人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


牢の中にいる。

寝ている。

嵌められた手錠を見下ろした。

頬を打つ雨が冷たい。

────。

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>1:153 テオドロ 0日目
いくらか、答えに対して返る視線があった。幼いものを見るような、柔らかな目だ。
小言もこれまでとしたからには、今は言葉で伝えるものはない。
そして、それは自分だけの役割であるわけではない、今説かねばならないことではない。
ただ、今は曖昧な納得だけを返すように、長い睫をそっと伏せて笑った。
男がいくら言葉を弄そうが、今の貴方は"そう"なのだ。

「取り調べの時も、完璧な服装では出向くなと教える人もいた。
 目標や被害者に話をしにいくのに、わざとネクタイを緩めたりカフェオレをこぼしたり、
 隙のある人間であるように見せることで、相手の話したくないことを聞き出す術らしい。

 抵抗の有る言い方かもしれないけれど、人を頼るというのも同じことだ。
 もしも曖昧な感情や関係性に信を置けないのなら、そういう作用を見るといい。
 ……別にこれも、計算ばかりの話ではないんだ。
 安心して心を開いてほしい、無理強いしたくないというのは捜査官として不自然無い動機だ。
 罪を犯していたとしたって、相手が市民であることはいつだって変わらない」

0と1ばかりの世界の話ではない。傾いた夕日が映す街のシルエットを見据えて男は言う。
ひととして生きるにあたって地続きの公と私を交えながらに、声の調子が変わったのを見て振り向く。
連れ立って商店街のついてきた足は、まだ方向を変える様子はない。

「うん? ……ふふ、そうだな。
 私の買い物に一つ付き合わせる代わりに、私も君の買い物の様子を見せてもらおうかな。
 ちょっと古い友人に会いに行こうと思ってね、手土産を探していたところなんだ」

言葉で差し出された順番は、実際の買い物の順番とは逆行するだろう。
自然と言い換えてしまって、己の責が先行しているかのように足を進める。

#街中
(8) 2023/09/18(Mon) 17:07:21

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>1:155 ロメオ 1日目

「ああ、そうだったんだね。憧れの職場、みたいなものなのかな。
 目標を達成できることは、……いいことだ」

相手の風体を見る。自分よりかは当然、重ねてかなり年若くは見える。
ティーンエイジャーの残り香がやっと解けてきた頃……と思えば、よい目標だ。
嗄れたり衰えたふうには見えないまでも、男の目元には年数の積み重ねがある。
どうしたって、まるで目下のもののように見てしまうのは仕方のないことかも知れない。

「いい特技だ。客商売に向いているだろう。
 叶うなら私の職場にも欲しいくらいだ、なんて言ったら店主に申し訳ないかな」

――無為の問いかけではない。多少の、そうした意図はあった。
とはいえ、貴方だけを疑っているわけでもない。相手取っているものが相手であるから。
街に溶け込む"貴方がた"を追う以上、街の全てを疑う必要がある。
そしてそれらは、疑う相手である街を守るためでもあるのだ、だから。
この問いかけは決して敵対的なものではない。
付け加えるなら、引き抜きたいのだって少しくらいは本心だ。

「また来るよ。
 次もおすすめを教えてくれたら、嬉しいな」

勘定をすませたなら、小麦の匂いのする袋を持ち上げる。
少なくともこれで男は貴方の顔を覚えたし、貴方も男の顔を覚えただろう。
いつまでも客と店員であれるのが、一番だ。
(11) 2023/09/18(Mon) 19:17:52
──取調室にて、マフィアとの関わりを詰められた男は否定も肯定もしなかった。
どころか事情聴取の間、殆ど口を開かずに黙秘を続けるばかり。
何も語ろうとはしない態度に怒声を浴びせられても、その視線は己の手を拘束する手錠に向けるだけ。

室内にいる警官が異常に気付いたのは、そんな時間がしばらく過ぎた後のことだ。

ただ座っているだけの男の呼吸は常と比べれば荒く、頬は赤らんでいる。
雨が降る夜、濡れ鼠のままに連れてこられたその身体は随分と冷え切っていて。
些細なことで高熱を発症する奇病のトリガーとしては十分だった。

結果、この状態でまともに話を続けるのは不可能と判断され取調べは一時中断。
男は一度、檻の奥へと戻された。

#取調室

毛布一枚を渡されて冷たい床に頬を押し付けていると、なんだか懐かしい。
羽織るものがあるだけ、雨風を凌ぐ屋根があるだけ、あの頃より随分とマシだ。
蘇る記憶に苦しさは混じれど、暖かなものだって十分に思い出せる。
"
ねえさん
"と唇が動いてしまったのは、不調が呼ぶ甘えのせいだろうか。

誰を恨むつもりもない。
誰を憎むつもりもない。
馬鹿で愚かだって言われてもいい。
考えることも、迷うことも、信じることも、やめたくはない。

掠れた声で呟いた『だいじょうぶ』は、まるでおまじないみたいだった。

#牢獄

牢の中にいる。しかし、自分のいるべきはここではない。

これは男が逮捕されてすぐの話。
取調室で男は散々吼え立てた。そんな事実はないと声を荒げた。

自分はやっていない。
自分がするわけない。
皆が証言するはずだ。
そんなはずはないと。
イレネオ・デ・マリアが、
あの男が、
マフィアと手を組むなんて!


その必死さはまるで主に捨てられそうになった犬のようだった。
酷く叱られ遠くに置き去りにされようとする犬の姿に似ていた。
低く唸り、呻き、哀願することさえして見せた。
けれど当然、聞き入れられるはずなどなかった。
結局、男にかけられた嫌疑が晴れることはない。

牢獄に戻された男は、酷く憔悴していたという。

#取調室

さらに、これは男が逮捕されて暫くの話。

男は、牢から姿を消した。
男が収容された牢はもぬけの殻になった。
けれど、誰もそれを大事にはしなかった。
巡回の刑事も、問題なかったと報告した。
そこにはただ、しんとした牢だけがある。

#牢獄

さらに、さらに、その後の話。

十数分の空白の後、男は自ら牢に戻ってきた。
素直に牢に入り、鍵が閉まれば腰を下ろした。
その足取りは確かだった。瞳は前を見ていた。

イレネオ・デ・マリアの牢は、酷く静かだ。

#牢獄

喋らない。

例え血が流れようと、爪が剥がれようとも、喋らなかった。

グラスを差し出した。いつも通りに。

いつも通りにカウンターの向こう側にいる。

それのことばかり考えている。

【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

>>3:27 テオドロ 0日目

「一つ一つ挙げるつもりはないが、君は諦めるのが早すぎるな。
 諦めきれないものも、そのくせ多いように見える。
 若年寄ぶるのはあまり君には似合わない気がするよ」

なんて、さして貴方を知るわけでもない上役の人間の言うことだ。
それが的を射ていると感じるかどうかは、今の貴方、あるいは将来の貴方に委ねよう。
茶化したような言い方をするのは、今は考え込ませるのは一区切りの合図。
眼の前の風景に目を向けさせて、先ずは貴方の目的地へと足を向けよう。

「自分のできることを正しく評価できるのは、君のいいところだ。
 いま、どうにかしなくちゃいけないことなんてのは意外と世の中少ない。
 君の将来が私は楽しみだよ」

いつか、いずれの時まで見守っているかのように言うのだ。
その保証など少しもないくせに平気で嘯いて見せる。

それじゃあ、とふたつの足音は商店街を抜けていく。
貴方の買い物は内訳が決まっているけれど、男の方はそうでもない。
ぽつ、ぽつとアドバイスを貰ったりなんかしながらに焼菓子ふたつなんかを選んで、
他愛無いやりとりがあった頃の夕暮れが過ぎていく。

まだ、処刑台に上がるよりも前のことだった。
(28) 2023/09/20(Wed) 2:08:14
プランがあった。

雨の日だって
#バー:アマラント
はいつも通り。
日中は程々に過ごしやすくとも、
夜になるとやっぱり少し冷えるもので。

──マスター、何か体があったまるようなもの頼めるかい?
 ああ、すぐに出せる」

マスターの得意料理らしいシチューは具沢山。
なんだかちょっぴりお得な気分になれるかも。
ライ麦香る食事パンと一緒にどうぞ。彼女が好きな取り合わせ。

正義仲間を信じている。

ヴィンセンツィオは、目に映る誰も彼もを全てを欺いている。
(a29) 2023/09/20(Wed) 20:56:37