237 【身内R18】冬来たりなば春遠からじ
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[そのまま、強く、何度も穿たれる。
彼の腰の動きに合わせて、心も身体も揺さぶられる。
身体の中が彼のかたちに抉られて、
奥を突かれる度に満たされて、同時に切なくなって]
ひ、すぃ、 さんっ あっ、
[でも、足を担がれてもっと激しく責められたら、
もう、切ないとか感じている余裕もなくなる。
声にならない嬌声と涙をぽろぽろと零しながら、
息が苦しくなるのさえ快楽に変わるほど、溺れる]
、ぜん、ぶ、 ぜんぶ、ちょうだい……
[彼の汗を浴びながら首の後ろに手を回して、
貴方の心も身体も全部欲しいと、唇で紡ぐ]
[君の体に全体重を乗っけるように覆いかぶさって密着して、君の内側の最奥へありったけを注ぎ込んだ。
愛しい女の子宮に種付けして孕ませたい、って
生殖本能の欲求に従うと、筆舌に尽くしがたいほどの快楽を伴うんだな。
だから人類は地球上で繁殖を続けてきたんだトカナントカ
]
……っ、ハァ…、はぁ…
[共に絶頂を迎えて果てた後、担いだ両足を下ろしてから、再び君の体に腕を回して、改めて抱き込む。ぐったりと力尽きている様子だけど、背中に君の手が回されてる事に気付けば、すぐには離れがたい。
二人で並んで寝るには狭いソファーの上で体を重ねて、まだ恍惚としている君の顔を間近に見下ろす]
気持ちよかった……?
[君の額に貼り付いた前髪を指先で掻き分け、汗の浮いた額にちゅ、と音を立ててキスをする。あとは、ちょっと照れくさくもあるけど、幸
せ?とか]
俺も君とこうなって、今はすごい幸せ……
でも、さっきは痛くなかった? 強すぎたらごめんね
[俺ときたらもう、君から「もっと」と言われた後は、
欲望が更に加速して、君を優しく扱う気遣いが失せてしまったようにも思う。
肌に付けた鬱血痕だって、あそこまで濃く付けるつもりはなかったのに。
ただ、俺が激しく求めたのも、君を愛するが故だよ。伝わってると思うけど]
疲れちゃったかな
ここでもう少し休んでから、ベッドに行こうか
[果てた後も君がすぐに結合を解きたがらないのは知ってるから、
しばらく繋がったまま、事後の熱が冷めるまで、快楽の余韻に身を委ねよう。
そういえば中出しの事後処理ってどうするんだっけ。
この辺りにティッシュはない。ベッドの脇にはあったかな。
君が零れちゃうっていうんだったら、手で抑えてもらって、俺がお姫様抱っこして運んでもいいな。
ベッドに入る時は、お互いに邪魔な服は脱ぎ捨てて、裸のまま抱き合えばいいか。
そこで気分が盛り上がったら三回戦だ
]
[などといかがわしい事を考えていたら、どこかで小さくアラーム音が鳴った。
正確には俺の下。…───否、君の下、か]
あ。俺のスマホ
充電切れそうかも
[君の体の下にある俺のスマホを探し当てて取り出す。ずっと録画モードだったので、ようやく停止ボタンを押した。途端に画面が真っ暗になる]
……切れちゃった。
ま、ギリギリセーフだな
[後で動画ファイルを確認するのが楽しみだ。
無論君が居ないところで一人でやるから、安心してね。**]
[愛しい人の乱れた呼吸が聴こえて、
薄ら目を開ける。
いつの間にか目を閉じていたのは、
もう既に夢見心地だったから、だろうか。
足がゆっくり下ろされて、
ソファの生地に網タイツが擦れる。
それから抱きしめられて……
おかしいかな、
そんな触れ合いも全部、甘い余韻に染められて]
きもちいい、です……
[汗に濡れた前髪を、彼のきれいな指が掻き分けてくれて、
額にもキスをしてくれて、
それでそんな可愛い事を聞いてくれて、
こくんと、嬉しそうに頷いた]
[彼も幸せだって言ってくれて、涙が出てしまった。
痛かったからじゃないです、と、首を振って、
「嬉しいから泣いてます……」と可笑しな申告をしてしまう。
痛かった事もあったかもしれないけど、もう覚えてない]
激しいの、も、
よかったです……
どんな翡翠さんも、すき
だいすき、なんです
[片手で涙を拭いながら、精一杯の愛を囁く]
[気遣ってくれる彼にへへ、と笑ったけど、
もう少し休んでから、と言われれば
照れくさい色が濃くなる]
(……もう少し繋がってて、いいんだ……)
[何やら恥ずかしい事を把握されている
とは露知らず、
嬉しい、って力の戻って来た腕で彼をぎゅっと捕まえる。
事後処理のティシュについては考えてなかったけど……
抜いた時に零れそうになったら、
きっと手で押さえたのかな。
なんか、こんな事できるのも嬉しい、って思いながら
]
[ベッドに行く事はまだ考えられていない時に、
小さな音が聞こえる。音にちょっと驚いて、
それが彼のスマホで、自分が敷いていたと気付けば、
びくっっと身体を跳ねさせてしまった]
あ、ぁ、ごめんなさい、 自分が……
[壊してないかな、と慌てて
彼が取り出したスマホの画面に目を落とす。
割れてたりはしなさそうで―――ずっと、録画モード、だった?]
…………、あの、
……いえ、なんでもないです。
[ギリギリセーフ、って……それって……
考えるのを止めて、そっと目を逸らす。
きっと見せ付けてきたりはしないと思っているから、
何も言わずに……でもゆっくりと横を向いて、顔を覆った。*]
[今の気持ちをありのまま伝えたら、
君の瞳から涙が零れた
のでドキッとした]
…───、……
[君の涙は何度か見た事があるけど、
慣れるものではなくて、いつも動揺する。
咄嗟に色んな思いが駆け巡ったけど、
すぐに君から嬉し泣きだと聞かされれば、
分かりやすくホッとしたように見えたかな]
……ふ、…激しいのもよかった?
じゃあ、今度またがんばるね
……、…え、…ぅん…、俺も…
君の事、全部すき…
[改めて言葉で深い愛情をストレートに示されれば、
思わず心臓がドキリとする。
どんな俺でも好きだって。
嬉しくて幸せで。達したばかりなのに、
君に埋めたままの芯がピクリと反応してしまう]
[俺の僅かな変化は、きっと君に伝わったであろう。
くすぐったいような気恥ずかしさを伴いつつ、
君の顔を覗き込んで照れ笑いする]
アハ、…君の言葉があんまり情熱的すぎて、さ…
……でも、君は初めからそうだったね
俺が弱い処を見せても、君は深い愛情で寄り添ってくれた
[思い出されたのは、君と初めて抱き合った時の事。
君の気持ちに俺の方が上手く答えられなくて、
あの時も君の事を泣かせてしまった。
なのに君は覚悟を決めたように、俺に対する愛情を示した上で『お嫁さんにしてくれ』って言ってくれたね。
あの言葉で俺は、随分と救われたような気がしたんだった]
[このまま気分が盛り上がったところで、
もう一度出来そうな気がしてきたけど、
このままソファーでするよりは場所を変えたい気もする。
この宿に到着してから君とは既に二回抱き合っているが、
いずれもベッドでないあたり何だか申し訳ない。それに、]
……
[自分のスマホを取り出して操作をした後、
君は何かを言いかけて、その後で何かを察したかで
顔を覆ってしまった。
横を向いてしまった君を改めて真上から見下ろし、
遠慮のない視線を体に這わせて]
すっげー恰好……
[俺の直球的な言い回しは、君に追い打ちを
かけたかもしれなかった。
だって、君のおっぱいは剥き出しで、
胸元や首筋は俺が着けたキスマークだらけだ。
ミニスカの中は俺とまだ繋がったままで、
こちらが僅かに動くだけで、結合部がクチュっといやらしい音を立てる。
大きく開いた両足は片方だけソファーから落ちて、
透き通るような色をした白い太腿は、
ビビットな赤い網タイツに覆われている。
君と愛する気持ちを交わし合い、幸せで胸を
いっぱいにして浸っていたのに、改めて君の姿を
目の当たりにすれば、刺激的すぎて目がチカチカして、
一気に退廃的エロスに引っ張られそうになる]
君の恰好を見てると、いくらでも出来そうな気がするけど、
もうそれ脱いでもいいよ
……そろそろ、ベッドに行こうか
[十分休憩は取れた気がするし、ここで寝るわけにはいかないしね
風邪ひいちゃうから
体を起こしたまま、腰を引いて君の中から出る。
たったそれだけの動作でも、君の内壁が直接擦れるから
気持ちよくて、離れがたい気持ちが湧いてくるから
苦笑してそれを打ち消す]
[そして君から出た後、
己の股間を見下ろしたら、自ら放ったもので濡れたままだ。
これまでだったらゴムを外すところだけど、そうはならなくて]
ちょっと待って、……ティッシュ取ってくる
[手の届く場所にティッシュ箱がないので、
ここから最も近い場所…───洗面所に行って、
目的のものを見つけてすぐに戻ってくる。
ソファーの上に置いて、各自で数枚取って以降はセルフで]
……
[何だかこんな風に後始末するのは初めてで擽ったい。
お互いの間に流れる空気が、そんな風な色に染まったのを感じつつ、俺たちはベッドのある部屋へと向かったんだった。**]
[彼の前で泣いてしまって、
でもその涙の理由を話せば、ほっとした表情を見せてくれる。
それから、
またがんばる、って。
その言葉には嬉しい様な恥ずかしい様な気持ちになってしまうけど、すきって伝えたら、同じ温度で返ってくる。
それがどんなに幸福な事か知っているから、
目を閉じて浸ってしまおうとして、]
ぁ、
[お腹の中で何かが動いて、小さく身を震わせる。
こちらが締め付けたんだと勘違いしたけど、
顔を覗き込む彼が照れくさそうだったから、
翡翠さんの方が反応したの?と目を瞬く。
彼が紡ぐ言葉はそうだと教えてくれて、
そして、彼と近付いた日の事を思い出させてくれる。
そんな……そんな風に言ってもらえる事を、
自分はしたんだろうか。
勿論言った事やした事は覚えているけれど、
……思い出しても恥ずかしい事もいっぱいあるけど、
]
[……と、甘やかに時間が過ぎていくのかと思ったら、
電子音に意識を持って行かれて、
そして、新事実に顔を覆ってしまった。
彼の視線に気付く術もなく、
回復までしばし時間がかかります……といった体で現実逃避していたら、ストレートな言葉が降って来た。]
ふ、ぇ……
[思わず手を離して彼を見て、
それから視線の先の自分の格好を見る]
あ、ぁ、
[夢中だったから意識の外に追いやられていたのか、
改めて今の姿を認識すると、穴に入りたくなってしまった。
でも相手は好きな人だったから、
顔を真っ赤にしながら、
隠すところを胸に変えるくらいしかできなかった]
[脱いでもいいよって言われてもえっとえっとってなってしまったけど、ベッドに誘われたら、こくん、と頷いた。
その為に、彼が腰を引いて、
胎内を擦りながら後退していく]
ひぁ、ん
[いつもよりぬるっとして、違った気持ちよさがあって、
でも、切なく眉を寄せる。
苦笑いの彼と目が合って、目を細める。
また、入ってほしいなって、色付く瞳が隠れる様に]
[そして繋がりが完全に解けた時、
堰き止める栓がなくなった処から、零れそうになる。
ぱっとスカート越しにそこを押さえて、
同じ様に濡れた彼自身を見つめる。
膜を纏わない姿に、しばし目を奪われて……
彼が起き上がって、ティッシュを取りに行ってしまう。
上半身を起き上がらせて、彼の帰りを待っていたけど、
彼はすぐに戻って来た]
あ、ありがとうございます……
[彼が数枚取るのに倣ってティッシュを引き抜き、
彼が自身をきれいにしている姿を何となく見つめて……
少ししてから、自分もスカートの中に手を入れる。
取り出したティッシュは白く塗れていて、
ほぅ……と小さくため息をついてしまう。
そしてまだナカに残っているのも感じられて、
彼の瞳に、ふっと微笑んだ]
| [―――ベッドでもう一度愛し合った後だろうか、 それともその時はぐっすり眠ってしまって、 朝になっただろうか。 いずれにせよ、クリスマスに変わりないので、 用意していた贈り物を彼に渡す事にしよう]
翡翠さんに、 クリスマスプレゼント、です。
[そう微笑みながら、 両手に乗るくらいの小さな包みを差し出す。 開けてみてくださいって促して、 布の袋を開けてくれれば、銀色のタイピンが目に入るだろう。 アンティーク調のシンプルな造りに見えて、 ひとかけら、青い石が埋め込まれている。 それはきれいな丸でもなければ四角でもなく、 不思議なかたちをした石だった] (0) 2024/01/04(Thu) 21:46:32 |
| [彼が手に持ってくれれば、 そっとその手を両手で包んで、 彼の胸元へタイピンを宛てる]
貴方の海瑠が、 ずっとここにいます様に、って。
[そんな想いを込めて、作ってもらった。
彼と次に逢う時、いつも左耳にしていた青薔薇のイヤリングを着けていけば、気付くだろうか。 その花びらのひとつを外して、そこに埋めたって事。
ともあれ、喜んでくれれば、それ以上の事はない。*] (1) 2024/01/04(Thu) 21:46:37 |
| [寝室に移動した後は二人して裸になると、 ベッドの中で抱き合って、少なくとも一回は愛し合っただろう。 ナマで出来る機会を一回で終わらせるはずはない ] (病み上がりって何だっけ) (なんだろうな……) (いや、俺はもう病み上がりじゃないんだから……) [最後は精魂尽き果てて、君との繋がりを解いた記憶も無いまま泥のように眠った。 酒を飲まなければもう一度出来たかもな。 君の体を腕の中に囲いながら、そんな夢を見たかもしれない。 そして迎えた翌朝。 君からクリスマスプレゼントだと言って渡されたのは、小さな包み >>0礼を言って受け取ると、促されるままに開封して] あっ……タイピンだね。 この石は…─── 瑠璃、かな [すぐに思い出したのは、君がいつも着けている青薔薇のイヤリングだ。青薔薇といえば、初めて君が俺の部屋に入った時、ベッドの上で片方の薔薇を見つけた時の事を思い出す。 青薔薇を君だと思って、持主が居ない時にキスをしたけど、その時と似た感情が胸を過った] (2) 2024/01/04(Thu) 22:35:58 |
| [様々な思いを巡らせながら手元のピンを眺めていると、 俺の両手を君の手が包む。 そのまま胸元へと移されて、一緒に想いを伝えられる。 >>1] ……可愛いね。 君だと思って、ずっとつけていくよ。 [かつての 青薔薇を君のようだと思ったから、 似た雰囲気を持つこのタイピンも君のようだと思える。 まさか 青薔薇の一部が使われているとは、この時は思いもよらなかったけど] (3) 2024/01/04(Thu) 22:36:51 |
| ──1月5日 0時ちょうど── 日付が変わると同時に、準備しておいたスマホを 操作して君のナンバーをコールした。 呼び出し音が繰り返される前に通話が始まったから、 君も待ち構えていたのかもしれないね。 「待った……? ふふ、21歳の誕生日おめでとう、海瑠」 昨年の俺の誕生日に君がしてくれたのを真似て、 日付が変わると同時に電話して、真っ先に誕生日を祝った。 「今は寮の部屋?……だよね、うん、 明日…いや、今日か。 あと数時間後にそっちへ迎えに行くから、 寒くない恰好をしておいで」 二人で年末に温泉旅行に行った以来だから、 逢うのは十日ぶりくらいか。 今すぐ通話をビデオモードにして君の顔を見たい気もしたけど、夜中の自室だったら、君のルームメイトにも迷惑をかけるかもしれないから、今回は声だけに留める。 (L0) 2024/01/04(Thu) 23:39:03 公開: 2024/01/05(Fri) 0:00:00 |
|
「年末年始は楽しかった…? お義父さん、お義母さんはお元気だったかな。 え……、年賀状?ハハ、……うん、うちにも届いたよ。 お義母さんからね ……ふふ、 その話は後で。車の中で聞かせてもらうかな。 うん、……それじゃあ、おやすみ」
名残惜しいけれど、早めに会話を切り上げた。 通話の後でLINEで一言「おやすみ」のスタンプを送って、スマホに充電ケーブルを挿して伏せると、部屋の照明を落とした。 すぐにベッドに入って、目を閉じる。 数時間後には起きて、今日は一日中車の運転だ。 早く寝ないと、……だけど。 (L1) 2024/01/04(Thu) 23:39:46 公開: 2024/01/05(Fri) 0:00:00 |
| 通話を切ったばかりで、 君の声や息遣いがまだ耳に残っている気がして。 目を閉じれば、より一層鮮明に蘇る。 生身の君に早く逢いたくて、触れたくて。 君の事を考えれば考えるほど、眠気が遠くなってしまいそう。 そういえば、去年の夏に二人で海に出かけた日もそうだった。 前の晩はやっぱり色々考えてしまって、寝付けなくて。 あの時は、どうしたんだっけ……? 「あ、そうだ……ホットミルク」 寝付けない! 大変! どうしたら! 当時も焦って、夜中だというのに 頼れるアニキに向けてLINEを送りまくったら一言だけ、 『ホットミルクでも飲んどけ』 って返ってきて、その通りにしたっけ。 危うく同じヘルプを同一人物に送る所だった。 送る前に思い出して良かった。 すぐにベッドから抜け出して、台所へと向かう。 レンジで温めた牛乳を飲んで、体が冷え切らない内にベッドに戻る。動いたおかげで、色々考えない内に眠りに就けたかな。 ───今日は一生忘れられないような、特別な日にしよう 意識が途切れる前にそう、祈りを込めて。 (L2) 2024/01/04(Thu) 23:40:24 公開: 2024/01/05(Fri) 0:00:00 |
| ──1月5日 早朝── 君が暮らす学園寮の前にミニバンを停める。 到着したよとLINEを送る前に君の姿が見えたので、運転席から手を振って合図を送った。 君は初めて見る車体で驚いたかもしれないね。 「あ、そうそう、去年の秋くらいに買い換えたんだ。 地方に行く用事が増えたからね、車内が広いのにしたくて」 君が乗り込むのを待って、出発してからそう切り出したかな。 以前の車種と比較して、今度のは荷物が多く積めるし、シートがフラットにもなるので、いざとなれば車中泊も可能だ。 まぁ、車中泊の機会はまだないけれど、長時間移動で楽な姿勢を取れるのは大事なポイントだ。あと、 「車内にミニ冷蔵庫とカラオケもあるよ。 これで渋滞に巻き込まれてもバッチリ」 モニターはフロントと後部座席にもあるから、ほぼカラオケボックスと同様に楽しむ事ができる。機器には最大四人までユーザー登録が可能だから、 「あとで海瑠の名前も登録しようね。何なら歌っていく? いいよ、……君の歌を聞きながらドライブなんて最高だ」 なんつって。 実際に歌うかはともかく、「ひすい」「こうき」「まさたか」に続いて「みる」は登録したかもしれない。 (4) 2024/01/05(Fri) 0:21:50 |
| 新車は以前より大きいけれど、ここ数日かけて都内を走り回ったので、車体感覚は掴めたと思う。正月三が日は道路も空いてて走りやすかったしね。
今日は休み明けで多少の混雑はあったものの、都心を抜けた後は快適なドライブを楽しむ事ができた。 冬の澄んだ青空の下、君とのトークや歌(?)を楽しみながら行けば、やがて目の前に海景色が広がってくる。 夏場と違って海岸にはほとんど人はいないが、時折景色を釣りを楽しむ様子が散見された。 俺たちも海を見ながら、去年の夏に行った海水浴の思い出話に花を咲かせたかもしれない。 やがて目的地に到着すると、付近の駐車場に車を停めて降りる。
「うわっ、寒ッ」
冬の海風が強く吹き付けて、思わず悲鳴を上げて肩を竦める。 帽子やマフラーは、しっかり身に着けておかないと、風に飛ばされるかもしれないよ。気を付けてね。
「……よし、まずはこの橋を渡って、 向こうにある神社にお参りに行こっか。 その後はここに戻ってきて、次はあっちの水族館に行こう」
こうして俺たちは、吹きすさぶ風に体をくっつけ合いながら 橋を渡って、地元に古くから祀られている水神様のお参りへ と向かった。 (5) 2024/01/05(Fri) 0:22:12 |
| 三が日は過ぎたものの、向かった神社は参拝客で賑わっていた。 橋を渡った先に続く参道にはあらゆる店が立ち並び、食べ歩きできる温かいメニューなんかも並んでいる。 昼食にはまだ早い時間だが、甘酒や焼き団子の匂いが漂ってくれば、思わず手が伸びそうになる。いやいや、まずは参拝が先だ。君と軒先をのぞく程度に留めて、朱塗りの大鳥居を潜る。 目の前にある石段を昇れば、再び鳥居と境内へ続く門が現れた。 門に入ればすぐに参拝待ちの行列があったので、二人で最後尾に並ぶ。 ご丁寧にも近くに「ここから約30分」といった立て看板があって、 「アトラクションみたいだね」 と、こっそり君に耳打ちして、頷き合ったりして。 しかし、待ち時間の目安が分かるのはありがたい。途中、交替で行列から抜けて、手水鉢で手を洗って口を漱ぐ。 ものすごく冷たい水だったけど、そこは我慢……。 境内は木々に囲まれているので、海沿いほど風は吹き付けない。 二人で話をしていれば30分なんてあっという間で、やがて俺たちの順番が回ってくる。 北神家としての参拝は元旦に済んでるから、 今から願うのは、君と共に生きるこれからについて 家内安全 子孫繁栄 安産祈願…───は、まだ早いか 水の神様、水神様。どうぞ、われらをお守りください。 (6) 2024/01/05(Fri) 0:22:38 |
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