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【人】 天狗 1回生 ヨシツネーー…何事かに励む手を止める事はない。 けれど、段々と人気のない方へ彼女を誘導する。 彼女が他者を気にしなくて済むように。 (58) 2023/06/27(Tue) 18:15:04 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ―→大図書館の片隅― 大図書館は元々、全生徒が集まってもなお余裕がある程の膨大な広さだ。 ブースが立ち並んでいたとしても、物陰になる場所はできる。 そこまで彼女を誘導してしまおう。 「ここまで来れば、大丈夫かな。」 人の行きかう場所から、かなり距離をとった。 ここなら、僕達が何をしていようと感づかれる事はないだろう。 (85) 2023/06/28(Wed) 5:16:06 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ「移動しようか、誰かに気付かれるかも。」 そのまま、彼女を抱え上げてしまう。 もう本能の声に我を失う事はない。 そんな事をして、彼女を傷つけてしまう方が恐ろしいから。 だから、もう声には従わない。 「僕と兄様のとっておきの場所、教えてあげるよ。」 彼女を抱きかかえたまま、とある場所へと歩みを進めた。 (112) 2023/06/28(Wed) 19:05:13 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ―彼女を抱えて― 注意しなければ目につかないような階段を上って、秘匿の術が掛けられた廊下を抜けて、更に先へ。 そうしてたどり着いた先は、今は使われていない、高い高い天文台。 本当の夜空が、視界一面に広がっている。 「昔はよく学院に忍び込んでは、兄様にここに連れてきて貰ってたんだ。 故郷の事は思い出せないけど、この夜空は同じだったから。」 キャメロットの夜空は、澄んだ空気も相まって遠くまでよく見える。 少し見下ろせば、グランドを楽しむ生徒たちの持つ明かりが瞬いている。 僕はここから見える景色が、昔から好きだった。 「独り占め、していいんだよね。 その分、僕も君に全部あげるから。」 彼女は、確かにそう言った。>>-123 そして、彼女が望んだとおり僕も彼女に溺れてしまおう。 「ねぇ、いい?」 最後の一言を問いかける。 彼女を大切にすると決めたから。 彼女の望みを聞きたかった。* (113) 2023/06/28(Wed) 19:05:22 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネー胡散臭いバイト ケモ耳執事喫茶ー 「『ケモ耳執事喫茶』? ちょっと色々盛りすぎじゃないですか?」 グランドも終わり、学院もいつもの日常を取り戻して暫く経った頃。 なんとも胡散臭いバイトの依頼が入った。 何やら、人手が足りずに片っ端から声をかけているらしい。 「言っておきますが、僕のバイト代は高いですよ? …何? バイト代に糸目はつけない? ほう、ほうほうほう。」 暫く考えを巡らせた後、口を開けた。 「ぜひお願いします!」 (152) 2023/06/29(Thu) 10:58:03 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ「お姉様、本日は抹茶ラテなど如何でしょうか。 遥か東の地、『キョウト』から仕入れた抹茶を使い、僕が自ら煎じた一品でございます。」 タキシードに身を包み、接客する。 狐耳と尻尾をふりふりしながら。 服を着ると、着用した人に合わせたケモ耳が生えるらしい、便利。 「他にも様々なサービスがございます。 『耳元で囁いてもらえる』、『一緒に写真撮影』、『あーんしてもらえる』などなど。 その時は是非僕をご指名くださいませ。 いつでもお待ちしております。」 (153) 2023/06/29(Thu) 11:02:28 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ― after ― 「…………………。」 アカツキの話を聞いてから、手におやつのどら焼き(自家製)を持ったまま動かない。 予想外すぎる事態に思考が追い付かない。 『まさかと思ってたけど』『世話はどうすれば』『アカツキ好き』『式はいつにしよう』『アカツキ好き』 無数の考えが浮かんでは消えていく。 やがて緩やかな動きで床に座り込んで、真っすぐと姿勢を正すと… 「ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」 多くの生徒が行きかう中、三つ指立てた綺麗な土下座を決めて、あの日彼女に告げた言葉を繰り返した。>>0:277 (315) 2023/06/30(Fri) 21:13:50 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネそれからは、あっという間だった。 ご両親に挨拶したり、オベロン様に託児所の相談に行ったり、あれをやったりこれをやったり。 けれど、どうしても不安なことがあった。 僕は、まだ幼い頃に故郷から攫われた。 子供と接するなんて、どうすればいいのかわからなかった。 周りの暖かい応援に反して、僕は誰にも相談できずに疑問を胸の奥に沈めたまま。 だから、とある人に相談を持ち掛けてみた。 「兄様、貴方ならどうする?」 キャメロット地下で兄様に打ち勝ったあの日、手に入れた刀。 僕が憧れた兄様の剣技、その象徴だったから。 答えなどない、わかっている。 けれど、兄様はいつも口癖のように言っていた言葉がある。 今思えば、闇に呑まれるとわかっていた兄様の覚悟の現れだったのだろう。 (316) 2023/06/30(Fri) 21:14:07 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ「――『どんな時も、胸を張れる生き方をする。』 そうだね、その通りだ。」 この先、どんな事が起こるかはわからない。 けれど、だからこそ、アカツキと子供に胸を張れる父親であろう。 ただそれだけを心に決めた。* (317) 2023/06/30(Fri) 21:14:13 |
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