【人】 絵描き 要隠したはずの、感情を読み取られて 悔しいような、嬉しいような 複雑な気持ちがおしよせる。 僕にだって、少しくらい、カッコつけさせてくれればいいのに、なんて口を尖らせる。 でも何を言っても格好がつかない気がして。 まあ先輩だから仕方ないんだけど。 仕方ないんだけど。 「タピオカ、待ってる」 一度、飲んでみたかったけど、行列が怖くて飲めなかったんだ、なんて 付け加えて、彼を見送る* (229) 2020/06/19(Fri) 19:00:30 |
【人】 絵描き 要なんて言うか やっぱり羨ましい。 あんなに人の前に立てるのも あんなに色んな人に囲まれて 協力して、 僕の手に出来なかったものだ。 いや、捨ててきたものだ。 それでも、羨ましいけど、でも、 僕は僕で、僕にしかできないこともあるから。 それをみんなに見せつけてやって、羨ましいって 思わせてやる!!!!! (240) 2020/06/19(Fri) 19:53:31 |
【人】 絵描き 要なんて。 少し思わなくもない。 でも今の僕はそれだけじゃなくて ただ純粋に 楽しい。 心地よい。 嬉しい。 ああ、上手く言葉にならないな。 でも、こんな気分にさせてくれた 矢川先輩には後でお礼を言わなきゃな* (241) 2020/06/19(Fri) 19:58:51 |
【人】 絵描き 要矢川先輩ライブ終わって、 次に出てきたのは、スーツ姿に、金髪の、 「は?!雨宮先輩?!」 断言するほどの自信はなかったけど、あんな目立つ容貌の人、他に居ないだろう。 チラリ、とこちらを向いたような気がするのは気の所為ではない、と思いたい。 それから、音楽の知らない僕でも聞き覚えのある曲を弾いてゆく。それが何となく、先輩っぽい気がして。 「くすくす」 笑ってしまう。 それから、微かに聞こえた、孤独な理科室で聞いた、 あの曲のピアノ部分。 あの時は、友達が二人もできるなんて、思わなかった、なあ。 泣きそうになるのをぐっと堪える。 ああ、そうか。なるほどね。 驚きはしたけど、さっき程の驚きはない。 何となく胸にストンと落ちた。そんな感じだ。 ……先輩も意地悪な人だ。ピアノ弾いてたのが先輩だったなんて、 すげー演奏する二人だな、って思ってた二人と、友達になれたなんて。 ギリッと歯を食いしばる音が聞こえた。 僕は、すげえ幸せ者だな。 (254) 2020/06/19(Fri) 21:52:39 |
【人】 絵描き 要それからちょっと、演奏者二人に 僕の絵が見られてことが急に恥ずかしくなってきたけど、 それは思考の隅に追いやる。 「ははは、先輩、凄い」 輝いてるよ。 うん。凄い、輝いてる。 やっぱり少しは羨ましいけれど、 誇らしい気持ちの方が強くて。 最後の曲はよくわかんないけど、 穏やかに、ピアノ音が重なっていくのが心地いい。 (258) 2020/06/19(Fri) 22:03:25 |
【人】 絵描き 要彼が、何に悩んでいたのか? 直接は教えてもらってないけれど、何となく 想像はつく。 でも、それはきっと、このステージを見たら、 乗り越えられたんだな、って。 認められたんだな、って。 そんな先輩の姿はやっぱり、カッコイイ。 だから、 だから、 演奏が終わった瞬間、まっさきに、人一倍大きな拍手をした。 それ以上に何かを言うことは出来なかったし、する必要も無い、そんな気がした* (261) 2020/06/19(Fri) 22:11:23 |
【人】 絵描き 要去りかけた先輩の背中に 「先輩!!!」 ありったけの力を込めて、思いを込めて 叫んだ。 甲高い僕の声は、きっと、彼に……。 届いた?だろうか? (284) 2020/06/19(Fri) 23:24:35 |
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