【人】 無関心 トオル[トオルはいつものように登校すると、普段とすっかり雰囲気の違う校内の様子に動揺していた] 「……。」 (しまったな…文化祭、今日だったのか…) [去年の文化祭では、普段から同級生と交流の少なかったトオルは、あまりに浮いてしまい、自分の身の置き場の無さに、来年は休もうと思っていたのに、うっかり登校してしまったのだ] [自分の下駄箱の前で、左手で靴を持ったままこのまま帰ってしまおうかと考えながらつっ立っていると、自分の名前を呼ぶ声を背中で聞いた] 「スドウくん!」 (11) 2020/06/14(Sun) 7:31:41 |
【人】 無関心 トオル[声の方向へ視線を向けると、下駄箱の奥の廊下で、女子生徒が別の男子生徒に声を掛けていたところだった] (あ、オレじゃなかった…。アイツは…同じクラスの須藤…。女子の方は…あの髪の色…どこかで見覚えがあるな。) [自分と同じ髪の色をした女子生徒にどこか懐かしい感情を覚えるが、はっきりと思い出せないでいた。記憶をたどろうとぼんやりしていたせいで、無意識のうちに、ついいつものように上履きに履き替えて教室の方向へ歩き出していた] 「おはようーー!トオルーー遅いよ!!今日は準備があるから7時半登校だって、昨日のホームルームで話してたでしょ!」 [教室手前の辺りで、同じクラスのユイに一際元気な声で突然話しかけられ、トオルは心底驚いたが、表情はいつも通りの相変わらず無表情のままだった]* (12) 2020/06/14(Sun) 7:31:50 |
【人】 無表情 トオル[教室のドア前には【世にも奇妙なお化け屋敷】と書かれた看板が出ている] 「もー。準備も全然手伝わなかったトオルは、仮装して宣伝係だからね!」 [ユイに首から下げるプラカードと鬼太郎のちゃんちゃんこを手渡され、困惑しているトオルをよそに、クラスの女子たちが盛り上がり始めた。トオルは無表情のままされるがままになっている] 「トオル、鬼太郎コスめっちゃ似合ってるーーー!看板の前で写真撮ろっ!写真!」 [教室前でツーショットを撮ろうと、ユイは盛れる自撮りアプリを起動した]* (20) 2020/06/14(Sun) 8:37:57 |
無表情 トオルは、メモを貼った。 (a8) 2020/06/14(Sun) 9:11:44 |
【人】 無表情 トオル「トオルは入口で呼び込みお願いね!」 [普段あまり喋ったことの無いクラスの女子達に強引に役割を押し付けられ、トオルは無表情のまま、入口で椅子に座りながら無言で客引きをしている。無言ながらも銀髪の鬼太郎は目立つのか、吸い込まれるように客が入っていった] (まいったな…帰るタイミングを完全に失ってしまった) [何組かの客を入れた頃、パタパタと隣の教室から走って出ていく女子生徒を見た。] >>111 (あの銀色の髪の子、隣のクラスだったのか…) [トオルが彼女の行く先を目で追った瞬間、彼女の制服のポケットから何かが落ちるのを見た] (…!何かを……落とした…?) [思わず勢いよく立ち上がったことで、そばに居た数組の客が驚いて悲鳴をあげた] 「ギャッ!!!ヤダ入る前からビビらせるシステム!?」 「あっ、すいません…。」 [ややバツの悪い気持ちになり、立ち上がりついでに、自分の持ち場を離れた。足は自然と彼女が落としたものへと向かう。 彼女が落とした物は、紫陽花の刺繍の入った白いタオルハンカチだった。] (これ…) [トオルはこのハンカチに見覚えがあった。トオルが10歳の時、初めて女の子にプレゼントしたハンカチと全く同じものだったのだ。]* (189) 2020/06/15(Mon) 20:02:25 |
【人】 無表情 トオル〜回想〜 [トオル10歳の6月。トオルが心臓を患って入院してすでに1年が経とうとしていた。病院での生活や看護師さん達にも慣れて、学校に行けないことへの諦めの境地に達しかけた頃だった。 彼女と会ったのは、今日のように雨の降っている日だった。病院の中庭には紫に色付いた紫陽花が雨に濡れて綺麗だった。 中庭が見える売店前のベンチに座っていると、隣のベンチで泣いている銀髪の少女に気づいた。 妹と同じくらいの歳だろうか。7-8歳くらいの小柄な少女は、自分と同じ髪の色をしている。普段なら到底話しかけることなんて出来ないだろうに、トオルは自分の持っていたレジ袋をゴソゴソとしてチロルチョコを一つ少女に差し出した。] 「これ…食べる?」 (228) 2020/06/16(Tue) 11:44:20 |
【人】 無表情 トオル「これ…食べる?」 [トオルが急に話しかけたせいか、少女は必要以上に驚いた顔をして、そしてパーカーのフードを急いで被って背を向けた。] 「私のことが怖くないの?」 「怖い?え、なんで??チョコ、嫌いだった?」 「…ううん。」 [少女がチロルチョコを受け取ろうと手を伸ばし、少し安心した表情でチョコを頬張っている。それからぽつりぽつりとトオルに自分の話をしてくれた。名は【しずく】と言うこと、小さな頃から体が弱くて入退院を繰り返していること、そのせいで学校で友達がなかなか出来ないこと…。しずくはまた涙目になって、フードをさらに深く被った。その動きに合わせて、彼女のパーカーからヒラリと一枚のポストカードのようなものが落ちた。真っ白な背景に紫の紫陽花が描かれている。トオルはそれを拾ってしずくに手渡した。] 「コレ、綺麗な絵だね」 「わ…私が描いたの…」 「え!?君が?すごいや、大人が描いた絵みたい!」 [しずくは自分の絵が褒められて素直にとても嬉しかった。絵を描くことは一番好きなことだったから。] 「この絵、なんだか君に似てるね」 「え??どこが??」 「君のその紫色のシュシュってやつだっけ?それ、この紫陽花みたいだね。君の白い髪によく似合ってる」* (254) 2020/06/16(Tue) 18:33:18 |
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