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【人】 疾風迅雷 バーナード 処刑対象が撒き散らした琥珀の雨(>>a8)に関してはムルイジが処刑時に降らせたものの印象が強いのか、完全に無力化はできずとも吹けば飛ばせる程度のものとしての刺激に留めて。 しかし、続く縦横無尽(>>20)に関してはそもそも近接を許したくない人間であるために大きく出口側へと後退する。己より白兵戦に向いている従僕ですら状況がどうあれ殺されているのだ、自分がまともに相手取れるわけもないと判断している。そうしてその先日殺された従僕にちらと視線を向けてから、 「――……」 最後に攻撃対象へ鎌鼬を放つくらいはしたが、それは戦意ある者達の助けとなっただろうか。なろうがなるまいが男はそのまま処刑室を出て行くはずだ。 (24) 2022/03/06(Sun) 14:59:26 |
【人】 迅雷風烈 ラサルハグ「……下手すると他に当たるな、これ」 前のテンガンの時はみんなが比較的分散していたから、もといバーナードの為には他を気にする余裕も容赦もなく雷を叩き込んでいたのだが、この場だと『雷を撃ってもこちら側の手数を減らす悪手』になるのは分かりきっていた。【だから何もしていない】し、もう数度交戦したアルレシャは光と音で即反応できるだろうが、他は見てない人もいるだろうし。 なんて思考をしている所に投げられる視線に気付いて頷き、かかる声に『久しぶりの』通信に切り替えて返事をする。 (25) 2022/03/06(Sun) 15:23:19 |
【人】 迅雷風烈 ラサルハグ>>24 バーナードが撃ったカマイタチ 「最後に俺からも贈っておこう!」 バーナードが鎌鼬を放った瞬間、それに雷を当てて 属性 を帯びさせる。回避するか、直接触れない何らかの方法で払い除ければ『そのまま』だが、被弾したりリーチのある武器や素手などで払い除けると『雷の特性を帯びてナイフに刺された程度の痛み(痺れ)』の追加効果も浴びるだろう。簡単に言うなら、【威力2倍】と言った所だ。 去り際を狙われたら堪らないとばかりにそこは警戒して。余りこちらばかり見ることがあっても他が攻めに出ていつか隙もできるだろう。どちらにせよ、バーナードの呼びかけ通りこちらもその場を離脱した。 (26) 2022/03/06(Sun) 15:41:09 |
【人】 『巫覡』 ロベリア縦横無尽に駆け回る一匹の狼をとらえる術は無い。 とはいえ自身への接近が感じ取れるならば回避行動を取る。 回避し切れるかと言えば別だ。 「 どう、しよっか……な……… 」炎 も琥珀 も雷 も風 も水 も白銀 も自らでは生み出せない。誰かの想像が力となるか、あるいは………。 手元の銃に視線を向け、それから皆と踊る狼へ。 「 ………敵うはずもない、からね 」死を覚悟して動く以外にここに在る意味も無い。 軽く動きながら弾数の確認と狙うべき瞬間を待ち続ける。 (27) 2022/03/06(Sun) 16:32:44 |
【人】 白昼夢 アルレシャ血の匂いがする。自分のものなのかそれとも近くまで来た狂人のものなのか。 白銀の刃が己のナイフを止めるのを見る。拮抗、はしない。すぐさま手を離すからだ。 アルレシャは銃が好きだ。 だがアルレシャの戦闘スタイルは実のところ、銃撃戦向きではない。 シトゥラとの模擬戦であっさりとナイフを生成したり。 狩人に阻まれた際に手榴弾を投げつけたり。 スピカに看板を落としたり。 こうして、ナイフを振るったり。 アルレシャは、近接格闘術寄りのスタイルをしている。 向けられた賞賛と槍。 いつもならば軽口の一つ、わざとらしい猫かぶりの歓喜なんてものを返すんだろうが。何も言わずに悪魔を見た。 そこには悦すら伴わない純粋な殺意しかない。 ナイフを手放して空いた左手で槍の柄を掴み、勢いをつけて引っ張ってしまおうか。シェルタンの体勢を崩してやろう、と。 もしそれが叶えば、動きが制限されるのは自分よりもナフの方かもしれないが。なんせ、間に割って入っているんだから。 叶っても叶わなくても、ここに長時間足を止めてはいない。 ーーー演者はまだほかにもいる。 (28) 2022/03/06(Sun) 20:44:18 |
【人】 白昼夢 アルレシャ数秒は動きが止まっていただろう。その間に、そんなに威力の重たい弾を連射できるかどうかは分からないが。 弾が撃ち込まれている方向に、右手に持っていた三本のナイフを順に全て投げつけた。狙いは大まか、盾に守られるも構わない。牽制じみた動き。 そしてまた足を動かそうとして、出口付近へ向かった姿を見て速度を落とした。 スタミナはない。動き続けてはいられない。 出ていくなら早く出ていけ、そういう目をした。 して、ーー目を背けるのが一瞬早かったかもしれない。 「がっ……!?」 斬りつけられるはいい。そんなもの急所に当たらなければ。だから既に多めに攻撃を食らっている左腕を犠牲にしていなそうとした。 致命的なのはもう一つの方だ。 ばち、と走る痛みが頭の中に 恐怖 を思い出させる。動けなければなすすべがない! ……貴方に近い場所。 ぎり、と歯を食いしばって暫し硬直する狼がいる。 動けぬ間も無防備ではない。 手の中に鉄製のスコップを出現させて、殺気も顕わに方々を威嚇している。 (29) 2022/03/06(Sun) 20:44:55 |
【人】 憐憫聖贖 ナフ>>28 >>29 蜃気楼 動く度に 足下が汚れる 。離れたナイフに刃を切り返して切り付けようとして、引き寄せられる槍を見る。 潜るようにそれを避け、一拍遅れた銀閃の間合いに君はもういなかったろう。 運ばれる酸素が足りぬ脳。ぐらりと視界が揺れる中、弾ける音を聴く。戦況を俯瞰する余裕など無い。ただその電気の音に反射的に君の隙を感じて、無理やりに体重を動かに再び君の方へ踏み込む。 スコップは 存在しない 。赤い足跡。 「 ――アルレシャ! 」君の 名を呼び、舞うように一閃、二閃。もう鋭さは無いだろうが、お前の 目 がこちらへ向けばそれでいい。獲物は、此方だ。 白い髪が視界に入るなら、それもまた処理すべき情報としてちらつくだろうか。 >>27 時を待つ狗を意識の端で捉えたなら、三閃、四閃。 畳み掛けながら視界を誘導する。 お前の目の前の獲物を見よ。 (30) 2022/03/06(Sun) 21:46:50 |
【人】 『巫覡』 ロベリア>>28 >>29 手負いの獣ほど怖いものは無い。 好機を伺いながらそんな事を思う。 そして今、待ち望んだその瞬間は訪れたようだ。 これを逃すまいと勢い良く白銀の傘を投げ捨て、銃を構える。 叶うならアルレシャに数歩近付いて狙いを付けやすくする。 名を呼ぶ事も、声を出す事も無い。ただ引き金を引くだけ。 彼に教わった全てをこの1発に乗せよう。 狙うは 中心 だ。踊ろう、アルレシャ。 当たればいい。自分にあるのは最低限の技術のみ。 身を守る術は今この手には何も無い。 こちらに向かうものがあれば回避は不可能に近いだろう。 スコップの存在も 認めている 。それが幻だと、ロベリアは 知らない 。 (33) 2022/03/06(Sun) 23:17:13 |
【人】 白昼夢 アルレシャ隠者がスコップを見ていないのは 見れば わかる。かといってそのためだけに一旦これを消すのも、ベルトに刺したナイフを抜き直すのも愛銃をとるのも、全て無駄に思えた。 だから、この痺れて動かない左腕はもういらない。 身体を揺らすように動かし、煌めく銀閃の的をそこに集中させる。 声には答えない。答えるだけの余裕はない。 白い髪が見える。俺のリボンの効果と似てる。 そちらに目を使っていれば、どうしても他への注意は疎かになる。 気付いた時には銃声と大腿に感じる衝撃があった。 何発かの銃弾が皮膚と肉に穴をあける。 退いた少女もまだ油断はできない。それ以上何を言うこともできない。 それでも気は配っていなければいけない。 目が足りない!障害物もだ! その場にいる者は、狼の背後に揺らぐような戦場の風景を見るだろう。赤い空、崩れた瓦礫と焦げた跡。 ぶつん、ぶつん、と脳から悲鳴が聞こえて、それらはすぐに消えてしまうのだけど。 鼻の奥に鉄錆の匂いを感知する。 そうして、腹の中心に熱を感じた。 じわ、と溢れ流れる血は即死には至らないが。 「……ッ!!」 まだ終われるか!! 足を踏み出すたびに血を流しながら、スコップを狛犬目掛けて縦に叩きつけようと。 (34) 2022/03/07(Mon) 0:16:29 |
【人】 蒐集家 テンガン>>34 「!」 狙いがロベリアへ向いて、それからテンガンは動き出す。盾と銃はその場に捨て走る。 もちろんその打撃を阻止するために動いたわけではない。 アルレシャの中身を暴いてやるのだ。 追い詰められつつある今がその機会だ。 スコップでの抵抗があろうと多少は耐えられる。この隙を掴むためにここまで無駄な怪我をしないよう気をつけた。 アルレシャの頭に指先を少しでも触れられるなら、全力で能力を使用する。 もしできるなら後頭部を掴み、逃さないような形で。 もっと気をつけて繊細な行使をしたならふわふわした違和感で済ませてやれるのだが―― この場においてはそんな配慮は一切しない。 強盗が盗みに入った家の家財の傷など気にしないのと同じ。 脳を掴んで、揺すり、ひっくり返して、それを幾度も繰り返すような感覚がアルレシャの平衡感覚を奪うだろう。 目的の情報を得る以上に抵抗を減らすため。 テンガンが見たいのは―― アルレシャが、今この場で、恐怖を感じているのか。 隠そうとしているであろう、それひとつだ。 探す過程で余計なものも見てしまうかもしれないが。 (35) 2022/03/07(Mon) 1:04:56 |
【人】 『巫覡』 ロベリア銃弾は手負いの獣を貫いた。 けれどもあれではまだ動きを止める枷にはなり得ない。 他の演者達がつけた傷を負って尚これなのだから。 すぐ様逃げようとして、肩と腕に走る痛みに顔を歪める。 模擬戦後、治療室に向かう事無く疲れを癒す為に眠りについたから、傷はまだ癒えていなかった。 その一瞬が迫る狼に接近を許す事になるのだが……。 ――…頭上に影が出来、狼が選んだ獲物が自分だと理解する。 逃れる事は難しいなと、手に持っていた銃の安全装置をかけ床を滑らせるように投げ捨てた。 誤射は、困るし。 だから腕で庇うことも出来ず、身を守る術は本当に何も無い。 無意識に視線を に向けそうになったから、目を閉じた。 ……視線で気付かれるのも、何だしね。 スコップは特に障害も無く叩き付けることが叶うはずだ。 脳が揺れ、目の前がチカチカと瞬く。声を上げた気もするし、頭を伝う何かの感覚があったけれど、思考が上手く定まらずにいた。 体はゆっくりと傾いて床に倒れ伏すのだろう。その後は指先が幾度か跳ね、暫くすればぐったりと横たわるのみ。 生きているのか死んでいるのか、直ぐに確認するのは今の状況では難しいのではないだろうか。 目の前にはまだ、今宵の主役が存在しているだろうから。 (36) 2022/03/07(Mon) 1:34:17 |
アルレシャは、スコップを保てない。 (a14) 2022/03/07(Mon) 2:07:41 |
アルレシャは、喉を曝け出して頭を振り乱すだろう。 (a15) 2022/03/07(Mon) 2:08:14 |
アルレシャは、今までの挙動は嘘であるかのようにーーー、ただ、取り乱してなりふり構わず暴れる。 (a16) 2022/03/07(Mon) 2:09:14 |
【人】 憐憫聖贖 ナフ>>34 >>38 現実 白銀が閃く度に 血の匂い が濃くなる。幾度目か、ぐらりと視界が揺れ、蜃気楼はまたすり抜ける。 血溜まりに膝をつく。 硬いものがぶち当たる音。 視界が暗む。これは知っている、死へ沈む気配。 流れ出す血液の残量。 まだ動ける。 死の瞬間まで 。テンガンの姿。その所業が齎すモノを、隙を知っている。取り乱し、荒れ狂う獣の姿。 夢が破れる時、世捨て人はお前に手を伸ばそう。 ――シャリン、とナイフの形を崩して、鎖へと。 楽園から引き堕とす蛇のように、鎖が伸びる。 さんざ痛めつけた腕に絡み、引き寄せたならその手首を捕らえ、叶うならばこの身で抱き込むように。 独りで死なせない為に。 「――捕まえた。」 蜃気楼を。 そのまま、 血溜まりに 崩れ落ちる。この身は、瞬間でも捉える鎖となれただろうか。お前に死を与える者のための。隠者がそれを知ることはない。 (40) 2022/03/07(Mon) 2:45:29 |
【人】 衝撃波 ポルクス自室で中継を見ていた。静かに中継を見ていた。 中継を見ていた。中継を見ていた。 中継を見ていた。中継を見ていた。 中継を見ていた。 中継 を、 「……、…………う゛、あ゛……」 画面から大きく響き渡る叫びに。 空いた扉から伝わる微かな振動に。 胸を、頭を抑える。身体が震える。 心臓が苦しくなる。恐怖心が流れ込む。 思考回路はぐちゃぐちゃだ。ギターを手にした勢いのまま扉にぶつかり崩れ落ちる。 ――処刑室にはもう絶対に来るなよ 思考回路はぐちゃぐちゃだ。震える手と身体で扉を開き動き駆け始める。 「……る、……れしゃ…………、ッ!」 思考回路はぐちゃぐちゃだ。間に合う、間に合わない、関係ない。考えられない、分からない、分からない事も分からない。 ただ頭にあるのは。 ――一刻も早く愛しの魚が陸へ打ち上げられてしまった舞台へ 出来損ないの機械は。 制御不能のまま恐怖を辿り処刑室へと向かう。 (41) 2022/03/07(Mon) 2:49:55 |
【人】 蒐集家 テンガン>>38 >>-7 >>39 振り回されるスコップへはもう意識は向かなかった。当たったのかもしれないが。 今この場は知らない戦場になり、ここにあるのは強い強い 強い 感情だった。身を包む不快感も見に覚えのない言葉もこの瞬間は本物であって、現実で、 「――そうだ」 振り乱される頭をずっと掴み続けることはできないだろう。 手を離して、若干覚束ない足取りで処刑室の壁に背がつくまで後退する。 己の焦点は合わない。同じだけこの脳も揺れている。違いは慣れているか、そうでないか。 それでも視界の中に、叫ぶアルレシャを捉えて逸らさない。 「折角、最後のステージなんだろう。ミラージュ」 「怖いのなら、怖がってくれれば良い。 死にたくないのなら、そう叫んでくれ 」仲間 が隠そうとしていたであろう感情、その叫びの意味を晒し、笑いかける。そうせずともこの場の人間も、いない人間も、感じ取れるのかもしれないが。 (42) 2022/03/07(Mon) 2:56:41 |
【人】 規律指揮 スピカ>>a16 アルレシャ 様子を見ていたのに、絶叫を聞いた。耳を塞ぐのを忘れたから、そんな発想をとっさに取れなかったものだからびくりと肩が跳ねる。 「アルレシャ様?楽しくないですか」 様子がさっきと変わったのが少女でもわかる。その表情は少女にも良くないように思えて、わかる。 何があったのか考えてわからなかった少女は、どうしようかとかんがえて、アルレシャの前に立って。もしアルレシャの暴れを受けても 反撃しない。 その代わり暴れないように腕をつかもうとするかもしれないが。「大丈夫ですか」 処刑は楽だが、あなたが笑っていなかったから、少し躊躇う。 (43) 2022/03/07(Mon) 3:08:44 |
【人】 白昼夢 アルレシャスコップが当たったのかも、もうどうでもよくなっていた。意識すらできなくなっている。 聞こえる声はある、意味を噛み締める力が今はないだけで。 その言葉の真意を、その笑みの意味を、今は捉えられないだけで。 向けられたもの自体は、分かるのだ。 暴かれて役を繕えなくなった惨めな自分、という形で。 尚も暴れようとしたその腕に鎖が巻き付く。痛い、よりも混乱が勝った。余計に腕を振るおうとして肉が千切れ、血が落ちる。それでも振りほどくほどの力は残っていない。 この身は捉えられる。味方をしてくれた世捨て人の腕の中へ。 「……ハー、ミット、」 涙声がほんの僅かに仲間を呼ぶ。そうして崩れ落ちたのを確認する数秒、蜃気楼の動きは止まった。 血だまりに沈む姿を見る。 少しだけ息ができた。 お前が、俺の死を確認する前に、死んでよかった。 あのなにも思わない目を、俺に向けないなら、本当によかった。 お前だけが知っている、死より上回る、俺の怖いもの。 止めていた動きは、近付く少女により再開される。 死が怖いに変わりはない。気遣う言葉も意味が分からない。今は自分の処刑で、いいか悪いかなんて関係がないだろう! 掴まれそうな手をめちゃくちゃに振り払い、隠者の死体を蹴ろうが踏もうが、後ずさる。 被弾してまともに動かない足を引きずるように。揺れたままの脳が眩暈を起こし、途中で崩れ落ちて、それでもなお。 そうして、スカートの中に手を差しこみ。震える手で愛銃を取り出した。 最期まで。最期まで、幕は下りない。 役は投げ出せない。役割は全うしなければいけない。 抵抗の姿勢だけはやめることがない。 依然、死にたくもない。 ーーー遠くの部屋から近付く気配に、気付きなんてしないまま。 (44) 2022/03/07(Mon) 3:44:00 |
【人】 規律指揮 スピカ>> 44 アルレシャ 先程までは少女にも戦意があったのに。 振り払われた自分の手を少女はただじっと見ていた。反撃を反射的にしなかった。なんでか自分を思い出したから、怖くなかった。 そのつもりはないから……しかし、処刑を行わなければいけないとも思っていた。代わりに殺せる人はもう多くない。 そう思っているのに、相手の攻撃に目が行かない。 先日の処刑対象相手に銃をおろしたときと同じ感情を持っている。あの日もそう考えていた。 「アルレシャ様」 あなたが銃等で彼女を攻撃しても、彼女は上手く避けられないだろう。屠る力を持ったまま、ただゆっくりと歩くようにアルレシャに近づいていこうとする。 だってなんだか怖くないのだ。これがもらった力であろうか。そうでもないかもしれないが。 (45) 2022/03/07(Mon) 5:08:23 |
【人】 白昼夢 アルレシャ「来るなよ、」 英雄がゆっくりと己を追い詰めに来る。 正義を振り翳した力あるものが己を屠ろうと近付いてくるのだ。 いつもならもっと力を抜いてしなやかに構える銃だが、震える手で真っ直ぐ、愚直に向けるしか出来ない。 そして、二発。引き金を引く。正直、照準は的のどこかに当たればいい程度。殺すためとは言い難い。 「来るなよ!」 どうせその反撃しないのは余裕ぶってるんだろう。 無様な俺を見下してるんだろう。 出来るくせにすぐ殺さないのはその証拠じゃないのか。 来ないでくれよ、見ないでくれ。 お前の憧れるアルレシャ様のままでいさせてくれよ。 近付いてきた分、とはいかないが。 なお、下がる。動かない身体を必死に動かして、生き汚く足掻く。 (46) 2022/03/07(Mon) 6:01:34 |
シェルタンは、……じっとアルレシャの方を見ている。 (a17) 2022/03/07(Mon) 12:08:49 |
【人】 衝撃波 ポルクス「……ッ、ある、れしゃ、」 ギターを背にした出来損ないの機械がひとつ。 心臓を抑えたままに。フラつく足取りのままに。 荒くなる呼吸に身体を震わせ現れる。 ――最後くらい華やかにやろうと思ってさ 穏やかな笑みを浮かべていたあの時の音はどんなだったか。 自室で中継を見ていた。だから知っている。 あの部屋には炎も、赤い空も、崩れた瓦礫も、焦げた跡も。 何もなかった。 狼の首を討ち獲ろうと舞い踊る 処刑人達 と。夢を攫うのを代償に赤に沈んだ 鎖の蛇 と。恐怖に掬われ打ち上げられた 歪な魚 と。凶器と血溜まりがあるだけだ。 端から周りなど見ていない。目もくれない。 魚に歩み寄る英雄も、銃を構える悪魔も認識しない。 その機械は真っ直ぐに愛しの魚まで駆け抜ける。 死に抗い跳ね続ける身体の傍まで。 この機械は此処に辿り着く前から己へと強化を施している。 身を軽くする振動により駆ける動きは素早く。 筋力を底上げする振動により抑え込む力は強く。 脳に無理やり信号を送り続ける。 己を襲う激しい頭痛など知らん顔だ。 アルレシャの痛みに比べたらこんなもの。 (48) 2022/03/07(Mon) 22:04:29 |
【人】 衝撃波 ポルクス駆け抜けるそれが魚へと近付くことが叶ったのならば。 崩れ落ちた身体の目の前で両の膝をついて。 片方の手をアルレシャの頬へと添え。 もう片方の手でアルレシャの愛銃を。 震える手と一緒に包み込むように握るだろうか。 撃たせぬよう引き金にある指を指で浮かせ。 強い握力と腕力に導かれ銃口は天を仰ぐ。 一般的な人間であれば容易く抑え込めるくらいの強化はしてある。 それでも足は取り押さえていない。暴れようと思えば暴れられるのだろう。 尤も、この拘束を解く力は今のアルレシャには無いのかもしれないが。 己の震えと共にアルレシャの震えが伝わる。 そして音、振動でその感情の全てが伝わる。 「アルレシャ、迎えに来た」 それでも、この機械の声と瞳は揺るがない。 「大丈夫、怖いのはもう……終わるから」 口だけを動かす。 「――――…………」 ▼ (50) 2022/03/07(Mon) 22:23:37 |
【人】 衝撃波 ポルクス機械は夢を見ない。 機械は魚を愛でる。 愛しの魚の額へと口付けを落としたその後は。 天を仰いでいた銃口をその魚の頭、米噛みへと突き付け。 体温をなぞり絡めるよう動かした手。 己の指を引き金へ添え。 引く。 ――バン!!! いのちの終わりの音。 銃声をひとつ、轟かせた。 そばにあるのはもう。 音の無くなった身体だけ。 (51) 2022/03/07(Mon) 22:25:15 |
【人】 規律指揮 スピカ避けなかった銃弾は胴体にシャツに 花 を咲かせる。それでも膝すらつかずにそのまま今日の処刑対象を見下ろしていた。その力は彼女のものではないはずだった。 英雄だとは思っていなかった。悪だとも思っていなかった。殺すかも迷っていた。攻撃もしないで怖がる人にどうしても手を出せず、それでも手を伸ばそうとしたときだった。 音が聞こえた。それを打ち破る音が聞こえた。 声は出さず 出せず ただ呼びかける音を、駆け寄る音を聴いている。 (52) 2022/03/07(Mon) 22:41:35 |
シトゥラは、蘇生装置と治癒装置の申請を既にレヴァティに頼んでいる(困ったときのレヴァティ) (a18) 2022/03/07(Mon) 22:46:40 |
【人】 白昼夢 アルレシャいつもより力が強いな、と、恐怖でぐちゃぐちゃの頭の片隅が思う。 どうして来た、何のために来た、お前も俺を殺したかったのか、この様を見にでも、 頭の中でぐるぐると回る思いは、言葉によって掻き消される。 ーーー迎えにだって。 ……もう終わりか? 声にはならなかった。 怪我も失血も多いが致命傷はないし、 声にはならなかった。 このザマだけどまだ悲鳴は上がる。 声にはならなかった。 盛り上がりにかけるんじゃねぇの、こんなんさぁ。 声はひとつも出て来やしない。 震えるばかりで何の抵抗もできないまま、脳が声に撫でられる。 歪な魚は安らぎを知らない。張り詰めた脳が緩む感覚を知らない。 ただ、それはこの機械と眠ったときによく似ていた。 額への口付けまで貰ってしまえば、あとはもう『眠るだけ』。 (53) 2022/03/07(Mon) 23:33:22 |
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