52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[ 暫し、深呼吸を繰り返していれば
視界の端で何かが動くのを目に捉える。
この悪夢の元凶たる男。
そいつが足先の方から近付いてくる。
睨みつけるのは今出来る精一杯の抵抗。
怯えた表情を見せないのは己の矜持故。
けれどそんな強がりは長くは続かず
すぐに視線は別の場所へと引き寄せられた]
[ 男の手にしている金属、鋸。
鋸は部屋の照明を受け、冷たくギラっと輝く。
それを目にし、認識した瞬間。
目を大きく見開き、恐怖に顔を歪ませて]
っ……! や、やめ、ろ……!
[ 必死に蔦から身体を自由にしようと藻掻く。
けれども、蔦は頑丈に絡みついており
己の力ではそこから逃れる事など出来もせず]
っ……! あ、ぁ、 ───────っ!!!!
[ 肉の焦げる匂い。足の付け根に走る
今までに一度も感じたことの無い、地獄の痛み。
思わず、口から声にならない叫びが迸る。
あまりの痛みに背筋を海老ぞりにして全身を硬直させる。
刃が進む度、己の口から
悲痛な叫び声が飛び出していく。
それでも男の手が止まることはなく
ただ押し寄せてくる
強烈な痛みを享受する事しか出来ず。
そのうち限界を超えたのか意識は薄れ始め
最終的に真っ黒に塗り潰されたのであった]
[ それからどれだけの時が過ぎたのだろう。
闇に沈んだ意識は浮上し
薄っすらと目を開ければそこは知らない天井。
頭は霞がかってぼんやりとする。
自分はどうしてここにいるのだろう。
記憶を辿っていけば、浮かび上がってくるのは
悪夢のような出来事。
思い出すだけで全身にじとりとした脂汗が湧く。
目を閉じ、あれは夢だ、夢なんだと
胸に手を当てては己に言い聞かせるように
内心呟く。
────と、その時であった。
自分の身体の変化に気が付いたのは]
な、なんだ…これは…!?
[ 胸のたわわな膨らみ。
それは本来男である自分には存在しない筈のもの。
そして下半身の妙な違和感に
思わず上半身を跳ねるように持ち上げ。
己の下腹部に目を向ければ、
剥き出しになった足の付け根、
本来あるべき筈のものがそこにはなく]
な……なんで、いや。
俺は……一体、何を……?
[ 手を伸ばしてもそこには何もない。
最初からなにも存在しなかったというように。
すぐに現実を拒絶するように
目を閉じては首を大きく横に振る。
だが、そんな事をしても何も意味はなく。
ただ時間は残酷に過ぎ去っていくだけであった]*
| [「奇病の消滅を祝った宴が数日後に開かれる。」 恭しく会釈した執事はそう言って、此方に出席の返事をするようにと暗に促した。 拒否権なんて最初から存在していない癖に、いかにも相手自身の意思がそうさせたように仕向ける手法は変わっていないのか。 浮かんだのはそんな無感動な感想くらいだった。 自身を舐めるように見つめる視線から逃げるように生返事をして、与えられた無駄に豪華な客室から廊下に出た。 当てもなく歩く足取りは回遊魚のようにどこか力が抜けている。 どこまでも腐りきった国家だと思った。 自分たちのために命を捧げた少年少女に対して その献身に感謝の一つもせず、あまつさえ死を喜ぶなど。 そんな魂の抜けた人形の如きかんばせが不意に強張ったのは、もう二度と逢わないだろうと思っていた───否、“二度と逢いたくなかった”人間の声が聞こえたからだ。] (113) 2020/12/01(Tue) 2:30:17 |
| 「……リヴァイ! なあ、リヴァイなんだろう? 返事をしてくれ────おい、 待て! 」 [次の瞬間、踵を返して床を蹴って、彼とは反対の方向へ駆け出していた。 ハスキー・フーシャー。騎士学部兼男子寮長。 ───自身と同じ学年の、相棒とも呼べる存在だった。 彼とは故郷の話をしたことはないが、 まさか同郷だったとは思いもしない。思うはずがない! 一瞬見えた彼の翠の双眼は、酷く哀しい色合いに染まっていた。 足を止めてしまえば、きっと問い詰められてしまう。吐き出してしまいそうになる。 「万人を救う薬師になる」と言ったかりそめの夢も、それに反する数多の殺戮行為のことも、この国の終焉を辿る運命のことも───全て。] [それだけはどうしても避けたかった。これまでの計画が水の泡になりかねない。 同時に、運命の時が来てしまった時、彼でさえもこの手にかけなければならない事実に気づいてしまう。絶望の底に叩き落されたような黒い感情が溢れて止まらなかった。] (114) 2020/12/01(Tue) 2:30:41 |
| [王都を没落させるからには、反乱因子は全て根絶やしにする他ないのだ。余力を残せば腐った種がまた育ってしまう。 そこにどんな善人が混ざっていようが、無垢な幼子が紛れていようが、等しく略奪を行わなければならないことが、征服者の絶対条件。 ……彼は学徒の頃から責任感に溢れ、真面目であった。 権力に唾を吐き、礼儀の欠片も無い己を叱咤し、 少しは人前に立てるように叩きなおしてくれた。 愚痴を言い合い、極稀に授業をサボる悪友であり、 生徒を束ねる立場特有の悩みも常に聞き入れてくれた。 どんな自分も否定することのない、尊敬できる存在。 汚濁の中に潜んだ、澄んだせせらぎのようだった。 どうしてこの国に暮らしているんだ、という混乱だけが募っていく。 逃れられぬ運命の歯車がゆっくりと軋み、新たな 痛 みを生み出していく。 窓から覗いた月は、無情にも残り数日で満ちる事実を告げている。 済度の日取りは刻一刻と迫るばかりで留まることを許してくれない。 眠るという行為を重ねるごとに、狂気に意識が呑み込まれていく。]** (115) 2020/12/01(Tue) 2:31:05 |
─スリーピングビューティー─
おぅ、目が覚めたか。
[革靴が石造りの階段を叩く音を響かせ、程無く。
俺様は扉からひょっこりと顔を覗かせた。
最初に出くわした時と違うのは、
着衣に赤黒く乾いた
血の染みがいくつかこびり着いている事。
それと大きな緑色の宝石が埋め込まれた
ガントレットを片腕に嵌めている事だった。
さって、お互い一晩休んで気分爽快──
と行きたいところだが、
やっこさんはそういう訳にはいかなかったらしい]
ふん……
訳が分かんねーって顔してんなぁ?
お前さんは俺様の館に不法侵入した盗っ人で、
それがあえなくとっ捕まったのはおーけー?
[よしよし。
溶けても死んでもいないっつー事は
無事改造魔導手術は成功したとみて良いだろう。
邪魔なブツを取り払い、
仮死状態にした身体から魂を取り出し
本人の細胞と精液で培養した
女性体ホムンクルスに定着させっつーな。
いやー、やっぱ今までの失敗の原因は魂だったか。
しかし今回はなにせ原材料が本人だからな。
性別が逆な以外は、100%人間と変わりゃしねぇ。
とはいえ……
何せこいつ見て思いついての突貫工事だったからなぁ。
よくまぁ成功したもんだ。
余程素材と俺様の腕が良かったっつー事だな、うん]
[そんな訳で俺様は、実に機嫌よく
やっこさんの元へと歩み寄ったのだった。
実験台の前に仁王立ちとなり、
アシュレイを見下ろすと]
悪ぃのは人様んちに勝手に入って来たお前らだ。
……つまり。
何されても文句は言えねぇよなぁ?
[ぐぃ、と、ガントレットを着けた右腕で
虚空の何かを引っ張り上げる。
魔法の素養のあるこいつなら
ガントレットに着いた宝石から伸びた
魔力の鎖を俺が握っているのが判っただろう。
その鎖の先は、アシュレイの首筋に。
────透明な魔力の首輪が、その首に嵌っていた]
他の奴らは豚どもの餌になっている。
お前は……
[鎖を引き、無理矢理見上げさせたアシュレイに
言い聞かせるように宣言した]
俺様の、女で。奴隷で。道具だ。
判ったかい?
・・・・・
お嬢ちゃん?
……しっかし………
[愉しげに眇められた俺の視線が、
剥き出しのままの奴の秘所に注がれる]
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