子供みたい。500年を生きたという吸血鬼なのに、不思議ね。 「────泣かないで」 うんと背伸びして、ジェイドの頭を抱えるように抱きしめる。 「寂しかったのね。………寂しいのは、嫌ね」 たぶん、好きな人に好きとも言えないまま。 終わらせる事も出来ないまま、終わり無い夜に一人で居たんだろう。 それが吸血鬼の性だとしたら────なんて寂しい事だろうか。 スズネさんは、今のジェイドを見たら何と言うのかしら。 宥めるように頭を撫でてやりながら、私はそんな詮無い事を考えた。* (6) rein-joir 2019/12/30(Mon) 10:40:05 |
【人】 少女 コトネ■キネイとの感情書き換え(未定) キネイは“人間辞めたい”と軽やかに言った。 ずっと美しいままでいたいんですって。 さもなくば死んだ方が良いと、思っていたんですって。 ────私…キネイがそこまで悩んでるなんて、知らなかったわ。 「キネイ」 躊躇いがちに、呼び馴染んだ名前を呼ぶ。 何を言えば良いかなんて、纏まってない。 だって私は、その願いが何であれキネイが望むのなら…応援してあげられたら良いなって思っているの。一番に、味方でありたいの。 でもね…同じくらい、キネイの願いが寂しくて仕方ないんだわ。 「私、キネイが好きよ」 どう言えば伝わるのかしら。 言葉が見つからないのがもどかしくて、俯いてしまう。 「美しいからとかじゃ、なくて。キネイがキネイだから、好き」 「吸血鬼になると、夜しか出歩けなくなるんですって。 ご飯も、生き血以外は意味が無くなってしまうんですって。 今までみたいに2人でお出かけしたり遊びに行ったりご飯食べたり、できなくは無いけど…きっとすごく、難しくなるわ。 キネイは……」 (7) rein-joir 2019/12/30(Mon) 11:44:27 |
【人】 少女 コトネ声が震えて、一度口を噤んだ。 「キネイは、私がしわくちゃのおばあちゃんになっても…好きで居てくれる…?」 (8) rein-joir 2019/12/30(Mon) 11:45:59 |
【人】 少女 コトネ>>11キネイ 「あのね、駄目じゃない。……駄目じゃないと思うわ」 ずっと、言葉が喉につっかえるの。 不思議ね、キネイと話しているのにこんな風になるなんて。 ────キネイは、変わろうとしているんだわ。 それ自体は応援してあげたい。すごくいいと思う。 でも、方法は…他でも良いんじゃないかしらとも、思う。 なんでそう思うかと言ったら、きっと。 「私………」 気付いてしまって、愕然とする。 これは幼い独占欲だ。 私は私の為に、キネイに傍に居て欲しいだけ。 私は本当に、彼の為を思って動けているのかしら? ここで判断を間違えたら────きっと、私は彼を失うわ。 ずきりと頭が痛む。焦燥感に押し潰されそうになる。 ダメ。そんなのは、ダメよ。 絶対、ダメ。 (13) rein-joir 2019/12/30(Mon) 19:32:08 |
【人】 少女 コトネ表情を隠すようにぎゅっと抱きついて、囁く。 「何かになりたいと願うのは悪い事じゃないわ。 私はいつだって、キネイの味方よ」* 感情 尊敬(+)→執着(-) (14) rein-joir 2019/12/30(Mon) 19:32:50 |
【人】 少女 コトネ■ジェイドとの感情書き換え(なし) ジェイドはグリーンフラッシュ、っていうものを見てみたいんですって。 すごく不思議。 言っては悪いけれど所詮朝日じゃないの?って思ってしまうわ。 でも、その言い方がなんだかジェイドらしいなとも思ったの。 彼は吸血鬼だから、朝日を見るのは自殺行為。 そう思えば…焦がれる象徴なんだろうなぁって、分かるから。 「ジェイドは……スズネさんが好きだったのね」 実際の経緯は知らないけれど、想像で話す。 けれど彼は、好きと言えなかったんだわ。 きっとスズネさんも…言わせてあげなかったんだわ。 彼女は、ジェイドを選んであげる事が出来ない人だったから。 「………臆病に、なるのね。年を重ねる毎に。きっと」 好き嫌いで割り切れない世界が増えて、自分で自分を雁字搦めにして。 ────だけど。 「ねぇ、ジェイド」 「好きな人に好きと伝えて良いって事は、きっと。 人も吸血鬼も………変わらないわ」 (15) rein-joir 2019/12/30(Mon) 19:41:38 |
【人】 少女 コトネ吸血鬼だから“好き”すら言えないなんて。 そんなのはあんまりに、寂しいもの。 ぶに、とジェイドの頬を両手で挟んで、真正面から見つめる。 ちょっと潰れてしまって変顔になってるわ。案外似合ってるわね。 「ジェイド。私、あなたの事も結構好きよ」 会ってまだ、ほんのわずかな仲だけど。 赤の他人と言うには随分仲良くなったわね。私達。 「でも────明日は負けないわ」 だって、私がキネイの力になる為には、勝利しないといけないもの。 * (16) rein-joir 2019/12/30(Mon) 19:42:27 |
【人】 少女 コトネ>>21キネイ 「嬉しいなら、良かったわ」 なんでかしら。 キネイにそう言われるとすごくほっとするの。 でも…チーズサブレの生地を混ぜながら、私は首を傾げた。 「?そうなの? 本…図書館とかで読んだのかしら」 吸血鬼の本なんて、家に置いてあるとも思えないし。 たまたま学校とかどこかで読んだ…という線が濃厚じゃないかしら。 でも確かに、本を読まないキネイが読んだなんて、不思議ね。 頑張る、と気合を入れているキネイに微笑む。 頬へのキスは、ほんの少し切ない思いで受け入れた。 キネイを応援出来て幸せなはずなのに、息苦しいわ。 なんでかしら。 「そうね。きっと、寂しくなくなるわ。 だって、キネイは私の一番自慢のお友達だもの!」 それでも寂しいなんて言うようなら、私がジェイドを叱るわ!なんて冗談めかしながら、チーズクッキーを天板へ並べ出した。* (24) rein-joir 2019/12/30(Mon) 21:29:11 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新