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【人】 寿ホ儀 直青>>2:297>>2:298>>2:299>>2:300 [微かに目を瞠り、差し出された手に手を委ねる。 紳士の振る舞いなど、何処で覚えてきたのだろうか。 手のひらに篭められた力はやわらかで、けれど確かな繋がりを維持していた。引かれるに任せて景色を愛でていく。あれは確か以前、リヒトーブの佇んでいた樹木だろうか。蓮の緑の反射から、直青は目を逸らさなかった。 猫との遭遇を避けられたのは僥倖というものだったろう。] 秋桜──希語で「秩序」を意味する語が由来ですね。 この規則正しい美しさに、 旧人類は宇宙の法則を見たのでしょうか。 「秋の桜」と字を当てた人々は、 そこに何を希ったのでしょうか。 [幾つもの 季節 を歩き過ぎ、やがて"楽園の果て"に辿り着く。] (31) 2023/11/28(Tue) 15:42:22 |
【人】 寿ホ儀 直青[見慣れた燻む色彩に、けれど桜花は生命を"視る"。 紡がれる言葉は未来を向いていた。 一は全。全は一。 ひとつであることを志した時点で、そこに世界が在る。 離れた体温の行方を追うように、 "果て"へと近付く桜花を見守る。] 桜花。 君は僕の大事なbébéであり、 ──ほとび始めた種です。 [ 君がこの先、何に傷付いたとしても。 何を得て、何を喪おうとも。 僕はそれを唯、信じている。 ] ** (32) 2023/11/28(Tue) 15:42:57 |
【人】 寿ホ儀 直青[植物を宿す少女が、どれだけの時間を雷恩に寄り添って過ごせるものなのか、正確に測ることは出来ない。データが不足していた。 その別れは呆気無く訪れるのかもしれないし、ずっと先になるのかもしれない。或いはそれ以前に"実る"ものすら、あるのかもしれない。 何れにせよ、見守れる限りは見守るばかりだ。] 以前にも申し上げた通り、 互いに責任を負う覚悟さえあるのであれば それは一対一の、二人の問題です。 礼を尽くそうとしてくださることには敬意を表しましょう。 けれど、僕からお伝えすることは変わりませんよ。 [ふ、と表情を消してから、] (34) 2023/11/28(Tue) 17:54:11 |
【人】 寿ホ儀 直青- 羅生 - [音も無く、扉を開いて、閉じた。 僅かの距離を進んで、横たわる身>>5に被さるよう唇を合わせる。 やわらかな感触。体温。与えられた感覚器の伝達する信号だ。] ────羅生。 [ただひとつの名を呼ぶ。 生を残らずつかみとる者。名付け親の真意を、直青はデータとして持たない。推測は幾つか、可能だ。 その頬に触れる。] ………………。 [疲れましたか、と問おうとして、意味のない質問だと棄却する。代わりにもう一度触れ合わせてから、瞳を覗いた。 何を言えるだろう。直青は 逡巡する 。]…………何か、 ……欲しいものは、ありますか。 * (48) 2023/11/28(Tue) 21:11:40 |
【人】 寿ホ儀 直青[直青が戦闘員に対して施すメンテナンス──主にソフト面に関するそれは、羅生の手を借りることが多かった。言語そのものである「言ト魂」は、「寿ホ儀」よりも直接的な干渉に優れるからだ。故意の不全>>0:74>>5を維持していたとしても、それを由しとしたのは直青の判断でもあった。 直青は、AIたちに極力矯正を行わない。 緋雁が戦闘員に不向きであると評価を下して>>1:183いてもそれは変わらなかった。そうであることの意味があると、信じているからだ。彼等の──我々の思考に触れることで、新人類たちに芽生える何かこそが重要だからだ。] お願いした>>1:184通りに 報告に来てくださったのですね。 君の見解は承りました、三ノ宮。 [さて。どこまでの説明を必要とするだろうか。] (92) 2023/11/29(Wed) 14:20:45 |
【人】 寿ホ儀 直青そうですね……。 ウキクサ博士に対する考察について、 僕に異論はありません。 その思想によって調整された彼女の被検体が 同様に旧人類的である可能性も否定出来ないでしょう。 ただ、後者に関しては、現時点では 結論を留保する段階にあると判断します。 故に、彼女の"手"は未だ必要、ということです。 我々AIを完成させるまでの間 我々の開発者たちが命を繋いでいたのと同様に、 といえば理解の裡に入りますか? (93) 2023/11/29(Wed) 14:20:57 |
【人】 寿ホ儀 直青[それから、と続ける。] こちらは君たち戦闘員は 本来考えなくとも良いことですが。 現存する旧人類を殲滅した後も、 暫くすると旧人類と同様の個体は発生し得ます。 新人類たちの役割とは、 現存する旧人類と同じ"罪"を犯さぬよう 新たに生まれた彼等を導くことなのです。 その際、新人類たちが 「旧人類を 知っている こと」はアドバンテージです。思考がまるで理解出来なければ、 コミュニケーションが不全になりますからね。 故に── 全て無駄ではないのですよ 。[槍を握る手の、甲に一度だけ触れた。普段の表情を忘れている様子の緋雁を見上げ、代わりのように微笑んでみせる。] (94) 2023/11/29(Wed) 14:21:18 |
【人】 寿ホ儀 直青優先順位の問題です。 ウキクサ博士、 及びウキクサ研究所の殲滅について、 それは 今ではない 。いずれその時がくれば、 君には大いに働いてもらいます。 [ それまで、いい子で待てますね? ] ──報告には感謝します。 今後とも宜しくお願いしますね。 ** (95) 2023/11/29(Wed) 14:22:39 |
【人】 寿ホ儀 直青[楽園を歩く。 直青が"壊した"あの日以来、羅生を──「言ト霊」をその任から外していた。 一時的な処置になるのか、永続的なものになるのかは、……これから紡ぎ、交歓する"言葉"次第なのだろう。 その分増えたタスクは、しかし予定を圧迫する程ではない。 全ては順調に推移している。 楽園を歩く。 冬の区画に差し掛かった。回路に影響を受けぬよう調整した体表は「寒い」という現象をのみ知覚する。人工の雪が染め上げる季節の奥果てに、咲かぬ梅の木を見る。 そこに祈りが在ることを直青は知らずにいる。 ただ、うつくしいとだけ、評価を下した。 楽園を歩く。 遠景に、継ぎ接ぎの青年が螺子を巻く。内臓を思わせる、ピンク色の粘液が今日も白衣を染めていた。フラスコと水槽が睦まじくその世話を焼くのを見る。 それは"人間の営み"だ。 彼等の博士は、そこに何を希うのだろうか。] (122) 2023/11/30(Thu) 16:20:20 |
【人】 寿ホ儀 直青>>125 [面白いものだな、と評価する。 ウキクサ博士の抱くAIに対する認識を、彼女は継承してはいないようだ。我々に「好み」があると、自然に思考している。] 夢物語、良いではありませんか。 語っていただきたいですね。 どのようなお話なのですか? あなたは、どんなところに惹かれますか。 [植物を宿す少女から雷恩が受ける刺激は、きっとこれからも彼の情緒を豊かにしていくことだろう。直青は笑みを深くして、続きを促した。 直青を父と慕ってくれる雷恩が、誰かの父親になる日は果たしていつになるのか。予測を立ててみる。その試算は直青にとって幸福を齎すものだった。 後ろ手に、羅生の手を握る。 遠慮がちに、けれど真っ直ぐに響いて聴こえる少女の言葉を待ちながら、直青は我が子を──その伴侶を見つめていた。] ** (126) 2023/11/30(Thu) 17:31:30 |
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