人狼物語 三日月国


109 毒房のその先で

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視点:


迷彩 リョウ4票

処刑対象:迷彩 リョウ、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

事件:幽界の歪み

本日の生存者:貴戸 高志、闇谷 暁、鏡沼 創以上3名

闇谷 暁は、あなたの額に口付けた。
(a0) 2021/11/23(Tue) 21:32:11

貴戸 高志は、首に枷を嵌め続けた人生だった。
(a1) 2021/11/24(Wed) 17:12:02

貴戸 高志は、敷かれたレールを歩く為の見えない血色の首輪を付けていた。
(a2) 2021/11/24(Wed) 17:12:12

貴戸 高志は、偽りの自由を得る為に異能を抑える黒色の首輪を付けていた。
(a3) 2021/11/24(Wed) 17:12:22

貴戸 高志は、箱庭を出てもなお、自分から首輪を嵌めようとした。好きな人の為に強くなくてはいけないと。
(a4) 2021/11/24(Wed) 17:12:34

貴戸 高志は、漸く、その首を縛ることをやめるだろう。自ら巻いた首輪は、恋人の白い刃が切り裂いてくれた。
(a5) 2021/11/24(Wed) 17:12:59

闇谷 暁は、あなたの首元へ顔を寄せて、キスを落とす。
(a6) 2021/11/25(Thu) 2:51:42

闇谷 暁は、見えない傷を癒すように、舌を這わせた。
(a7) 2021/11/25(Thu) 2:51:54

闇谷 暁は、貴戸 高志の左手に、そっと左手を重ねた。
(a8) 2021/11/25(Thu) 2:54:11

 
こんな夢を見た。

燃える廃墟を見上げている。誰かの家だったその建物から、時折何かが崩れ落ちる音を聞いた。
曇空に黒い煙が上がり、草木の焼ける臭いに混じって肉の焼ける臭いがする。

────いや、本当は肉の焼ける臭いなどしない。

そんな気がする
だけだ。
自分は、廃墟の中に人がいることを知っている。その上で、火を放ったのだから。

もうどうにもならない。
助けに行ったところで、彼らを抱えて逃げ出すことなど不可能だ。自分だって死んでしまうだろう。

何故彼らを殺そうとしているのか、わからないけれど。
こうするしか無かった、という漠然とした諦念だけは確かだった。

ポケットに入れていたスマートフォンが鳴って、ふと意識がそちらへ向く。二件のショートメッセージだった。

 
────リョウ、今夜は何食べたい?

────何時に帰るのか、わかったら連絡をくれ


画面には家族の名前が表示されていた。

「……夢か」

帰る家があるなら、こんなことをする必要はない。だから、これは夢だと気付いた。

ぽつり、雨粒が頬を濡らす。
炎を宥めるように、少しずつ雨足は強くなる。

……早く帰らないと。
……いや、そうじゃない。

 
「もうオレはね」


「一人でも、帰れるんだよ」

 

炎に背を向ける。

歩き出した。

起きて見る夢の方がずっと楽しいから。