人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着:マリィ  

【人】 マリィ  

  ー 『Edge』店内にて ー


  やっだァ!!つけまブスがまた
  つけまモリモリで来たじゃなーい!!
  おかえりー♡今日も化粧ノリ最悪ね!



[しなを作って出迎えれば
 常連の若いOLはゲラゲラ笑いながら
 いつものカウンターの隅に腰を下ろした。

 多分これ上司にまた虐められたパターンかな、
 ……なんて、アタシの第六感が囁いている。

 いい加減職場変えるか、でなければ戦うか
 とっとと覚悟を決めればいいのに、
 多分この優柔不断な彼女には無理な話。
 「でも」「だって」を繰り返して
 散々吐くまで飲み明かして……
 そうしてまた日常へ帰って行く。

 この店は、ゲイのゲイによるゲイバー。
 だけど、ゲイのための店ではないから
 色んなお客さんが来るの。
 お仕事疲れのOLちゃんから、
 冷やかしのノンケ、恋人探しのゲイ……
 老若男女のごった煮共が雁首揃えて
 毎日の悩みを吐き出しに。]
(8) 2020/09/10(Thu) 14:21:56

【人】 マリィ  

[アタシはその誰にも言えない悩みや秘密の
 体のいい吐き出し口ってワケ。
 ……って、言うとなんか便器みたいだけど。

 楽しいことだけして、辛いこと全部全部
 忘れるための、場所。

 常連のミキちゃんの顔は、冗談抜きで
 化粧で誤魔化しきれない窶れが浮いていて
 本当に、ブス。
 このブスが、明日にはもう少し
 まともな顔になれるように
 アタシは思い切り体をくねらせて笑いを誘うの。]


  ……なぁに?なになに?
  シケた顔のブスの席なんか無いわよ。
  そんな顔してると廊下に出しちゃうんだから。

  ─────何飲む?


[マゼンタに塗った唇で、そっと優しく囁いて。
 そうして飲む。飲む。
 辛いことも悲しいことも、全部洗い流して
 ブスが明日を進むための禊の儀式。]
(9) 2020/09/10(Thu) 14:22:34

【人】 マリィ  



[アタシの本音は、厚く塗ったドウランの下。
 尖った喉仏より繊細に押し隠して。]


 
(10) 2020/09/10(Thu) 14:23:12

【人】 マリィ  

[そうして夜が白むと共に
 明日を歩むためにお客さんは帰って行く。
 残ったアタシは、この時ようやく
 アタシがアタシに帰れる場所へと帰れるの。

 一年くらい前から転がり込んだ家には
 愛想の無い家主と>>5
 暖かい寝床、それから何だか落ち着く味の
 手料理の数々がある。

 玄関を開ければすぐ誰かに
「おかえり」って言って貰えて
 空きっ腹にすぐ温かいご飯が入れられる。
 それが、アタシのために作られたんじゃなく
 余ったご飯だなんて、なんの問題でも無く。]


  ……相変わらず色合いは地味ねェ。


[なのに、憎まれ口が先行するのは
 もはや職業病の一種なのかも。]
(11) 2020/09/10(Thu) 14:23:52

【人】 マリィ  

[温め直してもらっている間に
 メイクを落として部屋着に着替えたら
 食卓につく由人の正面に腰を下ろすの。
 映えない、だけれど食欲をそそる香りに
 自然と口角を上げて。]


  いただきます。
  
─────それと、ただいま。



[由人と食卓を囲むこのひとときだけ。
 アタシは誰かのためじゃなくて
 自分のために箸を動かしている。
 話を盛り上げるための軽口も
 おかまトークも一旦お休み。

 オクラとささみの和え物を口に運べば
 甘酸っぱい梅の風味に、きゅっ、と
 唾液腺が弾けそうになる。]


  オクラって、ピーマンの出来損ないだと
  思ってたのに……。


[やるじゃない、なんて独り言言いながら
 同居のための「義務」以上に
 熱心に箸を進めてしまうの。]
(12) 2020/09/10(Thu) 15:00:09

【人】 マリィ  



  …………もう無いわ。


[あっという間に空になった小鉢を前に
 つい恨めしい声を出してしまう。

 「美味しい」って口にしたことあったかしら。
 でもアタシの前に座って
 じっと見守ってる由人には
 多分、全部お見通しな気がして。]*
(13) 2020/09/10(Thu) 15:04:06
マリィ  は、メモを貼った。
(a2) 2020/09/10(Thu) 15:08:04

【人】 マリィ  

  ー 回想・あの日 ー


  はあっ?!いきなり?!


[アタシの悲鳴に、塩昆布みたいな顔した
 大家のオバサンは眉を顰めてみせた。]


  「そりゃあこのおんぼろアパートは
   あたしとどっこいどっこいの御歳さ。
   そろそろ建て替えか、って考えてたけど
   この土地買ってタワーマンションにするって
   丁度うまい話が来たんだ、
   いいチャンスだよ、まったくね。」


[「だから、何度、何を言われようと
  部屋は半年以内に引き払っとくれ」って。

 アタシの反論も聞かず、大家のオバサンは
 曲がった腰を擦りながらアパートを後にした。]
(27) 2020/09/10(Thu) 20:20:10

【人】 マリィ  

[身寄りのないゲイ……しかも水商売のアタシが
 新しい部屋を借りるのにどれだけ大変か
 きっとこの大家さんだけじゃない、
 タワーマンションの住人も、誰も知らない。

 収入があっても審査が通らない。
 家を買うどころか、部屋を貸してもくれない。
 半年以内に、と言われても
 すぐに次が見つかる保証も何も、無い。

 自分のセクシャリティに気が付いたのは
 中学生の時─────
 「何となく」覚えた違和感を確かめるために
 「何となく」出会い系サイトを使って
 悪い大人と身体を交えたら、
 思ったよりしっくりきて。


 そのまま自分をひた隠しに生きるより
 ゲイコミュニティで生きたいのだ、と
 この道に入って13年。
 あの時は、こんな茨の道だと知らなかった。]
(28) 2020/09/10(Thu) 20:22:26

【人】 マリィ  

[だから、ほんのちょっとでもいいから
 今の状況を笑い飛ばして欲しくって、
 お店でこの話をお客さんに話したの。]


  マジ、酷いったら無いじゃない?!
  オカマ路頭に迷わせてさぁ……
  街の風紀がどうとか言うなら
  アタシみたいないい女はキチンと
  家ん中仕舞っとかないと。


[あはは、なんて笑って見せたら
 カウンターに身を乗り出して、
 空いたシャツの襟からそっと
 平らな胸元を寄せてみせて……
 常連客にいつものおねだりしてみせるの。]
(29) 2020/09/10(Thu) 20:23:57

【人】 マリィ  



  アタシを飼ってくれる人、
  どっかに居ないかしら、ね?
  ……家賃?アタシが身体で払ったら
  お釣りを払うのはアンタの方よ?……なんて。


[強欲なオカマなんか、誰も親身になって
 懐に招き入れようとはしてくれなくて
 常連の建設会社の社長さんだけが
 アタシの髪をひと房すくって]


  「じゃあ、払うんだったら
   ガッツリ楽しまないと、損かな?」


[なんて、冗談めかして笑ってくれた。]
(30) 2020/09/10(Thu) 20:24:43

【人】 マリィ  

[正直、この五十絡みのオジサンに
 しこたま抱かれるくらいなら
 一人で死んだ方がマシかもしれない。

 女言葉を使って、しなを作ってみせたって
 アタシはどうしようもなく『男』だった。
 
 アタシの立たされている苦境の話は
 いつしか何も解決しないまま
 ずるずると鉄板ネタになっていった。

 笑うだけじゃ、何も解決しない。
 でも、道をひらくだけの脳みそもない。
 明るい未来も無ければ、夢もない。

 
そのくせ、オカマの仮面を脱ぎ捨てて
 誰かに必死に助けを求める勇気もなければ、
 その先を生きる気力もとっくに無かったの。


 そうして、期日の一週間前になっても
 夢も希望も、アパートの一部屋すらも
 アタシには見つけられなかった。]
(31) 2020/09/10(Thu) 20:27:55

【人】 マリィ  

[必死で部屋を見つけるのと、
 ここで全部終わりにするの、
 ……一体、どっちが楽かなって。

 店から家に帰る途中、
 夜の公園でぼんやりブランコを漕ぎながら
 アタシはぼんやり考えていたの。

 十二時なんかとっくに過ぎた真夜中に
 王子様なんか現れるわけがないのだもの。]*
(32) 2020/09/10(Thu) 20:31:10

【人】 マリィ  

[「こんばんわ」なんて挨拶だったから>>39
 アタシはてっきりお巡りさんかと思ったの。
 あー、久々の職質かぁ……なんて
 嫌な顔して振り向いたら、
 何度か見かけたような顔がそこにあった>>39


  あ、え……っと……、


[何度か、お店に来てくれた人。
 だけどいつもカウンターの片隅にいて>>35
 最初、どんな風に話しかけたらいいのか
 よく分からなかったのよ。
 ……だけど、誰かとの話の会話の端々に
 少し笑っていたりして
 ようやく「この人、場所が欲しいのかな」って
 思い至ったの。

 明日をよりよく生きるために
 笑いたい人もいれば、自分より下の生き物を
 見て安心したい人もいる。
 多分この人はどれでも無くて、
 安心して居られる場所が欲しいのかなって。

 笑った顔は優しかったし、
 おしゃべりは……壊滅的かもしれないけど
 でも、嘲笑うような感情も見えなかったから。]
(40) 2020/09/11(Fri) 0:07:11

【人】 マリィ  




  や、やだァ……えっと、
  ちゃんマキ、 だったかしら。
  こんばんわ、どうしたの?


[一度だけ呼んだきりのあだ名を
 記憶の中から引っ張り出して
 アタシはアイライナーの滲んだ顔で
 どうにか笑って見せたでしょう。

 「どうしたの?」って、
 深夜にコンビニ行きました、って格好の人と
 無人の公園でブランコ漕いでるオカマとじゃ
 どうしたの?選手権は勝負にもならない。

 ……ああ、気の利いた逃げの文句が
 もう、なんにも思いつかないのよ!]
(41) 2020/09/11(Fri) 0:08:05

【人】 マリィ  

[結局、少し迷った挙句、アタシは
 砂のついた革靴に視線を落としながら
 静かに口を開くでしょう。]


  …………アパートの退去期限、
  次が決まらないうちに、来週になっちゃってさ。
  「何とかなる」って生きてきたけど
  本格的に店に寝泊まりするか
  いいチンコに飼われるかしないと
  どうにもならないところまで、来ちゃって。


[ここで笑ってもらえたら、
 少しは気が楽になるかも……って思ったのに
 どうにも声が震えてしまって、
 いつも通りに笑えなかった。

 こんな、常連でもない客に
 ガチな悩みを見せるのは、正直
 裸になるより恥ずかしい。
 ざざ……と足元の砂に線を描きながら
 アタシは自分のつま先ばかり見つめている。]
(42) 2020/09/11(Fri) 0:09:10

【人】 マリィ  




  ……真っ当な道からは自分から離れたんだもの
  今更陽向に生きられる気はしないけど
  それでも、時々夜の闇に押し潰されて
  本当に、気が狂いそうになってしまうの。


[多分この人は昼に生きている人。
 ノンケかゲイかも分からない。
 言ったって、仕方ない。
 ─────分かって、いるのに。
 剥げかかった赤い唇が、ゆがんで、
 笑みにもなれない曲線を描く。]


  ……なんて、こんな厚化粧のオカマが言っても
  元から狂ってるって感じだっつーの。


[だから、この醜態を一笑に付して頂戴。

 アタシの願いを余所に、ぐう、と
 空気を読まない腹の虫が鳴いた。]*
(43) 2020/09/11(Fri) 0:10:34

【人】 マリィ  

[あんまり話したこと無かったけれど
 随分と一言一言、絞り出すみたいに
 話す人だなっていうのが、アタシの印象。
 胸中に渦巻く膨大な意志の中から
 おっかなびっくり、最良っぽいものを
 懸命に吟味するみたいな。

 それでも、ちゃんマキから隣に座ってくれたのは
 ちょっと意外だった、かも。
 こういうタイプって慰め下手だから、って
 自分から身を引くタイプが多いと思ってたから。

 ただただ黙って隣にいてくれるちゃんマキが
 それでも、本音では、ちょっと怖かった。
 笑うでもなし、慰めでもなし、
 隣でブランコを揺らすだけの彼の顔を
 アタシは、どうしても見られなくって。

 ぎい、と二人分の大人を載せたブランコの
 苦情をどこか遠くに聴きながら
 アタシはじっと、足元に引かれた
 二人分の軌跡を見つめていた。]
(88) 2020/09/11(Fri) 18:50:38

【人】 マリィ  

[漸く口を開いたちゃんマキが
 何を言うかと思ったら─────]


  へ、おそうざいやさん?


[思わずびっくりして、漸くアタシは
 隣の男をまじまじと見つめ返した。
 なんか、お惣菜屋さんは年季の入った
 おばさんのイメージがあったから……
 隣にいるこの口下手な男がカウンターに立って
 接客してるのが想像出来なくて。]
(89) 2020/09/11(Fri) 18:51:06

【人】 マリィ  

[だけど、その目から見える景色は
 全然違うけど、アタシのそれと少し似てる。

 どんなに望んでも「普通」にはなれなくて
 蚊帳の外から眺めるだけ。
 他の人の暮らしている「当たり前」すら
 手の届かない帳の向こう。



 ─────ああ、もしかしたら
 この人も同類なのしから、って
 深く話したことも無いくせに
 何となく、匂いで分かっちゃった。

 
口下手なわりに顔悪くないしね。
 母性本能くすぐるタイプっぽいけど
 女の影はないし、ね。
(90) 2020/09/11(Fri) 18:51:36

【人】 マリィ  

[ぐぎゅる、と間抜けに鳴いた
 腹の虫に答えるように
 ちゃんマキは静かに口を開いたの。]


  ……なによ、それ。


[慰めでも笑いでもなく、
 この状況からの解決策が帰ってきて
 ……しかも、悔しいけど、ちょっと魅力的。

 アタシはくるくる視線をさまよわせて
 何かひとつでもケチつけてやろうと
 文句の付け所を探したんだけど
 またひとつ、腹の虫が「それどころじゃない」って
 ぐぅぅ、と唸った。]
(91) 2020/09/11(Fri) 18:52:00

【人】 マリィ  



         
  ─────お酒、温くなるわよ。


[じんわり汗をかいたコンビニの袋が
 ちゃんマキの部屋着の端を染めるのを見て
 アタシはそっと口元を緩めた。

 ぎし、と鎖をきしませ立ち上がって
 酷く痛む尻を摩ると、
 ちゃんマキを振り返って笑ってみせるの。]


  どっちに行けばいいの?
  ちゃんとエスコートして頂戴。


[「不束者ですが……」なんて
 三指つくのも柄じゃない。
 頬の上に黒く、涙の跡をひいた化け物と
 歩くのがお嫌でなければ、って
 手を差し伸べて。

 今の話を聞いてなお
「はい物件決まりましたサヨナラ」って
 言うのは多分心苦しいと思うけど……]
(92) 2020/09/11(Fri) 18:53:19

【人】 マリィ  

[でも、どうしたってアタシ達は
 「普通」になんかなれやしない。

 だから、アタシにはアタシの、
 あなたにはあなたの生き方があるでしょう。

 日陰者として、あなたの生き方に
 お邪魔をするつもりは、ないわ……]*
(93) 2020/09/11(Fri) 18:53:50

【人】 マリィ  

  ー 現在・食卓にて ー

[あっという間に空になってしまった小鉢を
 ぼんやり手に持ったまま]


  ……もう、無くなっちゃった……!


[ちょっと恨みがましい視線を
 本を読む由人に向けてやるの。
 何が余り物よ、そんなに余らないじゃない!
 しかもアタシの好きなものから
 売り切れてくのはなんで??]


  明日の胡瓜の梅かつお和えと
  きのこのあんかけハンバーグは
  キープしといて頂戴。絶対!


[みょうがのおにぎりを崩した上に
 夏野菜たっぷりのカレーをかけながら
 当初の条件を越えた要求を繰り出すと、
 酸味のきいたルーをご飯にたっぷり絡ませる。

 口の臭いおじさんの軽口とか
 金魚のフンより長いOLの愚痴とか
 そんな一日の思い出を描き消すように、
 クミンの香りが鼻から脳天へ抜けていった。]
(94) 2020/09/11(Fri) 18:54:34

【人】 マリィ  

[同棲、もとい、居候を始めてから1年と少し>>5
 着替えとメイク道具だけ持って
 転がり込んだこの家は
 思った以上の居心地で。

 数ヶ月のつもりがどっかり根を生やして
 今や図々しく注文までつける始末。
 「処理」だけじゃ足りないから、って引き受けた
 洗い物、ゴミ出し、洗濯物と掃除も
 もはや義務というより、ルーティン。]


  ……ふぅ……


[あっという間に空になった
 カレー皿を前に、アタシは天を仰いだ。
 どうして食べると無くなってしまうの?なんて
 子供みたいなことを考えながら。]
(95) 2020/09/11(Fri) 18:55:05

【人】 マリィ  

[こうしてアタシ達のひとときは
 深夜のラジオ番組と共に終わる。

 粗方空になったお惣菜の残りは
 アタシの昼食か、お店の賄いになって
 さっきまで余り物が占拠していたタッパーには
 また明日、新しい料理が詰められる。]


  ちゃんと今日眠れそう?


[夜明けと共に眠りにつくアタシは
 毎日由人に同じことを聞くの。
 眠りの浅い同居人が、ほんの束の間でも
 安心して寝られるように、って。

 眠れないなら、ほんの数時間でもいい。
 狭いベッドに身を寄せあって
 優しくハグしてあげるの。]
(96) 2020/09/11(Fri) 18:55:35

【人】 マリィ  

[あんたは今、ひとりじゃない。
 この先がどん詰まりだろうと、決して。

 そう言い聞かせるみたいに
 何度も髪を撫で梳いて。]*
(97) 2020/09/11(Fri) 18:55:54