人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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視点:


メモを貼った。

ミズガネと、他愛もない約束をしていた。

――――

嗚呼
    


  死神。神隠し。     
  嗚呼 なんという不敬。なんという冒涜。

嗚呼
    


  其の不遜たるや 此処に極まりなし。

嗚呼
    


  愚かな真似を。   
  神を名告るでは 飽きたらなんだか。
 

嗚呼
    


  嗚呼 嗚呼 嗚呼
    


  
嗚呼!!

我が金烏を
  勾引かそうなぞ!!!!!!

 

メモを貼った。

メモを貼った。

クロノに言伝を頼んだときのことを思い出す。

シトゥラにノートを借りた時のことを思い出す。

アマノからもらったビスケットの味を思い出す。

ゲイザーが自分のために使用人にお願いをしてくれた、その後ろ姿を思い出す。

キエが開いてくれたパーティのことを思い出す。

ポルクスがとても心配をしてくれた事を思い出す。

テラに貰った、楽しい時間を思い出す。

館の時間が好きだった。

例え夜が来なくても。本物の月がなくても。

ただみんなの優しさに、甘えているだけだったから。

今度は自分から知りたいと、そう思ったのは、あれが1番最初。

メモを貼った。

メモを貼った。

キエは、「おはよう」と告げた。
(a5) 2021/10/22(Fri) 11:41:18

メモを貼った。

メモを貼った。

【人】 探偵 キエ

>>
???


貼り紙を貼って暫くして先日茶会が開かれた部屋にキエはいた。テーブルには矢張り2人分の茶会の用意がある。新たな紙とペンも置かれていた。
片方は空だが既にキエのカップにはコーヒーが注がれ、加えられたミルクにより其の黒を濁らせていた。

「はァ〜………」

キエは誰かの下で働くのが初めてであるから、ある種のやり難さが拭えていない。そもそも昔から怠惰を貪り気ままに在ったキエにとって館で課せられた役割は面倒なものだ。

数個の角砂糖を水面に落とすと甘ったるいコーヒーを口に含み、
???
の着席を待った。
(8) 2021/10/22(Fri) 14:20:59

【人】 探偵 キエ

>>
???
>>8

「そうだねェ…労働は悪だなァって思っている所さ。自分のものではなく預けられた慣れないものを使ったから尚更やり難いよ」

キエの言葉は以前と比べて陰で課された立場を言外に示すものだった。以前は常に監視されている様な気がして口にできなかったが、今は其の視線をそこまで強く感じていないからだ。勿論全く無いという訳ではない。

「其の労働の最中に少し気になる事があってね。
 …君、何故チャンドラ君を寒くしたんだい?
 ミズガネ君と違ってチャンドラ君が暴言を吐くとは思えないんだけども」
(9) 2021/10/22(Fri) 15:21:20

【人】 探偵 キエ

>>
???
>>9
 
勿論キエにも何かが見えている訳ではない。しかし
美味しそう
だと思うから其処に居るのだと判る。

「………聞いてはいけない事だったか、もしくは機嫌を損ねさせてしまったかな。僕ァただでさえ気持ちに疎いからきちんと言葉にしてくれなきゃ判らないよ。

 Mr.ホワイト、此れはチャンドラ君から依頼された訳ではない。だから僕ァ自分の趣味で聞いているし答えるも黙るも自由さ。只ね、」
(15) 2021/10/22(Fri) 19:36:48

【人】 探偵 キエ

>>
???
>>9

「言葉にできない其の感情を誰かに知って欲しいのならば」

「言葉にできない其の感情を誰かに紐解いて欲しいのならば」

「言葉にできない其の感情を自分で知りたいと思うのならば」

 
「………僕は適任だよ。どうする?」

 
(16) 2021/10/22(Fri) 19:39:18
ポルクスの望みを叶えることは出来ない。それを申し訳なく思う。

夢を見る前、キエの言葉を思い出す。月はとても高い、寒いところにある。

メモを貼った。

メモを貼った。

――青草に透けて、ころりと横たわる少女がひとつ。
規則正しく上下する胸。眠っているのだろう。

ここで“神隠し”にあったものとまごう様態。

日輪に隠された。

その劇を見た。
その男を見た。
その空間を、その空間を彩る全てを見た。

「……っ」

目を奪われる。
自分が頼んだものよりも遥かに大きく、遥かに引き込まれる舞台が目の前に広がっていた。

自堕落に溺れていた心の中に、かっと熱くなるような高揚感が灯っていく。

嗚呼……嗚呼。
そう、そうだった。
己の憧れはそういう存在だった。

メモを貼った。

帽子を深く被り直して、俯く。
熱くなる心のままに泣いてしまいそうで、表情が崩れてしまいそうで。

誰に見られるわけでもないのに、そうしたかった。

「トラヴィス……ありがとう」

暫くの間、広間に立ち尽くしていた。

そこに居ない。

どこにも。誰の目にも届かない。

夢を見ていた。誰もいない、触れたいものにも触れられない、高くて寒い宙の夢。

夢から醒める。「おはよう」と、声がした。

「…………」

目を醒ましたわたしはまず、あんなにこびりついていた
寒さ
がなくなっていることに気付く。

身体を起こして辺りを見回した。
彼の姿がどこにもない。
部屋に戻ってしまったかしら、とそう思った。

「……?」

そしてもうひとつ気が付いた。
あんなに毎日お腹を空かせていたのに、その空腹感がどこにもない。
けれど夜が来たというわけではなさそう。
わたしは魔法がまだ使えない。

「……行かないと」

置き去りにしたいくつかの約束が待っている。
違和感に不安な気持ちを抱きながら、わたしはドアノブに触れようとした。

触れようとして、すり抜けた。
予想なんてしていないものだから、わたしは扉もすり抜けて転んでしまう。

廊下を、使用人が歩いていた。
使用人は、部屋の外で転んだわたしに構うことなく、廊下を横切っていく。

「​──​──え?」

何が起きたかわからなくて、すぐに起き上がることができなかった。
そうする間にも使用人、来賓、数名の往来がある。

その誰ひとりとして、わたしを見る人はいない。
背筋が凍るような心地がした。


多分また、酷い顔色をしているのだけど、それを指摘してくれるポルクスもいない。
ようやく立ち上がったわたしは、広間に向かうことにした。

莫迦ではないから、人とすれ違う度、状況を呑み込んでいく。
どうやらわたしは、誰にも見えていないみたい。

広間でわたしは彼らの姿を探す。
人混みもすべてすり抜けるから、動きやすいといえばさすがに楽観視が過ぎるかしら。

そう、わたしは冷静だった。
なぜか
ぬくもり
をずっと感じていた。
それがなければ、もっと取り乱していたかもしれないけど。

わたしは探す。
わたしに気づいてくれる人を。
少しそそっかしくて、一生懸命なお友達の姿を。
夢の中にまで会いに来てくれた、白い鴉の姿を。
いつの間にか隣からいなくなっていた、優しい、彼の姿を。
大きくてふわふわいつも浮いている、不思議な彼の姿を。

探している。広間を、中庭を、館中を。誰の目にも触れなくても、今のわたしは孤独じゃない。

ポルクスは目を覚ました。

泡沫の夢のよう。
宙に漂いながら俺は見た。

――被害者の顔をして泣く少女。


    
可哀想だ、ごめんねと思う。


――夢の中でも何かを探しさまよう夜の少女。


    
ありがとう、その温もりを手放さないでと思う。


神隠しの顛末にしては陳腐だろうか。
俺の身体は一線を画するこの空間にすら降り立てないらしい。

【人】 探偵 キエ

「……………
物は言い様だねェ


キエはソファで仰向けに寝転がりながら林檎を齧っていた。即興劇に一度意識が向いたが直ぐに興味を無くした。
誰かにとっての喜劇とは誰かにとっての悲劇で――逆もまた然り。事実も空想も視点を変えれば善悪などひっくり返ってしまう。

同一人物二重人格でも判り合えないんだもの。そりゃあ争いが無くならない筈さァ。
 誰かが笑う時必ず誰かが泣くというのに、人とは何時何処まで行っても身勝手なものだね。有り難い事だけれど」

林檎をまた一口齧れば劇の内容はもう忘れてしまった。
咀嚼音の中で、キエは玩具箱の奥底に押し込まれ忘れ去られた透明な子供の叫びを聞く。只聞くだけで何も思う事など無かった。
(26) 2021/10/23(Sat) 0:58:54

【人】 探偵 キエ

>>
???
>>15 >>16

座ったまま視線を上げて目を細め、一度瞬きをすると満足気に頷いた。視線が交わっているかなどキエの知った事ではない。

「確かにそうだね。僕もつい先日同じ様な事をしたからよく判るよ。だが君は自身に悪意が在ると思うのだね。其処も僕と違う。
 僕らは同じく理から片足はみ出した者同士じゃないかと思うのだけど、君は随分と……そう、枠に入りたがる様に見えてしまって」

声が僅かに上擦った。カップを持つ指は細く白い女のものだ。言葉の途中で性別が変わったらしい。

「僕は其処が僕の趣味を満たしてくれるんじゃないかって今期待してるんだ」
(27) 2021/10/23(Sat) 1:22:11

【人】 探偵 キエ

>>
???
>>15 >>16

見えない目を見る。
其れを見たとキエは決める


「………君、夢は見るかい?」

しんと静かな部屋に声が反響しない。

「言葉ってさァ、不便だと思わないか。言い表せない事だって在るのに言葉という音に嵌め込めば真相とずれてしまう。
 しかし言葉が無ければ人と人は意思の疎通ができないから仕方が無い事なのだろうね」

「でも人の理に従うなんて面倒だもの、
だから僕は夢を覗く
。其の方が手っ取り早いだろ?」
(28) 2021/10/23(Sat) 1:24:01
「……トラヴィス。礼を言う。
 …………前のことは一生根に持つが、この恩もまたきっと忘れないだろう」

舞台人の一挙一動を見届けて、独り言つ。
皆が同じように願ってくれるか分からないからこれは賭けだ。
でも、「願えば何かが変わるかもしれない」という予感だけは男の中でほんの少し芽生えていた。
揺蕩っていた夢の底から、少しずつ浮き上がってきているのだろう。


「リーパー。俺を殺して満足したか?神隠しに遭わせてしまえば何も出来ないと思ったか?
 俺が壇上から引き摺り下ろされて大人しくしている人間だと思ったなら。

その身をもって考えを改めることだな、ご愁傷様。
自堕落に溺れる俺を動かしたのは、お前だよ」


男は身勝手な性格で、身勝手な理由で動く人間だ。
だから、どこかの宇宙服に身を包んだ男にもし問いかけられたとしても、「俺が救いたかったのは少女だから知ったことではない」と述べるだろう。
……
少女が『彼も救いたい』と願うなら話は別かもしれないが。

今その少女は、眠りについたままだ。

「本当はお前のこと、もっと知れたのならよかったんだがな」

「少女の内側に潜む殺人鬼。題材としては非常に面白い。
作家はそこからミステリでも悲劇でもなんでも膨らませるだろうし、詩人ものびのびと感情を乗せて歌い上げるだろう。

でもな……」


「すまないな」

「女を傷つけ苦しめる奴の物語など、俺は死んでも歌えない」

メモを貼った。

ユピテル

「……ユピテル」

男は振り向かない。貴方は自分と再会した時のように目を閉じているのかもしれないと予想はつくけれど、それでも、顔を合わせる事ができなかった。
断末魔を上げる少女を見捨てる事ができなくて、どうにか考えて動いた結果だ。後悔などしていない。
……けれど、自分だって事情を何一つ聞いていない。

「……いいや、知らない。
 俺だって、聞けるなら聞きたいさ。
 あいつに殺された瞬間はまだはっきり思い出せる。死ぬほど辛くて苦しくて、今も思い出すと怖くて仕方がないけれど」

 誰にも見えないくせにッ! 
 オレと同じ、ひとりぼっちの癖に!!


「……救えるなら、救ってやりたいよ。
 その判断をするユピテルを、俺は否定しない。許さない筈がない」

頭の奥で、かすかに聞こえた似た者同士の残滓が響いている。
殺人鬼の苦しみを完全に理解する事が出来なかったとしても、ひとりぼっちの苦しみは、自分もよく知っている。

……けれど。


「でも、もしそれで、ユピテルが危険な目に遭ったら?」

自分はユピテルのように多くの為に心を砕く事ができない。
自分は親しい者を優先する。酷く身勝手で、ろくでもない人間であることは自覚している。

「もしそれで、お前が襲われて死んでしまったら?」

「そんな考えばかりが、頭に浮かんでしまうんだ」


「お前が死んだら俺はきっとあいつを一生許せない。
 例えお前があいつを救ってくれと願ったとしても」

「俺自身が死ぬことより、お前が死ぬほうがたまらなく怖くて苦しいよ、ユピテル」

消え入る声で呟いた。「本当に、身勝手でごめん」

顔を上げる事ができない。

メモを貼った。

キエは、背中に叫ばれた言葉を思い出す。
(a31) 2021/10/23(Sat) 6:29:47

キエは、キエは気が短くはないが長くもない。粗暴でもないが温和でもない。感情の起伏というものが乏しくもある。
(a32) 2021/10/23(Sat) 6:31:22

キエは、しかし自分の在り方を変えようとしてくるならば其の限りではない。
(a33) 2021/10/23(Sat) 6:31:34

【人】 探偵 キエ

>>37 ユピテル

何も
? 
彼女
と話した事は殆ど無いからねェ。

 だが其の推論は正しい。酸っぱい林檎を齧った後に甘い林檎を齧ればとても甘く感じるからね。両方在ればより一層味わい深くなる」

キエは動じる事無くユピテルを見上げている。推測を肯定すれば再び林檎を齧った。

彼女ゲイザーに対する返答は此れで終いだと言わんばかりの態度だった。
(38) 2021/10/23(Sat) 7:37:38

【人】 探偵 キエ

>>40 ユピテル

「何かしただなんてまるで僕が加害者みたいな事言うねェ。

 其方に関してだって、
何も

 寧ろ僕ァ差し出されたから受け取っただけでね、何かされた方さ」

真犯人に対しての言及に訂正は入らない。此処まで広められては探偵という肩書きも役に立たないからだ。
(41) 2021/10/23(Sat) 7:52:08
キエは、語る。
(a35) 2021/10/23(Sat) 8:18:05

キエは、騙る。
(a36) 2021/10/23(Sat) 8:19:19

探偵 キエは、メモを貼った。
(a37) 2021/10/23(Sat) 8:39:31

――人はポルクスを称賛した。

    
心優しい王子様だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
見目麗しく天才だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
神の血を受け継いだ特別な子供だと。


そんなものは嘘だ。
俺は優しくはないし、努力をしただけで天才などではない。
ましてや神の子だなんてありえるわけがない。
俺はただの王の子であり、人間である。

全て特別な力を持って生まれた兄が受けるべき称賛だったはず。
兄が受けるべき寵愛だったはず。
死者に干渉する力というだけで忌み嫌った者たちが自分にはわからない。
我が半身は、力を持った特別な人間だったというのに。

             
片 思 い

  俺の心はいつだって 一方通行 だ。

わたしは彼を探している。

ふたりがひとりだったなら、きっとわたしたちは出会うことはなかった。

頬に触れた手と、この
ぬくもり
は似ているように思う。
だからかしら、胸騒ぎがして。
だってあなたはどこにもいない。

​──わたしはあなたになにかしてあげることができた?

あなたはわたしに優しくしてくれた。
わたしはあなたに何も返せていない。

あなたの望みは叶えられない。
わたしでは、叶えてあげることはできない。

でも。わたしがあなたにできることは、本当にそれしかないのかしら?

わたしは探す。
わたしは彼を探している。
そしてわたしは、わたしにできることを、探している。

メモを貼った。

ようやく俺は地に足が着いた。
そこは館の外の中庭の、あまり人目につかない外れの方。

兄の残り香が……強い。

本来のそこにはないものが、この空間には確かに残されている。

薄紅色の花びらが舞う大輪の桜の木。
そして残されたおびただしい――――――血の跡が。

「これは兄さんのものではないな」

では何故だろうか。
血の跡を一瞥し、桜を見上げると、
ひらりと舞う桜が一枚、鼻の上に止まった。

――――――あ。


「これだ……」

桜の花びらから確かに漂う残り香と、兄の気配。
木に背を預けて目を閉じると、不思議と知るはずもない成長した兄の姿が映し出された。

やはり兄は、この館に来ていた。

「――――――ずるいよ、兄さん」

何に対してそう形容したのだろうか。

ただわかるのはカストルという双子の青年は、必要としあえる相手と出会ったということ。
そしてポルクスという双子の青年は、ひとり残されたということだけだった。

【人】 探偵 キエ

>>44 ユピテル

「……………」

其れは呆れと面倒さを両方示した表情に見える。

「………君はさァ、“吐け”と言われて頷くのかい。
 
いや君なら頷きそうだなァ…。

 できる事としたい事がイコールで繋がっていたらとっくに実行しているさ」

返事は全ての質問への肯定で、結局の処“可能だが拒否する”という簡素な内容である。

「だけど君が此処へ何も考えず来たとは考えられない。少なからず僕と直接会話をして、彼らから話を聞いて、僕が善意で損を被る者だと判断した訳じゃあないだろう。

 僕の本質を見抜いたのだから気付いていないとは言わせないよ」
(46) 2021/10/23(Sat) 13:01:46

【人】 探偵 キエ

>>44 ユピテル

「対価くらい考えてるんじゃないの?」

「其れ次第だよ。もう此れゲイザーは僕のものなんだから無償で“あげる”事は絶対にしない」

“返す”という言葉を訂正しながらキエは言った。
(47) 2021/10/23(Sat) 13:02:38
キエは、「人間はハッピーエンドが好きだろう?」
(a38) 2021/10/23(Sat) 15:03:29

キエは、怠惰だ。手間などかけたくないし完成を待つのが其の限度である。
(a39) 2021/10/23(Sat) 15:05:33

キエは、しかし口を開けているだけで食事ができるなら、有り難いと思う程度の損得勘定を持つ。
(a40) 2021/10/23(Sat) 15:05:48

キエは、だから片道切符の行き先を変えた。
(a41) 2021/10/23(Sat) 15:06:02

キエは、「僕へ辿り着く前に彼が消えちゃうかもしれないけれど」
(a42) 2021/10/23(Sat) 15:08:13

キエは、「誰かに横取りされるかもしれないけれど」
(a43) 2021/10/23(Sat) 15:08:26

キエは、「まァ其の時は仕方がないね」
(a44) 2021/10/23(Sat) 15:08:37

キエは、怠惰だ。自ら追う程何かを求めない。代わりは幾らでも在るのだから。
(a45) 2021/10/23(Sat) 15:09:06

 ポルクス

わたしはあなたを探している。
まだ自分ができることは、わからない。

それでも、あなたを探していた。
いだいた
ぬくもり
は、まだ、手元にある。

「……?」

広い中庭の隅、見たことのない、桃色の木。
わたしの知っている木は、みんな緑の葉を茂らせたものだけど。

足を止めたわたしは、そこにあなたの姿を見つけた。
まだ自分ができることは、わからない。 でも

「ポルクス……?」

木の根元に広がる赤い液。
あなたのものじゃ、ないのでしょう?
遠くで見ても分からなかったから、わたしは恐る恐るとあなたの名前を呼んだ。

【人】 悪食 キエ

>>51 >>52 ユピテル

「君って案外世間知らずじゃないよねェ。契約前に内容の開示を求めてきたの此処では君が初めてだよ。そして予め言っておくんだが以前伝えた通り君は“基準を満たしていない”から君の持ち物では対価にならない」

現時点でキエはユピテルをそう思っている。キエは賢者と取引をしない。彼らは
キエの望む品を持ち得ないからだ

そしてキエの好む人種というものは傍目に見ても非常に判り易い。
さらにキエは地中の奥深くに眠る謎を掘り起こす程飢えてもいない。


愁傷
苦悩
寂寥
憎悪
絶望
………此の辺り?
 僕ァ食が細いから“後一滴で溢れる程に濃い感情”しか食べないよ」

キエは『悩み多き者』が『必死に隠そうと足掻く』『毎秒付き纏う希死念慮悩み』の方が好みだ。
(56) 2021/10/23(Sat) 15:58:02
ユピテル

唇を噛む。自分だって彼女の言葉に助けられた。死ぬことを躊躇わず何でも言えるその姿勢が大きな魅力であることはよく知っている。

何も言えなかった。
貴方の言う通り、今の貴方を作る全てに惹かれたのだから。
自分の言葉に決して頷かない貴方の答えに胸が締め付けられそうになって。でも、「ああやっぱり好きだな」という気持ちが浮かんだのも確かだ。


ユピテル

「ユピテル」

もう一度名前を呼ぶ。
立ち上がり、振り返る。

自分がしたいのは愛することであって束縛することじゃない。
本当はついて行って後ろから死神の彼に睨みを利かせてやろうかとも考えたけれど。
それで彼女が聞けたいことも聞けなくなってしまうのは本意じゃない。

「信じてる」


でも、それだけじゃ足りない。

「『自分がこうしたい』と思ったことをしてくれ、ユピテル。
 俺はどんな選択をしても、お前を応援しているから。

 お前が道を選んで進むことを、自分のことのように嬉しく思えるのだから」


ずっと迷って傷ついている貴方を見たが故の言葉。
言葉を重ねながら、拒まれないのなら抱きしめる。もう寒さはどこにもない。氷のような冷たさは、貴方が溶かしてくれたのだから。

我儘を通した罰で動けないのなら此方が許しを与えるまでだ。

【人】 悪食 キエ

>>
???

>>53 >>54

「………」

キエは喉が鳴った。生来の欲望が形を変えて騒ぎ立てるのをじっと黙ってやり過ごす。
聞こえない音が聞こえる。
聞こえると思う


「…其の言い方だと君は眠れないの?」

温度の無い手が何故だか燃える様に熱く感じて、

「本当に? 本当に寝た事が無いんだね?」

顎を軽く持ち上げる指が何故だか
処女の細い指の様に思えて、
(57) 2021/10/23(Sat) 16:41:46

【人】 悪食 キエ

>>
???

>>53 >>54

其れを早く言ってくれ!!


とっくに忘れていた筈の歓喜がとうとう弾けた。
性を食い物にする事を辞めた時に諦めた筈のご馳走が、
食べられる筈が無いと思っていた初物が、今、今、目の前に在る!


「嗚呼勿論だとも! 眠らなくたって、眠れなくたって、此処夢の世界でなら! 僕は君に素敵な夢を………夜の長さなんて忘れる程の夢を見せてあげる!!」

キエは感情の変化に乏しい。しかし其れは本来の在り方から外れてしまったが故の本能と気質の不和から来るものだ。
されどたった今初めてキエは本能と気質が合致するご馳走を見つけた。
勢い良く立ち上がると其の儘
???
へ抱き着いた。椅子の倒れる音がしたし温度は感じないがそんな事はどうでもいい。
…キエが何かを欲し手を伸ばすなど此れが初めてであった。

「さァ、目を閉じて。大丈夫だよ、夢は恐ろしいものではないから。きっと君も気に入るよ。全身全霊をかけて僕が誘ってあげる。怖くない。対価なんて求めない。だから安心して?」

胎の底が怒りではなく喜びで煮えている。其の熱気に触れるかどうかはナニカ次第。

普段の難解な言い回しは何処にも無い。獲物を眼前にした捕食者が無防備に
???
へ腕を回していた。
(58) 2021/10/23(Sat) 16:43:18
 チャンドラ

声をかけられそっと目を開ける。
あなたの姿がわかれば、にこりと笑みを浮かべた。

「ここは不思議なところだね。
 チャンドラまで居るとは思わなかったな。
 これが神隠し……?」

花びらがひらりと舞い、二人の間に1枚、2枚と落ちてゆく。

「もう動けるようになった?
 寒くなくなったなら、良いんだけど」

 ポルクス

よかった、この赤はやっぱりポルクスのものじゃない。
安心したわたしは、少しだけ緊張を緩める。

「あなた、わたしが見えるのね。
 ……目を醒ましてから、わたしのことが見える人、ほとんどいなくて」

それが神隠しなのでしょう。わたしは頷く。

「もう、寒くないわ。
 むしろ少しあたたかいくらい。……不思議ね」

 チャンドラ

「見えるよ。不思議なことを言うね、館にいる皆には俺達が見えなくなってるの?」

未だ館に入ってない俺にはその現象がわかっていない。
けれどもこれが神隠しを経た空間だというのなら、そういうものなんだろうと納得だ。

「寒くない。……そう、それならよかった」

願いは聞き届けられたということだ。
驚いた様子も、ホッとした様子も見せることはなく。
理由を告げるつもりはないのか、静かに答えるのみだ。

 ポルクス

「ええ、その通りよ。
 誰にも見向きされなくて、最初は驚いたものだけど」

わたしは目を閉じる。
そうすると、この
ぬくもり
がより強く感じられる気がして。

「ひとりじゃないって、思えたの。
 あなたのことも、思い出したわ」

この
ぬくもり
は、あなたの掌にとても似ている。
あなたがわたしに無償でそそいだ優しさに、とてもよく似ている。

無償でしょう? あなたが言った通り、あなたの望みを叶えるならば、わたしに酷いことをするべきだもの。

キエは、初めて吐き気を催した。
(a50) 2021/10/23(Sat) 17:35:32

キエは、嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきた。
(a51) 2021/10/23(Sat) 17:38:50

キエは、しかし幾つか真実も言っている。
(a52) 2021/10/23(Sat) 17:39:37

キエは、昔から食が細い。其れは本当だった。
(a53) 2021/10/23(Sat) 17:40:04

【人】 悪食 キエ

>>59 >>60 ユピテル

自分にだけ告げられた言葉を聞いてキエは暫し思案する。

「先ず1つ、僕ァ感情其の物ではなく人が夢を見て想像した気持ちだけ食べる。そうでもしないと枯れてしまうだろう? 僕らも其れは困るんだよ。
 そして資格に関して、此方は“今の君”には無いという返答に変わった」

食事を中断しユピテルの瞳を見上げたキエはその奥を見ようとして、
(62) 2021/10/23(Sat) 18:25:56

【人】 悪食 キエ

>>59 >>60 ユピテル

…………諦めた。

「嗚呼、別の方法を探すといい」

キエは使用人を呼び止めると無花果を持ってくるように告げる。林檎を皮ごと食べながら次の果実が来るのを待ち始めた。此れで交渉は終わりという事だろう。
尤も、ユピテル達は契約など交わさなくとも済む筈だ。
(63) 2021/10/23(Sat) 18:27:10
簡単には絶望をしない。

賢者
に似て、非なるもの。

チャンドラ

「俺達は死んだのかな。
 神隠しに遭った者が帰ってくることはあるようだから、生きてるのかな。
 これが死後の世界だというのなら、悪くない」

痛みも苦しみもなく死ねたというのなら、これ以上の死に方はきっとないだろう。

「けど……俺だけじゃなくて君もここにいるというのは良くないね。
 思い出してもらえたのは嬉しいけど……君は、もっと生きるべきだ」

底冷えする寒さがあるわけではないが、今、自分には一欠片の
ぬくもり
も存在していはいない。
自分の魂は兄のものだけど、
ぬくもり
だけはあなたに遺して行こうと思ったことは後悔もしていない。

そこに取引も駆け引きも欲望も、ひとつもありはしない。
ただただ一方通行の感情でしかなかった。

 ポルクス

「言われてみれば。
 死んだっていう発想は、しなかったわね」

死後の世界なんてものを信じていない。
夜でないなら、わたしたちにはその権利すらない。
わたしたちは夜にしか生きられないの。

「……ポルクス。
 それはあなたは死んでもいいと、そう言っているの?」

常昼のこの館で死後の世界を信じないわたしは、自分が生きていることを疑わない。
もちろん、あなたも。

あなたの望みは知っている。
それは叶っていないと思っている。

同じくらい、叶わない方がいいとも思っている。
あなたの言葉を借りるなら、わたしはあなたに生きてほしいと思っている。

【人】 悪食 キエ

>>
???

>>64 >>65

キエの柔らかい肩が、腕が、胸が、腹が、腿が、冷えていく。錯覚はまだ止まない。

「……此れでも口説いてるんだけど?可愛い子猫ちゃんが誘ってると言うのに冷たいねェ。
 君さえ決めてくれればきっとできるのに…残念だ、とても」

真っ白な指先で頬
があるかもしれない
場所を撫でると抱き締める力を強めた。実際にできるかどうかなど知らないしそうであれば良いと願っているだけだ。
熱で潤む瞳を歪ませ口から冷たい吐息を漏らす。キエは寒くても死ぬ事が無いからこそ何の危機感も持たず其の儘笑っている。

「嗚呼、夢を見ないMr.ホワイトWhy to。僕は君が夢を見ないからこそ此の想いを思い出した。ずるいなァ、口惜しいなァ…目の前に在るのに食べられないなんて。
 
きっと人は此れを夢物語のようだと言うのかな


キエは此の想いもいつか飽きて忘れてしまう。夢を見ない
???
の事は覚えていても、感情の起伏が少ないからきっと此の歓喜を忘れてしまう。
???
が期待していないからこそ此の想いは直ぐ冷える。
音の眠るような静けさの中、目を閉じて目蓋越しに何かを見たと思う。

「もう少しこうしていても? 多分僕、君から離れたら冷たいのを失くしちゃう気がするから」

自分の理を持つキエは誰かに支配された事など無かったから其の時間を強請る。
そんな時間を過ごすのか、それとも直ぐに身体を離してしまうのかは
???
次第だ。
(66) 2021/10/23(Sat) 19:55:11
チャンドラ

「わからない。
 この花弁が教えてくれたから……兄もこの館に来ていたこと、館であったこと、兄が得たもの、兄が捨てたもの」

今更捨てたものを欲しなどしないだろう。
ならば俺の行き場はどこにあるのだろうか。

「でも……一度捨てようとした命だから、あまり惜しくはないかな」

キエは、ゲイザーと共に目的地へ至った。
(a55) 2021/10/23(Sat) 20:12:14

キエは、直ぐに其処へゲイザーを落とすとさっさと帰ってしまう。
(a56) 2021/10/23(Sat) 20:12:47

キエは、ゲイザーが持ち込んだ魔力で2人を会わせた。
(a57) 2021/10/23(Sat) 20:14:32

キエは、ゲイザーが持ち込んだ魔力で崩れた自分を少し直した。
(a58) 2021/10/23(Sat) 20:14:56

キエは、残った魔力を身体の外に流した。こんな異物が在っては“キエ”ではなくなるから。
(a59) 2021/10/23(Sat) 20:16:20

 ポルクス

「……お兄さんが?」

偶然か、双子の神秘がそうさせたのか。
でも偶然にしてはできすぎていて、わたしは驚いていた。

追うものと追われるもの。
あなたとお兄さんの関係は、聞いた話ではそんなもの。
それなのに、先にこの館に来たのはお兄さんの方。
そしてあなたが追うようにここを訪れた。

とんだ運命の悪戯ね。
それともこれも、館の主の意志かしら。

「惜しくはない……あなたはそう、思うのね」

ひとつ知る。
お兄さんの影がなくなって尚、あなたを蝕むもの。
わたしが思っていたとおり、そしてあなたの話していたとおり、あなたの中のお兄さんの存在はとても大きい。

 ポルクス

「わたしはそうは思わないわ。
 命は粗末にするべきではないもの」

ひとつ知ったなら、次はわたしの番。
わたしはわたしの道徳を語る。
そしてこれはわたしだけの道徳では決してない。


「命を危険に晒しても、やりたいことがあるなら別よ。
 わたしはそれは、粗末とは別と思うもの。
 わたしはあなたに、命を粗末にして欲しくないわ」

わたしは探して欲しいと言う。
どうせなくなってもいい命なら、それを賭けてでもやりたいことを。

叶うかは、また別の話。
それでも目標のために冒険する時間は、きっと有意義なもののはずだから。

 




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