─魔王様と一緒─
[ゲロと涙に塗れた服を
真紅のドレスとハイヒールに着替えさせて。
やって来たのはとある大都市の一角。
ドレスコードのある飲食店だった。
当然、俺様も三つ揃えのスーツと洒落込んで]
どうせお前さんは食事っつと
冒険者の酒場くらいしか知らんだろうが。
俺様は仮にもお尋ね者なんでな。
逆にこういう所じゃないと来れないってワケだ。
お忍びの貴族とその連れって事になってるから、
下手かますなよー?
[ま、認識阻害の魔術ももちろん使っているんだが。
とりま怪しまれずに店に入る事には成功したらしい。
通された個室の外からは、
ピアノの旋律が小さく聞こえてきて]