情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【人】 因幡 理恵[最初は気のせいかと思った。今日はよく腹が鳴る。 けれど、ぺこん、ともう一度。自分の中で、自分が持つ拍とは全く異なるタイミングで、腹の中で何かが動く。その動きは全く予測がつかなくて、ぱちっと目を見開いて腹を腹を見下ろす。 手を合わせたままじっとしていると、再びぺこ、と腹が内側から押された。 腹が張っている感じは、すこし前からあった。 しかし、内側でもぞりと動く感触を、初めてはっきりと認識した。 自分の意志とは無関係にうごく物体が体の中にある。 異物ではない。むしろ異物とは対極にあるもの。 この地球の中で、どんな存在よりも自分自身に──フウタに、近いもの。 地球上にありふれた、どこにでもある奇跡に違いない。はるか昔から、人間も、兎も、亀も、その他の動物も、これを繰り返しながら数を増やしていったのだ。 あァ、と声が漏れた。合わせていた手を腹に当てて、自分ともう一人だけに聞こえる声で、呟いた。] (25) 2021/01/09(Sat) 13:15:11 |
【人】 ははうさぎ 理恵[両隣のグループは既に入れ替わっていた。後ろの人間が焦れたように身じろぎしているのを感じる。退こうとしていたフウタの左手をとって、「フウタ!」動かないままに呼び止めれば、指輪同士が触れ合ったか。 とっさに言葉が出てこずに、右手を腹に当てたまま、しばらく見上げた。] 腹の中が、動いとる…… [別にすけべな意味ではなく。] (26) 2021/01/09(Sat) 13:17:24 |
【人】 ははうさぎ 理恵[「ほら!」と言いながらその手を腹に押し当てる。二つの指輪が、おなかの上できらきらと光った。] わかるか? [と期待に目を輝かせて振り仰いだものの、厚い服越しでは難しいか。 胎児も驚いたのか、先ほどまであれだけ動いていたのに、沈黙してしまった。 間の悪さにぶぅと唇を鳴らす。] なんじゃ、恥ずかしがりおって。 ……まぁ、いいか。早く父ちゃんにも聞かせてやるんじゃぞ…… [そう腹に語り掛ければ、自然と口元がほころんだ。]** (27) 2021/01/09(Sat) 13:18:03 |
【人】 しあわせうさぎ 理恵[ちょっと場面は戻って。(ろる返し) 部屋の中に人の気配が増えても、起きることは無かった。野生のままだったら死亡待ったなしだ、かつては寝る時も目を開けていたのだが。 フウタはティッシュまうんてんを背景に目をぱちくりさせたが>>15、やがてコップを片手に顎をくいっとしてきた。 ん、と目を細めて、少しずつ水を飲み下す。こく、と喉を鳴らすこと数回、コップから口を離すと、ンフーと唇を舐めた。「悪くないの」 偉そうに言った後に、毛布からニュウっと腕を出してフウタの手からコップを奪い取った。] だけど理恵ならこうする [そうして、残っていた分をあおると、フウタに口づけて水分を与えたか。] (28) 2021/01/09(Sat) 20:56:36 |
【人】 しあわせうさぎ 理恵[マウンティングだと思った後にマーキングと気づいたことを知ったならば、出会った時から頭を乗せ続けていた兎はこう言ったかもしれない。「なんじゃ今更。亀の鼻も大したこと無いのう」──まぁ亀が乳揺れに気を取られているなら、特に何も言わなかっただろうが。 頭に乗せていた顎がだんだんずり落ちて、肩にぽすんと乗っかるまで、初日の出を眺めていたか。刻一刻と表情を変える空の色に見入る。 鳥のさえずりが高らかに響いていた。明日も、明後日も、この太陽は昇る。昔話の時代から、生きとし生けるものの頭上に存在し続ける光だ。ならば来年も、顔を並べてみることができるだろう。] (29) 2021/01/09(Sat) 20:57:11 |
【人】 しあわせうさぎ 理恵[朝日を浴び終えて露天風呂に向かい、部屋の風呂とは違う気持ちよさ(意味深)に寛いでいると、フウタがいたずらをしかけてきた。 自分でも触ったことの無い場所(注:耳です)を舐められて、熱っぽくなる頭に困惑していると、不意にフウタに引っ張られた。水の中では意外と俊敏なのは、亀の特性なのか。 静かにしようとしていたのに耳を弄られて、矛盾に怒れば熱に浮いた瞳に射抜かれた>>19。 ……………… [返事もできぬままに見つめ返していると、タオル越しの腹に硬い感触が当たる。 まだ言葉が出てこぬうちに、弁解の言葉>>20を聞けば、長い沈黙の後に一度だけうなずいた。] そうじゃの…… [ここはまた湯が入るし。] (30) 2021/01/09(Sat) 20:57:45 |
【人】 しあわせうさぎ 理恵[けれど状況は変わらない。乱交グループが出ていく気配は無く、硬直が続く。股間の話じゃないです。 どうにも動けずにいると、はしゃいでいたメスの声が発情し始め、フウタがびくりと反応した。 先ほどまでいじられていた耳は、すっかり性能を取り戻し、岩陰に居てもなお彼らが何をしているのかさえ分かりそうだ。 理恵もああいう声を出してたんじゃろうか。 どんどん熱っぽくなる目から、視線が逸らせない。 抱きしめる手が、無遠慮に肌を這い回る様を想像してしまう。今まで何度もそうされたように。しかし今触れられたら静かにできる気はしなくて。 近づいた唇同士が触れ合うだけで、肌が、息が、震えだす。はぁ、と白く色づいた吐息は、離れたばかりの唇にかかったか。 その唇が動き、解決法>>21を言われれば──] え……嫌じゃ。 [兎、お湯怖い。] (31) 2021/01/09(Sat) 20:58:47 |
【人】 しあわせうさぎ 理恵[とはいえ他に方法も思いつかない。] 離すなよ? 絶対に離すなよ? もう離さんって言ったの理恵覚えてるからな? [何度も念押ししてから、きゅっと目を瞑ってフウタの首にかじりつく。 大きく深呼吸をしてから、しゅるしゅると縮み始めた。 兎の体では、もともと大きな温泉が更に広く、深く感じる。 しがみつくこともできぬ腕では、落とされたら溺れるしかないが、果たしてしっかりと支えられた。 ぶるぶる震えながら脱出し、野に、じゃなかった旅館に放たれた兎は、最速の人類よりもなお速い足で飛び出すと、大浴場の脱衣所へと向かう。 足元を駆け抜ける毛玉に人間は驚いたようだが、そう簡単には捕まらない。知らせを受けた従業員が捕獲道具を片手に脱衣所にやってきて、「うさぎを見かけませんでしたか?」と聞いてきたが、めちゃくちゃ息切れしながら「知らんの」と答えると、別の場所を探しに行った。]** (32) 2021/01/09(Sat) 20:59:30 |
【人】 ははうさぎ 理恵── ??? ── [病院に着くと、突然、呼吸ができなくなるほどの痛みが突き上げた。尻尾の付け根を鉄の棒で締め上げられるような痛みだった。出産を前にして、子宮が収縮を繰り返している。全身に汗が噴き出して、じっとしていられなかった。かといって、歩き回ることもできない。しばらくすると痛みが引いた。先ほどのは気のせいではないかと思えるほど、普通の状態に戻った。 一時間後、再び体の砕け散るような痛みに襲われた。強がる気持ちはどこかにいって、何度もフウタに助けを求めた。 あらゆることをフウタに押し付けてきたが、こればかりは変わってもらえない。メスが痛みにのたうち回り、命を懸けて子供を産んでいても、オスにできることは何もない。手を握って、腰を揉むのが精々で、その加減が悪いと言ってはぎゃんぎゃん怒った。 怒る相手がいないと、不安で気が狂いそうだった。 陣痛には波があった。はじめは一時間ほどの間隔で、痛みが押し寄せてくる。間隔はじだいに短くなり、痛みの度合いも強まっていく。子供が腹の内側で暴れているのが分かった。内側でぐるぐると動いていた。 痛みの波は頂点に達したのち、また引いていく。その繰り返しは永遠に続くように思えた。 涙をふくことも忘れるような疲労が全身を支配した。痛みと痛みの合間に意識がもうろうとして、眠りなのか気絶なのか分からない状態になった。短い夢を見たかと思えば、痛みの波がまた押し寄せてきて目が覚めた。 夢と現実の区別があいまいになり、自分が誰で、どこになるのかも分からなくなっていった。 とぎれとぎれになる意識の中で、腹の子に名前を与えた時の夢を繰り返し見た。] (33) 2021/01/09(Sat) 23:05:22 |
【人】 ははうさぎ 理恵[──腹が大きくなっても、子供の性別が分かっても、名前はなかなか決まらなかった。 名づけのヒントは無いかと、フウタと並んで文字の勉強をした。いままでうさぎ、かめ、とひらがなで書いていたが、漢字もあるらしい。 突然の胎動に、腹を抑えた。痛くは無いが、反射的にウッと声が出る。 まだ赤ん坊が跳ねているうちに、フウタの手を腹に当てた。最初の頃は自分以外が腹に触れると沈黙していたが、動くたびにフウタの手を腹に置いて、「お主の父ちゃんじゃぞ」と話しかけていれば、やがて父親の感触を覚えたらしい。フウタの手が当てられても、元気に主張するようになった。 目を閉じると、いつも想像する景色があった。フウタの大きな手に、赤ん坊が小さな手を合わせている。早く抱きしめさせてやりたかった。腹の中でもぞもぞと身じろぎする命が、どれだけ愛おしいか。あの大きな手に包まれると、どれだけ安心するか。二人に、お互いのことを教えたい。 そうして、この子の成長を見届けたい。自分の足で立ち、言葉を発するところを見たい。小さな目で見た世界を、拙い言葉でどのように表現するのだろうか。瑞々しい感性を通した世界は、どのように変化するのだろうか。 彼女のささやかな成長を、フウタと共に喜びたかった。] (34) 2021/01/09(Sat) 23:07:02 |
【人】 ははうさぎ 理恵最近、思うんじゃ…… 腹の中で育っているのは、時間そのものなんじゃないかと…… [開きっぱなしのノートを見ると、練習中の漢字が書かれていた。うさぎは兎、かめは亀。一つの漢字には様々な読み方があって、例えば兎は「ト」、亀は「キ」とも読むらしい。 兎。亀。二つの字をなぞる。その順番で読み上げる。同じ音でありながら違う意味を持つ言葉を、知っていた。] (35) 2021/01/09(Sat) 23:08:11 |
【人】 ははうさぎ 理恵[秋口から見ていた奇妙な夢は、ある時から変化するようになった。 フウタと手を繋いで歩いていると、小さな女の子が間に割り込んでくる。自分たちは笑って、その子を挟んで歩き出す。フウタは右手を、自分は左手をその子に差し出して。 他愛ないおしゃべりに夢中になっていると、やがて繋いでいた手が離れる。自分ばかりの歩みが速くなる。一か所にとどまることはできない。地面に向かって落ちていくのを止められないように。 行かないでくれ、という声に振り返ると、二つの影が並んでいる。子供はいつの間にか大きくなって、理恵とそう変わらない背丈になっていた。 霞むほど遠くなった二つの影を振り返って、ふっと口元をほころばせた。] どうせ二人とものろのろなんじゃろ。 ゆっくり来い。昼寝でもして待っててやる。 [腹の子は、いつも教えてくれた。 フウタと自分の時の流れが違っていても、いつか触れ合えぬほどにその差が開いてしまったとしても。自分たちは、確かに同じ時を分かち合ったのだと。]** (36) 2021/01/09(Sat) 23:09:14 |
【人】 因幡 フウタ[部屋に人を入れても眠っていた様だったみのむしうさぎの愉快な要求。水を飲ませろというそのミッションに応え、目を細めて水をゆっくり飲み下す理恵>>28を、色んな気持ちで見降ろしていた。 かわいいとか、子供みたいじゃなとか、でもどこか色っぽいとか、看病とかする時もこんな感じになるんじゃろかとか…… ほどほどのところでコップの傾きを戻すと、 理恵の満足そうな笑みが返る。 そうかよかったなと頷きもそこそこに立ち上がろうとすれば、 亀みたいにニュニュと腕を生やして、コップを持って行かれる。 何する気だと疑問が浮かぶ前に理恵がコップの水をぐいっと…… そして俺の口にちゅっと…… こぷ、と理恵の口から水が送られるが、 驚いて少し押し戻してしまう。 零れる──と咄嗟に思った手は 反射的に理恵の背を支え、口を吸った。 背を支えたおかげで距離が開かず、 水はうまくこちらに吸い込めた。 ごくり、と飲み込む音を聴かせるでもなく響かせて、 普段なら情事に雪崩込みそうだが、今は二人共へとへとだ。 ぽんぽん、とわざと子供にする様に頭を撫でて立ち上がれば、 変な空気は散っていっただろう] (37) 2021/01/10(Sun) 4:55:17 |
【人】 因幡 フウタ[そして初日の出を浴びた後。 理恵を露天風呂に誘って、ちょっとした戯れに誘って、それから、岩陰に誘う事になった。 こそこそしながら怒られて、 つい、変な事を口走った。いや本心だけど…… 理恵も何も言わず黙ってしまったじゃないか、とか冷静になる事もできずに小さな身体を抱き締めた。それがまた、勃起をわかり易く伝えてしまって、理恵に己の気持ちを伝える片棒を担ぐ。 墓穴をほりほりしているが、 弁解を聞いた理恵が、長い沈黙の後に頷く。>>30 こっちは湯の事を考えていた訳ではないが、 とりあえず追及がなくて助かった…… けれど事態が悪化へ向かう音が聞こえた。 悪化……否、寧ろ己が欲にとっては好機なんだろう。 理恵もしっかり向こうのメスの声を聴いている様だし、 まんまと瞳が燃え燻ぶり、映した理恵にも熱を分け与えるかのごとく、色を濃くする。 我慢がききそうになかったから、 これだけでも欲しい、と秘かに欲張る心で奪ったのは、唇。 拒まれない事に幸福を覚えるのは、何度目か。 離れ難くなる前に退いたが、理恵の吐息を唇に浴びてしまう。 震え出してしまいそうになる唇を引き結んで、解決法を提示した。 嫌だと一蹴された。>>31] (39) 2021/01/10(Sun) 4:56:06 |
【人】 因幡 フウタ[けれど他に方法が無さそうだと観念すれば、 めちゃめちゃ念押ししてくる。>>32 よく引用してくんな、そのセリフ。 悪いが俺だってよく覚えてる] 離さん! [今までのひそひそ声とは一線を画す小声で大きく頷いて、 目を瞑って首にひっついて来る理恵の背中を支える。 縮んだ理恵の、頭と後ろ足をしっかりと抱える。 というか理恵はすげー念押ししてきたが、昨日人間サイズの理恵を抱えて風呂からベッドまで移動したんだがな。 しっかり掴めるところが少ないという意味ではうさぎの方が難易度が高いと言えるかもしれないが、理恵に怪我なんてさせない。 速さと安全を両立した安心運搬を心掛け、そして遂行した。 男用の脱衣所の入り口から理恵を放った時、 震えていた様だったから心配したが、 服とか脱衣所に置いてるから一度分かれざるを得ない。 まぁ……もう少し撫でて落ち着かせてやったらよかったかもしれないが、乱入グループがこっちに来てうさぎの理恵が見付かったら面倒だもんな…… うさぎ捕獲隊がやって来るとびくびくしたが、 理恵ならうまくやってくれる筈……そもそもうさぎに戻らなければ何の問題もないのだし、と。 大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせる様に頷きながらも、 早々と着替えて外で理恵を待った。 詫びになるかわからなかったが理恵にこーひーぎゅうにゅうを奢って、腰に手を当てて二人で並んで飲んだ。通りすがりの宿泊客の微笑まし気な視線を感じたが、意味がわからなかった] (40) 2021/01/10(Sun) 4:56:35 |
【人】 因幡 フウタ[理恵の腹の音には気付けないまま、 竜宮城の朝の馳走が運ばれてきて、また二人で摘まんでいく。 理恵が珍しく、こちらにしか用意されていない食べ物に興味を持った。温泉卵だった。>>22 言われた通り小鉢を差し出して好きなだけ取らせたが、 反応はあまり期待していなかった。 わりといけるとの評価に少し驚いたが、それだけ。 小さな差異を、へぇ、と頷いて流してしまって、 そのあとのかりっとまんじゅうとやらに二人で舌鼓を打った。 土産屋にないのかな、探してみよう、と提案したりして、 元旦の朝飯もいい時間となった。 食後に御簾の中で二人で寛いでいると、 ふと、理恵が窓の方へ視線をやる。 そうかと思えばこちらに乗っかって来て、その突拍子もない襲撃に「ぐェ」と鳴いてしまうのは割とよくある光景。 だが目の前に差し出された問い>>23に、 沈黙──そして、こく、と喉が鳴る音] 理恵が、 いやじゃないんなら。 [そりゃ露天風呂のは落ち着いたが、 散らせなかった劣情の記憶はまだ新しいもので。 気が乗る様にしてみるけど、 気が乗らないんなら途中まででもいいだろうとは考えながら、 朝餉が運ばれる前に着替えていた理恵の服の裾に手を添わせる。 指先で縁をなぞるだけから、摘まんでぴら、と裾を持ち上げる] (41) 2021/01/10(Sun) 5:17:04 |
【人】 因幡 フウタ[くるんと理恵の身体を優しくひっくり返して、畳の上に敷く。 身体に指を添わせながら、するすると裾を引っ張り上げていく。 足の付け根や、腹や、胸を通る時は酷くゆっくりした動きになりながら、鎖骨あたりまで捲り上げる。 ワンピースを脱がせる時の独特の光景もまた、理恵だから、俺を昂らせる。 服を剥ぎ取らず中途半端に乱したまま、 下着に手を伸ばし………] (42) 2021/01/10(Sun) 5:17:15 |
【人】 因幡 フウタ[朝から熱いひと時があっただろうか。 何はともあれ、出掛けたのは昼過ぎ。>>24 初詣をやっているらしい。 己もそのチラシは読めなかったが、なるほど初詣は知っている。 箱に金を入れて何か鐘を振り回して願い事を言ったりアリガトウゴザイマスと感謝をするんだ。 神社が近くにあるとは思わなかった。 元旦に行けるなんて幸運だと思っていそいそ準備をしたが…… 流石は元日。 視界の奥の方まで人ばっかりだ。 住んでいる町でこんな行列は見た事がないと思う。 理恵の悪役の様なセリフに、あちらこちらでフッと笑う声が聞こえる。まぁゴミって例えるせんすが面白いもんな、と、〇ピュタ未視聴の俺は思うのだった。 夏祭りの様に食べ物をゲットしたり(今回は千円以上ある) 亀を撫でる理恵に「冬眠しとるに決まっとるじゃろ、おいそんなに触るな」と大真面目に 嫉妬 答えたり、理恵の手にポケットを占拠されたり、絵馬を書いたりした。文字は未だに苦手だが、「理恵」の字だけやたら上手い。 ばあちゃんが教えてくれて、それを真似て練習したからだ。 絵馬を覗き見ようとするうさぎを回避して、一番高いところに引っ掛けた。 「お前だって見せたくないんじゃろ?お互い様じゃ」と、ふんす、息を吐いて、他人様の絵馬を覗き見る理恵を「やめろ」と慌てて止める。 「せっくすとは交尾じゃ。せっくすれすが何かは知らんが、人には見られたくないもんじゃろきっと」と理恵を注意する声はそれなりにデカかったので、またまわりから視線を集めた。 何かもうようわからんから、静かに列に並ぼうかと 最後尾の方へ足を向ける。 まぁ理恵と一緒で静かに、なんて無理なんだが] (43) 2021/01/10(Sun) 6:48:26 |
【人】 因幡 フウタ[また他愛もない話で時間を潰すが、 今度は大晦日の夜より長い時間そうしていたか。 取り替えたマフラーは、理恵はいいんだが、俺がオレンジって似合わんじゃろと少し照れくさそうに俯いた。 理恵が俺のマフラーの匂いを嗅いでいたから同じ様にしてみた。 「うん、理恵の匂いがする」と目元を緩めるその姿は、まさしくバカップルの片割れに映るだろう。 割り込みは早々に諦めてくれてよかった。 ようやく辿り着いた賽銭箱に、同じく見よう見まねで小銭を投入。 上を見ると鐘じゃなくて浮いているのは鈴の様だったか。 そのあたりも見よう見まねで、 けれど挨拶と、心の中で願いを声にする時は真剣に。 願いは考えてきた筈なのにうまく言葉にできないでいる間に、 理恵は目を開いていて>>25、手も祈りのかたちから解いて、 隣の俺にすら聴こえない声で何かを話し掛けていた] (44) 2021/01/10(Sun) 6:48:35 |
【人】 因幡 フウタ[目を開いた時、理恵はもう願い事を終えていた様だったが、 ちょっと様子がおかしかった。 とりあえずここから退かないと、と思って理恵を促そうとしたら、名を呼んで、左手を握って来る] どうしたんじゃ……? [指輪の触れる感覚にも気をやらず理恵を見降ろすが、 理恵は口を開いたまま動かない。 視線が理恵の顔から下へ落ちる。 腹に当てている右手が気になる…… 否、右手が当てている腹が気になるのか…… こちらも口をきけないまま、 しばし時が過ぎる。 ようやく言葉を紡ぎ出した理恵は、 腹の中が動いとると言う。 その意味が理解できないのに、聞き返す事もできず、理恵の顔と腹を交互に見遣る。 左手を導かれるままに理恵の腹の上に乗せても>>27、 言葉も、触感も、まだ何も理解できない] (45) 2021/01/10(Sun) 6:48:38 |
【人】 因幡 フウタ[理恵がぶぅと鳴いた後、和らいだ唇で話し掛けた言葉を聞いても、まだ呑み込めない。ぽか、と口を開いて、 のろのろとその意味を紐解こうとして、 そうしてようやくその意味に心が当たれば、] ─────、 [ぼろっと、大粒の涙が零れた。 彼女の前でこんなにはっきり涙を見せたのは初めてだっただろう。 しかし言葉を探している内に時は過ぎていて、 既に何組か入れ替わった後の隣の、人の良さそうな中年女性が「痴話喧嘩はここじゃないところでやった方がいいわよ」とやんわり注意してくれた。 謝ろうかと思ったけどその言葉すら出てこなくて、こくっと頭を深く下げて、理恵の手を引いた。 列からも見えない落ち着ける場所まで来て足を止めて、理恵を振り返る。涙こそ出ていないが、少し情けない顔をしていただろう。 それは、恐れや哀しみからではない。 またしばらく言葉を探して押し黙ってしまったが、理恵をじっと見下ろしていた。 やがて、「あの、」と、カサカサに乾燥した唇を開いた] (46) 2021/01/10(Sun) 6:48:41 |
【人】 因幡 フウタあのな……… 俺……… ずっと、理恵との子が欲しかった…… [「本当に妊娠したのか?」なんて野暮な言葉は出て来なかった。 彼女がそうだと言うなら、きっと本当なんだと。 今までの俺ならぬか喜びを恐れそうなもんだが、彼女の顔を見て、何故か強く確信させられた。 おそろしくて哀しい夢をずっと見ていた。 理恵がいなくなるのが不安だった。 そんな事を過去の話として話す日が、いつか来るかもしれない。 けれど今は喜び合いたい。 彼女は俺との間に、 新しい命を授かってくれたんだ……] だから、 (47) 2021/01/10(Sun) 6:48:44 |
【人】 因幡 フウタ[冷たい左手で、理恵の小さくて白い頬をさする。 幸福で泣いてしまいそうだが、今は笑っていたいから堪えた。 これからもっと彼女を大切にしたい。 労わりたい、力になりたい、支えたい、一緒に幸せになりたい。 新しい気持ちがふつふつとたくさん湧いてきて、 今、俺は新しい自分になった気分だった。 言葉も交わしながら、 長い間、愛おしい人の顔をじっと見つめていただろう。 抱き締めるのもキスをするのも勿体ない様な…… 今までにない気持ちだった。*] (48) 2021/01/10(Sun) 6:48:53 |
【人】 因幡 フウタ[宿に戻った後、じゃあ酒は没収な、と亀齢は俺の鞄に移動させた。妊婦に何が駄目か詳しくは記憶していないが、酒が駄目な事は知っていたので早々に取り上げた。帰ったらばあちゃんとちびちび呑むのだろう。 元旦に竜宮城で眠った時、夢を見た。 目の前にかわいいうさぎがいる、あ、理恵か、と思ったら理恵が毛繕いをしてくれる。ぶぅぶぅと気持ちよさそうに鳴く声が聞こえて……あれ?と思ったら、俺の目の前、床にもふもふの両手が置かれていた。なんと俺もうさぎになって理恵に頭をぺろぺろ舐められていた──という、よくわからない初夢を見たのだった。 まぁ他に切ない要素もなかったので良しとしよう…… 閑話休題。 旅行から帰ったらばあちゃんに新年の挨拶をして、 それから、理恵が妊娠したと思うと伝えた。 ばあちゃんの紹介で婦人科を受診して、改めて妊娠していると告げられる。 そうだと思ったから取り乱しませんとも。 嬉しそうな顔を隠せてはいなかった様で、医者がよかったね!おめでとう!とめちゃめちゃ祝ってくれたが。 仕事仲間に報告……というより、 顔がふにゃふにゃだぞって指摘されて話す事になった。 「お前指輪なんて買ってる場合じゃねーじゃん」と言われて「……本当じゃな」と真顔で返したら仲間たちは笑って祝ってくれた。 稼がなければいけないのは本当で、 でも理恵との時間が削れるのは不本意だったので、 短時間でキツイ仕事なんかを主に請け負った。 毎日二人共必死で大変だっただろうけれど、 きっと時は、 あっという間に過ぎ去って、] (49) 2021/01/10(Sun) 8:00:11 |
【人】 因幡 フウタ[そこから、出産のその時までの時間は壮絶だった。>>33 理恵が悶え苦しんでいる姿は、 これまで見たどの姿よりも痛々しくて、弱々しい。 自分は痛みを味わっている訳でもないのにばくばくと心臓が騒いで、毛が逆立って、背筋が震える。 こんなの普通じゃないじゃろと医者や付き添ってくれたばあちゃんに喚いたが、どうやら一般的な分娩なんだという。 痛みに助けを求める理恵に顔を歪ませた。 「理恵、理恵」と何度も名前を呼んで手を握って勇気づけたつもりだが、気休めにもならない事は、理恵の様子を見ていてわかる。 己の無力さに打ちひしがれながらも、 何かできる事はないかと思い巡らせる。 そしてまた無力な自分を思い知り、心が確かに削れる。 それを繰り返しながら、理恵の要望にも応える。怒られるのは平気だ。何を言われても受け止めた。けれど、腰を揉む強さが全然弱いと文句を言われて驚く。かなり力を込めているのに、これ以上の痛みなのか、と想像するしかできない痛みを、呪う。 こんなに大事に守ってきた理恵を、己の子にとはいえ傷つけられている光景に、何故なんだとか、理不尽だとか、やめてほしいとか、俺がこんなにしたんだとか、俺が理恵にこんな痛い思いをさせているんだとか、様々な負の感情が俺を襲って、目を逸らしたくなる。 理恵が苦しんでるのに泣いていられないと、涙こそ流さなかったが、酷い顔をしていたんだろう。 途中でばあちゃんに「フウタちゃんも少し休んでらっしゃい」と言われたけれど、水を少し飲んだだけで、ずっと理恵の傍に居た。 理恵は……本当に綺麗な顔をしているのに、 今は美しい髪をぼさぼさに乱して、涙と汗で肌を汚している。 痛みに暴れている時は腰を揉んだりくらいしかできなかったが、ふと、眠ったのか、目を閉じた理恵の頬を濡れたタオルで拭う。 しかしそれもほんの短い間の事。 またここを涙が通るんだろうと思うと、胸が苦しい。 でも、本当にこんな事しかできなかった] (51) 2021/01/10(Sun) 8:00:23 |
【人】 因幡 フウタとき…… 理恵…… [胎動を俺にも伝えてくれた彼女の事を想う。 彼女と彼女の名前を決めた時の事を想う。 時間そのものが、 理恵の中で育ってる…… そうならば、 二人と逢える時間を、どうかこの世にもたらしてくれ。 理恵の小さな手を両手で握り込んで 二人の無事を祈った後、少しだけ眠ってしまった様だった。 理恵が遠くにいってしまう夢ではなくて、 小さな子を間に、三人で手を繋いでいる夢を見た気がした。**] (52) 2021/01/10(Sun) 8:00:26 |
【人】 ははうさぎ 理恵[痛みの間隔が十分おきになり、やがて五分を切った。ずっと握り続けている手も、腰をさする感覚も、痛みのあまり認識できなくなった。フウタを呼ぶこともできなかった。 名前も、過去も、理恵としての自我さえ剥がれ落ちた。最後に残ったのは、産むという意志だけだった。そのためだけに自分の肉体が存在していた。 なまあたたかい水があふれ出した。液体は太ももを濡らし、敷かれたタオルに吸い込まれた。 痛みのありかたが変化した。子供が膜越しに頭で押し広げていたものが、直接になり、鋭い痛みとなった。子供がいつもいた場所を離れて、降りてこようとしていた。外におくりだすため、腹筋に力を入れて、いきんだ。 痛みに間隔がなくなり、肉体に存在し続けた。自分の意志ではコントロールできない力が体内にあった。自分の肉体から子供の出ようとする意志を感じた。母親はその摂理に従うしかなかった。降りてくる波に合わせ力を込めた。涙がずっと止まらなかった。 西日が窓から差し込んだ。初日の出が、初めてときを認識した日の景色が、幻の中にふっと浮かんだ。 来年は三人で見れるだろうか。 泣き声が、部屋の中に響いた。]* (53) 2021/01/10(Sun) 8:30:01 |
【人】 ははうさぎ 理恵[お腹の上に赤ん坊が乗せられた。 生まれたばかりの子供は、兎にしても亀にしても大きすぎた。そのくせ人間にしては小さかった。 自分の力で動いていて、柔らかく、ぐにゃっとしていた。 最初は青かったが、少しずつ赤みがさしていった。 自分とフウタから血と肉を受け継ぎ、離れていった、一つの命だ。] 本当に、腹の中に子供がいたんじゃな…… [少しずつ大きく育っていく腹を持ちながら、元気に暴れまわる胎動を感じながら、一方でどこか冗談じゃないかと思う自分もいた。 赤ん坊は、芋虫のような腕と足を動かしていた。 虫眼鏡がないと見えないくらいの小さな爪が、指の一本一本の先に、確実についていた。 こんな細かいところまで気を抜かずに作られている。 何か、自分たちの認識できない大いなる存在を、我が子の小さな爪の中に見た。 腕の中の赤ん坊が、理恵の胸に頭をくっつけた。 倒れ込んだと言った方がいいかもしれない。 この頼りない命は、まだ自分の力で頭を支えることもできなかった。 心臓の音を聞いているのか、やがて泣き止んだ。 母乳をあげるために乳首を吸わせた。 赤ん坊の小さな口が、必死に吸い付いてきた。 何一つこの世界のことが分からなくても、生きようとしているのだ。 愛おしさがこみあげてきた。] (54) 2021/01/10(Sun) 9:20:22 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新