人狼物語 三日月国


141 【誰歓RP】bAroQueチップで遊ぶ村【花見】

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視点:


【人】 虹彩異色症の猫

[ 外風の清涼さを覚えたのか、庭を歩かせてからは子猫は外へ出たいと襖を掻く事があった。まだ器用に前足で引戸を開くには至らない。

 庭に遊ばせる下準備として装具を身に着けられること、始めは厭う素振りも見せたが、それが遊びの始まりと覚えると、いつか大人しく身に着けられるままになった。

 庭で跳ね回るうち、紐の遊びの範囲を覚え、すっ転ぶこともなくなった。初めて街並みに出た時は>>0:68、人混みの騒がしさに怯えて腕の中に蹲っていた。それも暫しの間。やがては興味深げにおずおずと、腕中から人熱れを興味深げに垣間見る。慣れればするりと腕を抜け、肩に登り、頭の上にすら足を掛けて辺りを見回そうとする。ちょうど大人しく腕に収まっている時に、良い子だねえ、とすれ違いざまに声を掛けられれば何処か得意気な顔さえしてみせた。

 大きな物音だけが苦手で、近場で耳を衝くような音が立てばその時だけは我を忘れて限界まで紐が張るほど逃げ出そうとした。

 けれど概ね装具を着けた散歩には慣れた様子で、今は花見の為の外出に、澤邑の腕の中にちんまりと収まっている。]**
(4) 2022/04/11(Mon) 19:11:40

【人】 虹彩異色症の猫

[ 腕に大人しく収まっていたのは最初のうちだけで、一町も歩けば行儀良く抱かれているのに飽いたのか、街路に跳ね降り、まるで澤邑を先導するかのように先を行く。
 呉服屋の隠居が猫を連れての散歩はここ数日で見慣れたものになったのか、商店の店番が良い天気だねえ、と澤邑か猫に声を掛ける。

 見知った街並みなら我が物顔で歩みを進める子猫も、ひとつ、ふたつ角を曲がれば覚えのない風景に足取りが鈍り、そのうち蹲ったまま動かなくなった。今はまた澤邑が抱えている。

 神社へ近づくにつれ飴菓子の甘い香り、丸焼きにした烏賊の醤油の焦げる香ばしさ、塩をまぶした鮎の皮がパチリと弾く音さえ聴こえるような、祭りの出物の屋台が生じる香味が風に乗って漂ってくる。
 暫し腕で揺られるままだった猫も、澤邑の肩に前足を乗せ、匂いの源は何処かとふすふすと鼻を鳴らしている。その目の前に薄桃色の花弁が一枚ひらつき、身を伸ばして前足で掴もうとした。]

 んなあ。

[ 当然丸い手足で花弁を掴むことはできず、二度、三度と回した腕は全て空を切る。猫を抱えている側からすれば、肩先でいきなり暴れ始めた形だ。

 腕が緩んだならちょうど社務所の勘定台に飛び降り、なー、とひとつ猫らしく鳴いた。]**
(12) 2022/04/11(Mon) 21:06:29
虹彩異色症の猫は、メモを貼った。
(a1) 2022/04/11(Mon) 21:11:26

【人】 虹彩異色症の猫

[ 澤邑が鈴を吟味し、財布を懐より取り出している間、猫は勘定台の売り子と戯れていた。

 御台に並んだ授与品に、手(足?)を出し悪さをしようとしていたところ、嗜めるように伸ばされた手をおっかなびっくり叩いていた。その手が自分に害のないものだとわかると、後ろ足立って、両の前の足で挟むように戯れつく素振りを何度も繰り返している。
 境内を寝床にしている野良の相手で慣れたものか、売り子も上手く猫の興味を惹いてあしらっている。

 澤邑が鈴を選ぶ心情も知らず>>15、勘定を終え再び猫を腕の中へ仕舞おうとすると、まだ遊び足りないと抗うように抱えた胴を飴細工のようにぐねりと伸ばした。

 それでもどうにか引き戻されると、前足や後肢を突っ張ってよい具合に腕の中に収まろうとしない。後ろ足でけけけけ、と何度も澤邑の腕を蹴る。
 最初は不機嫌の表れだったそれが、そのうちそれ自体が遊びに変わり、大人しく丸まりはしないが先までの虫の居所の悪さを忘れたようにするすると澤邑の躰をよじ登り、器用に両肩の上に立つ。

 広い参道は余裕があれど、桜目当ての物見遊山の姿は多く、猫にとっては高い位置にある方が気分が良いようだ。]**
(17) 2022/04/11(Mon) 23:48:50

【人】 虹彩異色症の猫

[ さんざ暴れて肩の上まで駆け上った癖して、 澤邑が歩くとなると肩に乗せた足元がおぼつかない。ずり落ちるように腕の中に再び収まると、居住まいの良さを求めるように身をもぞつかせる。

 ついに尻の収まりのよいところを見つけると、人心地ついたかのように身を任せる。

 狐面の舞手に飼主が足を留めていれば>>27、そのままうとうとと寝入ってしまう。]**
(28) 2022/04/12(Tue) 19:43:26

【人】 虹彩異色症の猫

[ くうくうと鼻息を立ててすっかり寝入っている子猫は、舞が終わり演者の礼の後の暫しの静寂>>42、その後鳴り渡った拍手>>40にも目を覚ますことはなかった。飼主が同様に手を打っていれば、腕という己の寝床に響いて苦情に似た寝言をもにゃもにゃと口にしたかもしれない。

 結局猫が目が覚ましたのはもう家の近場まで来た頃で、大口を開けての欠伸と伸びをすると、ひょい、と腕の中から路面に降りた。ふすふすと地面を嗅ぐと、ここは己の縄張りだと言うように尾っぽを立てて歩いている。
 装具と飼主の付き添いがなければこんな大きな顔ができたものか。

 帰宅すると、ただ帰ってきただけでえらいねえ、と家人に褒められる。

 畳の間に戻す前にまた足と躰を丁寧に拭き清められたが、白い毛並みに桜の花びらがひとひら、ふたひら土産のように紛れていた。]**
(54) 2022/04/13(Wed) 7:55:14