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【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[突然の告白めいたものに驚いてばかりいれば、 今度はあっさりと身を引かれてしまった。 急転直下の変化に対応しきれずに困惑する。 ひとまずと抱きついたままの状態から 身を離して、ほぅ、とため息を付いた。] ……し、信じないわけじゃないけど、 びっくりしたんだもん……。 それに、聞かなかったことになんて、 今更無理だよぉ……。 [それとも本当に冗談だったのだろうか。 いや、軽口で冗談を言う人ではないことは知っているけれど。 真顔で冗談を言う人でもない、ような、……気もする。] (76) 2022/05/20(Fri) 21:37:13 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[何せ身構えてもいなかったことだ。 驚きが勝ってしまって、ときめきなんてものが吹き飛んでしまった。 ……ちら、と盗み見るように彼の表情を伺う。 何でもないような表情。 すぐさま移動しようだなんて切り替える機転の速さ。 今し方告白しました。みたいな様子が微塵も感じられない。 また、妙な間が空いてしまった。 じ、と彼を見つめて、ぽつりと呟くように零す。] ……本当に、私のことが好き、なの? [もう一度、確かめるように。そう尋ねた。*] (77) 2022/05/20(Fri) 21:37:28 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[返ってきた言葉は想像していたよりも冷たく、意外なものだった。『興味がない』なんて言われて思わず、むっとしてしまう。] 違……っ! 興味がないなんて言ってないじゃない! テンガンくんが顔や態度に出ないからでしょう? そんなの気づけるはずないもん。 さっきだって、好きって言ったら信じる?って、 聞き返したら、聞かなかったことにしてくれ、だなんて。 じゃあ信じなかったらどうするの? 本当に聞かなかったことにしてもいいのね!? [一言、口に出てしまえばもやもやしていた感情が爆発して、 だんだんムカムカしてきて、 売り言葉に買い言葉みたいな勢いで聞き返してしまった。] (90) 2022/05/21(Sat) 2:05:37 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[どうしてこんなにカチンときたのか分からない。 でも、興味がないなんて言われてしまえば、 そんなことない!と声を大にして言いたくなる程には怒っていた。 魔力供給だって慣れてきたし、 二人旅だって楽しいと思い始めてきていたところで。 テンガンくんのことを一つ知ることが出来る度に、 こんな一面もあるんだ、なんて思ったりして。 少しずつお互い仲良くなってきてるんだと思ってた。 私のことを気遣っていろんな場所に連れて行ってくれた。 新しい場所を見る度にはしゃいでしまったけど。 何度交わしても恥ずかしいキスだって、 彼にひとつひとつ丁寧に教えられながら覚えていった。 ………なんか最近、供給の回数が多い気がするけど。 宿だって別々がいいって言ったら、ちゃんと探してくれた。 そりゃ彼は同じ宿のほうがいいって言うこともあったけど。 ……と、ここまで考えて、ん?と首を傾げる。] (91) 2022/05/21(Sat) 2:05:58 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[今更ながらに理解して、ぼっと火を吹くほどに赤面した。 わ、分かりやすいような分かりにくいような。 で、でも直接言葉にされたわけじゃなかったし!! バディとしての好意だと思っていたし!! なんて、わたわたしていれば。 テンガンが、またぽつりと言葉を落とした。 真っ赤になったまま彼を見上げれば、 彼もまたどこか頭上を見上げていて視線が合わない。 ただ、そんな態度は少し珍しい気がしてまじまじと見つめてしまった。 二度目の告白は、視線が合わないまま。 それでも言葉はしっかりと耳に届いて。] (93) 2022/05/21(Sat) 2:06:49 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[彼なりに照れているのだろうか。 そんな態度を見せられれば、怒りもどこへやら。 とくとくと、脈打つ心臓を右手で抑え、 じわりと熱を持ち始める頬を、左手で赤い部分を覆い隠す。] ……えっと、……その、 ……ありがとう? 私も、テンガンくんのことは好き、……だよ? そ、それが恋かどうかはともかく! ……大事な、大事なパートナーだと思ってる。 だから、…………今の言葉は、すごく、嬉しい。 [照れながらもそう口にして、 彼を再び見上げれば視線は合うだろうか。**] (95) 2022/05/21(Sat) 2:09:35 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[自身の憤りが確かに伝わって、彼も驚いた顔になる。 あまり表情に出さない彼でも分かるくらいの表情の変化は、 それだけに飽き足らず、目を丸くしていたものが、 ミンナの言葉で、逡巡に変わっていった。 言い淀む声に視線を向けながら、彼の様子を伺う。 困っているのか、言葉を探しているのか。 彼が見上げた先には、ただ、木の葉がゆらゆらと風に揺れていた。 少しの間、沈黙が訪れた。 私もなんて言葉にしていいか分からずに。 彼も私との距離を測りあぐねるように。 沈黙を破ったのは彼のほうが先で。 そよいで行く風にのって彼の声が届いてくる。] (113) 2022/05/21(Sat) 13:29:38 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[時間をくれるという言葉に、ほ、と安堵の息が洩れる。 告白を断ったつもりはないけれど、先延ばしにしてしまった。 そのことでまたバディを解消されるようなことになれば、 どうしようかと思っていたから。 今は、その答えが有り難く、うん、と頷くことで応えた。] ……うん、ありがとう。 えっと、テンガンくんの気持ちは伝わったよ? 私が鈍いだけで、気づけないところもあって…… その……、 次からは、ちゃんと男の人だって、意識するから! ……うん? 意識するっていうのも、変な話だねっ!? あははっ、えっと、その…… [妙な宣言を彼をどう受け取っただろうか。 意識するからなんて言ってしまえば、 それは好意を受け止めるようなものではないか。 笑って誤魔化して、ぱたぱたと掌で団扇を作って赤くなった顔を仰ぐ。] (114) 2022/05/21(Sat) 13:29:50 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[ようやく視線が重なって、彼の視界に自身が映る。 その瞳の奥には好意が隠されている。 改めてそう思えば、ドキドキして手団扇で仰いでも 赤い顔はしばらくは収まることはなかった。 とくんとくんと、さっきから心臓がうるさくて。 聞こえないふりをするようにぶんぶんと首を振って顔を上げる。 謝罪の言葉には笑って、大丈夫!と応えて拳を作った。 それが、彼からの初めての告白の話で。 鈍い私はこれからも彼をやきもきさせる程、 待たせてしまうことになるのだけれど……。 待たせてしまった結果が、まさかあんなことになるなんて。 微塵も予想はしていなかったのだ。*] (115) 2022/05/21(Sat) 13:30:11 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[テンガンくんからの告白があって以降も旅は続いた。 意識して欲しいと、言われた通り。 自然と彼の行動に目が行くようになった。 不意に視線が合えばどきりとするし、 庇うように背を抱かれたら近づいた距離に緊張する。 あの日から鳴り止まない胸はとくとくと鼓動が早くなって、 落ち着かない日々が続いた。 なのに彼ときたら……、 告白以前より距離を詰めるようになってきて困る!!] (120) 2022/05/21(Sat) 19:19:55 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[魔力補給の時には、キスだけでも息が上がってしまうのに、 妙に腰を抱く手つきがいやらしくて、 供給だけだと分かっているのにえっちな気分になるし! 出歩くときも、前までは一人での行動もあったはずなのに、 今ではぴったりと横についてくるようになった。 仕上げには、一緒のベッドで寝ようという提案までしてきて。] そういうことはちゃんとお付き合いしてから じゃないとダメって言ったでしょう!? [と、顔を真っ赤にして注意することもあった。ありました。] (121) 2022/05/21(Sat) 19:20:08 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[そんなことがありながらも、旅を続けているのは、 やっぱりバディとして頼りになるからだし、 隣りにいても居心地が悪いわけじゃないし、 彼が私に対して優しいということも、 いやという程、分かってくるようになったわけで。 つまり、そんな彼の行動が、いやなわけじゃなく。 時には困ったりもしながらも、楽しんでもいる自身が居て。 時々、一人になった夜に彼の言葉を思い出してしまう。>>116] バディ解消は、やだな……。 [そう思うほどには、彼のことは気になっていて。 自覚のない恋心が淡く育っていることに、 自身でも気づいていなかった。] (122) 2022/05/21(Sat) 19:20:35 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[そんなある日、魔物との戦闘が終わった後に、 いつものように魔力供給を彼から求められた。 木の陰を選んで、瞳を閉じれば彼の唇が唇に触れる。 ゆっくりと割り込むように舌先が入り込んできて、 次第に深くなっていく口付けに、小さく喘いだ。] ……ンッ、ぅ…… [ぴくりと瞼が動く。薄っすらと瞳を開けば 彼の表情が目に飛び込んできて、蒼の瞳が映り込む。 その瞳にしばらく釘付けになっていれば、 彼の手が蠢いて腰や脇腹を撫で始めた。] ……ぷ、ぁ……っ、…… テンガンッ……、だめだってば……! も、うッ、補給も終わりっ! [また妙に鼓動が早くなった気がして慌てて離れる。 くっついているとドキドキが彼に聞こえてしまいそうだったから。] (123) 2022/05/21(Sat) 19:20:59 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[少し距離を取って、ふぅと胸を撫で下ろす。 随分と慣れてきたとはいえ、未だに慣れないキスは、 魔力供給する度に、息が上がってしまうから。 そうして落ち着きを取り戻そうとしていれば、不意に頬に雫が当たった。] ……ん……? [頭上を見上げれば、暗い雲が辺りを覆っている。 ぽつり、また額に雫が当たって、本格的に雨は降り出していた。 テンガンも気づいたのか、その声に慌てて肯く。] ……うんっ、大丈夫! どこか、雨宿りできるところ探しましょうっ。 [掌で庇を作り、視界を守りながら荷物を持って駆け出す。 街から離れた場所だったから、 雨宿りできるなんてないのかもと思っていたけれど、 森の中を走っていれば、大きな建物が見えてきたのだった。*] (124) 2022/05/21(Sat) 19:21:17 |
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