203 三月うさぎの不思議なテーブル
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えっ。
[ いやあの、疲れてはいないんですが。
でも照れずに受け止められる自信が全くないというか
聞きたい気持ちと、聞いたら心が爆発する自信があって
……あの、複雑な乙女心という言葉の意味、
私、ちゃんと今、心の底から理解した気がします! ]
………… ぁの。
私、恥ずかしがると、逃げる癖が……ありまし、て……
……捕まえておいて、くれますか……
[ でも、聞きたいんです。
貴方が好きになってくれた私のこと。
そしたら私、自分のことを
大事に出来るようになる気がするから。* ]
| [なんだろう。この。 出迎えてしまわない方が良かったか] …… こんばんは [おろおろしながらも中へ入ってくれる彼女へ、そっと顔を寄せる] 疲れているみたい……もし、良かったらだけど お食事の準備が出来るまで少しだけ奥のスペースで休まれますか? [おしぼりと膝掛けと >>202座り心地の良いソファはある。もちろんそこはうさぎのテーブルの舞台裏の一部だから、本来は招けるような空間ではないけれど] (204) 2023/03/07(Tue) 20:52:00 |
| [ところで。 筑前煮 >>190いいと思うよ。普通に和食を求められればお茶漬けとかお味噌汁とか出る店だよ。カレーとかも。 フリットはまかないに出して欲しい。調子が良ければ二つ食べれるけど、一個だけでもいい] (210) 2023/03/07(Tue) 20:58:14 |
| ─ ツユリさんにアスパラを ─ [旬のはじめのアスパラガスは皮も繊維も柔らかい、茹でたら水分量が増えすぎるから、まずはグリルにしようと思っていた。 グリルとなれば当然、たけのこも。ということで予定になかったけどたけのこは別にかぶってもいい。なぜなら美味しいから。 アクの少ない採れたてたけのこは縦1/4に分けて、 少量のオリーブオイルを塗ってホイルでくるんでオーブンで20分── 焼いていおいたものがこちらになります。 ホイルから出して、1cmくらいの厚みのくし形に切り分け 山椒の実を軽く漬け込んだ醤油を、少しずつハケで塗りながらグリルで焦げ目をつけていく。 アスパラは根に近い固い部分と食べやすい部分との境目を、探って手でパキン、と折れる位置。1本のまま、グリルへ。 アスパラともたけのことも相性のいい、卵を。 小鍋にお湯を沸かしてワインビネガーを大さじ2 沸騰したら鍋に渦を作り、生卵を静かに沈める──ポーチドエッグ。 形が乱れないことを見守りながら、やがて白身が不透明に固まったら火を止めた。余熱で黄身も半熟に] (211) 2023/03/07(Tue) 20:59:25 |
| [四角い黒皿。四隅にトランプのスートが銀地で描かれている。
そこへ、シンプルにグリルした太くてジューシーなアスパラを横たわらせる。 塩をしっかり、胡椒はやや控えめ。
さらに香ばしく焦げ目のついたたけのこも並べた。 たけのこには、木の芽味噌を添えようかと思ったけど 今回は、ほのかに山椒の香りだけを感じさせる程度。ツユリさんは以前、木の芽の辛みに驚いたようだから。 オリーブオイルを垂らして洋風に寄せる。
ポーチドエッグをお皿の中央に落として、少しだけ半熟の黄身を崩す。 最後に全体へパルミジャーノチーズをたっぷり擦り下ろして花絨毯のように]
おまたせしました アスパラとたけのこのビスマルク風 です
(212) 2023/03/07(Tue) 21:01:52 |
| ─ あらためての約束 ─ >>200 ダイジョブ? ……良かった [肩から力が抜けた。 本当に付き合ってくれるつもりなんだ] それと ええと。うさぎのぬいぐるみも連れてきてくれる……? もしかしたら二人っきりだと緊張し過ぎちゃうかもしれないし [スケジュールを合わせたなら、予定帳にはいままで使ったことのないピンクのペンで丸をつけておいた**] (226) 2023/03/07(Tue) 21:25:27 |
― 白うさぎの幕間閑話 ―
[ 早退の夜から二日後に戻って来た速崎は、しかし
翌日から更に数日、今度は普通に体調不良で欠勤した。
新しいアリスブルーのうさぎ店員はまだまだ慣れぬ身、
大咲は急遽シフトを増やし、休日を出勤日にしたりして
どうにかこうにかうさぎの穴を連携プレーで回した。
神田とは、夜の退勤後、共に帰る夜もあっただろうか。
けいちゃんマジ今度こそツラ貸しとけ〜!?
……とは、まあ、体調不良者には思うまい。
営業後に店裏へ呼び出してタイマンしても良いのだが
あの時の後姿を思い出すと、どうしても。
コーヒー豆をそのまま噛んだ後のような気持ちになる。
"かわいそう"で傷付いたのは、栗栖と速崎だ。
勝手にそこへ大咲の過去が付いてきただけ。
零してしまった「なんで」の話し合いは、…未だ。
(あ、お土産はちゃっかり食べました。ええ。
美味しかったけど、けいちゃんどこ帰ってたん…?)
* ]
― アスパラガスの日に ―
[ 漸く得た夜シフトのみの日だった。
ああ〜夕方からの出勤最高……とかなんとか思いながら
既に仕込みや準備をする瑞野にそのテンションのまま
(あの日の視線の先を思い出したのもあり)
スマホ片手に、MVを見せに行くくらいにはご機嫌だった ]
瑞野さん、見てくださいよこれ〜っ
最近友達から送られてきて、ずっと聞いて …て…?
[ そんな他愛ない雑談、の、つもりが。
予想外の反応に「これは…………」と勘付き
"本当にヒーローなんだ"という言葉と、クレジット。
大咲は大変に偉いので、深くは突っ込まなかったが ]
(…………ふふ、瑞野さんも、そんな顔するんだ?)
[ あーあ、高野さんってば勿体ない。
こんな瑞野さんを見れないなんて。
でもこれは"うさぎの特権"の一種類なので。
何だか遠くないうちに彼のものになってしまうような
妙な確信めいた予感もあるからこそ。
お兄ちゃんみたいな先輩スタッフの横顔を
微笑ましく見守るに留めました。偉いでしょ〜?* ]
| (a41) 2023/03/07(Tue) 21:45:09 |
[明確な告白の前に、これからも「可愛い」と言う宣言をしたり、終電を逃したら送っていくと申し出たり、随分と厚かましく「彼氏面」をする自分に対し、彼女から返ってくるのは嫌悪でも固辞でもない。
親に甘えることなく育ってきたという成育歴はこの時点では聞いていなかったが、甘え方まで絶妙に可愛いものだから、何度も唇を内側に巻き込んで堪える羽目になった。
本当に隠せる場所ならともかく、ここはまだ彼女の店からほど近い路上なので。]
頑張りはするけど無理はしないよ勿論。
仕事を疎かにするやつがきちんと仕事をしてる人の横に立つなんて恥ずかしいし、
体調不良で無理してうつすのも嫌だし、長引いて会えない日が出来るのも嫌だし。
でも言っとくけど、僕の仕事はかなり融通が利くものだし、
身体もすごい丈夫だからね?
[これは守れる約束だ。
自分が彼女の夜道を心配するように、彼女が自分の健康やスケジュールの心配をする権利を持っていてほしい。]
[明かされた話は、自分の人生において似た経験がないものだから、「同じ気持ち」になることはできない。
本当の意味で共感できないことを、耳障りの良い言葉で表現しても嘘になりそうで。
だから彼女の心を救える適切な言葉を探し出せない不甲斐ない自分を正直に晒した。
彼女自身が嫌いになれないと言う母親に怒っていることを隠さなかった。]
「かわいそう」が言える人は「持ってる側」だよね。
僕が使うのは「こんなおいしいものが嫌い?かわいそう!」みたいな時だけど。
[その言葉、さっきも聞いたような、と過ったが、食事に夢中だった時に流れた言葉だとは思い至らない。]
マシロちゃんは、蔑ろにされたことを怒って良いと思うけど。
……そうか。
甘え方がわかんないくらい放っておかれたから、
怒っても「大丈夫」って思えないんだ。
ああもうなんで!
なんでこんな、
……僕の好きな子を傷つけたなって、怒鳴り込んでやりたい。
[呻くように低く呟く。]
[今度は衝動に駆られたスピードではなくゆっくりと引き寄せる。]
好きだよ。
[切実な響きを耳元に落とした。
彼女が甘えを預けられる場所になりたいという願いを込めて。
約束で自分はまた更に幸せになれる。]
うん。
「うさぎの穴は例外」ってちゃんと言えるところも好きだよ。
マシロちゃんが料理とお店を好きなの、ずっと見て来たからね。
恋人。うん。
――ああ、
……「もう離さない」って、こういう時に出てくる言葉なんだなぁ。
[高野の真似をして自分には似合わないと笑った言葉がこんなにしっくり来る日が来ようとは。
実感が籠った言葉は、あの時よりは客観的に笑えるものになってはいないと思うけれど。]
はは、かーわぃ、
そうだね、ぴょんって背中向けるの得意だよね。
僕は力もそんなに強い訳じゃないけど、この手は絶対離さない。
[抱擁を解いた。
抱き締めていたら表情が見られないのが惜しいから。*]
| ─ バックヤード ─
店長、ちょっと失礼します
[よそ行きめいた音質で奥へ一声かけて、ソファの近くに衝立を置く。 視界を遮るというよりは、Staff Onlyの空間とをゆるく区切って落ち着けるようにする程度。 トレーでおしぼりと共に持ち込んだ煎茶を口にするのを、近くに屈んで]
さらっと、だね うん。飲んだ後の一杯にしよう。おつかれさま
……話し相手のご入用は?
[静かにしておいて欲しいようなら、 気配を感じられる裏の厨房で調理を始めよう] (251) 2023/03/07(Tue) 22:24:21 |
僕はね、印象に残りにくい子どもだったんだ。
教室の一軍でも、逆にはみ出し者でもなく、体つきも成績も至って普通。
さっきも言ったけど、家もサラリーマンの父とパートの母と3人家族で、仲が悪い訳でもなければ比べられる兄弟もいない。
マンガだと最終回になっても名前が判明しないモブみたいな。
平凡な人生ってね、笑顔になることがないんだよ。
テレビ観ても「面白い」がわかんない。
友達はいたからそれなりに学校生活は送れてたんだろうけど、僕自身にも中学までの思い出って特になくて。
[語り始めたのは自分のつまらない半生。
ドラマティックな出来事がまるでないから、食事の肴にもならない。
だから、あれだけ店に通っていても、きっと誰も知らない。]
中学何年生だったかの時にスマホを買ってもらって写真を撮り始めて気づいたんだ。
「カメラを向けたら人って笑うんだ」って。
そんなことを中学生になるまで知らなかった自分にぞっとした。
で、笑顔を学ぶ為に写真を撮り始めたんだ。
ポートレート専門じゃなくてグルメ専門になったのはね、
「おいしい」って思ったら自分でも笑顔になってる気がしたからだよ。
おいしいものを食べてたら笑顔になれるって思ったら、
今度はおいしいもの探しの方にハマっちゃって。
こりゃあ普通高校に行ってる場合じゃないなって、写真を専門的に学べるコースがある通信制にしたんだ。
在学中にバイトで始めたグルメ記事が割と評判になって、今ではフリーのグルメライターです。
SNSでごはん日記もつけてて、そっちの名義でもPR記事とか手掛けて商品もらったりもしてる。
[時間に融通が利く仕事で、それなりに収入があるというネタバラシ。]
うさぎで仕事のことを言ってなかったのは、完全プライベートで行き始めて気にいっちゃったから、
「これがいつか記事になるかも」って思われて提供されるのは悲しいなぁと思って。
同時に、記事にしたらそれなりの反響があるって予想できるから、宝物を見せたくないって気持ちもあって。
[その独占欲は知恵に語ったのと同じだ。]
まー、今となっては高野さんとかさ、貝沢さんみたいな――ああ後一人声優さんがいるけどこれは内緒かな、所謂「ギョーカイ人」がいるからね、ますます記事にはしないんだけど。
SNSに前にシャミちゃんのもう一個のお仕事の紹介を偶然知らずに紹介しちゃったことがあって、リアクションかなりついてたから、SNSにも載せない。
だからあの店に行くのはこれからもただの「神田」だよ。
[苦い後悔の話はまだ本人にはしていない。
彼女を多忙に陥らせた罪滅ぼしが出来る日もいまだ取り置き中だ。]
前置きが長くなったけど。
笑顔がよくわからないモブの神田くんは、あの店で自然に「幸せ」ってことを実感したんだ。
初めは料理が美味しいからだって思ってて、それは勿論そうなんだけどね。
[じっと彼女を見た。
見ていると口角が自然に緩む。
今の自分は、「笑顔がわからない」なんて決して言わない。]
マシロちゃんが笑ってて、
マシロちゃんの料理で僕じゃない人もみんな笑顔になってて、
「楽しんでほしい」って気持ちを聞いた時にね、「ああそっかぁ」って。
あの日マシロちゃんに言った「幸せプラス」って表現ね、
ずっと考えてたりどこかで使った言葉じゃなくて、あの場で自然に出た言葉なんだよ。
僕を幸せにしてくれるのはマシロちゃんなんだって、思った。
ただの客に過ぎない奴が店員さんに対して思うには重すぎるけど、これが君を意識した最初。
最初のうさぎクッキーの写真を撮ったのは確かに習慣だけど、
「また食べたい」って気持ちになったのは、無意識でも既に君が僕を幸せにしてくれるって本能で感じてたからなんだ。
「ナンパじゃない」って言いながら写真を渡したのは、何気ない行動じゃないよ。
喜んで欲しいって、顔を思い浮かべながらプリントしました。
[先程は口をはさめなかった、自分の行動の裏側にある気持ち。
あれがきっかけで彼女が自分を意識してくれたのなら、あの時既に好きだったのだと言いたくて。]
料理に対して謙遜しないところが好きです。
仲間の料理を人前で得意げに話すところも好きです。
誉め言葉を否定しないで、照れてても一旦受け止めてくれるところも、
それを聞いてどういう気持ちか素直にきちんと伝えてくれるところも、
料理だけじゃない、マシロちゃんの存在自体が僕を幸せにしてくれてる。
今言語化できるのがこれくらいなのが悔しいけど、
もっともーっとある君の好きなとこは、
これからずっと傍で聞いていて。
好きだよ、マシロちゃん。
「マシロちゃんの」料理が食べたい。お菓子が食べたい。
僕を好きになってくれてありがとう。
[よく聞こえる白うさぎの耳は、全部を聞いてくれただろうか。
思いの丈を離せば随分と長話になってしまった。
「送るよ」と促して、先に立ち上がろう。*]
| ─ さらっと食べられそうなもの ─ [あったかく、酔っていても食欲がなくても喉を通るもの──いつもお世話になっております、にゅうめんです。 今日はナギが丸鶏でスープを仕込んでくれたから、それを。 まずは味見して雰囲気をチェック >>89>>91透き通った黄金の清湯。和食の出汁のもつ郷愁が細くたなびくよう。鶏からじっくり滲み出した旨味と、ショウガとニンニクで深みも充分] ナギのストックはいつも仕事が丁寧 [ただ古株だっていうだけで、今更採点するような立場じゃない >>2:306もし視線を感じたとしても、美味しいよって褒めるだけだ] (266) 2023/03/07(Tue) 23:06:31 |
| [鍋でそうめんを茹で始める。 300ccの丸鶏のスープを水で伸ばし、干しなつめと松の実、日本酒ともち米を大さじ1。それと斜めに切った長ネギを。 生姜はもう少し陰影を濃くするために薄切りを追加。 くつくつ火にかけたものが── そうです、出てきます 。 本格サムゲタンは仕込んで皿数が出せなかったらロスが大きいが、サムゲタンぽいスープなら多量に作る必要がないから用意していた。賄いにしてもヨシ。 塩味を調えたら、硬めに茹でたそうめんをサムゲタン風スープに入れ 同じ丸鶏のスープの鶏肉の、ムネを少しほぐして具材にする。 とろとろになったネギも器に移し 刻んだシソをトッピング、ゴマを振って] お待たせしました、鳥のにゅうめん ……ここで食べる? [スープの方ができていたので、ほんの、そうめんを茹でるための5分程度で提供できる] (267) 2023/03/07(Tue) 23:07:35 |
| そもそも、あんまり美味しいお酒じゃなかったのかな [呟く。 そこに……ある。茶色のうさぎのぬいぐるみ >>259黒々としたつぶらな瞳、ボアのふかふかの毛並み、長い手足、ぽってりと重みがあり座位を保つ姿勢 癒し効果はばつぐんだ ろう] …… …… [そっと手にとり、レイラさんの方を見て、それからそっとデスクに戻し……もう一度持ち上げた] あの こちら、撫でるとふかふかですが──?** (268) 2023/03/07(Tue) 23:09:31 |
――牛しゃぶの話――
[店名を見れば、またランチのラインナップを見れば、この店は洋食屋さんなのだろうなと判断する一見さんも多くいるだろう。
だが自分は知っている。
望めばそれに必要な具材がない時以外は和食も作ってくれることを。
日本人の中にこの色嫌いなやついる?いねーよなあ!
とばかりの鍋つゆの色。
先に入れられた大根には出汁の味がしっかりと浸みている。
甘い白ネギ、シャキシャキの水菜、傘でたっぷり煮汁を抱えられるしいたけ、どれも好きな野菜だ。]
はわわ……見てこのレースみたいな牛肉……
まさにアート……ナギちゃん天才……
[菜箸が思わず震えた。
薄さを確かめるように、兄弟たちに掲げて見せる。]
これをしゃぶ、しゃぶ、しゃぶ、 ……と、
[自分の取り皿にそっと置き、箸を持ち帰る。
まずは肉だけを口に入れ、「ほどける〜〜」と震えた。
それから野菜を巻いて。
青ネギと、生姜とをかけて。
最後に細切れしか残らなかった鍋つゆにご飯を入れて卵雑炊にしてもらったのを、3人で競うように食べた。]
[また3人で、或いは高野も入れて4人で、楽しく鍋をつつきたい。
そんなことを呑気に思い返したのは、浮かれた帰り道の翌日のこと。**]
| そ、そう そうだよね [汚してはいけない >>272 確かに。。 真顔でパンちゃんにはデスクに御着席いただいた。 混乱している、というレイラさんの隣に座って、箸をとるなら食べ終えるまで傍にいよう、と] (289) 2023/03/07(Tue) 23:38:54 |
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