98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】
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「悪と呼ばれる少数は、善でありたい多数の為に生かされていると知った。
善であると主張する誰しもが抱える悪性を満たすための、消費され貪られるための贄として」
それならば、俺と言う悪も生きていても許されると思っていたのだが。人を怯えさせ、傷つける時点でそれは害なんだ。
死んで、頭が冷えて、考えて、着地した考えだった。
「
この場は真っ当な贖罪の場じゃないと知った。
外の人間が俺たちを貪り、飢えを満たす為だと。そしてここで生かされる悪の餌の為なのだと。
同じように貪ることが出来るなら、それでいい。俺と言う欠落者もまた、間違いであると知りながら貪らずにはいられない。
けれどそうでないのなら、それぞれ此処にいる理由を見出してくれ。
囚人たちを管理すべき看守として……俺はそれを望む。
──では、始めよう 。
」
男は、処刑台に上がる。
メサ
「S-586。処刑が決まった以上、俺は処刑対象者として死ななければならない。
故に、死にたいか死にたくないかで言えば役割を全うする為に死にたいと答えよう」
男はメサの言葉に反応した。淡々と答える。
「だから最終的な判断は貴様に委ねる。この場は貴様らの為に存在するものだから」
トラヴィス
「トラヴィス様。はい、伺いました。でも、必要だったからそうしたんでしょう?俺が人の歪みを貪るのも、俺が俺として生きる為に必要だからです。看守として良くないことをしたという事実は変わりませんが」
「……そうですね、残念ながら貴方の苦しむ顔が好きです。愛したくてたまらない。
ですからどうぞ、俺のためだと言うならば。苦しんでください。俺はそんな貴方を、愛しましょう」
男の言葉は本心だ。
けれど声色から表情に至るまで何もかもが冷え切っている。
例外の一人を除いて、他人に歪みを見せてはならないと判断してしまったから。
| 「はぁ、どうしようか……」 だらだら処刑室にやってきて、首を傾げる。どこを食べたいか、今回はあまり考えていないのだよなぁ。 宣言しておかないとなくなってしまうのだろうか……
「ダビー君は身体パーツより面白能力の根源の方が気になるのだよな……」 真剣に悩む。今はどこを食べたい気分か……。 「……脳?」
「まあ砕けていようと消し炭にされようと人体は食えはするからいいか」 リクエストして取っておいてもらうほどでもないか、と思ったので、呟くのみにした。 (235) 2021/10/13(Wed) 22:30:02 |
ナフ
無機質な翡翠色が、柘榴色を捉えた。
殺意や害意には一瞬唇が震えたが……すぐに眉間に皺を刻んだ。一度戦った時となんだか、違和感があるような……。
思考が働くも、それは容易く一蹴される。
「……ッが、ぅぐ…………ッ!」
脇腹に強烈な左脚が突き刺さる。きっと悪魔を気取った男の脚には、肉の下にある骨が折れる感触が伝わったことだろう。
吹き飛んだり転がったりこそしないものの、いくつもたたらを踏んで体を折り曲げた。
咳き込み、呼吸を数回繰り返して──
「……次」
──男は、感情を削ぎ落とす。
トラヴィス
「ぃ」
機械めいていた男の顔が痛みに歪む。
右腕が瞬く間に赤色に染まっていく。
「……っ、ぎ、ぁ、あ」
解体されている途中から、男は冷や汗が止まらなくなるだろう。呼吸が浅くなる。
それでも男は翡翠を先輩たる看守に向けた。無機質が少しだけ揺らぐ。手が震えている。いつもの笑みじゃない。
──ああ、可哀想。
──ああ、可愛らしい。
「……、ぅ、どう、ぞ。お好きな、よう、に」
それでも男は唇を引き結んだ。自分のこれは、外に出してはいけないのだ。
トラヴィス
「ッい゛、ぁ、ぐ、……ぎ、トラ、……ぃ、さ、ま……い、ぁ、あ゛、あ゛」
言葉が溢れる。心がどれほど歪んでいても、体は苦痛を受け入れられるようには出来ていない。
貴方の話を聞こうにも、自分の叫びが邪魔をする。貴方の顔を見ようにも、自分の涙が邪魔をする。
耐え難い叫びを上げながら、歪んだ視界で自分の腕が自分の知らない姿になっていくのを目に焼き付ける。
乱れる呼吸を繰り返しながら、貴方が崩れ落ちるまでを見届ける。
「…………、…………」
はく、と唇が震えた。言葉にならない。笑みの形にもならない。けれど、その瞳はほんのかすかに細められていた。
メサ
「…………?」
最早無機質さを纏えなくなった表情で模範囚を見上げる。頭に手を添えられれば、看護生の最期が脳裏をよぎった。
……が。
メサ
痛いことには痛い。死ぬほど痛い。頭にヒビが入ったんじゃないかと言うくらいには。
「……ッ、…………?」
右腕は削り取られて役割を失っていたから、左手で額をおさえる。それまでにも耐え難い痛みを受けていたのだから涙が止まらなくなっているが、思わず目を丸くして、その場を離れるメサを見ていた。
ああ、彼は変わったんだなと。激痛に飲み込まれる一瞬の合間に、そんな感想を抱いた。
処刑が執行されていくのを見る。
こうなった要因は自分にもある。
そして、結局自分がこの男をどう思っているのか、答えは出ない。
ただ、彼を憎悪し何度も加虐し殺害した自分に、その死を悼む様な資格は無いのだろう。
けれどこの正体不明の痛みが、この男が心から求めて止まないだとも知っている。
だから、この場所に来ている。少しでも"いい気分"で死ぬ方が良いという、己の自己満足のままに。
武器棚から少し迷った後、結局"あの時"と似た様なナイフを、けれど形状は違うものを選ぶ。
――思いだす。過去に何度も暴力を振るわれた内の、一つの記憶を。
その時の痛みと恐怖の記憶と、今からそれをこの男にするのだという、理由も何処から来るのかも分からない忌避感と恐ろしさ。
処刑対象の元に歩み寄り、その左手を取って。
掌の中心に向けて、得物を
。
「…………、」
青年の額に、冷や汗が滲んでいる。
己の中の毒の様な感情が、内に潜んだ憎悪と狂気が、酷く想起させられる。
それはあなたへの贖罪にもならない。その行動に意味などない。こんなゲームに餌以上の意味などない。これはただの自己満足だ。
……得物を引き抜いて、それで。反逆者は後ろに下がっていった。
ミズガネ
緑青を見た。濡れた翠色はトラヴィスを一瞬笑むように細められたけど、貴方の一連の動きを見る頃には元に戻っていた。
手を取られる。きっともう温かさなどだいぶ失われていたけれど、それでもまだ生者としての温度は残っているだろう。
生きている手をナイフが貫く。
「…………ッい゛、……ぁ……!」
表情が歪む。言葉にもならない音がこぼれる。
手を眺めようと顔をほんの少し俯かせれば、その際にも涙や脂汗は静かに落ちていった。それから、貴方の顔をまじまじと見つめる。
少し思っていたものと違った。もっと憎んでいるかと思っていたのだ。
苦痛の表情の下に疑問を隠しながら、男は叛逆者が下がっていくのを見送っただろう。
チャンドラ
紅い三日月が閃く。
「……ッが、ふ……ッ!」
男の体がくの字に折れ曲がる。大きく開いた傷口からは、暁とは程遠い赤色がじわじわと広がっては地面を濡らした。
その口からはまともに言葉が紡がれることなどなく。ただ浅い呼吸を繰り返すばかり。
何かの囁きにはほんの少し反応を返して。
どれだけそれを繰り返しただろうか。それでも未だ倒れることなく立ち続け、血の気が引いた顔で次の執行者を待つ。もう視界はまともに見えていない。内側まで冷え切るような寒さが、身体中を這い回る。
見守っている。見据えている。ここに存在する、その事実、その全て。
アマノ
執行人が眼前に立つ。
既に男は生命を流し続けて寒さに震え、呼吸もろくに行えず、最後にやってきた者だって暗い視界と耳鳴りのせいできちんと捉えることが出来やしない。
ああ、そのターコイズが濁る瞬間を見たかったのに。
腕を振り上げたのは見えた。得意の雷は使わないのか。それじゃあ貴方も痛いだろうに。
──大変に、愛おしい。
「ゔ、ぇッ………………」
殴られる。
「……ぁ、ぎ…………ッ!」
殴られる。殴られる。
「…………、………………っ、………………」
殴られる。殴られる。殴られる。
何度も、何度も何度も何度も何度も。
皮膚は変色し、臓器は潰れ、骨は砕け、人はただの肉塊へと変わっていく。
地に転がって、まともに動けなくなって、たしかに目の前に死が近づいていることが分かっても。男は、全てを受け入れるように抵抗しなかった。
どれくらい経ったのだろう。貴方の拳が真っ赤に汚れて暫くしてから、処刑対象は物言わぬ死体へと成り果てた。
知性の犯罪者によって行われた原始的とも言えるような執行は、恙無く終えられたことだろう。
ナフに脇腹の骨を折られ。
トラヴィスに右腕を骨になるまで削がれ。
メサから頭に強い衝撃を貰い。
ミズガネに左手を貫かれ。
チャンドラに腹部を切り裂かれ。
アマノにひたすらに拳を振るわれた。
このうち何人が心の中で苦悶の声をあげただろうか。
たまらなく可愛らしいと思う。たまらなく綺麗だと思う。
無機質を装ったその顔の下で、男は執行人たちに等しく微笑んだ。やはり自分は整えられた美しいものより、歪なものを大切にしたいと思えてしまうのだ。
日陰に追いやられたものが、どこまでも愛おしかった。
事切れるその瞬間だけ、笑い声に似た吐息をこぼした。
いつも通り、無表情で、無言のまま。その場を去って行った。
| 「うーむ、下処理が終わった感じだな……」 どこを貰おうかな、と考えながら、死体へ近づく。 (249) 2021/10/14(Thu) 1:35:24 |
| >>248 チャンドラ 「あるよー」 ひらひら〜と手を振る。 (250) 2021/10/14(Thu) 1:36:47 |
「…………。」
もはや唯の肉塊となったそれを、見下ろすひとを眺める。
大丈夫か、と声をかけようとして。そう言う事もどこか憚られる様な気がして。
結局、暫くそうしたあと。踵を返し、部屋を後にするだろう。
| >>+112 ダビー 「わあすごいな。これは中身が取り出しやすそうだ」 近くにしゃがみ込み、腹部の傷を見ての感想。 「しかし、今回は損傷が大きいな。調理に支障はないが」 この手の撲殺死体は、実は結構馴染みがある。 手に入りやすかったので。 「……そうだ、」 視線を壁際へ向ける。 (253) 2021/10/14(Thu) 2:12:11 |
| 「 アンタレス 」 「"さっきの話"は、これを見てもまだ有効か?」 多くの傷で彩られたあなたの後輩を指差す。 (254) 2021/10/14(Thu) 2:15:04 |
| >>256 アンタレス さすがに驚いた。まさか承諾するとは! それなら……。 「好きに、と言ったろ」 もっと試してみたい。一体どこまで払えるか。 笑いを噛み殺しながら、さらに問う。 「なら、何回まで? ここで私に我慢を強いるんだ、まさかたった一度きりじゃないよな?」 (257) 2021/10/14(Thu) 2:58:30 |
| >>258 アンタレス 「どうするんだ?私が、10や20と答えたら」 そこで一旦待つ。あなたの答えが来るまで。 聞いてから、 「ま、そこまで吹っかけないよ。そうだな……上限4回、でどうか。 ぱっぱと済ませられる訳じゃないからなぁ。時間がかかる分、そんなにやれないかもしれないなぁ?」 十分ふっかけているが。最初に言った数字が大きい分、飲み込みやすくなっているといいと思う。 (259) 2021/10/14(Thu) 3:38:03 |
これは処刑室の扉の横で漏れ聞こえる音を聞いていた囚人。
防音仕様だったら雰囲気だけ味わっていたことにしてほしい。
本来なら罰せられるはずのない看守の処刑が気になって、でも一部始終を見届ける勇気もなく。ただ、室内が静かになったのと出ていく人を見て終わりを知る。
「……看守様も、生き苦しいもんなんやなぁ」
処刑対象の彼が何を言っていたのかまでは聞こえなかった。
けれど『自分が見せしめとして罰を受けることこそ贖罪になる』と信じて疑わない囚人は、なんとなく居心地の悪さを感じた。
| >>260 アンタレス 何だ、もうちょっと盛ってもいけたか。などと考えながら。 「よかったなダビー君!お仲間が君の代わりになってくれるとさ」 死体には意味のない声掛けを行って、側を離れる。 今回の処刑後の死体への用事は、もうなくなってしまった。 室内へ視線を走らせて、できるだけ大きめの包丁を手に取った。 「では……今から一回目を」 横槍が入らなければ、今この場で、もう一人看守が殺されることになる。 (261) 2021/10/14(Thu) 11:03:48 |
処刑室から出る際にミンの姿を見つけ、一瞬そちらに顔を向けてからその場を後にする。
いつものように。祈りを捧げて……周囲を見た後、退室する。
処刑が終わったらしいのを確認するとその場を離れる。
アマノに会釈する。もう部屋に戻るわ、の意を込めて。
| >>263 アンタレス 遮る髪が退けられて、アンタレスの言葉がよく聞こえる。 手の中で包丁を回したあと、伸ばされた手の代わりにあなたの首元へ刃を当てる。 こちらの回答は、他の誰にでも聞くことができる。 「まさか、それが脅しになるとでも?」 見る者のいないこの先のことは、明かされることのない場所で。 (265) 2021/10/14(Thu) 14:11:07 |
ナフを真似てスティックキャンディvilをもらいに行った。
ナフの前でまともなものを出してしまって困惑している。
また血の排出率上昇タイム中なのか?俺が欲しいが?と与太時空で思ったけど本編は蘇生治療中である。
今なら俺も血を貰えるんじゃ…と思い与太時空で申請した。目玉ゼリーvilが貰えたかもしれない。
輸血パックチャレンジ出来なかったので大人しく沈んでいった。次出る時は与太ではなく本編で会おう……
シャトクッキーvilをもらってナフの鮮血コップと交換しようかと思った。
名残惜しそうにシャトクッキーを見てからナフに差し出した。これと血を交換しよか?
血を飲むんは無理やなぁ、と思った。見るのは慣れてるけど。
| イクリールは、死んでおいてよかった〜と少し思った。いや嘘かなり嫌。 (a123) 2021/10/14(Thu) 15:16:43 |
「倫理終わってんのは今更だろ。
……というか、メサって死ぬのか?死ぬ所ダントツで想像出来ねえ」
キャンディーを口の中で転がしつつ、通信に対して何か言ってる脱落者。
目を覚ます。今まで繰り返してきたような何の変哲もない、起床というありふれた動作をただこなしただけのような、そんな気軽さで。
何の変哲もない意識の覚醒とは裏腹に、見慣れない光景が視界いっぱいに広がった頭は事情を把握するのに幾らか時間を必要とした。
それでもこの視界が見覚えがあるから、最初よりかはスムーズに思考を巡らせることが出来たけど。
「…………」
蘇生装置から出る。一度目のような倦怠感は無い。それならすぐに看守の業務に戻るべきだ。
装置の縁に手をかけて、地面に足をつけて。部屋から退室しようと体に力を込め──
──かくんと、体が頽れる。
「……?」
身体機能を確認するべく意識を己の肉体に向けて、ようやく体に纏わりつく違和感に気付く。
呼吸が浅い。なんだか寒気がする。耳鳴りはしていないものの、すぐに嫌な音を思い出せる。体の末端が震えている。
揺すられながら首を絞められた記憶。血を流しながら意識を手放した記憶。眉を寄せたままの男に殴られ続けた記憶。
短い間隔で手にした幾つもの死んだ時の記憶が、本来一度きりの命が持つはずのない経験が、消えぬ痕のように脳に焼き付いていた。
どれだけ心が相手の行為を受け入れていたとしても、死ぬことに躊躇いがないよう教育されていたとしても、人の体は死にたがるように出来てなどいないのだ。
「………………」
死に至るまでの症状が体を這い回る。引き摺られるように心が、心が…………。
深呼吸を一つ。二つ。三つ。
切り替えろ、心を殺せ。
…………。
トラヴィス
「かわいそ……途中で死んどけばその間休めるんじゃね……」
物理的な解放を提案している。
発想がルヴァ( )と一緒である。
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