【人】 ハチヤ[ 扉を閉めて、ベッドに戻ると二つ並んだベッドのひとつが膨らんでいる。 おかしいな?おれは一人部屋だったはずなんだけど。 まあ、昨日はパーティーだったし、扉を開けたままだったから、酔っぱらった誰かが迷い込んだのかもしれない。 迷い込んだ誰かさんが起きるまでに、おれは鱗隠しの包帯を巻いておこう。 ああ、そうそう、サイドテーブルにコップと水差しがあったから、水にありつくこともできたんだ。 ……でも、寮のベッドにサイドテーブルはなかったってことと、幻覚じゃ喉は潤わないってことぐらいは、おれにだってわかるから。 *ここ……どこだろ?ってなるよね?* ] (3) 2021/04/03(Sat) 1:58:59 |
ハチヤは、メモを貼った。 (a1) 2021/04/03(Sat) 2:09:39 |
エンは、メモを貼った。 (a2) 2021/04/03(Sat) 2:31:19 |
【人】 文月 美鶴― ― [ 貴方と積み上げたものがなくなったとき。 私の中に残るのは、苦い記憶。 蜘蛛の糸のように細く、取るに足らないはずの でも、私にとっては重い 記憶 その 記憶 は心の奥に封じてた。 貴方にも言うつもりなんてなくて。 貴方の言葉は私を本当の意味では変えてなかったけど 表面上は、私を変えてたんじゃないかな。 少なくとも貴方以外の人には “なんか変わったね” って言われたりしたから。 ……貴方には気づかれてたみたいだけど。>>0:41 ちゃんと答えられなくて、>>0:129 貴方が後ろめたいことがあるからじゃないか、 なんて思っているのを知れたなら 私はそれに否定を返すことが出来ない。 ――私はね、 貴方が思うような素敵な女性じゃないから。 後ろめたいこと、があるとするなら、それ。 ]* (5) 2021/04/03(Sat) 2:36:41 |
文月 美鶴は、メモを貼った。 (a3) 2021/04/03(Sat) 2:40:26 |
【人】 アマミまぁ嘘の付き方なんて知らん方がいい。 はは。島の件は今でも悪かったと思ってる。 あの頃は少し他人に不信気味だったのさ。 ............いや。今も、か......? [顎に指を当て考える。 前よりマシになったというだけだと自覚しているつもりだったが、そのあたりはアマミの事を見てきたクラヴィーアの方が詳しいのかもしれない。 3年もかけて己の前にこうして姿を現している時点で大概じゃないだろうか、と。アマミが彼女の心境を知れば揶揄うことになっただろうが、それはさておき。>>0:149 仮面を被った自分とは違い彼女の表情の変化は実に分かりやすい。 おかげでアマミは余計な勘ぐりをしなくて済むというものだ。 傍にいても不快感を抱かない理由は彼女のこういう一面にあるのだ。] (7) 2021/04/03(Sat) 8:12:48 |
【人】 アマミ[互いの願いが一致した今なら>>0:150、「心が読める」と嘘をついても信じてもらえそうだが、残念ながらアマミは嘘が下手だ。 結局、自分がどうしたいかしか考えてはいなかった。 彼女に風邪をひかせない様に、など。 嘘ではなくとも彼女を家に留める口実に過ぎない。 隣を歩くクラヴィーアから向けられる感情はかつて己が願い、あの島で捨てた物を彼女に拾い上げられるようで。] 知ってるさ。 だが口実にするには上等だろう? [島の事を思い出してくすりと笑う。 「あの島を生き延びる人間に生活能力や免疫力が無いわけないだろう。何を言っているんだ。」 街を歩きながら、彼女をそんな風に揶揄って見せるのだ。] (8) 2021/04/03(Sat) 8:14:26 |
【人】 アマミあぁ、暖かい食べ物については同感だ。 それに、最近栄養も不足している気が するんだ。 [だからなるべく栄養価の高いものを彼女には頼むことになるだろう。料理のリクエストをしなかったのは、もてなされる者のささやかな礼儀だ。 食材を手に入れる時には費用負担について少々彼女と言い合うことにはなっただろうが>>0:152、結局アマミは自分が折れることを選ぶ。] あぁわかった。だがこれは俺の持論だけどね。 料理や家事をする事にも対価があって 然るべきだ。 礼くらいはさせてくれ。 [そう言えば彼女は納得してくれるだろうか?なんにせよ、その礼が何になるかは彼女次第のところがあるが。 先に家に入るなり、 おかえり と冗談めかすクラヴィーアは>>0:153なんとも可愛げのある姿だとアマミは思うのだった。]** (9) 2021/04/03(Sat) 8:16:34 |
【人】 アマミ[ところで彼女の使用人はやけに理解がある。 それどころかむしろ使用人は我々を見る時に何かを期待しているように思えて、彼女の家に寄った時にはアマミも流石にたじろいでしまった。 今でも使用人のにやけ顔がやけに気にかかっている。 その目はアマミからは利害を求めたものではなく、他者の色恋を囃し立てるある意味タチの悪いものに見えたのだ。 クラヴィーアの想い人である己が変人なのはいいとして。 使用人もまた変人なのだろうか? 普通もっと男側の己に対して厳しく当たるものでは無いのだろうか? アマミはそんな疑問を抱かざるを得ないのである。]** (10) 2021/04/03(Sat) 8:19:04 |
【人】 アマミ──買い物を終えて── [クラヴィーアが夕食の準備をしてくれている間>>0:165、アマミは当初予定していた執筆を足早に済ませていた。 構想は既に練ってるが為にこの印字の作業がなにより大変かつ面倒なもので、筆先を走らせながらも頭の中ではほかの事を考えるようにしている。 今考えていたのはあの島でのことだ。 失った記憶を思い出すことは出来ないが、記憶を失ったという事実だけは覚えていられる。覚えていてしまえるのだ。 それはきっと、クラヴィーアも同じなのだと思えばアマミは苦痛など微塵も感じはしないのだが。>>0:161 あの島での出来事に疑問がないといえば嘘になってしまう。] (11) 2021/04/03(Sat) 8:45:46 |
【人】 アマミ[疎まれ虐げられ、時には生命すら脅かされた幼少期。 記憶を抜かれた今となっては過去は苦痛でしかないが、 まこと皮肉であるのは断片的に記憶を残されている事だ。 記憶によって抱く感情は月によって淘汰され、そこには事実だけが残る。 己が何を感じたかなど。そこにはもう、無いのだ。 人の想いは記憶の奴隷なのだと、かのシェイクスピアは綴るが隷すべき記憶すらなければ何かを想うことも出来はしない。 それは感情を奪われたまるで機械の型番に等しい空虚なプロフィール。気分が悪いことには違いなかった。]** (13) 2021/04/03(Sat) 8:49:41 |
【人】 アマミ[しばらくして、執筆に勤しみながら思想に耽っていたアマミを現実に引き戻したのは、彼女が持ってきてくれた食事から漂ういい匂いだった。>>0:166 ありがとう、といつも通りクラヴィーアに礼を言うとまた彼女と食卓を囲む事にするのだが。 ちなみに味の方は完食した皿を持って答えとした。 ]味に対する絶対的な信頼、という方が正しいかもしれない。 ワインか......久しく飲んでない気がする。 せっかくだから貰うとしよう。 君も一緒に飲むか? [彼女にワインを見せられるとグラスを取りに行くのだが、いつか買ったワイングラスは少しだけ埃っぽい。その為一度洗って食卓にグラスをふたつ置いて、ワインを揺らしながら乾杯を告げることになるだろう。 教会からの貰い物らしいが、ワインは高級品だ。それ故に貰わない方が失礼というものなのだ。] (14) 2021/04/03(Sat) 8:51:09 |
【人】 アマミ[喉を通る酸味と渋みはクラヴィーアの作ってくれた煮込み料理に良く合う。 貴族共の真似事はゴメンだとワインは敬遠していたアマミであったが、これを機にワインをまた飲もうなんて考え始めすらしていた。 一口ワインに喉を鳴らす>>0:166クラヴィーアに何気なく] リアンの育てた林檎でりんご酒を作ったら きっと美味いんだろうな。 [と話題を振ってみるのだが。 おかしい。ちゃんとした返事が返ってこない。>>0:167 アマミは思わず目を丸くしてしまった。 なんとも間抜けな 本人に言ったら怒られそうだが 様子のクラヴィーアは、いままで見たことがなかったものだから。彼女の新しい、しかも滅多に見ることが出来ない一面が垣間見えたと思うと自然と笑みが零れてしまった。] (15) 2021/04/03(Sat) 8:54:53 |
【人】 アマミ[体力の消耗や疲れの蓄積は酔いを煽る。 もしかしたらクラヴィーアは今日のことで疲れてしまったかもしれない。 そう思えばアマミにはクラヴィーアをみっともないと糾弾できる訳もなく 椅子に深く座る彼女にそっと腕を伸ばして。] いつもありがとうクラヴィーア 今日はゆっくり休むといい。 [彼女を労いながらその華奢な体を抱き上げ、普段自分が使っていた寝室のベッドへと運ぶ。 どのタイミングで彼女が意識を手放したかは定かではないが。 彼女を寝かせた後は優しく頭を撫でた後、アマミはソファーで眠ることになるだろう。 多忙期にはベッドで寝ることなどほとんどないこの男には、寝床など関係ないのだ。 朝になれば今度はアマミがクラヴィーアに間抜けな姿を見せることになるだろう。]** (16) 2021/04/03(Sat) 8:56:46 |
【人】 アマミ[アマミが見る夢はいつも陰惨であった。 幸福な夢など見たことは無い。 正確に言うならば、彼女との時間こそがアマミにとっての夢に等しいもの。 だからアマミにとって、夢を見る必要などないはずだった。]** (17) 2021/04/03(Sat) 9:27:52 |
【人】 クラヴィーア[>>7 アマミさんの疑問にちょっと返答を考える。 ……私以外に対応している姿の記憶が ろくに浮かばない。 ならば ] 別に悪いなんてないですわよ。誰にだって言われたらいやな言葉位ありますし。 [連鎖で思い出す。言い返した顔が好みだって言葉を。思い返すとかなり恥ずかしい。 どんな返答だ、自分。 だが今でもそれは変わってない。趣味に合致している。お面があって直視する機会が少ないのはある意味助かっているのかもしれない……。] 少なくとも、今の私にはそう見えないよ。 [こんなに優しくしてくれて。私の事を悪い人間じゃないって信じてくれるんだからな。>>0:142] (18) 2021/04/03(Sat) 10:34:34 |
【人】 クラヴィーア[歩きながらかけられる揶揄われる言葉。>>8 そうだなって笑い返す。 まだ一緒にいたい。同じ願いでいてくれるのなら。口実なんて何でもよかった。 栄養価が不足していると言われれば心配を隠さない視線を向ける。>>9 私が来ない時ちゃんと食べてるのか? この人……。 お礼、と言われればそれを拒否することもない。 仕事に対して報酬があるのは当然の話だ。] わかりましたわ。 楽しみにしてますので。 [私次第、なんて考えてる事は知らない。 私としては何を選んでくれるのか。それを楽しみにしたかった。 なんでもいい。仮に趣味が悪いのが来たって笑って受け取るとも。選ぶ間自分を考えてくれる。自分の事で悩んでくれる。 そんな時間がアマミさんに出来るだけで十分嬉しいんだ。] (19) 2021/04/03(Sat) 10:36:31 |
【人】 クラヴィーア[うちの使用人はロマンス小説かぶれを起こしている。 貴族の間では顔をしかめられるロマンス小説も私は読んだりしている。虐待されている時期、本の世界に逃げる事が多かった時からの習慣だが本というのは面白い。 使用人にも勧めたらすっかりはまってしまった。 私の今までの境遇、そして恋。 それらははたから見れば物語のような、観客から見れば実に心わき踊るものだったようだ。 『恋というのはどうしようもないものですわ!』なんて豪語された。うん、反対されないのはいいんだがな。 囃し立てる視線に感じたのは、決して間違いでないのを謝罪しよう。……すまない。 なお親戚はわりと普通に心配してくれている。が私が意思を曲げなかったから折れてくれただけである。] (20) 2021/04/03(Sat) 10:39:24 |
【人】 クラヴィーア ― 夕食時 ― [食事を完食されればほっと一安心。>>14 ワインを勧めれば一緒に、と言われ断る理由もなく受け入れた。 呑んで少ししたら頭がふわり、として来た。 ……リアンさんの名前が聞こえた気がする。>>15] ……ん。 [生返事に目を丸くされたのにも気づかない。 間違いをうっかり起こさないように。と気遣い続けていたのに。今日は失敗を犯したとも。ああ。 間抜けと言われても反論出来ないな、これは。 体が抱き上げられる感覚。>>16 ……物凄く心地よかくてつい甘えるように身を軽くよじる。 布団に入って少しで完璧意識は落ちる事となった。]* (21) 2021/04/03(Sat) 10:40:48 |
クラヴィーアは、メモを貼った。 (a4) 2021/04/03(Sat) 11:09:27 |
【人】 ハチヤ[ここがいつもの部屋じゃないってことはわかった。 じゃあきっと隣で寝てる人の部屋で、おれが迷い込んだのかなって過ったんだけど──… パーティーで知らない女の子から変なものを食べさせられて、それから先がもやもやしてるんだけど…… 今起きてきたのは髪型とか顔だけなら女の子で通るかもしれないけど、体つきはどう頑張っても女の子じゃない。 おれの名前を呼ぶかすれ気味の声も、女の子のものじゃない。 んで、この人はおれの隣で寝かせられてた。 状況的にこの人はおれと同じってことなんだと思う。 …………つまり] ……おれら、誘拐されたの? [って、ことだと思うんだ。 あの子の被害者おれが1番、この人2番。 この人ひどい目に合わされたみたいだから順番逆かもしれないし、他の部屋にもおれ達みたいな人がいるかもしれないから、ほんとはもっと番号があるのかもしれないけど…… 今はそういうことにしとこう。 そういえば、この人なんでおれの名前知ってるんだろ?] (22) 2021/04/03(Sat) 12:12:41 |
【人】 ハチヤ[学園に放り込まれてすぐの頃、何が原因だったのかは思い出せないけど、 おれが大事にしてたものが盗まれて、ぼろぼろになって返ってきたことがあったんだ。 きちんと宝物がぼろぼろにされた分、犯人もぼろぼろにしたけれど、先生にはめちゃめちゃ怒られたし、一部の授業は出れなくなっちゃって。 それ以来、わからないヤツとは付き合ってもいいことなんてないだろうから、おれは必要最低限の人以外と関わらないようにしてたんだ。 だから、えっと、ほんとに] ごめん、きみ、だれ? [知らない=交流がないって言ってもいいから、2番の人に心当たりが無さすぎた**] (23) 2021/04/03(Sat) 12:21:20 |
【人】 メガネ 忽那 潤────微睡の中に入る時 [ 彼女の願いが届いたか、届いていないか。 彼女のごめんなさいは彼の耳には入らなかった。 彼女を愛した代償に、 彼女よりも先に微睡の中に入ってしまったから。 もし、彼がその謝罪を聞いていたのなら 『そう思うなら、信用してほしい』 から入っていたかもしれない。 全部、彼女の過去も背負いたいから。 彼女との未来を考えているから、 尚更知りたくなってしまうのだ。 教えてもらえないのなら、 心が苦しくなりそうで、辛い。 ]* (24) 2021/04/03(Sat) 12:59:22 |
【人】 エン[記憶の一部を奪った、という誰だか知らない声は、疑うべくもないらしい。一部というのがまさかピンポイントで俺だとは。タイミングといいよっぽど性格が悪いらしい] [あいつの目が俺を知らない人をみるみたいな目をしてた。あいつは感情が全部顔に出るから、隠すなんてできないし嘘だってつかない。だから>>1はたぶん本当で 誘拐されたの?なんて見当違いに違うという否定を返す余裕はない。むしろそれが事実であった方が、むしろいいのではないだろうか。だって違うというのなら] 「ごめん、きみ、だれ?」 [凍り付いたみたいになった俺に、一番聞きたくない言葉が聞こえた] (25) 2021/04/03(Sat) 20:51:50 |
【人】 エン ──………。 [これは、なんと返すのが正解?友達?寮の同室?それとも、お前の嫁だとでも? どれと答えたところでこいつは俺のことを覚えていないのに。何と答えても、きっと俺はこいつにとって不審者だ。こいつは不審者は徹底的にスルーするやつだから、俺が不審者になったらきっと俺に興味なんてなくすのだろう。 この上なにこいつ?みたいな目を向けられたら泣くかもしれない] ……あー… [どうしよう。けど] ……ちょ、っと。たんま。ちょっと、待て。おち、つくから…… [それだけ言うのがやっとだ。一度剥ぎかけた布団をばさりと頭の上までひっかぶって、完全にこもってしまおう。今は、コイツの声も聞きたくない*] (26) 2021/04/03(Sat) 20:53:12 |
【人】 ハチヤ[しっとりした髪のまま、おれは一人で部屋を出たんだ。 おなかすいたからなにか食べるものを探さなきゃって思ったし] 記憶、戻さなきゃ… [やらなきゃならないことがわかったから。] 頭を打つ、 電気を通す、 あと今出来そうなのはなんだろ…… [ 目的はわかったけど方法はわかんないから、それっぽいことは全部試そうって思ってるんだ。 エンが起きたらエンにも聞いてみるつもりだけど、一番いいのは起きる前に記憶を取り戻すことだと思うから。 まあ、起きたらおなかすいてるだろうから、最優先は食べ物なんだけどね**] (27) 2021/04/04(Sun) 15:56:25 |
アマミは、メモを貼った。 (a5) 2021/04/04(Sun) 16:51:41 |
クラヴィーアは、メモを貼った。 (a6) 2021/04/04(Sun) 17:29:35 |
【人】 文月 美鶴[ 潤さんはいつも可愛いとか綺麗とか 料理美味しいとかたくさん褒めてくれる。 ……褒められるのは嬉しいし なんとなく自分が素敵な女性になった気分に させてくれる、けど……。 偶にふと、考えてしまう。 私ができることなんて潤さんだってできる。 料理だって、美味しいって言ってくれたら そうかなって思うけど、 そのあとで潤さんの料理を食べたら… ……やっぱり私はまだまだかなって。 上達だって遅いと思うし。 潤さんを信用してないわけじゃない そう、思うけど…… でも、この気持ちは多分…… ] 貴方にはわからないんじゃないか [ なんて、そう思ってしまうのは 信用してないってことになってしまうのかな。 貴方はどこまでいっても出来る人、で 私はどこまでいっても平凡な人、だから。 そんな悲しいこと、言えるわけないでしょ? ]* (28) 2021/04/04(Sun) 20:54:00 |
【人】 ハチヤ[ ──その屋敷はよく似ていた。 ほとんどが焼け落ちて柱のみで間取りを示していたのなら、瓦礫でふさがれた地下に続く隠し通路なんてものがあったなら、ハチヤは気づいただろうけど。 館の形をしていた頃の館の姿を、地下で生まれ地下で育ったハチヤが知ることはないし、 こちらには地下室なんてものは存在自体していないから、きっと偶然の産物なのだろう。 健在のころの屋敷を知るであろう人物は招かれていないのだ。 きっと偶然の産物なのだろう。 ] (29) 2021/04/05(Mon) 1:46:54 |
【人】 ハチヤ[部屋を出たおれはふと窓の外を見てみたけど、真っ暗で何も見えなかったんだ。 吸い込まれそうな黒を眺めていたら、自分がどこを見てるのかわからなくなって気持ち悪くなってきちゃったから。 できるだけ窓から離れて階段を降りていこう。 こういうお屋敷って一階中央に広間があってその奥とかに厨房って感じだろうだし] (30) 2021/04/05(Mon) 1:47:38 |
【人】 ハチヤ[やっぱりね! エントランスホールについたら、大広間って感じのでっかい扉があったから、おれはさっそくお邪魔した。 広間自体もテーブルの上もやたら豪奢だったし、並べられた料理からは湯気がたっていたけれど、 料理に用はなかったのでおれは果物籠だけもらって、 厨房に続く扉に耳を当てて物音がしないのを確認してから、中に滑り込んだんだ] …… [温かい食事が並んでいたのに、滑り込んだ厨房には誰もいないなんて状況、おれだってさすがに変だって思うから] (31) 2021/04/05(Mon) 1:48:27 |
【人】 ハチヤ[オレンジとメロンにご退場いただいた果物籠に、皿とカトラリー、ついでにマグも突っ込んで…… それからほかにも何かないかって冷蔵庫をあけたんだ。 そして、閉めた] (32) 2021/04/05(Mon) 1:50:42 |
【人】 ハチヤ[それからおれは、果物籠をひっつかんで全力ダッシュで部屋まで帰ったね! ちょっとこの屋敷ろくでもないんじゃないかな!! エンに料理は食べるなっていっとかないと。 あと冷蔵庫も開けちゃダメって言っとこう! どっちも、 ごはん を見たことないエンには、ちょっとどころじゃなく刺激が強すぎる!!**] (33) 2021/04/05(Mon) 1:51:46 |
【人】 アマミ──回想:三年後 アマミside── [実際のところ、あの島でアマミがクラヴィーアに告げた3年という時間は縁切りのようなものであった。 それは火が自然に収まるのを待つかのよう。 そもそも婚約や恋愛など政略の利害に基づいた極めて合理的なメソッドに過ぎない。 それはアマミが人生を経て培った持論のひとつであったが、その持論は極めて非合理な少女に3年の刻をもって壊されることとなった。 元来アマミにとって、自身と添い遂げようとする女達は皆金や名声にがめつく蛇でしかない。 長年培い続けた持論を直ぐに手放すことは出来ず、アマミは少女にあの言葉を告げた。>>0:81 未熟なEveは蛇に唆され、リンゴを食べて堕ちた。 未熟なリンゴは果たして毒か、蛇か。あるいは両方か? アマミは3年も経てば、糸は切れると思っていたのだ。 そして想定では3年経った頃にはもう二度とクラヴィーアに会うことなどないはずだった。] (34) 2021/04/05(Mon) 6:42:57 |
【人】 アマミ[しかし、それがどうしたことか。 少女は心身共に成長を遂げ、自身の前へと現れた。 あの時アマミは自身が培った経験や想定の中ではありえない事が起きたと、彼女には見えないお面の奥目を丸くしていたのだ。 「アマミさん、私は貴方が好きだ。 貴方の側にいさせて下さい。」 そう頬を赤らめながら告げるクラヴィーアを前にして、アマミは思い知らされる。 彼女は蛇なんかではなかったのだと。 『未熟だったリンゴ』は毒など微塵も入ってはいないのだと。 自身の想定した二者択一の中には ]そもそも正解なんて存在しなかったのだと。 (35) 2021/04/05(Mon) 6:45:42 |
【人】 アマミ[彼女を前に己の経験など何の役にも立たない偏見に過ぎないと気づいた時、アマミは彼女を家に招き入れることを決めた。 「君にはまいったよ。」 そう冗談交じりに彼女に告げたアマミだったが。 あの時の彼女に対する心象はそれに尽きるのだと、アマミは今でもそう言うだろう。 らしくないのは承知の上で、運命とはこういうものなのだとすら思えてしまったのだ。]** (36) 2021/04/05(Mon) 6:54:08 |
【人】 文月 美鶴 ―“私”の気持ち― [ 私がどう思っていたか? ………好きで好きでたまらないって思ってた。 私だけを見ていて欲しい。 私だけの貴方でいて欲しい。 私だけに時間を使って欲しい。 もっといろんな姿が見たい。 もっと貴方が喜ぶことをしてあげたい。 ずっと、そばにいたい。 結婚したいって言われるのなら 断る理由なんて、全然思い浮かばない。 ………でも。 気持ちが大きすぎないかなって、心配だった。 嫌がられないかなって、怖かった。 頼りすぎてないかなって、不安だった。 貴方にふさわしい私でいられていたのか 自信が、持てなかった…………。 ] ** (37) 2021/04/05(Mon) 10:09:07 |
【人】 ハチヤ[隣で眠るエンの寝顔を覗きこんで、もう大丈夫かななんて、おれはほぅと息をついて、それから起き上がって頭を抱えてしまった。 おれがしってるエンは、不安がったり怯えたりって弱ってる状態ばっかりで、 おれがエンを忘れなきゃ、エンはもっと笑ってたりしてたのかなって思ったんだ。 弱々しくじゃなく、笑う顔がみたいなって思ったんだ。 それにしても、お嫁さんのことをすっぱり忘れるなんて、ハチヤってやつは酷いヤツなんじゃないか? おれだったらエンのことを忘れたりなんてしないし、あんな風に泣かせない。 おれもハチヤだけど、酷いハチヤにエンを渡したくないなぁって思うんだ! ……おれ、記憶が戻ったら、どうなるんだろ。 エンを知ったハチヤが消えて、エンを知ってたハチヤだけになるのかな。 それは 嫌 だなって思うけど、おれが知らないエンのことを思い出したいって思うし、エンが会いたいハチヤはエンを知ってたハチヤだから…………どうしよう、おれは、エンのこと、思い出したいけど思い出したくない] (38) 2021/04/05(Mon) 11:31:46 |
【人】 ハチヤ[ わからないものを判別しようと警戒しながら近づく犬に わからないものを切り捨てる方向に割り切った男 緩やかに着実に 鮮烈に急激に ただの同室者に 番、伴侶という存在 出会い方が違うから、とっていた距離が違うから、同じ存在同士でも、抱いたものは違うもの。 別の印象、別の感情を抱いても、名前をつけるならそれでもこれらは同じ名前をもつらしい。 **] (39) 2021/04/05(Mon) 11:46:11 |
ハチヤは、メモを貼った。 (a7) 2021/04/05(Mon) 11:47:10 |
【人】 クラヴィーア ― 回想: 恋 に落ちた ―[恋に落ちるなんて 想定外だった。 あの島にいた時の私は一番悪い状況で、心身共に傷付ききっていた。 婚約者に信じて貰えなかった傷だって深いまま。 恋をしてなくても相応に親しみはあったんだからな。 恋をするには最悪の心の状態だった。 ───それなのに、落とされた。 力もなく、何一つ出来ない。怪我をしていて助けられるまま人の手を求めないと動く事一つすら満足に出来ない状態だった弱くちっぽけな人間。それが私の自分の評価だ。 願いが必ず叶う月が本物と分かって、喜ぶどころか私は怯えた。必ず叶うというのが怖かった。 人に出来ない事が出来るのが実在するのを恐れた小心者だ。 『未熟なリンゴ』は本当にただの未熟な人間だったさ。] (40) 2021/04/05(Mon) 21:36:43 |
【人】 クラヴィーア[アマミさんはそんな未熟者の為に願い、ちっぽけなだけの私をそれだけで十分な理由にしてくれたんだ。>>0:104 あの時、どれほど心が震えただろう。 どれほど嬉しかったのか。 どんな言葉でも言い表せない。 私の心の一番奥深くにそのたった一言で根付いてしまった。 あの人が私の存在を救って、そして報いてくれた。 世界の隅っこで小さくなってた私を見つけてくれたんだ。 それを特別に感じないなんて出来なかった。 恋 に落ちたおまけに相手が縁切りを想定した言葉は>>34、皮肉な事に私にとどめをさしていた。 そんな事言わなければ思う事は続けても、会いにいってその言葉の責任をとらせてやろうなんて願わなかったのにな。 ] (41) 2021/04/05(Mon) 21:38:53 |
【人】 クラヴィーア[家族の事、体と心に深く残ったトラウマと戦う事。 三年の間にあったことの中には苦く辛い事も多かった。 判決が決まる頃父が脱走しようとした。 私はそれを聞いた瞬間駆け出していた。 目が合った瞬間、その父は偶然が重なって……捕らえられた。 ────守って貰った そう思っている。 悪夢を見た時、体が痛んで上手く眠れなかった時 ふっと、穏やかになる瞬間があった。 そんな瞬間を重ねる度、気づく度 私は必ず願いを思い出して、彼を思い出して 掴まれた心をぎゅっと握りしめていた。 三年は短くない。 恋は三年すれば冷めるとか聞いたこともある。 冷めるどころか掴まれた心は、落ちてしまった心はただただひたすらに会いたい気持ちを募らせていた。] (42) 2021/04/05(Mon) 21:42:00 |
【人】 クラヴィーア[会いたいと、月に願った内容は条件付きだった。 条件の一つ、三年好きでいるかは正直賭けだった。 賭けに 恋 は勝った。馬鹿でも良かった。呆れられてもよかった。 ただ、伝えて返答を貰えればそれだけでもこの恋は報われた。 側にいたい。 恋を伝えた時願ったのはただそれだけ。 当然だろう? 相手にとって私は通りすがりの少女でしかないのだから。 そうしてそれが受け入れられて、傍に居続ける事でこの恋はさらに育っていった。 好きを募らせずにいられない。 私にとってアマミさんはきっと運命の人なんだって そう思うんだ──── ]** (43) 2021/04/05(Mon) 21:46:50 |
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