【人】 絵描き 要「さて」 さて? 特に気合を入れる必要性なんてないのに気づき、思わず漏れた声に嫌気がさす。 イーゼルにキャンバスを立てかけ、パレットに絵の具をのせた。 まあきっと、誰も来ないだろうけど。 机の上に置いてある茶葉と粉とジュースに氷、カップなんかが寂しそうに思える。 使ってやらないのも可哀想か、と ガスバーナーに火をつけ、お湯を沸騰させた。 火を使うから、と美術室ではなく理科室でやれ、と言われたんだっけな。 別に僕にとっては、美術室だろうが、理科室だろうが、屋上じゃなければ同じだ。 大勢の人がいなければ、それでいい。 (31) 2020/06/14(Sun) 11:22:57 |
【人】 絵描き 要グツグツと煮立っているお湯を眺めつつ、何を飲むか決めてなかったことにに気がつく。 紅茶……コーヒー、緑茶……? お湯を使って飲むのはそれくらいか。 飲み物に関してのこだわりは特にない。絵を描く時に、口寂しくないように口に含む程度だ。 その時に味なんて感じてる暇はない。 そして茶葉たちはみんな揃いも揃って、 使われたそうにしている。 つまりこれは全てを使って……。 頭に思い浮かんだ恐ろしい考えを慌てて振り払う。 そんな冒涜的なことをしてなるものか。さすがの僕だって不味い味なのは気付くだろうし、何よりそれぞれの愛好家を敵に回しかねない。 って、こんなところ、誰も見てないだろうけど。 まあ適当にコーヒーでも。 紙の簡易的なフィルターの中に粉を入れ、 お湯を注ぐ。特にこだわりはないから適当だ。 試しにひと口飲んでみる。 うん。コーヒーだ。 それ以上でも、以下でもない* (40) 2020/06/14(Sun) 14:42:49 |
【人】 絵描き 要うーん、イマイチ 纏まらない。 というかここからどうしろと言うのだ。 いや、描きたいものは決まっている。 ずっと前から、決まっていた。 でもそれが、ずっと、ずっと、 描けないでいる。 僕は無意識的に油の蓋を捻った。 つうんと油の匂いが広がる。 そういえば喫茶店なのに油絵チョイスって何事なんだ……?アクリルとか鉛筆に変えた方がいい? 乾くのにも時間がかかるしなあ。 まあ誰も来ないだろうけど。念の為に画材を変えておくくらいしても、いいだろう。 とりあえず、このキャンバスを全面、真っ黒に塗っておく。 中途半端に黒いとなんだか描きにくいような気がしたからだ。 いや。 ただ、僕は描くことから逃避したかっただけなのかもしれない。 油絵は1度描いてしまうと、乾くまでに時間がかかるから……。 飲みかけのコーヒーとキャンバス、それに僕の心。 全部同じ色だ* (42) 2020/06/14(Sun) 15:13:04 |
絵描き 要は、メモを貼った。 (a23) 2020/06/14(Sun) 17:51:15 |
【人】 絵描き 要あれ?そういえば文化祭って何時から始まるんだっけ……? うーん。全く記憶にない。 というか今まできにしたこともなかった。 まあでも、まだ始まってはいないだろう。 いや、知らないけど、客が来なければ始まっていないのと変わらないし。 なにか適当に描こうかな、と鉛筆と画用紙を広げる。 いつもとは違う環境。 理科室、なんて、いつぶりだろう? 小学校、以来……? 目に映るもの全てが真新しい。 黒く塗られた机に、ガスバーナー、ビーカー、とあとなんだろ。その大半は名前の知らない器具で。 使われてないはずの旧校舎なのに、器具がきっちりあるなんて、まるでそのまま忘れ去られたような……。 いや、誰かが使っているのかもしれないけど。 そんなことを考えながらコーヒーを飲んでいたためか みょうちきりんなものが出来上がってしまった。 http://get.secret.jp... なんじゃこりゃ。 まあ、そのまま捨てるのももったいないので、マグネットを使い、黒板でも貼っておこうかな。 (71) 2020/06/14(Sun) 19:06:19 |
【人】 絵描き 要ガヤガヤとした雰囲気 遠くから聞こえてくるそれは 突如、すこし異質なものが混ざるようになった ……これは……? よおく、みみをすませてみる。 ピアノ、と、ギター? 気づいたら後は早かった バラバラだった音はすぐさま組みたっていき、軽快な音楽に変わる。 「いい曲だ……」 いや、実際にうまいのかどうかなんてど素人の僕には分からないけれど、それでも心に響く音楽だな、と思った。 そして、この曲をもっと近くで聞いて それから、絵なんて描けたら、どんなに幸せだろうか? なんて 無理に決まってる それでも、想像するくらいなら構わないだろう? そんなことを思いながら僕はリズムに合わせて筆を動かした* (138) 2020/06/15(Mon) 9:28:01 |
【人】 絵描き 要ふんふんふふーんふーん 残念ながら演奏は途絶えてしまったようだ。 それでも筆を動かす。 さっきまで流れていた音をなぞるように。 辿るように。 音楽は記憶の中にしか残らない。 そして記憶はいつしか色褪せていく。 だからこそ美しいとも言えるのかもしれないけれど。 あんな演奏が消えてしまうなんて、 勿体ないだろう? だから、少しでも形に残せるように、と。 いや、傲慢だな。 描きたくなったから描いた。 結局のところ、それ以上でも以下でもないのだろう。 http://get.secret.jp... (193) 2020/06/15(Mon) 21:07:28 |
【人】 絵描き 要……完成かな? 感じたことを描いただけだから出来とかはよく分からないけれど……。 まあ、捨ておくのも可哀想なので、 適当に……。 そう、黒板にでも貼っておく。 ついでに真っ黒のキャンバスも立てかけておくと、 なんかそれらしい……? それらしい? うーん? こうなったら黒板一面、絵で埋めたい気持ちも、湧いてこなくはない。 この文化祭までに何枚かけるかチャレンジしてみるのも悪くないのかも? (194) 2020/06/15(Mon) 21:11:29 |
【人】 絵描き 要そろそろ手を休めよう 筆も絵の具も見飽きた。 この部屋に何があるのか、気になるし……。 立ち上がり、同じ姿勢を続けていたせいで凝り固まっていた腰を伸ばす。 「うーん」 そういえば、黒板の目の前にある大きな机……恐らく先生が使うものなんだろうけど、その机のした部分が扉のように開け閉めできるようになっているのだ。 一体、何があるのか?気になる。 いや、何も無い可能性もあるけど。 勝手に開けちゃまずいかな……?まあ開けるけど。 少しばかりの罪悪感を殺し、前の机の前で屈んだ。 そして扉を……。 (199) 2020/06/15(Mon) 22:15:35 |
【人】 絵描き 要開けた。 光が届かないのか、中は当然ながら暗い。 どうも筒状の何かがあるようだ。 試しに手に取って、机の上に置いてみる。 あー。 とりあえず目のやりどころに困った僕は それを見なかったことにして、そっと元の場所に戻した。 うん。理科室、コワイ。 (200) 2020/06/15(Mon) 22:22:08 |
【人】 絵描き 要「やってます?」 男子生徒の声が聞こえた。 ふと顔を上げると、派手な色をした髪の毛が目に映る。輝き方からして元々その色ではなさそうだけど。 ふりよう……? なんて言葉が思い浮かんだが、頭から振り払う。見た目で判断するなんて、良くないよな。 やってる。ともやってないとも答えない僕に、痺れを切らしたのか、言葉を続ける。 「アイスコーヒー、ある?ここって、美術部がやってんの?」 ああ、そうか、お客さんか。 そういえば、喫茶店やってたんだっけ。 そうか、お客さんか……。 ……緊張してきた……。 「あ、アイス……あー、えっと、水だしコーヒーは無いですけど、普通のアイスなら、ございます?それで宜しいでしょうか?」 ございます?ございますであってるのか? 「私は一応美術部には所属しておりますが、まあ、幽霊みたいなものです、ので?ここは個人経営?みたいな、?」 個人経営?経営?もう意味わかんなくなってきた。 「えっとその辺の席で適当に、お待ち?ください」 こ、これで本当にいいのか……? バクバクした心臓を抑えながら、とりあえず、マッチでガスバーナーに火を灯す* (231) 2020/06/16(Tue) 13:43:35 |
【人】 絵描き 要「へぇ。なぁ、これって自分で描いたやつ?」 そういう彼はどう足掻いたって黒板をじっとみているようで。 あ……あー。 ぬぅ。 調子に乗ってかざってみたけれど、やはり人の目に触れるとなると恥ずかしい。僕がいない場所で見てる分には全然なんとも思わないのになあ! 「えっと、そうです。お目汚しすいません?」 そんなに恥ずかしいなら見せなきゃいいんだろうけど……。それでも、自分の描いた絵を見てもらいたい、って気持ちもあるから複雑なんだよなあ。 だからこそ、興味を持って貰えたことに、嬉しくて、自分の描いた作品について少し語ってしまう。 「色が多いのは、さっき、ピアノとギター?の音楽が聞こえてきて、その時の演奏が好き?というか、心に響いて、気付いたら筆が動いてたんですけど……、ああ、黒い方はまだ未完成で、乾かし中……なんです……ね?」 ちらちらと彼の様子を伺うが、どんな表情をしているかは分からない。 (244) 2020/06/16(Tue) 15:44:49 |
【人】 絵描き 要ガスバーナーに火をつけると、 「ごめん、タバコ吸っていい?」 と聞かれて気がつく。 そうか、この人スーツなんだし、この高校のOB?とかかもしれないな……。 ええっとタバコ、高校で吸うのは良いのだろうか……?一応学校だし、ああ、でも文化祭だからいいのか? まあ理科室だから、火災には発展しないだろうし……? 「えっと?多分大丈夫だと思いますよ」 まあ多分大丈夫だろう、と結論づけて、彼の前に水を入れた金属の皿を置いておく。 それから、カップに使い捨てドリッパーを引っ掛けて、少し多めに粉を入れた。 コーヒーの香りが辺りに漂う。 ぷくぷくとお湯が沸騰したのを見計らって、カップにお湯を半分ほど注いだ。 あとは氷を入れて……。 カランカランと子気味良い音が理科室に響く。 「アイスコーヒーになります」 美味しいかは知らないけど。と保険をかけるように内心で呟いた* (246) 2020/06/16(Tue) 16:01:38 |
【人】 絵描き 要ん? 動きが止まった。>>248 なにか思うところでもあったのだろうか? さらりと彼の金髪が下を向く。 どうしたの?とは聞けずに、なんとなく彼の手の動きを追う。 慣れた手つきで、タバコを吸う姿は、さすが大人。と言った感じだ。カッコイイ。 それから、流れるようにコーヒーを手に取った。 「うっま」 そのセリフは心の底からの素直な感想、のように思えて、 つい、にへら、と口が緩みそうになるのが自分でもわかる。 む、む、む。 動きそうになる口元に抵抗するため、力み過ぎて、どうしたらいいか分からなくなる。 「お口にあったようで何よりです」 下を向くのは接客態度として宜しくないのは分かるけれど、今だけは許してほしい。 (251) 2020/06/16(Tue) 17:35:41 |
【人】 絵描き 要「そっか。さっき3-Aでピアノとベースの、セッションやってたから、もしかしたらそれかもな」 ふわりと煙とそれからタバコの独特の匂いが辺りに広がる。 へー。三年生の教室だったんだ。 吹奏楽部?とかなんかその辺の人達かと思ってたけど、違ったっぽい。 その事を知ってる、ってことは、 ああ、この人もその現場を見てたのかな。羨ましい。うーん。羨ましい。 そんな羨ましげな視線がバレたのか、こうも続けた。 「あ、もし気に入ったんならさ、その…ベース弾いてたやつ、バンドでライブもやるっつってたから、時間あったら見に行ってやってよ。」 え、それすごい気になるし行きたい。けど、ライブ、かあ。 ライブ、人、集まるよなあ……。うぅん。 「時間なら有り余るほどあるんですし、すごい興味ありますけど、やっぱり人、沢山来ますよね?」 念の為聞いてみるのは、未練があったからか。 (252) 2020/06/16(Tue) 17:46:01 |
【人】 絵描き 要「あ、二年です。何組かは忘れましたけど」 実際授業にもいってないんだからそりゃ忘れる。し、あんまり興味もなかった。……と言ったら嘘になるだろうけど。 興味があるからこそ、それでも無理だから、諦めるために、見なかった、のが正しいのかもしれない。 「まあ、授業とかはろくに受けてないですし、というかそもそも教室にすら入ったことも無いダメなやつ、ですけど」 そう言って笑う。 「あ、お客さんこそ、えっと?何歳なんですか?やっぱりここ卒業です?」 なんて柄にもなく矢継ぎ早に質問したのは、恥ずかしさと自分への嫌悪感とそれから、暗い雰囲気にならないように、と取り繕ったわけで……* (253) 2020/06/16(Tue) 17:56:57 |
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