「昨日は連絡つかなくってほんっっとにごめん！！」

各々とるものをとった後に
ひとつの丸テーブルを囲んだ面々へ
改めて両手を顔の前で合わせて平謝り。

「みんな大丈夫だった？」
安全とか防犯とかね、そういうの。

「あー。全然顔見なかったんで。
　誰かしら倒れてねえかは気になってましたけど」

目についたものから積んだみたいな皿。
すぐ減ってる。

「こんだけ人いてもガラガラってこたあ
　ここ、全体的に意外と広かったんすね……」

「だねえ」

言葉少なに肯定する。
部屋にこもっていた可能性が頭に浮かびつつ、
口に出さなかった。

皿は栄養バランス取れた和食セット。
朝は味噌汁派。

「連絡すっかり忘れとったわ……朝のこともギリギリになってしもてごめん〜」
一緒になって平謝るなどした。
あんまり味の違いが分からないため、朝食は井上くんと全く同じラインナップ。食べっぷりはよい。

「せやな〜だいぶ広そう。あんま見て回ってへんし、帰る前にちょっと探検してみよかなあ」

6割寝ながら朝ごはんを食べてる人
和洋ごちゃ混ぜに美味しそうなやつだけ取ってる
そうでもなかったやつは目に付いた人の皿に置いてる。

「フン……………………………………………」
パン。オレンジジュース。
いつも通り机の角を見ながら食べている。

「全然きにせんでくださいねー……。飯うま……。」

珍しくシャキッとしている。
風呂にでも入った後のようだ。

「……箸つけてから押し付けんなよ……」

食べるよ。食べるけどさ。

「市川くんくれるの？　ありがと〜。
　んじゃこれお返し」

小鉢を差し出し。野菜も食べようね。

「え……要りません……」
堀江先輩へスライドしていった。

シャキッとしてる勢喜を見て、気味悪いなと思った(失礼)

「あ〜かわいそうなお野菜……」
スライドされた小鉢をもらってひょいぱく。

「じゃあ市川くんには代わりにこれあげよな」
自分の小鉢を市川くんに差し出した。
堀江は井上くんと同じものを取ってるので、小鉢も全く同じものだ。

「どうして……」
小鉢を渡したら小鉢が帰ってくる……
渋々一口食べて エ゛ て顔をすると千葉に押し付けた

「は？殺す……………………………」

仕方が無いので小鉢を頂いた。

「食べるんじゃん……。」

やさいすき

「うま……」

ほうれん草のおひたしヘビロテ勢

「えらいえらい、食べれたなあ」
うんうんと頷いたけど巡り巡って他人の小鉢。

「少しでも食べれたならよし！」
躾、甘口。

シャキシャキ勢喜はレタスをシャキシャキしている。

「千葉野菜嫌いなん？」

喋り方も少しシャキシャキしている。

食べられる量だけにすりゃいいのになあ、
と思いながらまた皿に取ってきて増えている。
残されないようなのでよしとした。

デザートのターン。
ちょっと気取ってコーヒーだけだ。
堀江くんの分もある。砂糖とミルクいる？

「黒沢。デザートコーナーに和菓子あったよ。珍しくない」

小さめの水羊羹である。

「いる？」

ふたつもってきている。

「あー？　あー……
　もらえるんならもらいますけど」

今から立ち上がって取りに行くよりは
あるものをもらった方が手っ取り早いので。

相手の前にそっと羊羹のカップを置く。

「いらなかったら俺一人で食べようかなって」

もりもりと山ほどあるほうれん草を食べ終え、
今度は山積みにされたポテトとベーコンを食べ始めた。