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【人】 雨宮 瀬里一糸纏わずベッドに寝転がりながら。 灯りは相変わらずあまりないまま 私は爪に色をのせる 「 不思議ね。 前もなんだかこんなことがあった気がしたの 暗い場所だとマニキュアが塗りにくい、って 私、なんだか知ってる気がする 」 大人になってからネイルなんてしたことないのに どうしてか、この感覚を私は知っている 「 でも、普段指に色がついていないから なんだか不思議な感じ。 まるで、別の私になるみたい。 」 色づき艶めく左手の小指と薬指。 二本塗って光に翳して、そうして私は首を傾げる (145) 2022/05/31(Tue) 8:42:38 |
【人】 雨宮 瀬里「 あれ?この赤、最近どこかで、 」 薄れてしまった記憶の中とかじゃない。 最近、どこかでこれと同じ色を私は見た気がする (146) 2022/05/31(Tue) 8:42:58 |
【人】 雨宮 瀬里『 私ね、変わろうと思って 』 それは確かに私の声。 透明な歌声、跳ねるような指の音。 ちいさな灯りが照らす暗がり。 明るい光が私の手元を照らしていて 私の指先が、ひとつひとつ色づいていく (150) 2022/05/31(Tue) 8:44:37 |
【人】 雨宮 瀬里赤く塗られた左手の小指と薬指 見慣れた部屋と匂い いつもの週末 肌で感じる貴方の体温 隣には恋をしている相手がいて、 私は、貴方に向かって 「 蓮司? 」 ……と。一言だけ呟いた。 * (153) 2022/05/31(Tue) 8:46:26 |
【人】 宮々 蓮司『 これを? 』 俺は小さく頷く。 『 似合うかな 』 似合うに決まってる。 『 不思議ね 』 そう、たしかにあった。 俺はスマホを手に取るとライトをつけて瀬里の指を照らす。 そうして、瀬里がようやく目を覚ます。 (154) 2022/05/31(Tue) 9:37:48 |
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