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【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[その夜も遠くから眺めただけ。 暗闇に紛れたらきっとあなたは気づかない、 それでも街灯に照らされたベンチはよく見えた。 あなたは俯いてた。疲れた顔してた。 嫌なことあったのかな、 毎日寄り道したってほんの些細な日常しか知らないけど 好きだよ、大好き。今もずっと愛してる。 たとえ一晩の恋人でも、あの夜は確かに特別で あたしたちは確かに愛を囁きあって ……ねぇ、少しくらいは、また寄り添ってもいいのかな。 そんなこと考えてたら、今までさんざん躊躇った足が 気づいたら前に進んでた。] (26) 2021/07/15(Thu) 4:07:18 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里……タイガさん? [声を掛けて彼が気づいてくれたなら、笑った。 まるでさっき通りすがったみたいな顔で 歩み寄って、それから小走りで近づいた。] ひさしぶりだねっ [平然と微笑むの、潤んだ目なんか知らない振りして。 だからどうか、ちゆの演技にも気付かないで。 *] (27) 2021/07/15(Thu) 4:07:54 |
【人】 大学生 廣岡 珠莉[握られた手の熱さに。その安心感に。 意識を手放す瞬間、聞こえた褒め言葉に。 幸福感に包まれて、そのま?ま落ちた。 ぼんやりと揺蕩う意識の中、 あたたかなぬくもりが私の体を 包んでいるような気がして─── 目が覚めて、ぱちり、ぱちり、瞬きを。 一瞬、ここがどこだか分からなくて、 二秒ほどあけて、気づいた。 夢ではない、その温もりにゆっくりと体を 動かそうとして、その痛みに顔を歪める。 だけれど、そこにいる人を知っているから。 おはようございます、と挨拶をしようとして 声が掠れて、うまく出なかった。 ゆっくりとその腕の中で身を捩り、 包まれたまま、顎先にキスをすれば 挨拶しようとしたのだと気づいて もらえただろうか。] (28) 2021/07/15(Thu) 6:40:06 |
【人】 大学生 廣岡 珠莉[くすくす、笑い声が降ってきてわたしは笑む。 寄せられた唇を追うように閉じかけた瞼を ゆったり開いて見つめ返し、数度啄むような 口づけを交わした。 こく、と唾を飲み込んで、呼吸するその人の胸板を とんとん、と優しく2度叩いた。] ん………いま、なんじ、ですか? [自分でも少し驚くくらい枯れた声に、 困ったように眉を下げて、その答えを待つ。]* (29) 2021/07/15(Thu) 6:40:31 |
【人】 神原 ヨウ今更ではあるんだけど もの凄い朝帰りしましたって感じだね。 [>>21朝になって息子が帰って来たら 隣には女性が居て、更には結婚を前提に付き合うもしくは 結婚します、なんて言うのだから大したサプライズだろう。 賛同されるか反対されるかは分からないけれど、反対されても説得するフェーズに入るだけだ。 オレはあくまでオレの両親だからまだなんとか大丈夫だけど 奈々からしてみたらもっと緊張するだろうな、と 落ち着かない感じが少しある彼女を見てそう思う。] 態度で示して、言葉で示して。 そしたら後はプレゼントになるかなって。 [10年前は伝え方で失敗してしまったから。 今度は抜かりなく、彼女を捕まえて隣に居てもらうために。 その試みはどうやら成功してくれたようだ。] (30) 2021/07/15(Thu) 13:40:30 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[そうして夢から帰って待ち受けていたのは 終わりの見えない悪夢のような現実で。 罪悪感と無力感とに押し潰されそうになって 日々を生きて……そうして漸く暇を見つけて 夜の公園まで逃げてきてしまった。 根元からぶつりと切り離されて 荒い波間を漂う海藻にでも なってしまったかのような心許無さに 小さく震えていると……] …………ちゆ、り、さん…… [顔を上げれば、あの時と同じまんまの 千由里が、夜の灯りを背に立っていたか。 ずっとそばにいたなんて、知らない。 きっとあのまま俺を忘れて もっと熱を埋めてくれる誰かを 見つけてしまったのかなって思ってた。 ……いや、そうじゃないなら、 あの日よりも痩せて疲れ果てた顔の俺に 幻滅して、きっと離れていくのだろう、と。] (32) 2021/07/15(Thu) 14:58:52 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[「本当に、久しぶりだね」。 そう言おうと開いた唇からは 奇妙なうめき声だけが出た。 もう顔も見られたくなくて、 それでも耐えきれなかった俺は 此方へ歩を進める身体をきつく抱いて まるで子どもみたいに泣いてしまう。 逢いたかった。 会いたくなかった。 助けて欲しい。 助けを乞う資格がない。 どうしよう。 どうしようもない。 でも、 だいすき。 いろんな気持ちがとめどなく溢れて、 千由里の肩口を濡らしていく。] (33) 2021/07/15(Thu) 14:59:45 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[冷静さを取り戻すまでしばし肩を借りたら やがて洟を啜って離れていこうとするだろう。] ごめ……俺、あの後からずっと もうどうしていいか分かんなくて…… [ベンチに腰を下ろすまでに 千由里がそばに居てくれるのなら あれから何が起きたかを話そうか。 帰ったら妻が亡くなっていて、 今は娘とふたりで暮らしていること。 医者からは死因は致死性不整脈と言われ 特に責められたわけじゃないけれど 気付くまで遅くなったのを自分で悔いてること。 娘の梨花の育児からずっと逃げていたせいで 家事も育児も手探りで、 それでも「ママがいい」と毎日のように泣くこと。 全部、千由里には正直に打ち明けようか。] (34) 2021/07/15(Thu) 15:00:10 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[言ってどうなるわけじゃない。 あの日見た夢には、もう、戻れないだろうし。 でも、そばに居てくれるのならそれだけで 俺はひとりぼっちじゃないって事実が 何より俺を落ち着けてくれるだろう。 すんすんと鼻を鳴らしながら それでも大人の顔を作ってみせようと 目を擦り、微笑みを作ってみせる。] …………ダメだね、俺。 何もかもから逃げて、都合悪いところは 人に頼ってばっかりだ。 [そうやって千由里から子どもを奪って 逃げ仰せた男がいるのを、俺は知らない。 前の俺ならきっと、同じことをした。 でも今は、無理だ。そんな酷いこと。] (35) 2021/07/15(Thu) 15:01:27 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[嫌われる勇気も、でも独りになる勇気もない俺は 頬にこびり付いた涙の跡を手の甲で拭いつつ この場に適当な話題をひり出そうとする。] あー……千由里は、あれからどうしていたの? ─────あと、もし知ってたら、 三つ編みのやり方、教えてくれないかな。 [聞いてまた、後悔する。 もうちょい余裕を取り戻せたらって思うのに 全然思ってたのと違うのが出ちゃって。 突っかけてきただけのスニーカーの爪先へ 視線を落としながら、それでもそばにいる存在を この場につなぎとめようと。]* (36) 2021/07/15(Thu) 15:07:47 |
【人】 星条 一 → スタンリー[行為の後の微睡は格別の時間である。 暫し起きていた男も何時しかうつらうつらとしていた。 腕の中の温もりが動き出すと浅い眠りについていた男は目を覚ました] おはよう、珠莉――。 [男は身を捩り顎先にキスをしてくれる珠莉を柔と抱きしめると小さく笑いの声を漏らした。 繋がっていたものもいつしか抜け落ちていたろう。 身体を向き合うように抱擁しなおすと正面から見つめたままに唇を重ねあう。 雛鳥が餌を求めるように啄むものだから男はやはり小さく笑い、舌を絡めては唾液をゆるゆると流し込んでいた] なんだ、もういいのか? [胸板への合図に唇を離すと少しばかり残念そうにそう伝える] (37) 2021/07/15(Thu) 18:41:37 |
【人】 星条 一 → スタンリー ん、今は――。 [男は時計へと視線を向ける。 お昼過ぎにこの部屋で出会い、少し話をしてからエッチをし始め、少し寝て――] 20時くらいか、時間はまだまだあるな。 [そう告げると男は再び唇を重ねあった。 其れは触れるだけに留めたものの男は今も尚、珠莉を求めていることは明白であろう。 ただその掠れた声を眉の動きに、男もまた眉根を下げた] ルームサービスを頼もうか。 食事と飲み物も用意してもらって――。 流石に紅茶はもう渋かろうからな。 [銅製のケトルで淹れられた紅茶を男は結局まだ口にはしていない。 また淹れてもらえる機会があると良いのだがと緩く珠莉の身体を抱き寄せた] (38) 2021/07/15(Thu) 18:46:52 |
【人】 星条 一 → スタンリー そうすると風呂に入ったほうが良いな。 一緒に入るだろ? [問いかけながら男は自分のズボンへと脚を伸ばした。 足の指で器用に摘まむと引き寄せポケットから喉飴が入ったケースを取り出した。 そこからひと粒飴を取り出すと自分の舌の上に乗せて、 レモンの味がするそれを口渡しで珠莉の口内へと押し込んだ*] (39) 2021/07/15(Thu) 18:49:26 |