【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[すき、だいすき、って言葉じゃ ぜんぜん、すこしも足りないんだけれど それでも、言わずにはいられなくて。 僕が特別なレオくんに対して抱く想いの ほん……の一部くらいは、 伝えることが出来た気がした。] (?0) 2021/03/24(Wed) 14:55:07 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[それで満足、だったんだけれど。 レオくんと……ちゅ、ちゅぅ、……とか それ以上のことをしてしまった感動に 顔を赤くして悶えていると、 彼も同じく染まっていく。 大好きな声が、僕に届く。>>1:?2] (?1) 2021/03/24(Wed) 14:55:20 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[嬉しさに、頭が爆発しそう。 身体は飛んで行っちゃいそうだ。 面会が許される限界まで居たいから ベッドに沈んだままだけれど。] ……うん、……うれしっ [だらしなく微笑うと 細まった瞳からまた涙が零れた。 それをレオくんがちゅっ、ちゅっと 吸い上げてくれるのが擽ったい。>>1:?3] (レオくんのすきな血じゃないけど いいのかなぁ……?) [気になりつつ、高鳴る胸を押さえつつ。 彼にされるがままだった。*] (?2) 2021/03/24(Wed) 14:56:16 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[それからレオくんは 沢山求めてくれるようになった。>>1:?4 誰にも邪魔されることのない時間帯 二人きりの病院の個室は淫靡な空間となる。] ……んぇ、っと、また……? 僕も、すき……だよ、けど、 っ僕、は、いいから……シてあげる、ね……? [ちゅぅ、だけでも僕には凄いことで。 元々、低い頻度で処理をしていた。 連日、それも日に何度もとなると 無理な気がしてしまって、 奉仕だけを申し出たことがあったと思う。] (?3) 2021/03/24(Wed) 16:12:00 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[どうしても一緒に、を望まれるのなら 二つ返事で従っただろうし もう触れ合うことを知る前とは違う。 自分では無理、って思っていても レオくんと同じ空気を吸って レオくんに触れているうちに興奮して 反応してしまうのは避けられないから……] ……っ僕も、我慢…… 出来なくなっちゃった…… [結局のところ、僕も慰めて貰って ともに耽っていたのだろう。 それも、思い出すのも恥ずかしいくらい ふにゃふにゃのどろどろに蕩けて……。*] (?4) 2021/03/24(Wed) 16:12:04 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[僕も、変わっていった。 「もぉ出ないよ……っ」なんて 音を上げてしまうこともあったかも知れないけど レオくんは必ず気持ちよくしてくれたし 性欲がすっからかんになって帰って来ても シャワーを浴びる時 身体に染み付いたレオくんの匂いに むくむくと元気を取り戻してしまったりして……、 自分がえっちな子になっていくのを自覚した。] (?5) 2021/03/24(Wed) 21:24:46 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[痛いのもえっちなのも レオくんだから気持ちいい。 レオくんのことがすきだから レオくんのすきなものを――すきになる。 ……元々、頭の出来が良くない。 気持ちいいこと覚えすぎて もっとバカになったらどうしようって思うけど。] (?6) 2021/03/24(Wed) 21:24:54 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[学校をサボって面会をする日々が続いて。 ある日、病室に着くなり抱き締められた。>>1:?5 片腕を背中に回して抱き締め返す。 ギュッてされてなかったら 飛び出た心臓が 何処かに行っちゃう所だったよ……!] ……っ、同棲、できるの……っ? [僕の声もつられて上擦った。] (?7) 2021/03/24(Wed) 21:25:11 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[聞かされた条件、 その一つに一瞬血の気が引いた。>>1:?6 レオくん以外どうなってもいい……。 そんな思いから、単位などどこ吹く風。 日本で一人暮らしをさせて貰っておいて 我ながら、自分勝手だった。 ……どうやらその辺りも汲まれているらしく 通信制の学校への転入の手続きが 知らぬ間に進められていたようだ。] (?8) 2021/03/24(Wed) 21:25:15 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎(そう言えばあの電話……) [数日前。海外の母から連絡を受けていた。 「信頼できる子を見つけた?」 と、唐突に質問をされて よくわからぬまま頷いたが あれはこのことだったのか……、と合点がいった。 金銭的な負担だけは厭わないが 他は過ぎるほどの放任主義だ。 レオくんのお家からの働き掛けに 特段反対なく応じただろうことは簡単に想像できた。] (?9) 2021/03/24(Wed) 21:25:57 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[転入したとして……、 出席日数は解決するだろうが 問題がまだ残っている。 ――ばかに付ける薬はないということだ。 (一般的に)僕のよりもっと難しい問題を さらりと朝飯前と言うレオくんはカッコいい。>>1:?6 いまは面会を開始してすぐの時間だから 朝飯後、なんだけども。] (?10) 2021/03/24(Wed) 21:26:25 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[レオくんが教えてくれるなら 頼もしいことこの上ない。 医学の道を志す彼は頭がいいし 僕も身が入るというものだ。] うんっ ……ありがとう! [元気に頷いたら、自分の声の大きさに吃驚した。 えっちなことする時も 声を抑えるの、気をつけてたのに……。 (度々忘れて耽ってしまって 注意されてたかも知れないけど) 小さくごめん、って謝って。 必要な書類には全てサインをした。*] (?12) 2021/03/24(Wed) 21:29:56 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[レオくんの退院の日 引越し荷物は送ってあった。 小さな鞄だけ持って彼と共に車に乗り込んだ。 運転をしてくれるお手伝いさんとは 病室で何度か顔を合わせていた。>>1:?8 品が良くて、優しそうな人だ。 レオくんのこと大事にしてるのが伝わってくるし 僕のこともいつも丁重に扱ってくれる。 先日差し入れてくれたアーモンドサブレは 本当に美味しくてほっぺたが落ちてしまった。] (僕より長くレオくんのこと……) [時間が全てではないけれど 僕の知らないレオくんを知るだろうその人に ちょっとだけ。……結構。……妬いてしまう。 ことも。あったり。するかも知れない。……うぐ。] (?13) 2021/03/25(Thu) 11:16:54 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎えと、その…… [自分の好きなメニュー、となると言葉に詰まる。>>1:?8 僕って何が好きだったっけ。 最近とみに食事の手を抜き過ぎていて 腹が減ったら補うだけの作業になっていたから。 それよりこの人にならレオくんの好きな料理 教えて貰えたりするだろうか? 片腕でも出来るものだと良いな。 レオくんの家では全部やって貰えるのかも知れないけど 手伝うくらい出来たら良い。 レオくんの口に入るもの、だから……。 などと考えていると、隣から…… >>1:?9] (?14) 2021/03/25(Thu) 11:18:12 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[……などと言えるはずもなく。 ぼん、と赤くなった顔を隠すように 不自然に窓の外へ目を逸らし] お、思い出しておくね…… [と、答えたのだった。 よーし、上手く誤魔化せた。……たぶん。*] (?16) 2021/03/25(Thu) 11:19:10 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[レオくんのお家は大きかった。 ご家族とも一緒……というのが 緊張しそうだったけれど 階が分かれていてキッチンもバスルームも別個で あまり顔を合わせなくていい構造のようだ。>>1:?10 ちょっとだけ、ホッとした。 接する機会があれば なるべく失礼のないよう気をつけるけども。 レオくんの部屋は、ご両親の暮らす一階から 二階を隔てて、三階にあった。 小さい頃からこうなんだろうか。] (レオくんは寂しくなかったのかな……?) [両親との距離は僕も遠かったけれど それでも僕には、ねーたまが居てくれた。 レオくんは、たぶん一人っ子。 ……胸がキュってした。] (?17) 2021/03/25(Thu) 13:53:10 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[彼の部屋の隣が僕の部屋らしい。 案内して貰った扉の前で、耳打ちされる。>>1:?11 レオくんの艶っぽい声。 ……ゾクゾクってして、耳が赤くなる。 昨日も沢山ヌきっこしただろうに すぐに身体が熱くなっちゃうんだ。] んっ …… それは、あの……[趣味の女装を打ち明けた際 見せるって約束をしてた。 たぶん、そのこと……だよね。 引越しの際、着替えにくいものは粗方捨てたけど 幾つかは詰めたから運び入れられているだろう。] (?18) 2021/03/25(Thu) 13:53:14 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[こんなにすぐとは思ってなかった。 心の準備が出来てない。 ……でもそれだけ、 レオくんは僕を知りたがってくれてるんだ。] ……恥ずかしいから、待っててくれる? 終わったら呼ぶ、から…… [そうお願いをして、ひとりで部屋に入ろうと。 どうしても見る、って言うなら 僕には止められないけど……。*] (?19) 2021/03/25(Thu) 13:55:42 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[僕に与えてもらった部屋は 元々使ってたソファやベッドなどの家具が 運び入れられ、配置まで済んでいた。 そのまま暮らし始めることが出来そうだ。 運び出すときにも、軽く指示を出しただけだった。 お家の人になんとお礼を言ったらいいのだろう。] ……、 [クローゼットの中に目的の衣装を見つけると タイを解き、着衣を脱いで、 無駄な脂肪のない肢体を晒していく。 白い肌は人種によるもの。 片腕は肩から先が失われて、断面はつるりとしている。 もう片方は二の腕から手首にかけて ぐるぐるに包帯が巻かれ、病的な見た目をしていた。] (?20) 2021/03/25(Thu) 22:34:09 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[かなり手間取りつつも、着替えを済ませて。 淡い色つきリップを唇に載せる。 レオくんが部屋の外で待っててくれたなら 扉越しに名前を呼び、 部屋の中なら、そっと振り返るだけ。 不穏な鼓動を刻む胸の前に 包帯の上からアームカバーを着けた手を置いて 不安な表情を浮かべ彼の前に立つ。] (?21) 2021/03/25(Thu) 22:35:01 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[肩と背中を大きく開けたホルターネックの胸元は 上に花のレースをあしらっており 薄い胸の二つの飾りを隠している。 反面、その下、膝上まで伸びる一重の生地は薄く。 臍と白の紐パンの下着を透かしている。 ――身につけたのは白の総レースのベビードール。 親からの賜物の貌とシルエットは 男らしさもないが女性的という訳でもない。] (?22) 2021/03/25(Thu) 22:35:53 |
【恋】 女装癖の学生 早乙女 太郎[これでも数年前なら、少しは女の子に見えた。 女の子に産まれたかった。 でもそうではなかった。 なりたいけれど、なりたくなかった。 中途半端な僕。] (?23) 2021/03/25(Thu) 22:36:31 |