98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】
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「…………、」
ふよふよと浮く身体が現れる。
不安定な飛び方をしていた姿はもう、無いだろう。
「…………、さて」
物言わぬ少女は処刑室まで迷いなく漂う。
多くは語るまい。
後は死ぬだけなのだから。
| 「残念だったねえ、メサ」
ひらひらと手を振って綺麗に笑んだ。
「私の断罪は叶わなかった。君は救世主には至れなかった。……次回を期待しよう、お互いにね」 (1) 2021/10/09(Sat) 21:09:14 |
| ˚✧₊⁎ドキドキ!投票ランキング⁎⁺˳✧༚ 1位:ニア 一躍人気者だ!世界が君に気付いたようだね! 2位:トラヴィス なんでなんだろう……美しいからかなあ…… 3位:ダビー 執行者たる君だが妙に似合うねえ…… 3位:ナフ 麻酔銃、一応注文しておくよ 3位:キンウ 狩りにはよく映える。それは確かに間違いないね みんなはどこにいたかな? 次回ランキングも、お楽しみに! (4) 2021/10/09(Sat) 21:14:33 |
「…………、」
その少女は"まだ"口を開かない。
処刑へ参加する者、全員が揃うのを。
ただ静かに待っている。
| なんでなんだろ…ダビー………と思いたいがメタ視点でないと何も分からないので、今日はマスカットフレーバーの紅茶を飲もうかなって準備を始めた。 (9) 2021/10/09(Sat) 21:43:11 |
金糸雀はまだ鳴いている。
いつものように静かに処刑室を訪れ、時を待っている。
| 「あ、私も入れてないよ。 囚人に入れるつもりはあったけど、今日はそこじゃなかった」
両手を上げて、無実のポーズ。
「メンテ申請が降りたばっかりだし、また壊れたら経理が可哀想かと思って」 (11) 2021/10/09(Sat) 21:46:47 |
「…………、可笑しいな」
「この場を……盛り上がらせるための。
…………、投票の誘導じゃ、無かったのかい?」
首を傾げる。そうすれば楽しくなるのか、と。
自分でも
自分に票を入れた
のだから。
「兎を殺せば楽しい舞台になると、証明してくれよ」
| 「うーん……処刑に消極的なものが多いようなら、藁束でも運んで火刑にするかい?私は彼女によく似合うと思うのだけど。藁束。見た目も派手だしね」
画像を映し出す端末を使って、藁の山の画像をプレゼンした。
換気については問題ない。なぜなら最新技術があるので。メサパワーも封じ込める最新技術が……ね! (13) 2021/10/09(Sat) 21:57:28 |
| 「……野兎病には気をつけたまえよ」
早速兎を食い荒らし始めた群れを眺めて、肩をすくめた。 ここ最近は飼われているようなものだけどもね。 (20) 2021/10/09(Sat) 22:12:14 |
イクリール
「…………、」
きっと、あなたのお望みの反応はできない。
それが当たっていたとしても、少女は微動だにしないだろう。
いつも通り、震える身体はそのままに。無表情のままに。
「…………ひとつ、」
震える身体はそのままに。
人差し指を掲げ口に当て。
重く、少女は声を紡ごう。
「…………、どうしたら死ぬか? という質問に答えよう」
「身体の強さは普通の人間に等しい、殴られ蹴られすれば、
普通の人間同等のダメージを受ける…………、のだが」
「兎は……、ニアは
んだ」
「炎に焼かれ、死に、新たに蘇る。そういう種の"生き残り"だ」▽
「…………、嗚呼、でも今は……、
その力さえも封じられているのだろうか?
炎に包まれ死ねるのならば……兎は本望なのだが。
いや、なんだ…………、二度手間になって
手を煩わせる訳には、……いかないと、思ってな」
「……、ならば、最早なんでもいい」▽
「――――
」
無表情のまま。
されど、挑発とも取れる目線を周囲に向ける。
赤色の
が揺れ動く。
目が合えば。
焼けるような猛烈な熱さを
に抱くかもしれない。
嗚呼、奴隷として産まれ、生きたこの身。
罰と痛みを科せられ、与えられる事など、
「…………ふ、」
造作もない事だよ。
赤の瞳を向け続ける。燃やしはしない、ただの挑発だ。
| トラヴィスは、呆れながら席についた。 呆れながらマスカットティーを飲んだ。
「……あっつ」
熱かった。 ……彼女はこの熱さを心地良いと思う人間なのだろうか? 生憎、その感覚には遠いようだ。 (23) 2021/10/09(Sat) 22:29:31 |
赤の双眸がアマノを捉え続ける。
その
は抵抗をしない。
一瞬の内に距離を詰められ、拳を受けた細身の少女の身体は。
踏みとどまる事はできない。
姿勢を崩して倒れ込む。咳き込む。赤を吐く。
それでも。
真っ直ぐと、炎のような
を見開き続ける。
明かりに照らされて黒檀が
朱
に揺れた。
……熱を感じる前に、黒檀は伏せられる。
能力も役割も似ているのかもしれない、と。
ふと思う事はあれど今この場においては関係のない事だ。
票を入れたひとりとして、ナイフを持って近づいて首のあたりにぐい、と差し込む。
放っておけば出血死するだろう傷。
けれどきっと、血が抜けきる前に誰かがニアの息の根を止めるだろう。
赤の双眸がキンウを捉え始める。
その
は抵抗をしない。
動かない体にその刃はいとも簡単に傷を残していく。
赤が溢れて、溢れて、溢れて、
それでも。
真っ直ぐと、炎のような
を見開き続ける。
ルヴァに視線を向けた。挑発か、合図か、そのどちらもか。
赤の双眸がルヴァを捉え始める。
その
は抵抗をしない。
拳銃。その兵器の構造はよく知っている。
身に受ければどうなるのかも、知っている。
倒れたままの動かない少女の身体。
パァン!と爆ぜる。撃ち抜かれる。
左脚は再び、鉄砲玉によって手折られた。
それでも。
真っ直ぐと、炎のような
を見開き続ける。
赤の双眸がナフを捉え始める。
その
は抵抗をしない。
少女の身体は軽々と持ち上がる。
寒さ
に震える身体はそのままに。
表情も歪ませぬまま、声も出さぬまま。
全ての重力を共にした浮遊、その天井で――――
落下、落下、落下。
頭を強く打ち付ける音が響く。
脳が揺れる感覚に吐き気を催す。
口から零れるは赤、赤、赤、
それでも。
顔を上げ。
真っ直ぐと、炎のような
を再び、見開いた。
| 「……ばかだね」
低い位置に蹲る姿を見下ろして、 冷たく、自身も信じていないような声色を落とした。
「命に貴賎なんてないのに」 (30) 2021/10/10(Sun) 0:19:42 |
赤の双眸がメサを捉え続ける。
その
は抵抗をしない。
その兎は決して目を逸らさない。
声を上げない。顔を歪ませない。
砕かれた骨が肉を抉る。突き刺す痛みと鈍い痛み。
音が鳴る。音が鳴る。音が鳴る。声は――――
響く足音の後、処刑室の扉が唐突に開かれる。
現れた青年の表情は酷く青白く、急いでいたのか肩で荒く呼吸をしている。
その場に居る誰にも何も言わず、何かを言われたとしても応えることは無く、部屋の中にある拳銃の方に真っ直ぐ歩んでいき、その内の一つ手に取る。
この部屋にあるものの中で、一番、手慣れた武器だ。
兎の死を悲しんでくれる優しいキミへ。
終わったらまた沢山、遊ぼうと。
今は言えない事を許して欲しい。
真っ直ぐと、炎のような
を再び、見開いた。
そのまま兎の元へと、既に赤く身を染めている己の先輩の元へと歩み寄って。
銃口を、彼女の頭に。致命傷となるであろう場所に、正しく突き付ける。
きっとその時に目が合い、あなたの瞳から
を覚えただろうか。
引き金を人差し指に掛けて、――発砲した。
ミズガネを見据える。一度も向けられずにいた、赤の瞳のままで。
赤の双眸がミズガネを捉え始める。
その
は抵抗をしない。
目を見開く。
あなたの良く知る紅水晶ではない、赤をあなたへと向ける。
真っ直ぐと見開き続けていた炎のような
は――――
銃の音。頭が爆ぜる音。
それを最期に
赤は閉じられ
は消えた。
その
"二度目の処刑"は果たされた。
無意味な死を受け入れようか。
生き返る死を受け入れようか。
いつか
その日を夢見て。
その
今は眠りに就こうか。
『嗚呼、炎がニアを救ってくれた。』
『嗚呼、炎はニアを救わなかった。』
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