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【人】 甲矢 潮音[流歌からの評価は気にするけど 他の目をまるで気にしていない自分には 流歌が誰からお似合いだと言われて 誰から花丸を貰いたいのか解らない。 僕だけじゃ嫌なの、って傲慢は思うけど 一人が伝える言葉だけでは満足できないのが 女の子という生き物なのかも知れない。 いまも毎日かわいいは伝えてるけど その内他からの評価なんてどうでも良くなるくらい 甘やかして蕩かしてあげられたなら。] (0) 2022/06/21(Tue) 14:58:25 |
【人】 甲矢 潮音[言われた通りに玄関で待っていると 現れた流歌の唇は お日さまの色に彩られていた。] かわいい 今日のために買ったの? 似合ってるよ [花の髪飾りは流歌が水着の試着中に 見繕ったものだけど あの日化粧品は買ってなかった気がする。 普段化粧っ気のない彼女。 僕に見せるために 悩みながら選んでくれたならうれしい。] (1) 2022/06/21(Tue) 14:58:48 |
【人】 甲矢 潮音[手を繋いで花火大会の会場方向へ。] ふふ、甘いものばっかり でもこんな日くらいは良いよね [子供っぽくてかわいい。 今日一番流歌らしい気がして つい微笑ってしまった。] (2) 2022/06/21(Tue) 14:59:02 |
【人】 甲矢 潮音[りんご飴とわたあめと チョコバナナとたこ焼き。 他にも良いの見かけたら買ったかも。 袋を下げて人の流れから外れ二人は路地裏へ。] しっかり捕まっててね 下駄は落とさないように [翼を出せば流歌を横抱きに抱えて ビルとビルの間を上昇していく。 羽根が風を切る音は喧騒に紛れて。] (3) 2022/06/21(Tue) 14:59:23 |
【人】 甲矢 潮音[下駄で屋上にふわりと着陸する。 バイト終わりに彷徨いて見つけた場所。] もう使われてない廃ビルらしい ここからならよく見えるかなって [職員が弁当を食べたりするのに 使われてたんだろうベンチの上に 流歌をそっと下ろして座らせた。*] (4) 2022/06/21(Tue) 15:01:02 |
【人】 甲矢 潮音[二人で見るのが夢だったとまで言われたら 特等席で見せてあげたいじゃない。 ここなら誰にも邪魔されずに 二人きりで花火を堪能出来るはず。 手が引かれて、流歌の傍に寄る。 僕のお姫様は甘えん坊さん。] え、うん 花火そろそろ上がるだろうから すこしね [ベンチの上に買ってきた袋を置いて 控えめに抱き締めた。 浴衣が汚れるのは構わないけど 折角つけてきたリップが落ちたら悪いから。] (10) 2022/06/21(Tue) 21:00:31 |
【人】 甲矢 潮音[浴衣の背中を突き破って外に出ている翼は 蝙蝠の翼に良く似ている。 白い羽根が抜け落ちたときかわりに 根っこから生え変わったものだ。 触るとほんのり、あたたかい。*] (11) 2022/06/21(Tue) 21:04:09 |
【人】 甲矢 潮音[強く抱き寄せないかわりに 優しく髪を撫でながら聞いてた。 髪型が崩れないようハーフアップの下のとこ。 翼に触れられても拒むことなく。 ……生え変わりの柔らかい頃にも 触られたなって少し懐かしさが込み上げた。] うん。これからも…… [ヒューーーーッと花火が上がる音が聞こえて 抱擁を解き体を退ける。 ちょうどベンチの正面が会場だ。] (14) 2022/06/22(Wed) 7:44:07 |
【人】 甲矢 潮音転ばないようにねっ? [その場合支えるからいいんだけど、 はしゃぐ流歌に手を引かれパラペットぎりぎりまで進む。 誰もこちらを見上げたりしないと思うけど 一応翼は引っ込めておいた。 その間にも一弾目の花がドォンと空に咲いて 流歌の輪郭を淡く照らす。 きれいだ。] (15) 2022/06/22(Wed) 7:45:52 |
【人】 甲矢 潮音[次々と打ち上げられ、暗くなった空が飾られる。 歓声は遠くに聴こえた。 飛んでもっと近づくことも出来るけれど 花火は所詮火薬だから 近づきすぎると 見えない方がいいものも見えてしまう。 だからきっとこれくらいの距離が良いんだと思う。] (16) 2022/06/22(Wed) 7:48:38 |
【人】 甲矢 潮音いつもありがとね [見上げる横顔の頬に一度だけくちづけて あとは鑑賞の邪魔をしないように大人しく 花火に彩られる流歌を見ていようかな。 夏の風に浴衣の袖を揺らされながら。*] (17) 2022/06/22(Wed) 7:52:41 |
【人】 甲矢 潮音[人は日の下を生きる癖に 闇の中にも灯りを求める。 それは気の遠くなるくらい 昔からずっと変わらない。 変化したのは技術。 空の花は華やかさを増した。 僕はいまもあのときも 人の手で作られた光に興味がなかったから きみと出逢えたのかも知れない。] (22) 2022/06/22(Wed) 22:26:13 |
【人】 甲矢 潮音[流歌はいつも一所懸命に生きてるね。 花火も食べ物も並んで堪能して 軈て空を彩るものが月と星だけになった。] うん。じゃあ帰ろっか。 [ゴミをまとめて帰路に着く。 帰ったら寂しいというのを 僕はあんまり理解出来ないかも。 だって夢の中でも一緒だから。 ……というのは流歌はまだ気づいてないのだっけ。] (23) 2022/06/22(Wed) 22:28:39 |
【人】 甲矢 潮音[家が隣の僕らはふつーの学生カップルより 長く時間を共有してもいて きちんと理解出来てないから これは何かを察した訳じゃないけど 家に入る前。] 卒業したら二人で暮らそっか [なんなら卒業前にも? 何か不都合が起きるたびに 互いの親に術をかけるのは手間だし 人でないものが人と暮らしていると どこかで無理が生じてしまうから。 二人 ともう一人かな? で生きていこうよ。*] (24) 2022/06/22(Wed) 22:30:05 |
【人】 甲矢 潮音[とけとけの顔。安心して微笑む。 いつだって彼女を幸せにしたいと願ってて 行動原理はそればっかりだから デートを嬉しげな表情で終えられてよかった。] 次はプールだね。おやすみ [玄関のドアが閉まるのを笑顔で見届けて ふぅ……、と息を吐く。 最近何だか疲れやすい、ような。 ……理由に思い当たることが無いわけじゃないけど。 気の所為だと思いたくて、頭の隅に追いやった。*] (30) 2022/06/23(Thu) 19:09:58 |
【人】 甲矢 潮音[────別の休み。 バイトで稼いだお金でチケットを買って サマーパラダイスと書かれたゲートを潜った先 大型のプール施設にやってきていた。 流れるプールとか滑り台とか 好きなんじゃないかなって。] 泳ぐの得意だっけ? [苦手でも問題ないんだけどね。 水に入る前、小脇に抱えてた浮き輪を渡した。 不思議と……、な訳はないけど 流歌のいる方向を見てくる男は誰一人いないので 流歌がシャツを着てなくても咎めたりしない。 僕も海パンだけだし。*] (31) 2022/06/23(Thu) 19:12:40 |
【人】 甲矢 潮音[うなじを晒さない 低い位置のひとつ結びなら 好きって言ったこともあるかもね。 高めの位置で結んで晒す方、は。 夢の中で伝えた時 ちっとも間に受けてくれなかったけれど 流歌が注目を集めても集めなくても 偶然たまたま男の視界に入るだけで 夜の妄想のネタにされるかも知れないだけで僕は 嫌だから かわいいや似合うとは言っても 好きと言ったりしないんだ。 ……寧ろしないよう警告したと思う。] (36) 2022/06/23(Thu) 23:46:26 |
【人】 甲矢 潮音[他の男の前で無防備すぎるのをやめて欲しい。 自分なんかって卑下して 僕の声を聞き流さないで欲しい。 僕が流歌にして貰えたらと思うのは 本当に……、それくらい。] (37) 2022/06/23(Thu) 23:47:08 |
【人】 甲矢 潮音[……そんなの僕の我儘だって解ってる。 それに今日は対策ばっちりだから。 僕が選んだセクシーな水着は勿論 髪型がどんなであっても気にしない。 この広い施設に溢れる人間たち 端から魅了して────操って。 流歌の肌がみだりに見られることはない。] (38) 2022/06/23(Thu) 23:47:51 |
【人】 甲矢 潮音へー意外 じゃ、後で競争しよ [泳ぐのは得意という人魚姫さまに 勝ったら何して貰おうかなって悪い顔見せるけど。 のんびり流される提案には素直に乗る。 浮き輪の外側に捕まってぷかぷか。] うん。……うん? うん [乗るって、落とすって、どこに? ……自分の中で繋がらなかったけど 流歌がかわいいからよしとした。] (39) 2022/06/23(Thu) 23:48:34 |
【人】 甲矢 潮音[何周も流され続けるのも良いけど 十種類くらいあるスライダーを 楽しむ時間だってあるよ。 波に逆らって泳ぐのもきっと楽しい。 ────中央の深いプールの飛び込み台。 一番高い所から飛び降りたら 記念品が貰えるんだって。 今日の思い出に良いかな?] チャレンジしてくるから見てて [一周目を流され終えた頃かな。 流歌から離れて挑戦者の列に並ぶ。 ビビって引き返すひとを尻目に 飛べるんだから降りるくらい簡単簡単。 ……なんて、思っていたんだけど。] (40) 2022/06/23(Thu) 23:50:24 |
【人】 甲矢 潮音[もう少しで自分の番、という所で 視界がぐらついて、意識が遠ざかり ぱたって、倒れた。 ちょうど目の前にいた施設のスタッフが 運ぶよう指示を出してるのが すごーく遠くの出来事のように聴こえて。 実に手際よく運ばれていく。] (42) 2022/06/23(Thu) 23:53:40 |
【人】 甲矢 潮音[運ばれた先は怪我人や 気分が悪くなったひとを応急手当する救護室。 同伴者と言えば通してもらえるだろう。 ベッドには10歳くらいの……、 子供の姿になった僕が横になっていた。*] (43) 2022/06/23(Thu) 23:54:03 |
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