109 毒房のその先で
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| (a1) 2021/11/24(Wed) 17:12:02 |
| 貴戸 高志は、敷かれたレールを歩く為の見えない血色の首輪を付けていた。 (a2) 2021/11/24(Wed) 17:12:12 |
| 貴戸 高志は、偽りの自由を得る為に異能を抑える黒色の首輪を付けていた。 (a3) 2021/11/24(Wed) 17:12:22 |
| 貴戸 高志は、箱庭を出てもなお、自分から首輪を嵌めようとした。好きな人の為に強くなくてはいけないと。 (a4) 2021/11/24(Wed) 17:12:34 |
| 貴戸 高志は、漸く、その首を縛ることをやめるだろう。自ら巻いた首輪は、恋人の白い刃が切り裂いてくれた。 (a5) 2021/11/24(Wed) 17:12:59 |
こんな夢を見た。
燃える廃墟を見上げている。誰かの家だったその建物から、時折何かが崩れ落ちる音を聞いた。
曇空に黒い煙が上がり、草木の焼ける臭いに混じって肉の焼ける臭いがする。
────いや、本当は肉の焼ける臭いなどしない。
そんな気がする
だけだ。
自分は、廃墟の中に人がいることを知っている。その上で、火を放ったのだから。
もうどうにもならない。
助けに行ったところで、彼らを抱えて逃げ出すことなど不可能だ。自分だって死んでしまうだろう。
何故彼らを殺そうとしているのか、わからないけれど。
こうするしか無かった、という漠然とした諦念だけは確かだった。
ポケットに入れていたスマートフォンが鳴って、ふと意識がそちらへ向く。二件のショートメッセージだった。
画面には家族の名前が表示されていた。
「……夢か」
帰る家があるなら、こんなことをする必要はない。だから、これは夢だと気付いた。
ぽつり、雨粒が頬を濡らす。
炎を宥めるように、少しずつ雨足は強くなる。
……早く帰らないと。
……いや、そうじゃない。
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