人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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視点:


【人】 古城の吸血鬼 ニクス


[ 夜の静けさに溶け込む。
 育った村を訪れてみないか。
 彼の提案は男の関心を容易く惹いた。

 夜に連れ添ったのは一人か、二人か。
 男は孤児院の近くに用意された墓石を眺め
 両手拳を強く握り締めた ]

  此処に住む大人を全員殺してしまおうか。

[ 化物らしい呟きを一つ落としてみるもの
 どんな形であれ子供達は彼らの庇護下にある。
 それを簡単に奪ってしまってもいいものか。

 男は結局悩んだ末に古城へと帰った ]
(0) 2019/04/22(Mon) 2:22:29

【人】 古城の吸血鬼 ニクス


[ 約束の一ヶ月。

 少年は告げた。
 その日に答えを聞かせて欲しいと。

 まだ死を望むのか、否やと。

 それからは目まぐるしく過ぎていった。
 彼を巻き込んだ詫びにと始めた月夜の時間。
 様々な言葉を交わしたように思う。

 男はその度に少しずつ月≠知り、
 満ち欠ける想いに時折悩むもの
 やがて男自身の言葉を話しただろう ]
 
(1) 2019/04/22(Mon) 2:23:55

【人】 古城の吸血鬼 ニクス


  祈っていたのだと思う。
  もう会えない人に会えますようにと。

  それが叶わないなら会いに行く為の、
  翼が背に欲しかった。

[ 祈り続けてすっかり枯れた声は囁きのように小さく。
 男はただ一人をその目に映した。

 白い花の刺繍で誂えたドレスを身に纏った
 唯一の少女ではなく、
 この世でたった一人しかいない少年を ]

  セレン。
  君に望むのはたった一つだけだ。
(2) 2019/04/22(Mon) 2:24:10

【人】 古城の吸血鬼 ニクス


[ 絶望は死に至る病で
 自分の内なるこの病は永遠に死ぬ事であり
 死ぬべくして死ねない事である。

 死を死ぬ――死を殺し続ける病だった。

 この男は望んだ。
 自らの死を彼に強請った。

 あの夜見つけ、名を呼んだ少年に ]
(3) 2019/04/22(Mon) 2:25:40

【人】 ニクス


[ 神すらも殺して、自らも殺そう。

 幾度の死に往く夜を越えて朝を迎える為に。
 死ぬ為に生きて、生きる為に殺していく。
 命を潰して命を殺して命を減らして
 無限の刻を歩み生きていく。

 蒼穹に手を翳すことなく
 灰燼に帰すこともなく
 日々を綴り、声を枯らして、今≠見た ]

  セレン。
  最低な私を、どうか赦して欲しい。

[ 彼に送る言葉は呪いなのか、祈りなのか。
 分からぬまま男は望む ]
(4) 2019/04/22(Mon) 2:26:24

【人】 ニクス



  私≠何も残さず殺してくれ。


[ 哀れな亡骸に囚われた夜を照らしてくれと。

 未だ生まれ落ちて見ぬ蒼穹を彼の片目に見て
 調べを辿るように緩やかな声が帳に落ちた ]
(5) 2019/04/22(Mon) 2:26:56

【人】 ニクス


[ その日、とある古城あった影は消えた。
 残されたのは赤い薔薇の庭園と、
 花弁が散った空の揺り籠だけ。

 それから近くの村の孤児院にいた子供達も
 一斉に姿を消してしまったという。

 大人達は大層慌てて探したらしいが
 森に棲む獣達に食い散らかされた様子は
 何処にも見つからなかったそうだ。

 古城に身を潜めていた化物の呪いだと
 誰かが囁き出した。
 彼らは顔を付き合わせ口々に語り出す。
 月が浮かぶ度に化物は我々を見ているのだと。

 恐れた大人達はその土地を捨てていった。
 誰もいつかぬ村は寂れ、そして――…… ]
(6) 2019/04/22(Mon) 2:27:23

【人】 ニクス

  ―XX年後―

[ 麗らかな春の季節。

 朝が眠り、夜の目覚め。
 宵闇に浮かぶ月が煌々と光る時、

 風が運ぶ花の香りに誘われるように
 一人の少女が扉を叩いた。

 返事はない。
 返事はなかった。

 少女は不安そうに辺りを見渡す。
 耳を澄ませれば狼の遠吠えが聞こえた。

 踵を返し走り出そうとしたその背に
 穏やかな声が投げかけられた ]
(7) 2019/04/22(Mon) 2:27:47

【人】 夜 ニクス



  今晩は、お嬢さん。

[ 黒のカソックに身を包んだ長駆の男は

 首に架けたロザリオを銀に照らしながら
 小さな少女に向かって微笑んだ ]
(8) 2019/04/22(Mon) 2:30:39

【人】 夜 ニクス


[ とある教会。
 此処には行き場を失くした子供達が訪れる。
 彼の傍には常にアイスブルーの眸を持つ狼がいて―― 

 孤児院に暮らす子供達の笑みに囲まれた
 神父が一人、ひっそり暮らしているのだという ]
(9) 2019/04/22(Mon) 2:30:59