人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:


【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 回想/フォルスと ――

[表情の乏しい子供が不躾に袖を引いても、
 その人は笑顔を崩すことはなかった。>>3:264

 腰を折って、視線を合わせてくれる。
 そうしてくれる大人と出会ったのは、
 洋館に訪れてからだった。

 共に暮らした老夫婦は既に腰が曲がっていたから。
 こうして腰を曲げることが子供の為に、
 視線を合わせてくれているのだと気づいたのは、
 いろいろな人に物事を教わり始めてからだ。

 『子供』が『大人』を頼っても良いのだと
 教わったのも、洋館に来てからだった。

 だから、一番『大人』に見える『力』に。
 せんせいのことを伝えようと思ったのだ。]

 
(12) 2022/12/20(Tue) 0:59:46

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[その頃はまだあまり人と話すことに慣れていなくて、
 色んなものが言葉足らずだったと思う。

 それでもフォルスは優しく頭を撫でてくれた。
 撫でられることに慣れていなくて、
 乏しい表情が、一際複雑なものになったかもしれない。

 嫌な感じはしなかったから、避けることはしなかった。

 同じ高さになった視線の先に、
 私にも分かるような言葉で話す彼に。>>3:266

 こくん、と。
 小さく、頷いた。]


  
『いたいのは かなしいから』



[それは自身が負わされた疵を思い出してのこと。
 痛みはじくじくと身体を苛むから。
 痛む度に、痛む場所を繰り返し思い出すから。
 夜も眠れなくなって、つらい。]

 
(13) 2022/12/20(Tue) 1:00:40

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[覚束ない言葉で、もう一度、袖を引く。
 少し言葉に迷いながら。
 頼んでも良いのか、迷いながら。

 それでも。]


  
『せんせいのいたいの、なおしてあげて』
 



[見てしまった疵を、見ないふりは出来ない。]

 
(14) 2022/12/20(Tue) 1:01:32

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[ぽつぽつと、せんせいの部屋で見てきたものを伝えて。
 それでも、言葉は足りなかっただろう。
 うまく伝えられたかは分からない。

 後に与えられた飲み物はじわりと身体を温めてくれた。
 少し、緊張が解けた気がした。

 フォルスからもお願い事があったなら。
 また、こくりと頷いて。

 小さな少女は時々、売店を訪れるようになっただろう。**]

 
(15) 2022/12/20(Tue) 1:02:09
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a4) 2022/12/20(Tue) 1:06:19

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― *** ――

[プロセラの姿を探し回っている内に、
 日は傾き、夜が訪れていた。

 洋館にいる人が少し減ったように思う。
 崩壊していく故郷を心配してのことか、
 もしかしたら、此処も崩れると踏んで、
 逃げていった人も居たかもしれない。

 端末をもう一度見る。
 チェレスタからの返事はまだなかった。>>3:472

 まだ気づいていないのかもしれない。
 エーリクとの話が長引いているのかもしれない。

 会ったら、話してくれるかな。
 彼女が気にかけている一座のことも。

 こんな時に限って、
 別れ際の少し戸惑った彼女の姿ばかりを
 思い出してしまうから。

 ぶん、と大きく首を振って考えを散らした。]
(128) 2022/12/20(Tue) 22:37:46

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[医務室も、中庭にも、部屋も探したけれど。
 プロセラの姿は何処にもなくて。

 洋館の外まで見て回って、
 探し疲れた頃に、彼の世話人を見つけた。

 もしかして――、と、思い当たる場所を聞いて。
 最後の伝手を縋るように。

 教えられた場所へと足を向けた。]
(129) 2022/12/20(Tue) 22:38:04

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[あまり使われていない、埃っぽい場所。>>11
 教えてもらわなければ、知ることはなかった。

 階段を上って、上って。高い上。

 人も寄り付かないような物置のような場所の片隅に、
 身体を丸めるようにして目を閉じている彼を見つけた。

 見つけてほしくなかったのかもしれない。
 見つけてはいけなかったのかもしれない。


 それでも、彼の姿を見つけたら、
 無意識に安堵の息が零れた。]
(130) 2022/12/20(Tue) 22:38:44

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[起こさないように、驚かさないように。
 ゆっくりと埃を立てないように歩み寄っていく。

 傍らに寄り添うように、腰を下ろして。
 そっと、緩やかに彼の髪を撫ぜた。

 夜の間は、『太陽』は存在しない。
 その姿を隠してしまうから。

 夜闇に浮かび上がるのは『月』と『星』。
 

 ――『塔』は『星』の前で処刑されました。
 ――『審判』は『月』を殺しました。


 そんな、教典の一部を思い出す。

 『塔』の痣を持つプロセラも。
 『審判』の痣を持つチェレスタも。
 
 彼も、彼女も、少なからずも。
 誰かの死がまとわりつく。

 誰かを手をかけるのも、誰かの手にかけられるのも。
 『太陽』の痣を持つ私には分からない。]
(131) 2022/12/20(Tue) 22:39:18

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[ころりと、埃の上に横になる。
 プロセラの隣に並んで、眠るのは初めてかもしれない。
 
 彼が目を覚まさなければそのまま朝になるだろう。
 シーツがないのは、少し寒いけれど。
 身体を寄せれば、少しは暖かくなるだろうか。

 距離を縮めて、彼の胸元に耳を当てる。
 トクン、トクン、と彼が生きている音がする。

 彼に習うように目を閉じて。]



  ……大丈夫、ずっとそばにいるよ。



[すっかり移ってしまった彼女の口癖は、
 まるで自分自身にも言い聞かせるように。]
(132) 2022/12/20(Tue) 22:40:34

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク




  
はじめて つないだ あなたのてを わすれはしない。


                   

                          **
(133) 2022/12/20(Tue) 22:41:04
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a33) 2022/12/20(Tue) 22:45:28