人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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【人】 商人 J

[ ケリオス商会の裏の顔はオークショニアであった。

─── 闇市。
盗品の売買や資金洗浄を可能にするオークション。
それを主催しているのがこの商会であった。

そして、その闇市最大の特徴は商品に人が含まれるという点だった。
労働力としての奴隷、戦うための闘奴、そして愛玩用の性奴。

勿論それらは表では決して許されないこと。
だが、需要があるのだ。買う者がいるからこそ売り手がいて、その構図は裏社会でも同じこと。

その証拠に商品≠ヘいつだって品不足だった。]*
(28) 2022/03/14(Mon) 20:47:08

【人】 J J

 
[胸に手を当てお辞儀をする仕草に見惚れる。
 丁寧な口調もそうだが、
 洗練された所作は益々彼の謎を深めた。>>25

 不思議なひと。]
 
(29) 2022/03/14(Mon) 21:48:41

【人】 J J

 
[兄弟は居らず家で勉強をしたり剣を習ったり
 女だけでする茶会が好きな子だった。
 母譲りの貌が好まれて
 父ほど歳の離れた婚約者が出来たが
 成人するまでは生家で暮らす約束で
 歳の近い異性とは会うこともなかった。

 そんな女の隻眼には
 美しく若そうな男は魅力的に映った。
 それも必要な時に手を差し伸べてくれた救世主。
 怪しいところはあるが言い換えればミステリアス、
 そこも惹かれる要因となる。

 女の中に、色めいた感情が生まれていく。]
 
(30) 2022/03/14(Mon) 21:50:08

【人】 J J

 
[何れにせよ、
 小説で読んだ一節と照らし合わせて
 それが淡い初恋かもしれないと気付くのに
 時間はかかるまい。]
 
(31) 2022/03/14(Mon) 21:51:41

【人】 旅人 J

 
[意地悪な笑みに自分を恥じる。>>26


  ……ええ。
  でも、もうジュダス様とお約束したし
  この街で貴方にわからないことはないのよね


[善良の正しい意味がわからなくなりそうだが
 矢張り自分のは無謀な方法だったようだ。
 だけどもう、この街で撒き餌は必要はない。

 誰より早く女の願いを察知してやってきた
 彼の仕事を信じて待つだけなのだから。]
 
(32) 2022/03/14(Mon) 21:53:26

【人】 旅人 J

 
[私を信用できないのであれば──、
 という台詞は焦りをもたらした。]


  ……そんなことはしないわ


[否定し、笑いながら出て行く男を、見送った。
 部屋の中に一人に戻ると、
 ほっとしたような、物寂しいような気持ちになる。

 そうして自らの感情の答え合わせをするのだ。*]
 
(33) 2022/03/14(Mon) 21:56:42

【人】 旅人 J

 
[女は、悲願の品が既に
 男の手中にあることを知らぬまま。>>27

 自身をどう扱おうかと
 画策していることも知らぬまま。

 彼からの連絡を愚かにも
 呑気に、そして
楽しみに
待っている。]
 
(34) 2022/03/14(Mon) 22:40:48

【人】 旅人 J

 
[他の闇商人との接触を図ることもせず
 必要な手続きも全てしてくれるとのことから>>16
 持て余す時間はアルバイトをすることにした。

 初日に商人が見つかると思わず。
 無駄に階を借り切って十日分も宿代を
 前払いしてしまった。
 結果論だが勿体ないことをした。

 食費を抑えるのを兼ねて
 宿屋のすぐ隣の食堂のホール。
 皿洗いもする。
 まかないは、量が多すぎる。]
 
(35) 2022/03/14(Mon) 22:41:44

【人】 旅人 J

 

  ……いらっしゃい、ませ


[眼帯は外し三角巾で髪を押さえ。
 愛想はなく手際も悪く皿は割るが
 少しずつ仕事を覚えていった。

 生まれて初めての仕事。
 難しい。だけど、勉強になる。
 お金を稼ぐのって、大変なのね。

 彼が自分を見つけてくれなければ
 こんなことをする日は来なかった。
 知ったことではないだろうけど、
 感謝をしなくちゃ、ね。]
 
(36) 2022/03/14(Mon) 22:44:45

【人】 旅人 J

 
[……そうやって時間を潰して。

 連絡が来れば部屋に移動して
 話を聞くつもりでいる。

 だがもし(10)1d10日も音信不通で待つことがあれば、
 流石に出向くかも知れない。
 ケリオス商会は、
 余り治安のよくない場所にあるという。
 そういった場所に行くのは怖くない。
 街の外を野宿するよりは。

 そうでもない限り、
 物知らずの女は束の間の平穏に身を置く。
 刺突剣を部屋に残したまま。*]
 
(37) 2022/03/14(Mon) 22:49:17

【人】 商人 J

[ 邂逅から三日後、男は夜遅くに女を訪ねてきた。]
そして一枚の羊皮紙を女の前に差し出した。]


 契約書です。


[ 持ってきたのは吉報ではなく契約書だと言う。
そこに書かれていたのは二人の間に交わされる取り決めだった。]
(38) 2022/03/14(Mon) 22:54:29

【人】 商人 J

一つ、捜索に係る費用については依頼者の負担とする
一つ、依頼者は捜索対象に最終的につけられた価値の2割を請負人に報酬として支払う。
一つ、捜索対象を見つけられなかった場合、請負人は依頼者にすべての費用を返還する。

最後に、依頼者、請負人、共にこの契約の履行に最大限の責務を負うものとする。
(39) 2022/03/14(Mon) 22:54:43

【人】 商人 J

[ 黒のインクで書かれたそこには署名欄が二つ。]


 口約束でも構いませんが。
 これは貴方が私から取り立てる際のためと思ってください。


[ 男は言う。
この件に関して女から金を絞りとるだけ搾り取って知らぬ振りをしたとして、女には男から、ケリオス商会から反故のペナルティを取り立てる手立てがないということを。]


 それはフェアではない。
 だからこれを用意しました。


[ そう言って男は署名欄に『ケリオス商会 ジュダス』の名を書き記し、そして小さなナイフで指先を切ると自分の名前の上に紅を引いた。]


 口約束のままにするか、サインするか。
 それは貴方が決めるといい。
 心配しなくても、口約束のままでも仕事しますよ。


[ だから強制はしないと男は言う。]
(40) 2022/03/14(Mon) 22:56:24

【人】 商人 J

[ 契約は結ばれただろうか。
それとも、女はそれを怪しんでサインを拒んだだろうか。]


 では早速。
 ある男が最近になって青い宝石の装飾品を手に入れた。
 そういう情報が入りました。


[ そのこと自体は真実であった。
故に女が別の伝手を使っていれば、その情報を得ることもあっただろう。]


 それを明日、確かめに行きます。
 一緒に行きますか?


[ 薄く笑う男は女をじっと見つめていた。
否、黒い眼鏡の奥の瞳は今も女には見えぬまま。]*
(41) 2022/03/14(Mon) 23:01:00

【人】 旅人 J

 
[三日後の夜遅く、彼は現れた。>>38
 みっつ鳴ったノックに、
 そして扉を開けて見えた姿に、
 女は胸がときめくのを感じたのだろう。
 店主や、客の男には感じぬそれで、
 女は想いにつく名を確信するのだ。]
 
(42) 2022/03/15(Tue) 0:02:00

【人】 旅人 J

 
[彼が持ってきたのは契約書だった。>>39
 これまで、書かされたことはない。
 だけどきっと、これまでとは違う、
 格式高い商会だから持ってきてくれたのだ。

 多少の怪しさは恋が目を瞑らせた。

 私は、一つ残された目で、
 確りと物事を見極めるべきだったのに。]
 
(43) 2022/03/15(Tue) 0:02:20

【人】 旅人 J

 

  ありがとう
  貴方を信じているからどちらでも良いけれど
  折角持ってきてくださったのだから
  書かせて頂くわ


[逆上せた回路は彼を疑う素振りを
 見せることを良しとしない。
 ペンを握り、既に書かれた彼の名を少し見つめ。>>40
 それから、空欄の方に自分の名を記す。]
 
(44) 2022/03/15(Tue) 0:02:50

【人】 旅人 J

 
    
Jeanne Ampère

 
(45) 2022/03/15(Tue) 0:02:58

【人】 旅人 J

 
[ジャンヌ・アンペール。
 それが女の名だった。

 故郷を出てから名を訊ねられると


  「誰でもないわJeanDupont


 と、誰にも一貫してそう答えてきたが
 真名を明かさせ書き記させるのすら
 恋の麻薬には容易いことだ。]
 
(46) 2022/03/15(Tue) 0:03:27

【人】 旅人 J

 
[彼に倣い、旅に携行しているナイフで
 親指を傷付け名の上に色を引いた。
 余り得意な色ではないから……、
 書類はすぐに返した。]
 
(47) 2022/03/15(Tue) 0:03:51

【人】 旅人 J

 
[契約書を書いて終わり、ではなかった。>>41
 彼は自分の言ったことを証明した。
 ……もう彼を疑う心は、影を潜めてしまっている。]


  …………すごい。流石ね
  ……ええ、是非同行させて欲しいわ


[見つめられているのはわからないが
 見つめ返しながらこくりと頷いた。
 もう少しで手が届く。
 そんな時でも女の表情は変わらない。
 だけどたしかに、進展は素晴らしいと感じていた。
 自分が喜んでいるかどうかは……わからない。]
 
(48) 2022/03/15(Tue) 0:33:17

【人】 旅人 J

 
[時間や場所を指定して貰えるなら胸に刻むだろう。
 他にも話したかも知れない。

 用件が終わり彼が帰る時は呼び止め、
 紙で包んだ軽食を渡す。
 すきなまかないを作ってみろと言われ
 チャレンジしたクロック・ムッシュ。
 山ほど失敗した末にできたまともな品。]


  あの……これ、良かったら持って行って
  私の故郷の料理、なの
  作り過ぎて……食べきれないから


[棄てても構わないわと言い添えて。
 食べきれそうにないのは事実だ。
 彼が来ることを予期して残しておいた訳ではない。
 だけど受け取って貰えたなら、私はきっと。**]
 
(49) 2022/03/15(Tue) 0:54:13

【人】 商人 J

[ ジャンヌ・アンペール。
それが女の名だった。

そして男は確信する。
この女が自分に惹かれているということを。
その顔は相変わらず人形の様に変わらないが。

その目が伝える。
その声が伝える。

夜遅くに訪ねてきた者に対する警戒の無さ。
三日前は、最低限の気構えはあったというのに、あっさりと示された契約書に本当の名を記すほどに、今、女の目は曇っているように思えた。]
(50) 2022/03/15(Tue) 8:22:42

【人】 商人 J

[ 男は苦笑いを堪えるためにかなりの努力を要した。
頼る者もなく、探す宛もなく、事件から向こうだったひとりでここまで来たのだろう。箱入り娘だったはずの女。その胆力は賞賛に値する。]


 賞賛はまだ早い。
 貴方の探し物と決まったわけではないのですから。


[ 欺瞞に満ちた言葉。
そうではない≠ニ知っていて吐いた言葉は女の耳には謙虚として届くだろうか。いずれにせよ悪い響きとはならないだろう。]


 この契約書の効力は一週間。
 まだ、始まったばかりです。


[ 契約者を受け取ると、朱を引いた女の指を手に取り、それを自分の唇まで運ぶと、ちうと軽く血を吸い舌先で薄く傷を舐った。]
(51) 2022/03/15(Tue) 8:23:03

【人】 商人 J

[ 唇を離せば、懐からハンカチを取り出しそれを破いた。
指へ巻くにちょうどいい即席のバンテージ。それを女の指に緩く巻き付け器用に結んだ。]


 ところで、なぜあんな事を?


[ あんな事、とは女が働いている事を指していた。
待つだけの時間が手持ち無沙汰とでも言うのだろうか。]


 失礼。
 予想の斜め上に更に向こう側だったもので。


[ 男の薄い笑みが、微かに可笑しそうに笑った。]
(52) 2022/03/15(Tue) 8:23:19

【人】 商人 J

 
 ありがとうございます。
 

[ 差し出されたクロック・ムッシュを男は受け取った。
その顔には優しげな笑みさえ浮かべて見せて。]
(53) 2022/03/15(Tue) 8:23:36

【人】 商人 J

[ 帰路。
女の部屋を出て寝ぐらに戻るその途中。]


 ……愚かな女だ。


[ 込み上げる笑いを噛み殺しながら、月明かりの道を歩く。
思っていた以上に事は容易に進んでいる。
もう少し警戒されていると思っていたが、よりにも寄って好意を寄せられているらしい。]


 …………


[ スラムと呼ばれる区画に入ると、男は女から受け取ったそれを道端に放り捨てた。そしてそれは、次の瞬間にはどこからか現れた野良犬が咥えて何処ぞへと消えていった。]
(54) 2022/03/15(Tue) 8:23:59

【人】 商人 J

── 翌日 ──

[ 太陽が最も高く位置した頃、男は扉を三度叩いた。
約束よりもまだ少し早い時間。]


 ジュダスです。


[ 扉を開けば、そこにはいつも通りの装いで、いつも通り後ろで手を組んだ男が立っているだろう。]*
(55) 2022/03/15(Tue) 8:24:17

【人】 旅人 J

 
[突然に愛する家族を奪われて
 傷つき方も癒し方もわからずに
 幽鬼のように日々を食い潰しながら
 出口のわからぬ闇夜を直進む女にとって
 恋とは、涙の跡を乾かし
 顔を上げさせてくれる
 そよ風のようなものだった。
 燃え上がるようなものではないけれど
 ずっと止まっていた気のする時計の針を
 僅か進めてくれた。
 逃避に、他ならないとしても、
 それは確かにW生きる希望Wだった。]
 
(56) 2022/03/15(Tue) 10:25:14

【人】 旅人 J

 
[謙遜というより、違った時の依頼主の落胆を
 軽減する言葉に聞こえた。>>51


  ええ、そうよね
  青い宝石、ということなのだものね


[それでは該当するものが多すぎる。
 全て計算されたものだと、
 女は矢張り気づくこともない。]
 
(57) 2022/03/15(Tue) 10:25:27