104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】
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「―――俺の異能に問題? へえ」
声がかかる。
俺は動かない。
「随分と、ずっと怖がってんじゃん。
証拠がつかめないと思ったら、次は隔離でもするのか」
誰も考えなかったわけではない俺の異能が起こす人間への干渉。
俺が、誰かを操って誑かしているって?
どいつもこいつも、馬鹿げたことを言うんじゃない。
「才能が無い奴は黙って―――」
刹那、勢喜は信じられない速度で口元を塞がれ
"何か"
を口に含まされればめまいと吐き気に襲われた。
"それ"
がききやすかったのか、はたまた何かがあったのか。
瞬く間に意識が保てなくなり、その場に倒れ動かなくなる。
そうして、誰かがその場に足を踏み入れ
悲鳴のような声をあげることでその時が訪れた。
白雪姫よろしくどこから現れたかわからない動物たちに囲まれて倒れている勢喜の姿が発見される時が―――
サイanimalとか獅子animalとか水母animalとか河馬animalとか麒麟animalとかに囲まれている。
シオン
動物たちはあなたが[[fortune ]]の判定で30以上を出さないと襲ってくるかもしれない。
はた迷惑。
勢喜は起きないで倒れてるし、
動物園は大盛況だししっちゃかめっちゃかだ。
御旗もダイス振るかい? 動物たちは[[fortune ]]の判定で30以上を出さないと襲ってくる
強くなりたいと思ったわけではない。
そうなりたいわけでもない。
関心も興味もない。
今日はずいぶんと騒がしい。ノイズがひどい。
トマトのスムージーが美味しくない。
シオン
哀れ、シオン・グレイヴズ。
めちゃくちゃサイとかにおっかけられるけどある程度距離を取れば彼らは追ってこない。
何故か勢喜をガードする陣形になっていて、あなたは被害を受けたりうけなかったりするだろう。
後日勢喜に文句を申し出るといいそうだ、もっとも彼のボディガード達がはずれていればの話だが。
「はっ、………」
「おはよう? みんな」
ガバっと起きあがり、口元に広がる味に顔をしかめる。
具合が悪いのを隠さずにふらりと立ち上がれば、動物たちが一斉に勢喜を見た。
「え、
なぁにこれ。
俺のために来てくれたって? わざわざアフリカから?
違う動物園から。待ってくれよそれは流石に怒られる。
誰か記憶を消す異能とか持ってきてくれ、頼むから。
賠償金払いたくねぇよ〜〜、ウンウン。おとなしく帰ってくれるか?
そうだよな。
お前は、俺の言うこと聞ける、いい子だもんな」
麒麟を手名付けながら、追いかけられてる面々や怪我をした彼らを見やる。
やっちまったか? と思うと同時に、妙な違和感に首を傾げ、不快な口の中をどうするかだけを考えた。
動物たちをたちまち"黙らせた"。そして、帰りたい奴らは帰して野生の奴らは放牧した。
具合が悪い。まだ学園には野良動物たちがはびこっている。
「……で? 君たち」
動物たちを見る。
「
さっきの俺のそばに寄ったニンゲンは誰?
」
彼らと独り言のように喋ればツカツカと足音を鳴らして、人探しをし始めた。
「うるさい……」
保健室に通じる廊下を歩く。
動物騒ぎもほどなく落ち着き、生徒の混乱も落ち着く頃合い。
片手に持つトマトスムージーが美味しくない。
べこべことカップを潰すと、手と床を赤色が汚す。手の甲についたそれを軽く舌で舐め上げた。
「
喉が渇いた
」
楢崎
「……、楢崎か。
助けて、くれようとしてたんだって?
アイツらから聞いた、なぁ、お前さぁ。
なんともなってない? 声が聞こえなかったか」
ふと見上げた勢喜の瞳はなぜか妙に冷ややかで、あなたの表情を疑っていた。
「あー、……そんなことより感謝が先だよな。
さんきゅーさんきゅー、異能暴走してみんなが助けに来ちまった。
来てくれて助かったわー」
普川
「……」
一瞬見せたのはいつもの不躾な態度とはまた違う威圧的な視線。
不良が喧嘩するときに見せるあれ。
「ぁー……すみません口の中気持ち悪くて。
先輩ぐらい目つき悪いです、今。直しますね。
異能がなんかおかしくなっちまって。
げろまずくで気絶した俺を心配して、動物さんたち出張しに来てくれたんすよ〜かわいいでしょ」
「それだけだよ
」
「その影響でけが人出ちゃいました〜?
俺退学はやだなー、俺はなんもしてないし意識失って寝てただけなんすよ。どうにかなりませんかね」
楢崎
「………、なんともなってない? それなら、いいんだ。
あー保険委員そんな、そんな役割もいたよな……。
心配されることなんてないからびっくりしたー…」
気まずそうに取り繕って、あなたから離れようとする。
そのまま今日は帰ると声をかければふらふらと教室がある方とは逆の道へと向かっていった。
「俺より他所を
心配してくれ。
怪我してんなら、間接的に俺のせいだからさ」
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