【人】 灯守り 立春[大寒さんから灯宮の鍵を引き継ぐ 立春の日が刻々と近付く中、私は 麦さんが置いてくださったつぶこしアンケートを ぬいぐるみベッドに埋もれながら見つめていた。 最初に書かれた麦さんは、つぶあん。>>3:0 この隅っこのはローザちゃんの字だ。つぶあん。>>4:34 和菓子の説明をさせていただいたとき、 処暑さんが少しの間を置いて 御手に取られたのもつぶあんだった。>>3:114 こしあん好きは居ないものだろうか、と思えば 『こしあん!』と元気な字が躍っている。 これは葵ちゃんの字だ。>>128 立秋さんは『皆違って皆いい』と、>>3:46 大雪さんも『ぜんぶおいしいです』と答えてくださった。>>185 小雪さんと冬至さんは、桜餅と大福を召し上がられて 小雪さんはこしあんを選ばれ>>3:69 対する冬至さんはつぶあんがお好きなのかな?と 思われるような発言をされていた気がする。>>4:0 雀さんも、つぶあんがお好きだと>>3:120 お話させていただいた時にうかがった。] (320) 2022/01/30(Sun) 23:49:32 |
【人】 灯守り 立春[こうして見ると圧倒的に粒あんの方が人気な気がする。 白あんや芋あんといった第三勢力が好きな方や>>3:48 そもそもあんこを召し上がられない方もいるかもしれない。 三種類のどれが特に人気、というのはなかったように思う。 春らしさが見た目から感じられる桜餅も すこし物珍しいだろう椿餅も、 黒豆の食感が楽しい定番の大福も ありがたいことにそれぞれにご好評だった。 と、あらば。 ううむ。首を捻ってしまう。 つぶかこしかを選ばれる方の多い中で 丁寧な『おまかせ』の一単語が輝いている。>>4:9 大福ならつぶあん、あんまんならこしあんと>>124 こだわりを見せられた小蝶さんのお答えは 小満さんに通じるものがあるかもしれない。 さて、どうしよう。 いい加減決めないと、 材料の調達の問題もある。 必要最低限の材料は既に押さえてあるけれど 処暑さんに打診して、念の為追加のもち米を送って頂いて…… つぶあんこしあん両方を用意するのがやっぱり一番かな? ううん、そうするとしてもなにか物足りない。] (321) 2022/01/30(Sun) 23:49:36 |
【人】 灯守り 立春[何か妙案はないだろうかと 亡き師匠の遺品の手記を紐解いていたとき、 その一文は偶然にも目に飛び込んできた。 ──これだ。 そうと決めてからは、早かった。] (322) 2022/01/30(Sun) 23:49:39 |
【人】 灯守り 立春[普段は大人数分の煮物を作るときに使うような 大きな二つのお鍋を用意して、 片方につぶあん、片方にこしあん。 それよりひと回り小さなお鍋三つに、それぞれ 白あん、芋あん、桜あん。 甘い香り漂うお鍋たちの隣に 手のひらサイズの大量のパンケーキと トッピング用の苺や栗と生クリームを添えて、 『お好きなあんを挟んでお楽しみください』スタイルの どら焼きを用意してみたのだ。 これならあんこの種類も量も個々人の好みで選べるし、 小さな子たちは特に喜んでくれるだろうし、 たくさんの人に楽しんでもらえる気がする。 それとはまた別に、師匠直伝の和菓子トリオも 気持ちつぶあんを多めに用意して。 パーティーでの反省を踏まえて抹茶や緑茶も準備して、 さて立春域に暮らす皆々様や お祭りに遊びに来てくださった皆様からの 評判はどうだっただろう。 遂に迎えたお祭り当日は 必至に考えたスピーチ文を読むところから始まり、 数々の祭事や催しを経て瞬く間に過ぎていった。] (323) 2022/01/30(Sun) 23:49:43 |
【人】 灯守り 立春[大寒さんから前日に受け取った鍵を挿し入れ、 ふたりの頼もしい蛍さんとともに 灯宮の中へと足を踏み入れる。 一年前に来た時と何も変わっていない。 厳かな空気の流れる薄暗い空間も、 揺らめきながら移ろうように色を変えてゆく灯りも。 ここは、魂の還るところ。 そして、魂の生まれ出ずるところ。 ひとつ、またひとつとカンテラへ還る灯りを見届けて 導の灯りから両手でそうっと灯りを掬い取る。 いつか見送ったあのひとは、もう 新たな生を受けて旅立ったろうか。 それともまだ、この手のひらの中に居るだろうか。] ────…… 行ってらっしゃい! [どうか幸せな一生を送れますように。 良縁に恵まれて、困難にも打ち勝てますように。 小さな祈りを込めて灯りを解き放てば、 無数の煌めく 花びら は風に流されて冬至域の方へと旅立って行った。] (324) 2022/01/30(Sun) 23:49:46 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新