82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】
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ここで失敗してしまえば『取引』を無駄にしてしまうかもしれない。
少年は、主催の言葉を聞いて素直に頷いた。
仲の良い人間も、特にいはしないのだけれど。
「…よろしく、お願いします」
カメラに映されることには、慣れている。
少しばかり、普段よりも風を敏感に感じてしまうくらいで。
音楽に合わせてしなやかに体を動かして、舞いを踊り始める。
指先までピンと伸ばした腕、床を軽く蹴ってはアクセサリーを揺らしている。
擦れる布に息は上がり、再び起き上がる股間のそれが主張しているのがよく見える。
いける。盛り上がりの声も、聞こえている。
このまま続ければ と、優雅な舞いを続けている。
続けようと、した。
「は、ぁあ…っ!?や、な、っ…!」
ガタン!
と大きな音がしたかと思えば、舞台の上で蹲る少年の姿が見えるだろう。
嬌声を上げ、逃がせない快楽を直に受けて欲をその場で吐き出す。
まだ、音楽は続いているのに。 立てない。
「ひっ、ぁあ…!!とめ…っ!」
縋るように床に爪を立てて、猫のように腰を高く上げている。
強すぎる快楽から逃れるための姿勢は、秘部を無意識のうちに慣習に晒すことにもなっている。
役目を果たさなければ、と思うのに。
このまま客の声がブーイングに変わってしまう事を恐れているのに、体にちっとも力が入らない。
気持ちとは裏腹に、体は玩具の刺激で絶頂へ駆け上り 二度、三度と吐き出したもので、自身の真下の床に白濁の粘ついた水溜まりを作っていく。
助けてくれ、の声も出せずに 仮面の下からぽたりと透明な水がこぼれた。
何かを伝えたそうにテンガンを見て、小さく首を横に振った。
うるさい。うるさい。うるさい。
ごめんなさい。
苦しいけれど、本当は逃げ出してしまいたいけれど。
それは、今ではない。それだけの、話。
少年は痴態を晒しながら、もう一度だけ決意を固める。
「信じらんねえ…あの、ガキ…」
度重なる凌辱で憔悴した顔で、
壁にもたれかかりながら掠れた声で囁く。
悪魔のような奴らの嘲りを聞きながら。
「まだ……テメェは、ガキだろうがよ……」
『かつての自分』をそこに重ねながら、暗がりで呻いた。
少年は、未だ止まらない玩具の刺激に体がもたず
濡れた床に倒れ込んで、びく、と時折大きく跳ねるように体を震わせている。
意地で声だけは抑え込んでいるものの、絶頂に伴い吐き出される精はもう薄く量も少なくなっていた。
仮面越しに、近づいてくる声の方に目を向ける。
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