人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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視点:


ピンポンパンポーン









 
              』

ピンポンパンポーン

 鏡沼

「ブチ犯……………………」

そんなつもりで言ってなかったのに。
やっぱりこの先輩怖い。
(※被害妄想が多分に含まれています)

怖い、けど。

「………………。
 じゃあ。…………なんか。
 あったまれる、もの。…………ない、すか。
 ぼく。屋上で、寝るんで」

自分のせいで怪我とか死人とかがうっかり出たりしたら、そっちのほうが怖い。多分一生引き摺る。
だったらワンチャン凍死チャレンジのほうがまだマシだ。

一昨日はサボり、昨日は保健室。
今度こそ部活に穴を開けるわけにはいかない。

今朝も早くに登校していた僕は、定刻通りの朝の放送の音を聞く。

「…………?」

放送に、声はない。
本を読んでいた顔を、上げた。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

 
いつも通りの朝の放送。
いつも通りが、少しだけ違う。

稲生学園は、今日も。

「……大丈夫、大丈夫。何も心配する事などありません。
 ええ、きっと、ね。」
(0) 2021/11/02(Tue) 21:24:21
席を立った。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+1 >>1 鏡沼 神谷 昨日の事
「はい、噂をすれば何とやらです。
 異能抑制剤、お届けに上がりましたよ。」

屋上使うならちゃんと許可取ってくださいね、なんて。
冗談めかしたように言いながらやって来たのは生徒会副会長。

さて、この状況に於いてもまだ"見間違え"は起こるだろうか。
とはいえ仮に見間違えたとしても。
既に後輩から粗方事情は聞いているし、
であれば見た目に惑わされるような事も無く。

そもそもの話、柏倉には、"会いたい人"なんて居ない。
少なくとも今は。
強いて言うなら、薬の届け先となる人物くらいのものだ。
(3) 2021/11/02(Tue) 21:42:57
  鏡沼 柏倉(昨日)

「いえ…………
 夜は、さすがに…… 中に…………入ります…………
 人いないし……」

新たな来訪者に震えながらも頭を下げた。
震えているのはこのあとやっぱりボコられたり薄い本的展開になったりするのでは? と思っているためだ。
神谷は基本的に他人を信用していない。

……『見間違え』は、この状況でも起こらなくはない。
が、今は『会いたい』度合いに比例して発生率が上がっているようで…… それがなければ見間違えることも、転送されることもないだろう。


「…………あの。ところで……、…………これ…………」

異能抑制剤。
本来ならそれは文字通り、異能を抑制するもの。
だが自分の体にはそれとは別の薬が効いている。
……果たして、抑制剤はまともに効くのだろうか?

88%効いた。


静かに、放送室の扉を開けた。

  鏡沼 柏倉(昨日)

えっ……。めっちゃ効く……。


頭がずしっと重くなる感じはした。これはいつも飲んでる薬でも感じるものだが、重さが激しすぎる。
なんかもうまともに思考すら回らない。だるい。眠い訳じゃないけど寝たい。

「………………ぅあ ありがと ござます」

「あの ぼく おかえし なにすれば いい」

「くすり つくえに はいってて
 でどころ わからない ……けど」

「できること します なんでも」

思考が回ってないときほどまともに喋れる男、神谷。

 鏡沼

「はい それで いいです
 どうぞ おすきに」

両手を手首辺りで揃えて前に出す。
手錠をかけられるときのポーズ。
なげやりにも程がある。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+3 >>+4 >>13 神谷 鏡沼 昨日の事
「……うーん、なるほど…」

例の薬と、異能抑制剤。
決して反発し合ったり、という事は無いようだけど。
少しだけ作用に変化は起きてしまうのかもしれない。
それか自分の使っているものは彼の体質に合っていなかったか。

そんな事を、気怠げな様子を見ながら考えて。
何れにせよ、これで一先ず騒ぎは終息する。
であれば良しとしておこう。

「えぇ?鏡沼君、そこで俺に投げます?
 …まあ、今は先ず休むべきかと思いますよ。
 大事を取って、決して無理をせず安静にしておく事。
 この場はそれで良しとしておきましょう。」

自己管理もまた、我々の義務の一つですからね。
そんなふうに言葉を続けて苦笑い。
こんな形で義務を果たす事には、ならない方が良いのだけど。
(15) 2021/11/03(Wed) 1:19:16
柏倉陸玖は、それはそれとして、軽率に『なんでも』とは言わない方が良いと思う。同感です。
(a8) 2021/11/03(Wed) 1:19:53

 柏倉(昨日)

「やすむ はい わかりました。
 おさわがせ して すみません……」

出した手を引っ込め、
その場に座り込んだ。寝る気だ。


異能は周囲に全く効果を及ぼしていない。
転送も悲鳴も発生していないようだ。
安心して……寝られる……。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+6 神谷 昨日の事
「あ、こら。ここで寝たら風邪引きますって」

流石にこの場で寝ようとするのは想定外。
やや早足に歩み寄って、少し前にしゃがみ込む。

「勝手に保健室まで運んじゃいますよ。いいんですか?」

覗き込むようにして様子を窺う。
あなたから了承を得るか、或いは返事がないようであれば。
この男は勝手にあなたを保健室まで運んでしまうぞ。
(16) 2021/11/03(Wed) 1:31:08
 放送室
しんと静まり返ったその場に、人が集まっていく。
楢崎大地が訪れた頃には、
鏡沼創、朝日元親の両名の姿があった。
そう、その二名しかいない。

ブースの奥、女物らしい鞄。
脇には空の小瓶とペットボトル。

それだけだった。

>>放送室

「……」

嫌な予感は的中したのかもしれない。
前髪の下で僕は目を伏せて、匂いを辿ると空の小瓶とペットボトルに近付いた。

…………そう


それが何か、僕はよく知っている。
だから、まず小さくそう漏らした。

「僕が来た時には、彼しかいなかったよ」

後から来た楢崎に状況を伝えた。
ブースの中に、鏡沼の姿があるだろう。

>>放送室
その言葉の通りに、ペットボトルは揺れることもなければ、
持ち上がることもない。
中の水面が凪いでいるだけだ。

>>放送室

「ここにいる、っていう判断に理由はある?
 もしあるんなら、もう少し気を引き締めて探す。
 ここにいないんなら、ここをどんなに探しても無意味だよ」

僕は鏡沼に尋ねた。

>>放送室

「僕は精神系の異能のことは詳しくないけど。
 つまり、先輩があんたを認識してるから、僕にはあんたが見えた。
 そうでなければ本当はあんたはここにいない。
 ここにあんたがいることが、先輩がいる証拠……ってことかな」

「……それなら、納得はできる。
 前は先輩のこと、匂いで見つけることが出来たけど。
 今は、どうだろうね。やってみるけど」

────ぴちゃり。


水音がする。
机の上のペットボトルからではない。壁際の床。

見ればそこには滲んだ土色。
酸い臭いのする、水溜り。

なんだと見れば。

────ごん。


鈍い音。
そこから紅が染まっていく。広がっていく。

まだ見えない。

聞こえた水音に振り返った僕は、つんと酸っぱい匂いに一瞬顔を顰めた。
顰めたところで前髪の向こうだ。
大してわかりはしないだろう。

慌てた様子で駆け付けたもう1人の鏡沼。
さきほどまで居た彼が消えている以上、こちらはこちらで何かがあったということだろうが。


「何か、した?先輩が? ​
──​─あのバカ!



僕は盛大に舌打ちをした。
見つけられるかわからないなんて悠長なことを言っている場合ではないらしい。

何がなんでも、見つけなければならない。

 

そう思った僕の視線の先に、
空の小瓶とペットボトルが映った。

あの薬を飲んだ時、僕がどうしたか。
そして先輩も同じようにしたとしたら。

そう思った時にはもうペットボトルを手に取っていた。
この中が、
ただの水
でもそれはそれで構わない。

そうでなかった時、
少し確率が上がる
程度の博打でしかないのだ。これは。

 

ペットボトルの栓を開け、残った水を飲み干した。

ペットボトルの中身はただの水のように見えた。
透明な液体。ラベル。緑のキャップ。
市販の水のようにしか見えない。

だが、口にしたあなたならわかるだろう。
この味には、感覚には覚えがあると。

傍らに置かれたままになっている小瓶も、
同じ人物から受け取ったものであるのだから。



​──​──正解だ。


あながち僕の勘も、馬鹿にはできないらしい。
勘と言うには推理に近かったけど、無事正解を引き当てた。

口の中に残る、ただの水とは違う味。
ぐらりと足元が揺れるような眩暈。
吐きそうだ。でも、意識を手放してなんかやらない。


今回は、この副作用の覚悟も決めて飲んだんだ。


でもこれ、また部活に顔出せそうにないかもな。
でも今回は、謝ってなんかやらないよ。守屋先輩。

そこにいたはずの鏡沼の姿が消える。
あいつはあいつで何かしてるんだろう。
身体を張るのは何も、僕だけである必要はないだろうから。

感覚がまた鋭くなるのを感じる。
吐き気を堪える口許から、骨砕歯と裂肉歯が覗く。

僕は、先輩の匂いを探す。先輩の匂いを辿る。
絶対に僕が見つけてやるなんて約束は出来ないけど。

今回ばかりは、必ず見つけると。
執拗いハイエナは、そう強く思う。

白い世界で、手を伸ばす。そこに誰かがいるかもしれない。誰かが握ってくれるかもしれないと。

楢崎大地を見送った。今はマトモな言葉が出そうにはない。

僕≠ナはない、僕は。先輩の匂いを辿り、漸く。

​──​──​──見つけた。

手を伸ばす。引き寄せる。
引き摺りだそうとする。

精神系の異能には詳しくない。
誰にも認識できない世界なんて、僕は知らない。

だからこっちに戻ってこい。
僕の知っているこの世界に、戻ってこい。

先輩がいないと、マイクに向かって下手な放送を披露しないといけなくなるじゃないか。



おかえり、バカ先輩


その手で先輩に触れる直前、僕は小さく、そう呟いた。

「────……
…………」


気付けば手が目の前に見える。
誰の手かは、わからない。
それでも……こちらに差し伸べられた手を。
────掴んだ。

「────────」


────瞬間、白と黒の世界に彩が溢れる。
赤が、青が、緑が、黄が。
あらゆる色が、ちかちかと瞬いて。

あなたたちの前に。
涙と汗と涎と紅に塗れた、不細工な顔がそこにはあった。

「────


安心したのも束の間、現実の世界が塗りつぶされていく。
白く白く、色彩を奪って。
だけど、違うのは手をつないだあなたを、
あなたたちを引き込んで。
また白に沈んでいく。

とぷんと。
孤独な世界は三人を飲み込んだ。
あとに残ったのは、ただの静かな放送室と、保健委員。

  昨日のお二人

普段ならさすがにイエスとは言わなかったが。
朝からの異変は存外この凡人男子のメンタルを追い込んでいたようで、意識はあるものの運搬を拒まない。されるがまま。

保健室でも空き教室でも、適当なところに放り込んでおいて問題はないだろう。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>17 >>+22 神谷 鏡沼 昨日の事
「ははは。口を出す権利は誰にだってありますよ?
 それを突っ撥ねる権利もまた、誰にだってあるというだけで」

そんな屁理屈を一つ。
それから、到底自力では歩けそうにない様子を見て。

「では、少し手を貸して頂いてしまおうかな。
 意識の無い人間とは、存外に重たいものでして。」

ついでに、これは二人の手柄という事にしてしまいましょう。
生徒会副会長は、そう言って悪戯っぽく笑った。

ともあれ、"見間違え"騒動はこれにて一段落。
異能の主はきちんと保健室へと運び込まれ、
以降の事は養護教諭などに一任されたことだろう。
(30) 2021/11/03(Wed) 8:21:31

【人】 綴り手 柏倉陸玖

 
「うん?ああ、練習には体育館の方を使って頂いて…」

これは一般通過生徒からのお問い合わせに答えている副会長。
決して何処ぞの風紀委員のように
誰かの呟きを地獄耳で拾ったわけではなく。

「あー……一部の競技は難しいかもしれませんねぇ…」

一部の競技は難しいかもしれないらしい。体育館での練習。
とはいえ体育祭の準備もそろそろ大詰め。
残るは日々の基礎練と、あとは最終調整くらいのものだろう。
(32) 2021/11/03(Wed) 8:58:12
神谷 恵太は、特段取り柄の無い人間だ。

異能についても正しく理解していない。
だから説明も曖昧で、口下手がそれを助長する。
……そう、自分でも思っている。

『きみが見たいように見ればいい』。
この少年の異能に名をつけるなら、かつて彼自身が吐き捨てたこの言葉が相応しい。
自分を見る人間が自分より会いたいと思う人を読み取り、周囲に対象者がいるかサーチ、その姿を自分に向けられた相手の五感に差し込む。
ごくごく限られた形でしか機能しないが、精神感応、空間把握、認識妨害の合わせ技。それに薬の効果で空間転移まで加わったのが先日の話。


……そう。あくまでそれは、先日の話。

薬の後遺症か、異能抑制剤が効きすぎたのか……
この日、神谷 恵太の異能は完全に抑え込まれていた。


「鏡沼先輩か、柏倉先輩を探してるんですが……」

神谷が自ら上級生に声をかけている様を見て、彼を知る1-Cの人間は目を丸くしたという。

異能がすべて『知覚』に関連している上に常時起動型なので、神谷の脳の機能の一部は常に高負荷状態になっている。
それが今は強制的にオフになっているため、逆に普通のヒトとしての機能が十全に使える状態、というのが今。

「……忙しいのかな、二人とも」

ちなみに手には紙袋を持っていて、中には一口まんじゅう12個入りが入っている。お詫びの品のつもりらしい。

ともあれこの日、一年モブ風男子が二人を探して校内をうろうろしていた……と。
何も知らない人間から見れば、これはそれだけの話だった。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+24 神谷
「こんにちは、神谷君。」

恐らくは、その珍しい光景が噂として耳に届いたのか。
うろうろしている最中、ひょいと探し人が現れた。

神出鬼没な会計ほどではないにしても、
この副会長の行動範囲も結構広い。
とはいえ主な生徒会の役員達、全体的にそんな感じでもある。

「俺や鏡沼君にご用でしたら、
 生徒会室までお越しになれば良かったのに」

用件があるらしい事は知っていて、少しだけ困ったように笑う。
今は忙しくなさそう。こういう応対ができる程度には。
(34) 2021/11/03(Wed) 9:37:53
 柏倉

「あ、先輩。昨日はすみませんでした。
 ご迷惑をおかけして。
 これ、お詫びの品です。つまらないものですが」

とても普通に応対する。
こいつ誰だ??


「諸々の対応であちこち歩き回ってるだろうから、探したほうが早いかなと思ったんですけど。
 ……、……あと、何も気にせず動き回れるのが新鮮だった、てのもあるかもしれません」

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+25 神谷
「いえ、お気になさらず。
 終わり良ければ全て良し、と言いますから。
 とはいえお気持ちは有り難く頂きますが。」

すごい自然に饅頭を受け取った。
多分後ほど生徒会で美味しく頂かれるのだろう。

思わず
誰?
と言いたくなるような応対は
あんまり気にしてない様子。
まあ、いちいち驚いてたらこんな学校で副会長できませんよね。

「なるほど。うん、それもまた正しい。
 …神谷君の異能は、そうですねぇ。
 気兼ねなく、あちこちへ足を伸ばすには
 少しばかり気に掛ける事が多そうなもので」

決して、声色に責めるようなニュアンスは無く。
どうしても他者へ影響を及ぼしてしまう異能は少なくない。
そしてこの副会長その人も、どちらかと言うとその類。

「異能を抑制する為の小物、あまり効果は無いですか?」

所謂異能抑制剤、のアクセサリー版。
無効化こそできないけれど、無いよりはマシというものだ。
(35) 2021/11/03(Wed) 10:08:53
 柏倉

「小物、ですか。
 前にひとつだけ買って貰いましたけど。
 すぐに、
なくして
しまって」

何故なくなったのかは自分でもわからない。
普通になくしただけなのか。誰かが悪戯で隠したのか。もっと酷い、悪意による盗みだったのか。
なんにしても、もういいのだ、と神谷は語る。

「あんまり効いてなかったみたいですし。
 あ、抑制効果がなんとなく効いてる、てのは
 分かるんです。頭の隅っこが妙に重い感じがするので。
 昨日も今もそんな感じですけど、むしろそのほうが
 楽っていうか……」

なので、むしろ昨日貰った薬の名前を知りたい。市販品だとしても、今使っているものより相性が良いのかもしれないし。
そう考えて先輩を探していた面もあると、神谷は語る。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+26 神谷
「ふむ、なるほど。
 効き目の有無はものや異能によりますからね。」

本人が、もういいのだ、と言うのであれば。
それ以上の事を深く詮索する事は無い。
生徒会副会長は、相手が自ずと話し出すのを待つタイプだ。

「頭の隅が重い、となると…
 自覚は無くとも、案外。神谷君自身の感覚的な所にも
 影響がある類の異能なのでしょうかね。
 とはいえそれが薬の副作用でなければ、ですが。」

そして、抑制剤の事を問われれば。

「……ああ、ええと、うーん…
 これ、ここだけの話にしてくださいね。
 俺の使ってる薬って、
 少し特別な所から取り寄せているものなんです。」

よく似た成分の市販薬をお教えする事はできますが、と。
口元の辺りで、両手の人差し指でバッテンを作った。
内緒ですよ、内緒。
(36) 2021/11/03(Wed) 10:52:15
 柏倉

「それは」

「どこから取り寄せてるんだ、……ですか」


食って掛かるような勢い。
実際頭突きになるような勢いで顔を近付けたもんだから、下手すると本当にどこかに当たったかもしれない。

「あの、……だめですか。
 その薬、分けて貰うとか、……そのっ」

また誰に絡まれるかも分からない生活に戻りたくない。
それこそ……

「なんでも、しますからっ」


本心からこんな危なっかしい言葉を口にするほどには。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+27 神谷
「おおおう」

とん、と一歩下がって。
最小限の動きで衝突は回避された。

柏倉陸玖という生徒会副会長は。
本当に、いつだって、人と触れ合っている所を見られない。

「『なんでも』の安売りは良くないですよ。
 ああ、でも、そうですね。」

けれどその勢いは大して気にした様子も無く、少し考えて。

「そこまで追い込まれる程に困っているのであれば。
 俺としては、薬を融通する事自体はまあ、構いません。
 ただし、一つ条件があります。
 薬の詳細と、その出処は絶対に誰にも口外しない事。」

良く効く薬が貰える、なんて噂になると困りますので。
なんでもすると言うのであれば、約束できますね?
そう言う声色は若干有無を言わさない響き。
(37) 2021/11/03(Wed) 11:25:39
 柏倉

「は? それだけ?」

敬語すら無くなった神谷の言葉。
表情は端から見てとれる限りでも、決して好意的なものではないと知れる。

「ぼくは、構いません、けど。
 ……もし、ぼくが秘密を守ってるのに、
 噂が出回ったら……
 先輩はぼくを、どうやって信用してくれますか」

神谷は自分も他人も信用していない。
秘密は守られない。その前提の上で話をする。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+28 神谷
「はい、それだけです。」

疑問には、しれっと肯定が返る。
たとえ後輩が敬語でなくとも、その様子が好意的ではなくとも。
それは柏倉の気にする所ではない。

「…さて、なるほど。難しい質問ですね。
 敢えてそう問うのであれば、君にとって
 無条件の信用は信用するに値しない、という事でしょうし。」

無条件、言うなれば対価の無い取引は信用するに値しない。
口約束など以ての外。
そういった考えは、決して理解できないものではない。

「正直な所を言いますと。あの一件があったとはいえ、
 おおよそ唐突に君の異能が落ち着きを見せる事で。
 どのような形であれ、何らかの噂になるだろうなあ、と。
 俺としてはそう思っています。」

「つまりは遅かれ早かれ噂は出回るのですよ。
 そうなれば、俺は噂が広がらないように対処するだけ。
 であれば君が確かに約束を守る、という姿勢を見せる事。
 今この場に於いて大切なものは、それだけです。」

柏倉は、他人を信用していないわけではない。
けれど、時には信用を抜きにして考えた方が良い事もある。
副会長という立場の人間として、そう理解しているだけで。
そして、何よりも。
この副会長は、上手く白を切るのであれば、大抵は見逃す質だ。
(38) 2021/11/03(Wed) 12:31:23
柏倉陸玖は、声を潜める。「上手に騙し通すなら、俺は目を瞑りますとも」
(a18) 2021/11/03(Wed) 12:32:03

柏倉陸玖は、そう言って口元に人差し指を立てた。
(a19) 2021/11/03(Wed) 12:32:57

 柏倉

「………………ぼくは。
 たぶん…… 嘘は苦手です、けど」

眉尻が下がる。髪でほとんど見えないだろうが。

元よりこちらは利益のみを得る側であり、条件がどうであれ受け入れるしかないのだが……
それにつけても、副会長の言葉はまったくもって正論。少なくともすぐにかけた梯子を外されることはなさそう、と信頼してしまうくらいには、ブレがない。

が、そうなると、どうシラを切るかが問題になる。

自分の異能はクラス内でも知れている。
他にも『見間違えた』ことがある人間は多い。
つまり、急に見間違えが起こらなくなったなら、まず間違いなく自分には視線が集まる。
そして異能が働いて『いない』ときの自分は普通に喋れてしまう。周囲の追及にボロを出さない自信は、ない。

「……………………あの。
 先輩の知り合いに、医者とか、カウンセラーとか。
 そういう方、いませんか」

嘘を貫き通すには筋書きが必要だ。『薬』以外で異能の影響を抑えられたと、周囲が納得するような話が。
そのための登場人物を、探す。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+29 神谷
「はは、嘘が得意な人の方が少ないでしょうね。」

今は疑りよりも、消沈の色が濃くなった様子を見て。
柏倉はただ、いつも通り。穏やかに笑っている。

そもそもの話、ではあるのだけど。
一人の生徒がこうして自身の異能に悩んでいるのであれば。
生徒会として、それに手を差し伸べるのは当然の事。

そこに損得勘定など必要無い、というのは。
信用というものに、対価によって裏付けを取るあなたにとって。
恐らくは盲点だったのだろう。

「医者、カウンセラー、そうですねぇ。
 教員の方ですと不自然でしょうか?
 どうして今まで利用しなかったのか、と。
 不審に思う方も居るかもしれませんね…」

とはいえあまり脈絡も無い接点も不自然だろうと考えて。
この副会長、随分隠蔽工作に手慣れていないか?


「…ああ、では。
 この学校に時折いらっしゃる異能相談員の方。
 あの人に少し口裏合わせをお願いしておきましょうか。」

相談が根本的な解決に繋がれば、それが一番ですし。とも。
これが、権力というものです。
(39) 2021/11/03(Wed) 13:11:01
 柏倉

「……え、あ、はい。じゃあ、それで…………」

やわらかな笑みを湛える眼前の先輩が、急に酷く恐ろしいもののように見えてきて、神谷は思わず一歩下がってしまった。

最後まで意図を伝えてないのに完全に理解された上で代案が出てきている。頭の回転が速い? 場馴れしている? 両方?

「な、……なんか、聞かれたら。
 相談員の人に、似たような異能の知り合いを
 紹介して貰って……
 そこで抑制を色々試してる…… みたいな……
 ことにします……」

しかしこれで逃げるわけにはいかない。
何せ薬は昨日飲んだ分だけ、つまりいつ異能が復活してもおかしくないのだ。
薬の余裕があるなら今欲しいが、そもそも常備してるってことは彼自身もそれを使っているのだろうし。
なので、今確認すべきは……

「…………そ、れで、薬は……
 いつ、……もらえます、か…………」

誰かに聞かれたら誤解されそうな台詞を吐く。あぶないね。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+30 神谷
「ええ、ではそのように。」

ただ人の好さそうな笑みを浮かべているだけです。にこにこ。

そもそもの話、生徒会副会長というものは
会長に代わり、生徒からの意見や要望、相談を聞くもので。
であればこの類の相談事には慣れているのだろう。多分。

「ああ、今お渡ししておきましょうか。俺はそう使わないので。
 一回一錠、水無しで飲めてすぐに効く。
 どの程度の時間効くかはまあ、相性次第ですが…」

差し出したピルケースの中には、錠剤が5錠ほど。
これは所謂口腔内崩壊錠というやつ。
昨日の様子を見るに、相性は随分良かったのだろう。
自分は仮眠する程度の時間しか効かないのだけど。

「…特別な所から、とは言いましたけど。
 別に怪しいものではないですからね?
 親が異能の研究を手掛けていまして、その伝手ですから。」
(40) 2021/11/03(Wed) 13:41:36
 柏倉

「え、あ、はい、ええと、待って」

自分も抑制剤を入れるためのピルケースを持っている。
が、今は持っていない。
鞄の中だし、その鞄は教室に置いてきてしまった。
つまり受け取るための容器がない。

「じゃ、あ、はい、これに」

考えた末、ハンカチを取り出した。
今日はまだ使ってないし、これに包んでおけば教室に戻るまでなら差し支えはないだろうと。


「異能の、研究……。
 アノ、先輩の異能って、どんな……?」

…………それは、気の緩みとしか言いようがなかった。
これまで他人の異能のことなんて基本、首を突っ込まなかったのに。薬を受け取りながらつい尋ねてしまった。
まともに喋れたことで気が大きくなっていたのか。
抑制剤を常備しなきゃいけない異能なんてろくなものではないと、身をもって知っているくせに。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+31 神谷
「ああ、いいですよ容器ごとで。どうぞ」

別に換えは幾らでもありますし、と。
差し出されたハンカチの上にケースをぽんと押し付けて、さて。

「俺の異能について探りを入れるとは
 神谷君もなかなか怖いもの知らずですね?」

とはいえやはり声色に咎めるようなものは無く。
どちらかと言うと、困ったように笑う。

「引きません?どんな異能でも」

生徒会副会長の異能はそこまで厄介なものだという噂は無い。
あっても、物を直したり、傷の手当てをしたり、それくらい。
良くも悪くも、騒ぎになるような事は何も無い。
とはいえ一年なら知る由も無いかもしれないが。

つまるところ、普段はちゃんと制御できているという事。
薬を常に持ち歩くのも事故防止でしかないのだろう。

裏を返せば、事故が起きればろくでもない事になる。
そういう事にはなるけれども。
(43) 2021/11/03(Wed) 17:34:14
 柏倉

「えっ」

ひとつ目の言葉は困惑。
他人の使ってるピルケースをそのまま貰うって……
いいのかな、と思いつつも受け取り。

「えっっ」

ふたつ目の言葉は不安。
もしかして地雷踏んだ? えっ?
今度こそ肉体損壊または貞操の危機的なアレ??
いやこの副会長ならもっとこう、山中に埋め……

「は??」


そしてみっつ目。なにいってんだこいつ的な。
直前までの不安は一瞬でどこかに飛んでいった。

「あの。ぼくが、異能の話で、ヒくと思いますか。
 ぼくですよ。……あんな異能持ちですよ」

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+32 神谷
「ははは。これはまた、少し毛色の違う問題でして。」

そこまで地雷らしい地雷という反応でこそないけれど。
こういう人種の地雷、何処にあるかわからないですよね。
万一の時は社会的な死を覚悟した方が良いかもしれない。

それはそれとして。
確かに人に迷惑を掛けかねない、という点では。
まあ、似たようなものではあるのだけども。

「う〜ん。内緒にしてくださいね?これも。」

結局これも、形ばかりのお願いですが。
そう言って、声を潜めて耳打ち一つ。
(44) 2021/11/03(Wed) 18:12:05
柏倉陸玖は、呟いた。「随分趣味の悪い異能でしょう?」
(a23) 2021/11/03(Wed) 18:13:50

 柏倉

唖然とした。
折角言葉がしっかり話せる状態なのに、暫くの間何も言えないまま、死にかけた金魚のようにぱくぱくと口を開くばかり。

他言なんてできるものか。
自分も異能に振り回され辟易している身だ。他人のことだからどうだっていい、なんてことにはならない。
けど……

「な、」

「内緒に、します、……絶対に」

言っておいて、なんて空虚な言葉だろう、と思う。
それこそ何の保証もない。口約束。形だけのお願い。


神谷 恵太は凡人で、モブで、特に取り柄もなく、意思が強い訳でもない。そういう男子だったが。
でも、男子だった。だからこれだけ一方的に貰いっぱなしで、何も返さない、ということに苛立ちを感じた。
ちっぽけなプライドなんて、大体の場合においてなんの役にも立たないものだけど。

それでも。
一度だけ、神谷は意地を張って。

柏倉陸玖に手を差し出して、握手を求めた。「約束の証」として。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+33 >>c7 神谷
「ありがとうございます。
 ええ、大丈夫。俺はその言葉を信じますとも。」

言葉を失う様子を見て、そうだろうな、と思う。

異能戦闘の場でも、この異能の評判は芳しくないもので。
物騒も物騒、趣味の悪い異能。
お上品な使い方をしようとすれば、面白みの無い展開になる。
自分だってそう思うのだから、仕方ない事ではあるけれど。

まあ、それは一度置いておくとして。
柏倉だって、その意地を解さないほど物分りの悪い男ではない。
だから誠意を以て応えよう。

常に身に着けている手袋から、片手をするりと抜き取って。
差し出された手に対して、こちらもその手を差し出した。
それを握るのはあなたの意思。

右手での握手は、敵意が無い事の証明だ。
(45) 2021/11/03(Wed) 18:45:38
柏倉陸玖は、神谷 恵太の握手に応える。
(a25) 2021/11/03(Wed) 18:47:12

守屋陽菜に異能抑制剤を呑ませた。

 柏倉

「先輩は……、あの。
 もっと遠い人かと、思っていました」

神谷は右手……特に運動もしてないし武道の経験もなく、喧嘩もしてなれば事故にも遭っていない、料理などの経験もない細くやわらかな手で柏倉の手を握りながら、語る。

「さっきのだって、別に流して良かったのに。
 わざわざ、こうしてまで……。
 ……先輩、女子にモテるんじゃないですか。
 ぼくが女だったらホレてましたよ。確実に」

そこまで言ってから手を解こうとする。
長く手を握り続けるのも失礼かな、と考えてのことだ。

鏡沼 創を認識している。その気配は消えない。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+34 神谷
「ははは。まあ、強ち違わないかもしれません。
 俺にとっても、君達は遠いものですよ。」

今はこうして、すぐ近くにあるとしても。

自身の異能を未だ扱いかねているだとか。
詳細な性質がまだ明らかになっていない、という事は。
裏を返せばそれだけ成長の余地があるという事にもなる。

自分は、いつかはあなた達の背を見送る側になるのだと。
柏倉はそう思っている。きっとそれで良いのだろうとも。

「さあ、どうでしょうね?
 俺はただ、君が勇気を出した事に応えただけですし。
 そもそもの話になりますが。
 俺みたいな人間に入れ揚げるような人は願い下げ、です。」

へらっと冗談めかしてそう笑う。

手を解こうとすれば、握った手は呆気無く離れて行った。
柏倉は、元は選手側に立っていた人間だ。
それ故に、その手は存外に硬くて大きなものだっただろう。
(46) 2021/11/03(Wed) 20:08:30
世界に色が戻ったあと。鏡沼 創のことを、もう認識できなくなる。

4日目談話室 世良
「バカですよね。意識を削いだり頑張りすぎて、結局棒に振るのって。そういうのがないようにしたいのに。
 異能の暴走騒ぎとか薬とか、そういうのばっかで……。
 
 私は……良いです」

楽し気な空気も、遠くから見ている方が良い。自分はそういう性質じゃない。

「怪我したくないし、こうしている方が落ち着くので」

そう締めくくって、しばらく飽きるまでここでぼうっとしていた。

まだ目を覚まさない。だけど放送室に居る。

4日目 笹原
「そういえばアレがあったせいでポシャったんだ。
 じゃあ笹原クンの手腕に期待しておくね。頼むよダーリン」

世界が色づくのを見た。放送室に、戻ってくる。

>>放送室

「……薬、効いたみたいだな」

よかった、と僕は呟く。
僕の視界に映るのは、眠る守屋先輩と、3時限目終わりのこの時間まで待っていてくれたなら楢崎。
あとは、風紀委員の先輩だろうか。

それ以外が見当たらないこと
に、前髪の向こうで目を伏せた。
まあ、でも。仕方がないよね。

垂れた
すら、その言葉すら、僕にはもう届かない。

自分にとって、鏡沼 創がもう何処にも居ないことを知った。

>>放送室

憂いている場合ではない。
先輩を連れ戻せたことを、今は喜ぶべきなのだ。

繋いでいた手を先輩から離し、立ち上がった僕は酷い頭痛と眩暈に襲われる。
そりゃ、そうだな。大分無理をした自覚はある。

「先輩のこと、頼みます。
 僕は1人でなら何とか歩けますけど、流石に先輩を運ぶのは力になれそうにないから」

その場にいる面々に告げる。
ふらつく足取りで、放送室を出た。

重い足取りで保健室へ向かった。

 柏倉

「あの」

自分は薬を手に入れた。
彼と仲良くしておけば、その薬も継続的に手に入る。
そしてその状況を維持できれば、これまでのように見間違えに苛まされることもない。

「なんですか、それ」


だから波風を立てることは何一つ自分にメリットがない行為。
分かってはいるのに手が伸びた。
あらゆる意味で勝ち目がない相手に対して、事もあろうにケンカを売るような真似をした。腕でも首根っこでも、とにかく掴もうとした。

自分に光明を見せた人間が、
自分に惚れる人間など願い下げだと言う。
その言葉が酷く、悲しくて。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+39 神谷
「何、と言われましても。」

いつも通り、穏やかで飄々とした態度。
少々食って掛かられた所でそれは変わらない。
何も、歯牙にも掛けていないという事は無いのだけど。

「まあ、こう言っては何ですが。
 俺も決して品行方正なだけの人間ではありません。
 寧ろさっきのように、立場は最大限利用する方です。」

つい先ほどの事。いつも通りに笑みを浮かべる副会長の姿が
少しだけ恐ろしげに思えたのは、何も間違いではない。
今のあなたは、少しだけそれに相対する勇気が出ただけ。

「その事をどうかお忘れなく、というだけの話ですよ。
 人の一側面だけを見てのめり込んでしまうというのは。
 少しだけ、気の早い話だとは思いませんか?」

腕でも首根っこでも、掴もうと思えば掴めるのだろうけど。
こちらの距離感は付かず離れずのままだ。

とはいえ、相手は三年生で、あなたは一年生。
そして季節は秋を過ぎ、冬になろうとしている。
こちらの勝ち逃げとなってしまうのは見え透いているのだけど。
(58) 2021/11/03(Wed) 23:36:21
柏倉陸玖は、あのクリオネはどうなったのだろう、とふと思った。
(a54) 2021/11/03(Wed) 23:39:50

柏倉陸玖は、上手く怒られないようサボるなら目を瞑ります。
(a61) 2021/11/04(Thu) 0:07:42

 柏倉

「………………。そうですね。
 分かりました。先輩の言う通りです。
けど


手を離す。次いで身体も離す。
やっぱり彼の言うことは正論で、こちらの感情の方が筋が通らない。それは分かった。
けど。そう、『けど』だ。

「それはそれとして。
 薬は今後も貰いに行きます。先輩が卒業した後も。
 でないとぼくが困りますから」


人の一面だけを見て判断するのは良くないと言うのなら、何度も会ってようく観察してやる。
タチが良くない人間なのはこっちだって同じだ。
立場的には圧倒的に自分の方が弱者なのにこんなことを言うのもおかしな話なのだけど、言ってしまった言葉を飲み込むことはできないし。

ともかく。
神谷 恵太は、話は終わった、とばかりに背を向ける。
何か手出しされたり呼び止められたりしない限りは、そのまま去っていくだろう。

【人】 綴り手 柏倉陸玖

>>+40 神谷
「………なら、今度ちゃんと連絡先聞いてくださいね?」

向けられた背中に、そんな締まらない言葉を一つ投げ掛けて。

あなたの気質は、抱える異能の事もあってか
どちらかと言うと内向的な質に思えるから。
そんなあなたが食い下がる意地を見せる事は喜ばしいもの。

だからちゃんとそれに付き合う気はあるのだ。
あなたが食い下がり続ける限りは、多分、きっと。
ボロを出してやる気があるかどうかはノーコメントで。

そんな事を考えながら、立ち去る背に軽く手を振り見送った。
(60) 2021/11/04(Thu) 1:15:44
普川たちに運ばれて、保健室へと。思ってたより大変だったかもしれない。

「────……ぅ、…………ん……」

見慣れない天井。
まだ怠い頭で、そんなふざけたことを思いつく。
どうやら、良くなってはきてるらしい。

上体を起こし、辺りを確認……しようとしてずきりと軋む。
頭を押さえるとガーゼ。
切れた額を、処置してくれたらしい。

「……あぁ〜…………」

視線だけで、部屋を確認する。
場所は、わかる。保健室だろう。
誰が居る?

まず考えたのは例の二人。
それぞれベッドに横になっていて、休んでいる?

あ、鏡沼クンは起きてるみたいだ。

それから、もう一人。
僅かな時間ではあったが、誰かがいたような気がする。
……とても確認できるような状態ではなかったが。
多分、男子生徒。

 鏡沼
「…………あぁ……今、ね」

声を掛けられた方を、しっかりと向き、返す。
多少の鈍さはあるものの、それは体調からだろうか。
少なくとも、あなたは視えるし聴こえるのは確かだ。

 鏡沼
「気分、かい……?
 ……よろしくないね、最悪と言っていい」

わざとらしく、大きく溜息。
薬なんて使うもんじゃないなと。
ごろりと、寝返りを打つ。
横ではあるものの、あなたを真正面に捉えて。

「…………鏡、か……
 うん、だらしない女の顔でも見てやろう
 ……こうなるのだと、無様な姿を焼き付けてやろうか
 ついでに、写真でも撮っておくかい?」

あなたの手元にあったスマホを見つけて。

 鏡沼
「薬は、まぁ……
 異能の強化とか、そういうつもりじゃなかったんだ
 ……ただの最後の踏ん切りだよ
 どこかで、セーブをかけてしまうかもと思ってね」

事実、あそこまでの孤独な世界は初めてだった。
その点で言えば、狙い通りの効果を得たということだろう。

言い訳のようなものを並べたてるが、幾分かは殊勝な態度。
屋上での一時と比べれば、とてもしおらしい。
咎めるような言葉に困ったように眉を寄せて、
控えめに笑う。

「身嗜みを整えたら意味がないだろう?
 かの家康公と、同じことだよ
 ……見苦しいものを撮らせるなというなら、
 少しばかりは整えるが……」

焼け石に水くらいにしかならんよと。
あなたが気を遣ったというのに、
恥じらいなどという乙女なものは持ち合わせてなかった。

 鏡沼普川
「ひっどい顔」


けらけらとスマホに送られてきた写真を見て笑う。
自分のことだからこそ、遠慮はない。
……ん、他にも通知があるな?
メッセージを確認して、苦笑。

さらに、扉からの声。

「────ぶふっ……!」

噴き出した。そのままくつくつと、喉で笑う。
風紀委員様に対して、生意気な態度だ。

「ひぃ〜…………後で、また話してやるよ
 ……いやいや、そこまで酷くはなかっただろ?」

精々、吐いて、流血して……うん、大丈夫だろ!
扉や機材を壊すより幾分かましだ。

 鏡沼普川
「……はいはい、また後でなぁ」

凄む風紀委員に、目をぱちくりとしながらも。
去っていく姿に手を振ろう。

割と、考えたつもりだったんだけどなぁ。

「さぁて、しばらくはこの画像を背景にしておきますか
 こう、自責の念を込めてね
 ……そういえば君たち二人がここに運んだのかい?」

重くなかった?
そんな様子で、鏡沼創と、朝日元親を交互に見る。

 鏡沼
「へぇ〜……ふ〜ん、はぁ〜…………」

既に去って行ったであろう扉を見やる。
また缶コーヒーでも押しつけてやろうか。

「私が言うのもなんだがねぇ、あんまり無理しちゃいかんよ
 誰かに害が及ぶものでもなかったんだ
 どこに居るのかも明示したしね
 ……いや、音が入ってなかったとは思わなかったけど」

つい先ほど知った事実。
そりゃ不安にもなるわな! 私だって心配する!
笑い事ではないので、口には出さないが。

「…………よくもまぁ、見つけてくれたもんだ
 ……大した後輩だよ」

君と、寝ているのだろうか朝日と。

「……君は、今度は自分から探しにきてくれたんだろう?
 何かお礼をしなくてはな」

私が出来るものなら、一つ、なんでもしてあげよう。

 鏡沼
「…………ま、そうだねぇ」

目を閉じ、焼き付いた白い世界を思い出す。
ぞわっと、肩が震える。
重くのしかかる空気を振り払うように、深く息を吐く。

「……無茶、か
 いや、そうだな……結果的にはそうなってしまった
 ……やはり、異能なんてものは手に負えるものではない
 少なくとも、……私はそうだったみたい」

ふっと、小さく笑う。
寂しそうに、小さく小さく。

 鏡沼
「まぁね」

軽く肯定を。
こちらだってずっと感じてきたものだ。

「……少しくらい、抗ってみたかった
 ただそれだけだよ
 ……はぁ〜、ほんと……よくわからんもんだねぇ」

君たちも、私自身も。

「…………とりあえず、今日はもう出席出来そうにないな
 大人しく、ここで待っているさ
 ……そういえば、鏡沼クンは大丈夫かい?
 わざわざ私が目覚めるのを、
 待っていたわけじゃあないだろう?」

 鏡沼
「…………まぁ、いいかぁ
 色々あって、誰かの為に異能を使えると証明したかった
 最後くらい、ね
 全部自分の意地の為、だよ」

それで、他人を巻き込んでりゃ世話がないなと。
苦々しく思う。

「へぇへぇ……それは悪う……
 …………私、以外にも薬を口にした?」

言い様に、何かが引っ掛かった。

生殺与奪の権を他人に握らせるな。
なんて、近頃良く聞く言葉を思い出しながら『薬』を飲む。
頭の奥がずしりと重くなる感覚も、ずっと重いままなら慣れるもので。それよりもまともに考えが追い付くこと、喋れることの恩恵と比べればあまりにも軽いデメリットで。

「ぼくの生き死には柏倉先輩次第……か」

楽を知らぬまま不便の中を踠いて生きている状態と、一度楽を知ってしまった後で不便に戻るのとでは話が大きく違う。
自分は強い人間じゃない。今から前の状態に戻ればきっと『踏み外す』。物理的にか倫理的にかはその時にならないと分からないが。
なんにせよ、二者択一の選択肢から外れるためには、とるべき行動はひとつしかない。

異能を制御する。


今まではできないと思っていたし、実際できなかった。
けど薬で異能が封じられると言うことは、少なくとも特定条件を揃えられれば異能を止められる、ということでもある。
とはいえ独力では取っ掛かりすら掴めないのも事実。

柏倉先輩の親を頼るか、同類異能らしい鏡沼先輩を頼るか、とりあえず同じクラスの面々にツテを聞いてみるか。
……いいや、該当者の中で最初に見つけた相手に聞いてみよう。なんて肝心なところを雑に決めながら、神谷は廊下を歩いていく。

 鏡沼
誰に、とは言わない。
わかっている。

それよりも、だ。

「────本当かい?」

疑うような鋭い視線。(当社比)
自分が馬鹿を見て、それで終わりだと片付けた事件。
……被害者じゃなくて、加害者なのだとしたら?
犯人からの取調べが行われそうになる。

「…………私が、意識を失った後、
 何があったのか、聞いてもいいかな?」

瞳が揺れる。

 鏡沼
「じゃあ、今ビンタされるのと
 後でビンタされるのとどっちがいいかな?」

もっと大きな理不尽で返してきた。
何でもないのであれば、敢えて外すようなこともするまい。
乾いた笑いに対して、瞳は湿っていく。

「────お願いだ
 鏡沼クン、教えておくれ
 ……それとも、言えないようなことがあったのかい?
 そうじゃないのなら、私を安心させて……?」

【人】 綴り手 柏倉陸玖

 
時刻は昼下がりを過ぎて。
いつものように、投げ掛けられた生徒の声に応じる。
そんないつも通りの道すがら。

──今朝の放送、変じゃなかったですか?


「ああ、恐らくは機材の不調でしょうかね。
 放送部からの要望も、検討し直すべきかもしれません」

──放送室で何かあったみたいですけど…。


「いえ、特別何かがあったとは聞いておりませんよ。
 その事は風紀委員が対応にあたっていたようですから。
 そちらから、特に連絡が無いという事は
 きっと大きな問題は無かったのでしょう。」

柏倉陸玖の両親は、異能の研究を手掛けている。
少々耳聡い生徒であれば、そんな噂を聞く事もあるだろう。
だから異能に関する相談にも自ら応じるのだと。

そして、良くも悪くも。
だからこそ、生徒会副会長なのだろう、とも。
(83) 2021/11/04(Thu) 19:21:46
柏倉陸玖は、窓の外を見ている。
(a93) 2021/11/04(Thu) 20:11:44

柏倉陸玖は、いつも遠くを眺めている。
(a94) 2021/11/04(Thu) 20:12:33

ピンポンパンポーン

『もうすぐ下校時間になります
 校内に残っている生徒は作業を中止し、
 速やかに下校の準備を始めてください』

『繰り返します』

『もうすぐ下校時間になります
 校内に残っている生徒は作業を中止し、
 速やかに下校の準備を始めてください』

ピンポンパンポーン

柏倉陸玖は、これからは、それも改めなければならないのだろうな、と思う。
(a95) 2021/11/04(Thu) 20:47:36

 




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生存者 (5)

若井匠海
1回 残 たくさん

永遠の命題だ

鏡沼 創
7回 残 たくさん

此処に居たい

白入 熊
2回 残 たくさん

秘話〇もふもふ

柏倉陸玖
14回 残 たくさん

手の掛かる奴。

普川 尚久
10回 残 たくさん

戻りました秘○

犠牲者 (10)

椿屋凜子(2d)
0回 残 たくさん

 

竹村茜(3d)
2回 残 たくさん

 

朝日元親(4d)
1回 残 たくさん

秘話〇

シオン・グレイヴズ(6d)
2回 残 たくさん

 

市川 夢助(6d)
0回 残 たくさん

全が、遅

笹原絵莉(6d)
0回 残 たくさん

諸々○入眠

世良健人(6d)
0回 残 たくさん

未来は手の中に

尾関春歌(6d)
0回 残 たくさん

えへへ…/秘話○

織田真宙(6d)
0回 残 たくさん

 

楢崎大地(7d)
2回 残 たくさん

 

処刑者 (6)

勢喜光樹(3d)
0回 残 たくさん

余裕少

神谷 恵太(4d)
4回 残 たくさん

 

守屋陽菜(5d)
0回 残 たくさん

最後の体育祭だよ

透 静(6d)
0回 残 たくさん

★おいしい天然水

御旗栄悠(7d)
4回 残 たくさん

全て=

牛丸紗優(7d)
7回 残 たくさん

明日を楽しみに

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