【人】 箱庭の雛 フェレス―― 醜い子猫の子 ―― [ 夜の底。 宿の部屋の窓から月明りが差していた。 ] ……もう、明日には終わりか [ 期限は祝祭中まで、 それ以上はどうしようもないから、 何が何でも見つけてください、と彼女は言った。 ] (227) 2021/12/12(Sun) 23:50:59 |
【人】 箱庭の雛 フェレス……でも、まだ諦められないか [ あの人にも言ってしまったから。 今日探したところには答えは見つからなくて、 少しだけナイーブ。] 今は少しだけ近くにいて欲しかったな、クレア [ 自分の大切な人、 親のように慕って、僕を送りだしてくれたその人。 今は近くにいないその人が、 その人の温もりが、今はただそれだけが欲しかった。 ] (229) 2021/12/12(Sun) 23:51:18 |
【人】 箱庭の雛 フェレス[ 幼い頃は今よりもっと体が弱かった。 ベットの上で変わらない景色を見て、 つまらない、なんて吐き捨てて。 空を飛ぶ鳥が、自由に歩く猫が、 ただ羨ましかった。 ] おはようございます、フェレス様 ……クレア、おはよう [ 使用人の彼女はいつも無表情で少し怖いけど、 僕を見る目は陽だまりのようにあったかくて、 気が付けば彼女を縛っていた。 あの女のように。 ] (230) 2021/12/12(Sun) 23:51:48 |
【人】 箱庭の雛 フェレス君のために用意したんだ うふふ、ありがと [ 母は貴族の男性の■。 男の全てを食い尽くす寄生木だった。 賢い人ならば、その心を見通されていたのに、 男はどうしようもないほどの馬鹿で、 彼女の妄信的な信者になってしまったのだ。 ] 愛してるよ、" テテル " ……私もよ [ 母の名は、テテル。 醜いという意味を持つ名前。 僕はそんな彼女から生まれた。 哀れな、醜い子供。 ] (232) 2021/12/12(Sun) 23:52:37 |
【人】 箱庭の雛 フェレス ――いいですか、危ない人についていってはいけません フェレス様は幼く見られるのですから 人攫いに狙われてもおかしくありません ……やはり私がついて行った方が 大丈夫だよ、クレア この腕輪があるじゃないか ですが……それはあなた自身にかかってる訳じゃありません 近づかれたら何の意味もないのですよ? 流石の僕もそこまで人に近づかないよ ……それに僕ももう18だし もうちょっと信用して欲しいな? [ 嘘ばかりで、汚い僕を救ってくれた君。 だから、僕は彼女に寄生して、 彼女の望むように。 ] それにクレアがいないと僕がいないとバレてしまうだろ? (233) 2021/12/12(Sun) 23:53:07 |
【人】 箱庭の雛 フェレス明日行ってみよう [ 鞄の奥、しまわれていた綺麗に折りたたまれた手紙。 最初は行くつもりなんてなかったけれど、 今は少しだけの希望を夢見て。 相手には迷惑をかけてしまう、なんて思いながら。 " 住所 "の書かれた手紙を机の上においた。] もう少しだけ頑張ってみよう [ ベットに横になって、瞼を閉じた。 いつもは恐ろしいこの時間でも、 今日は少しだけ気楽な気分だった。 ] (236) 2021/12/12(Sun) 23:54:35 |
【人】 箱庭の雛 フェレス[ 哀れな 子。醜い子。 いつまでも、人を頼ってる子。 けれど、少しだけ自分を許せるようになった。 それだけで救われたようになれる。 ] (237) 2021/12/12(Sun) 23:55:51 |
【人】 箱庭の雛 フェレス―― 祝祭二日目 ―― ふぅ……ここだよね [ 紙に書かれていた住所。 その場に迷わず無事辿りついたのは奇跡だったのか。 それとも神様が連れてきてくれたのか。 どちらかはわからない。 けれどどちらにしても、覚悟は決めている。 ] すいません、誰かいませんか [ 外から扉をノックする。 突然押しかけることになって申し訳ないけれど、 クレアが教えてくれた情報を信じて、夢見る。 ] (238) 2021/12/12(Sun) 23:56:07 |
箱庭の雛 フェレスは、メモを貼った。 (a40) 2021/12/12(Sun) 23:57:54 |
【人】 箱庭の雛 フェレス―― 祝祭二日目/魔術師の自宅 ―― [ 訪れた場所は、あの魔術師さんの自宅。 それが本当の情報なのかは、確実性のない物だったけれど、 パン屋で出会ったお姉さんが出て来たことで本当だと、 その確証が得ることができた。 ] えっと、その、はい パン屋で会った者……です? [ その嬉しさからか、 それとも緊張からかもしれないけれど、 ガチガチ、変な答え方をしてしまった。 ] (330) 2021/12/13(Mon) 22:35:04 |
【人】 箱庭の雛 フェレス[ それに女性、――ラヴァンドラさんがどうなったか、 僕にはそこまで気にする余裕なんてなかった。 けれど、椅子を勧められて一安心? 門前払いを受けなかったなんて、そんなところ。 ] ……今日は来たのは、ラヴァンドラさんへの依頼です 僕自身のことを、お願いしに来ました [ 確かなことを一つ、二つ。 突然押しかけたことの謝罪を先にすべきだったのに、 僕の気持ちは逸っていた。 ] (331) 2021/12/13(Mon) 22:35:47 |
【人】 箱庭の雛 フェレスラヴァンドラさんは高位魔術師で、 腕の立つ方だと聞きました [ それは見当違いなのかもしれない。 もしくはひどく常識的な物? どちらにしろ、魔術の知識なんてない僕には どうかなんてわからないから。 ] そのうえで、ご無礼を承知で訊かせてください [ 受けてもらえなくてもいい。 ただ、ほんの少しだけ話を聞いて欲しくて。 ] (332) 2021/12/13(Mon) 22:36:02 |
【人】 箱庭の雛 フェレス 悲しいお話をしましょう。 あるところに魔女が生まれました。 彼女はみんなと同じように成長して、 やがて愛する男性と結婚しました。 彼との生活は彼女にとって幸せそのもので、 この生活の他には何もいらないと切に願っていました。 ここで、めでたしめでたしならば幸せなお話。 けれどもこのお話は悲しいお話。 ある日、彼女の幸せは崩れ去ってしまいました。 それはもう、砂で作った城を壊すほどに簡単に。 (334) 2021/12/13(Mon) 22:36:32 |
【人】 箱庭の雛 フェレス 僕は彼女のことを愛してしまったんだ 彼が言いました。 あれほど愛を誓い、語った彼が、 今は魔女のことを気にもかけずに、 ただ一人の別の人を離さないように守っているのです。 けれど、魔女は我慢しました。 一瞬の気の迷い、いつか私の元に帰ってきてくれると。 事実、あの人はすぐに彼から離れました。 彼は落ち込んだけれど、魔女はやっと安心しました。 やっと、いつも通りの日常が来ると。 いつまでも魔女はその日を待ち続けました。 来る日も、来る日も、彼に冷たくされながら。 しかし、その日は訪れません。 何故だと魔女は調べ、そしてわかったのです。 (335) 2021/12/13(Mon) 22:36:46 |
【人】 箱庭の雛 フェレス あいつがなんでっ! 彼の傍にはあの人が。 あの時と変わらぬ笑顔で、 あの時と変わらぬ愛を彼からもらって。 そこで魔女の何かが壊れたのです。 大切に守っていた、何かが。 (336) 2021/12/13(Mon) 22:37:14 |
【人】 箱庭の雛 フェレス 死んでしまえ [ 魔女はただただ彼に愛して欲しかっただけ。 それが奪われたから、取り返したかった。 紐解けばたったそれだけのことでした。 それだけのことで、人を辞めた。 悪の魔女であることを良しとした。 あの人が 殺せる なら。あの人が 存在する ことを許さないと。呪文を唱えた。] (337) 2021/12/13(Mon) 22:37:27 |
箱庭の雛 フェレスは、メモを貼った。 (a55) 2021/12/13(Mon) 22:39:47 |
【人】 箱庭の雛 フェレス[ 温かい飲み物が届いた頃。 それを運んできた男性の姿に驚きの表情を一つ。 ] えっ、薬屋のお兄さん? [ ここで出会うと思わなかった人物。 お礼を言おうと思っていたけれど、 また会えるとは思っていなかったからこそ、 その登場に、驚きの顔が隠せなかった。 ] お兄さん、薬ありがとうございました おかけでよく眠ることができました [ 感謝の言葉をお兄さんに。* ] (360) 2021/12/13(Mon) 23:47:38 |
箱庭の雛 フェレスは、メモを貼った。 (a63) 2021/12/13(Mon) 23:50:24 |
【人】 箱庭の雛 フェレス(変な場所だったし、猫だらけだったし……) [ なんて、その言葉が冗談なことに気が付かず。 お兄さんのお店を本気で心配してしまいました。* ] (367) 2021/12/14(Tue) 0:23:09 |
(a66) 2021/12/14(Tue) 0:27:48 |
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