47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
―― 修道院 ――
[カザリの事で知っていることは少ない。
此処に着いた時から住んでいる。
自分に就く前はどうしていたのかも知らない。
知ろうとすれば知れたかもしれない。
ただ、この人生の終焉地で過去を知ってどうするというのだろうか]
それはそうね。
[...は冷たい水の滴る顔をタオルで拭う。
拭いながら肯定の言葉を漏らし、
顔をあげるとさっぱりした表情で笑みを浮かべた]
同じだとつまらないもの。
[地獄につまらないは不要だろう。
監獄に面白くないは不要だ。
終焉地にまで鬱屈した感情は不要でしかない]
だからそれはとても不快ね。
[...は手を伸ばす。
冷たい水に触れたばかりの冷たい指先でカザリの頬を軽く摘まんだ。
ぷにぷにと頬を動かしてから小首を傾げた]
そんなつまらないこと、誰かに言われたの?
そんなくだらないこと、私がすると思うの?
[笑みを浮かべたままに、然しながら瞳は笑っていなかった]
私と入るのだからカザリも入るのよ。
私はこれでもスピネルの人間なの。
[...は顔を拭いた濡れたタオルを椅子の背凭れへと放り投げた。
背筋を伸ばして頬から手を離すと今度はカザリの腰へと手を回した。
身体を抱き寄せ、今度はころころと笑った]
今日から私の専属にならない?
そうしたら此処ではなくて私に仕えることになるの。
此処からは出られないでしょうけれどね。
少なくともつまらなくはないと思うわ。
[嗚呼、と呟く]
何言ってるの……私のは分かってるから……。
[...は机の引き出しを開けて、紐を取り出した]
貴女のサイズをこれから測るわ。
[朝食を食べたらすることができたと、
今度の笑い声はそれはとても楽しそうなもので**]
── 修道院 ──
[自身が知るのは彼女の名と身分だけ。
なぜここへ送られたかなどは知らない。
知る必要も、問う必要もないと思っていた。
禁じられていたのはもちろんある。
けれどそれ以上に、水仕事以外で掌に傷を増やしたくなかった。
過ぎた興味は身を滅ぼすもの。
過去の、彼女以外の客人を世話していた時などは、それで打たれたこともあったから]
ご不快、ですか?
けれどそれが……
[一般的、普通なのだと紡ぐ前に頬がつままれた
誰かに言われなくとも当たり前。
下働きと共に、湯に入ろうとする彼女の方が珍しい。
けれどその瞳を見れば、それ以上言い募るのは危険なようで]
かしこまりました
けれど石鹸は────
香りが残っては、先輩方に叱られますので
[せめて、と瞳を伏せる。
自身の立場はこの場において、吹けば飛ぶようなもの。
必要以上に睨まれたくないと訴える間にも
距離は狭まり、腕の中へ捕らえられる形になっていた。
上機嫌そうに笑う相手。
対してこちらはきょとんと目を見開いたまま]
──それは……
なぜ、私なのです?
任せるならばもっと優れている者のほうが
何か取り柄のある者の方が良いでしょうに
[専属になればつまらなくはない。
それはたしかにそうだろう。
衣装の話もそう、この距離も。
彼女の思考は私の常識とはあまりに異なるから。
けれど、その提案に易々と頷けるかと言えば]
せっかくのお話ですが
私は、ハロウィンのお付き合いだけで
──採寸は、食後に
お食事の方は部屋に運ばせましょうか
[身元のわからない者を専属にするほど、甘いとは思えないとため息一つ。
この分だと食事は食堂ではなく、ここに運んだ方が良いだろうかと声をかけた*]
―― 修道院 ――
何故、何で、どうして。
それらは他の従者は口にしないのよ。
[...はカザリの腰に触れていた手を動かす。
背筋を撫であげていき向けられた疑問に擽ったそうに笑う]
スキルなんて後からでも身につけられるわ。
私が貴女を選ぶのは普通ではないから。
『畏まりましたお嬢様』
先に貴女が言った通りのこと。
此処にいる従者は良家の子女の世話をする見返りに
良家に飼われて生きている。
[...の指先は項へとたどり着きそこへと掌で触れる。
顔を背けることができぬように抑制し言葉を繋ぐ]
今もそうよね。
普通は専属になりたいと望むものよ。
石鹸もそうよ。
特に私に強いられたと言えば済むもの。
[...は見開いた眼を覗き込み、にんまりと笑みを浮かべた]
貴女なら私が退屈せずに済みそう。
そして此処ではそれ以上の理由なんて意味がないの。
来る日も来る日も変わらぬ日々。
食事も、生活も、何もかも。
カザリはそうは思わない?
今が不服ではない?
[...は視線を逸らさない。
逸らさぬままに身体を一度離した]
ええ、運んでくれる?
貴女の分も一緒にね。
終わったらすぐに採寸したいから。
[部屋にはスピネル家の家紋が描かれた旗が壁に飾られている。
背後の王冠を冠した獅子は今は退屈そうに欠伸をしているかのようだった**]
── 修道院 ──
[身体に触れる手が動くたびぴくりと背筋が震える。
触れる手に優しさや親しみよりも不安を感じてしまうのは
撫でられる心地よさより、打たれる痛みの方が身近にあるからだ。
だから彼女の言葉は渡りに船。
お風呂も、石鹸も、専属になることも。
本来ならば幸運だと喜ぶべきことなのに]
今に満足しているわけではありません
ただ、そうですね
飼われるということは
捨てられる可能性もありますから
[それは嫌だ、と短く付け足す。
夢に出てくる人とよく似た面差し。
楽しげに笑う瞳をじっと見つめ、挑発するような視線を送り]
私を飼うのは手間がかかるかと
もしもペットをお望みでしたら
鳥でも捕まえて参りましょうか?
[唇の端を上げ、笑みの形を作る。
彼女という人の人となりをよく知っているわけではない。
けれど、彼女と交わすやりとりだけは嫌いではなかったから。
そのまま身体が離れれば一度だけお辞儀をし]
かしこまりました
では、伝えて参りますね
[一旦その場を辞して部屋の外へ。
廊下にいた他の使用人に配膳を頼むと、自身は調理場に行き昨夜のパンの余りを貰い]
ただいま戻りました
[しばらくして再び部屋の扉をトントン。
ノックをし、許可が出れば部屋の中へ。
その頃には彼女の分の食事は運ばれていただろうか*]
―― 修道院 ――
[...は向けられた視線に笑みを深めた。
その眼差しが良いのだ。
此処に居る従者の誰もが獅子に頭を垂れるだけ。
つまらない日常を作り出すのはつまらない人が多いから。
...は視線を天井へと向けた。
若しくは、そう、若しくはだ。
スピネル家が特殊であって此処が普通なのかもしれないが。
...は視線を再びカザリへと向けた。
脳裏で考えを否定する。
他の選定候も似たようなものであった。
矢張り上に立つ者は普通ではないのだろう]
ただ飼われるのならばね。
その可能性が無いとは言えないのはそうね。
[飽きたら棄てて新しい者を飼う。
それは至極普通に行われている行為であろう。
...は目元を細め、凍てつくような微笑を浮かべた。
そう、胸がないから飽きるとか言うやつもいるのだ。
今頃は川底で魚の餌にでもなっていようか]
……鳥は要らないわ。
あれは安全な鳥籠から逃げ出すもの。
手を伸ばしても届かない高みへ行く姿。
私たちは誰もがそれを見たくはないと思うのだけれど?
[...はソファへと腰を下ろした。
部屋から出ていくのを見送ると代わりに別の従者が給仕に入った。
此処の食事は質素なものである。
パンにシチューと果実が搾られた水があるばかり。
それでも従者と違うのはパンは焼きたてのものであり、
シチューは具が多く肉が入っている。
チーズがつく日もある]
早く戻らないかしら。
[...はすぐには食事に手をつけなかった。
別段待っていたというわけではないが、
猫舌であるため冷めるのと待つ間だけである]
遅かったわね……あら、それだけ?
[...は手に持つパンを見ると小首を傾げた。
従者であっても具なしのシチュー程度は出るはずだけれど。
食糧事情が厳しいのだろうかと己のシチューをかき混ぜて**]
── 修道院 ──
[ガチャリと扉を開けば、漂ってきたのは焼き立てのパンとシチューの香り
それだけで確認しなくとも、食事が運ばれてきていることがわかる。
シチューをかき混ぜる手元へ目を遣り、自分の分のパンをポケットから取り出して]
早い者勝ちですから
お嬢様に命じられた
そう伝えれば良いのでしょうが
それは少し……
[嫌なのだ、とパンをちぎり口へ運ぶ。
そうして一口、二口と食べ進めていき]
──鳥は要らない
先程、そう仰いましたが
飛ばない鳥もおりますよ
ペットに向いているかといえば
また別、ですが
人に馴れはするそうです
[彼女の手の中にある器。
その中に浮かぶ肉を見てポツリ。
名のある家の娘が鶏を飼う。
そんな光景を思い浮かべ、くすくす笑い*]
―― 修道院 ――
[従者には従者のルールがあり、
カザリにはカザリの矜持があるようだ。
...は嘆息した]
それで私の前で固そうなパンを食べるの?
[...は自身のパンを千切る。
焼きたてとは言えそれですらシチューに浸して食べるものだ。
古いパンであれば猶更に食べにくいに違いない。
...は千切ったパンをシチューに浸す。
浸してから一口食べ、また千切って浸せば今度は其れをカザリの口元に押し付けるように差し出した]
お食べなさい。
それでは私の気分が良くないわ。
[施しではなく、己が気が良くないからと強いていき、
笑い声に澄ました表情で小首を傾げた]
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