113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】
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「──ペトルーシャ。
"打ち捨てられた灯台の裏、鼠どもの通り道"。
お望みのものが二つ、そこにあるだろうさ…」
その後に死霊術師の姿を認めれば、もう一つだけ。
気怠げに、簡潔に、確かな"取引"の履行を告げた。
「契約は満了だ。
また何処ぞへ失せない内に回収する事だな…」
「……アンゼリカ嬢、元気ですか?
先生は幻聴として生きていますよ」
「すみませんね、授業もできなくて。このクソッタレな首輪がついていると首をカッ切りたくなるほどイライラしてしまっていつもの顔でいられないんですよ。今なら反乱軍だろうが政府だろうが全部ぶち壊せる気持ちです、こんなふうになってはいけませんよ」
比較的近くから聞こえてきた。
忙しそうだがここに出てこれる体調にはなったのだろう。
ローブで目立ちませんが、他の者と同じように首輪をつけています。
差し出されたレモネード。そしてスプーン。
グローブをつけた指で器用にスプーンを回し、
一瞬その匙はあなた達の視界から消える。
すると男は、エアハートの顔面にスプーン投げつけ、
コップ倒し、中身を全てぶちまけてテーブルを汚した。
「手が滑りました。すみませんね、エアハート」
布巾を汚れるのがわかっていたかのように取り出せば
テーブルには勝手に動く布と吸い込まれていく液体。
ついでに先程よりもはっきりした男の声が響いていただろう。
エアハート
「…………」
差し出されたレモネード。
それを持つ相手を見て物凄く複雑そうな表情をしたのは、
なんか不意に今日見た夢の事を思い出したからだ。
もはや高熱を出した時に見る悪夢みたいな光景だった。
「……お前、…いや、やらかしたんだろうな。
まあいい、話しておきたい事がある。
今じゃなくていい、後で少し顔を貸せ」
目の前の男目掛けて飛んできたスプーンと、
大惨事になるテーブルと、聞き覚えのある声。
それはまあ、やはり何とも言えない顔にもなるわけで。
流石にレモネードに罪は無い、ので、受け取っておいた。
基本的に、他人の作った飲食物は受け取らない。
ただ、金銭を支払った上で提供されるものは別。
そして、相棒とも呼ぶべき者の作ったものもまた例外。
それだけのことだ。
フランドル
「あたくしじゃなくてエアハートとお話したいんですか、フランドルはいけずですね。
一緒に悪夢を見た仲だというのに
」
一緒に話したいとも告げていないのに突然の悪態。見えないが。
スルーもできるがあなたは多少
思い当たることはあっておかしくはないだろう。
「痛そうですねえ、御愁傷様。
いいええ、あたくしの嫌いな食べ物は食べられないものです。
味がなくても何でも食べられます。
好き嫌いはしないようにと教えられてきましたから。
手が滑っただけだと言いましたよね、勘違いなさらないでください」
目の前の出来事に、唖然としていました。
怒鳴り合いにならない限りは、許容できるものですけれど。
なんだか、御布令が出る前の日を思い出してしまったのでした。
ノアベルト
「は?
いやいけずも何も無いだろう
俺からあんたに話す事は特に無いし…」
あの時また会いに来ると言ったのはそっちだし、
そもそもあの悪夢にはこいつも居たが…みたいな顔をしている。
心当たりは、あるため。
「そもそもあの悪夢にはこいつも居たが……
」
言った。
| (a6) 2021/12/16(Thu) 0:50:54 |
エアハート
「非があるんだろう実際に。
レモネードに罪は無い、お前に罪がある」
当然の如く抗議はにべもなく、ばっさりと。
普通のレモネード以外の何だと思ってると思ったんだ。
そんな気持ちはまあ置いておいた。
「……いや、ちゃんと清算しろよ。
飲み終わるまでは待ってやるから…」
言外に雑に片付けるなと言っている。
助け舟は期待できそうにないですね。
| >>+16 アイシャ ふと、階段の最中で立ち止まる。 「アイシャ。造花で構わん。 クモマグサの花を2輪頼む。朝か、遅くとも昼までに」 ポケットから取り出した銀貨を数枚、放った。 (16) 2021/12/16(Thu) 1:01:29 |
| スカリオーネは、何言ってんだこいつら……みたいな顔で去っていった。 (a9) 2021/12/16(Thu) 1:02:21 |
「謝ったでしょうが、頭おかしくなりましたか?
お話したくないのがわかりませんか、き」
「き、……嫌いになるほど
あなたのことは好いていませんよ!
私が好きなのは、」
しばし沈黙、立ち上がる音。周りの視線。
「姿を消してるのにこんなに目立たせることありますか?
戯言はやめてください、この話は以上です」
フランドル
「ああブレませんねぇ……。
あなたの心には鉛が何かが入っているんですか?
よくわかりました、
……趣味が悪い……
」
スカリオーネに挨拶をし損ねるところだった、ご機嫌よう。
| (a10) 2021/12/16(Thu) 1:07:08 |
きっと視界の外からの、『怪盗』への感謝の言葉。
灯屋の声に一度そちらへ視線を遣って。
役を終えた元役者は、何も言う事はなかった。
が、自分個人に勧められたなら…
チキン……まだいっぱい……これ、チキン?
鳥なら……チキン?そうかな…そうかも…
レイ
「……そう」
あなたの言葉を聞けば、ただ、その一言だけ。
彼の墓所には、彼女の縁者の墓もあった。
墓があった、とは言えど骨も肉も納められていない形だけのもの。
「……なら、いいわ。墓所に行きたいわけでもない。
どうせ、あの墓の中には何もなかったのだから……
まあ、他の死者にとっては堪ったものじゃないでしょうけど。
生者には、そんな声なんて聞こえてないのでしょう……
間違っても、それと同じにはなりたくないのだから……」
ノアベルト
「生憎と俺は不器用な生き方しかできないらしい。
或いは、ブレるほどに
他に目を向けるような余裕も無いだけか」
曲がらないのか、曲げられないのかは定かではなく。
趣味が悪い、という言葉にはほんの少し眉を顰めて。
けれど特にそれ以上突っ掛かるような事はしなかった。
この世は趣味の良い人間の方がずっと少ない。
フランドル
「……ええ、助かったわ。『怪盗』さん」
あなたからの、確かな履行の言葉を聞けば、踵を返す。
「……それじゃ、こちらから掲示したものは、いつでも」
そのまま酒場を後にすれば、死霊術師は相棒を迎えに行くのだろう。
撫で……な、撫でられるのは嫌いではないですが、その分エドゥアルトを撫でてあげてください
修羅場ってたいへんだなあとおもいました。せんせ元気そうでよかった。
レイ
「そうか……
」
力強い肯定を受けたので、これはチキンらしい。
とにもかくにも、チキンはチキンらしい。
路地裏育ちには細かい品種による肉の違いがわからぬ。
つまり結局これは鳥だからチキンなのだ。
「……まあ、何人かは尋問を受けたわけだからな。
口答えしてやったら随分手厚く饗されたよ」
何気ない疑問には、誰に言うでもない呟きだけを零して。
まだ温かいレモネードの嵩をちびちびと減らしながら、
のろのろとチキンだのシチューだのつつく。
ご機嫌な夕食だ…喉さえ痛めていなければ。
踵を返す死霊術師の背を見送った。有意義な取引である事を願う。
「消毒ついでに酒でも飲んでろだとか
そういう事を言われなくて正直ほっとした。
自分で自分を痛め付ける趣味は無いんだ俺は」
役者は廃業で正解だ。
きっとこのご時世では三文芝居は流行りもしない。
生きていれば、喜劇も悲劇も勝手に舞い込んで来るのだから。
「一度尋問を受けてしまえばもう尋問に怯える必要は無い。
気楽なもんだな…下手な事さえしなければ。」
かつん、首元の枷を爪の先で叩く音。
元役者は、それが何であるかをよく知っている。
レイ様
「出てきたからには、ちゃんとしてないといけないのです。…こうやって、心配をかけてしまうのも、よくないのですよ……
ラベンダー…なら、持ち合わせがあるのです。1本だけで、ちょっと申し訳ないのですよ」
香りが、と繰り返して 少し何やら考えた後。
綺麗な形が保たれたままのお花を手渡しすることでしょう。
代金を受け取り、それを報酬袋にゆっくりしまいました。
「エデュアルト様、お手柄なのです?大きい鳥さんなんて、きっと大変だったに違いないのです……感謝して、頂くのですよ。
実は、ちょっとお腹空いてたのです。レイ様、お声掛けしてくれてありがとうなのですよ」
妖精は、ほろほろと煮込まれた鳥の肉を口に運びます。
普段食べているチキンとは何だか違う味。でも、その温かさが身体にしみて。
ほっとしたような気持ちになるのでした。
段々、普段の様子を取り戻しているようです。それは、傍目で見ていてもわかる事でしょう。
レイ
「嫌がるからか、単に煩かったのか。
あの手合いのことだ、両方かもしれないな。
…どうせ大人しくしていても温情なんか掛けられないんだ
なら、暴れてやった方が気分が良い」
それで負う痛手と見合うかは諸説あるものの。
結局は大人しく痛め付けられるという事が
どうにも我慢ならない人種なのだ、これは。
大人しくしていれば、と期待ができないだけかもしれないが。
「…………」
それから、ころり。
目の前に転がった飴を見て、少し考える。
他人は、信用できない。
けれど、ある程度腹の底を見せ合った相手なら?
未だ距離感は一定を保ち、けれど他人とも言い難い。
これは、互いの目的や意図に対する信用とそう変わらないのではないか。
…ほんの少し考えたのち、飴は受け取る事にした。
いたいにゃん…(
#'-') 不満が空気に滲んでいる……。
己の周囲の人々に必要なものは、黄金の欠片ではない、と思っている。
一皿のシチューと、なんでもない今日の話を、そこにいる彼らに望んだだけ。
| スカリオーネは、早朝に起き、いつもの席に陣取り、花が来るのを待つ。 (a20) 2021/12/16(Thu) 12:38:00 |
| (a23) 2021/12/16(Thu) 15:42:48 |
ただ貸し借りを帳消しにしただけだ。そしてこれからも同じこと。
それを知ったのなら、己の状態の如何にかかわらず、することは決まっていた。それに、
為そうと決意したことがあった。その為の行動を、起こすのは遠くない。
| 街を歩く。幾人ものごろつきが姿を見るなり逃げ出し、 そうでない者達は御布令を見たのかそそくさと視線を外す。 口さがない者はその場で「やっぱりね」だとか 「前から不気味だった」だとか、 そんな風に言葉を交わして。 それらの一切に興味がない、と いつもと変わらぬ顔でもって街を歩く。堂々と。 男は、自らにつく 尾行を嫌う 。どうせ後で露見するから。 それでいて、 同行に関してはまるで頓着していない 。 どこで何をするのに際しても、この男は平等だ。 邪魔にならない者を突き飛ばすような趣味はなかった。 あとは、もし決して気取られない尾行が出来るのなら、 それに関しては、容認しているだろう。 そうして街を、歩く。街を、抜けていく―― (25) 2021/12/16(Thu) 18:26:36 |
| スカリオーネは、街を抜け、丘へと向かう。海を見下ろす、あの丘の上へ。 (a24) 2021/12/16(Thu) 18:30:12 |
夜のこと。
首を傾げる姿に頭をかいてため息をつく。
本当に何を言い出すんだ。脈絡もない。
旦那とはスカリオーネのことだろうか、目立つ年上の取引相手は彼になる。はて、突然好意の比較対象にされる覚えがない。
「スカリオーネの旦那のことなら、
好きだの嫌いだの言える人ではありません。
どっち言っても妙じゃないですか……強いて言えば、…………
?
」
何も浮かばなかったとは言わないが何も正しい言葉がでない。
本人がいない場だから助かったが、この心に思い浮かんだサウダージをなんとも説明ができないのだ。
顔が見えないのをいいことに、眉をしばらく顰めながら。
くるりと指で帽子を回してから席を立つ。
「ああ言えばこう言う……わかりましたよ。
飲みたくなくて手が滑ったんです。
やかましくしてすみませんでした」
「あたくし、嫌いな人間は相応に気にかけているんです。
好きでないのに嫌えますか。無関心ですよ、嫌な奴は。
気遣いは受け取りましたので、大丈夫です。それでは」
言葉を流れるように吐き出し鈴の音を鳴らし。
銅貨1枚をエアハートの手元へと投げて。
そのまま、軽く挨拶をしながら男は階段を登っていっただろう。
| >>@1 フェリックス 丘の上の墓所。海を見下ろす、無数の墓石。 一体幾人が、寿命以外で納められているのやら。 そして幾つの死体が、今地上を歩いているのやら。 「……潮風を堂々と浴びる詩人がいるとはな。 喉にも楽器にも悪いと思うが」 まして煌びやかな場所でもなく、寂れた墓場。 こんな所で死体に聞き込みか、とでも言いたげに、 巨漢の男が姿を見せた。 (27) 2021/12/16(Thu) 19:25:57 |
| >>@2「結果魔女に沈められる船も多かったと聞くがな。 ……そもそも詩人と情報屋のどっちが本業なんだ、お前は」 胡散臭い男はあの都市に少なくないが、 政治の場に根深く食い込む詩人は目の前の男くらいなもの。 こういう時に限ってこういうのと遭う辺り、 御布令の辺りから運は向いていないらしい。 「……何もないから来ている。 ヨルムガンドは喧騒が過ぎる」 上等な靴で墓場の湿った土を踏んでいく。 いずれの墓石の前に留まることもなく、 崖際まで歩いていくだろう。 (28) 2021/12/16(Thu) 19:42:20 |
| >>@3 フェリックス 「…………」 多くの場合と同じように、沈黙は肯定でもある。 ただし、あなたと男では履いている靴が違う。 潮風が撫でつけた髪を僅かに解き、揺れさせて。 もうあと2歩、いや1歩。踏み出せば落ちる。 そんな場所に立ち止まり、 風にはためくコートのポケットに手を突っ込んだ。 「生憎変わりはない。変わらせるつもりも、ない」 抜かれた手には二輪のクモマグサ。 造花のそれは、男の言葉と同じように変わる事なく。 逆風を切り裂くように、海へと放り投げた。 「……それで、お前は何をしていた。 祭り騒ぎの元凶が届くのでも眺めていたのか」 遠くをゆく船を見る事も、詩人に振り返る事もなく。 (29) 2021/12/16(Thu) 20:30:21 |
ミズチに、自分たちが掃除をするのだからそれ以上ゴミを増やさないようにといい含めた。
レイ
そちら
「……あなたには"灯屋"のほうが天職だったのかもね」
少なくとも、先代と比べてしまえば苛烈さはないのだから。
生者のために働いているほうが、よっぽど向いているのではと。
穏やかに死者を眠らせるには、この都市は絢爛が過ぎる。
それから死者を守るには、あなたはいささか人が良すぎる。
……いつからなんて憶えてはいない。
あなたに感じていたものは、ずっとそんなものから変わらなかった。
……決して、それが嫌いなわけではないのだけれど。
死霊術師は、小さく何かを想うように目を瞑り、開いて。
「……それじゃあ、迎えに行ってくるわ。私の、大切な相棒を」
あなたにもそう伝え、踵を返して酒場を後にするのだった。
| >>@4 フェリックス 「仮に俺が死んでも、この仕事は誰かが引き継げる。 無論、空中分解する可能性もあるがそれはそれだ。 どちらにせよ、この街は変わらない」 個人の話が、いつのまにか街の話へと。 そうしてまた、ポケットに手を突っ込む。 「……〈脳刺し〉が行った蟹狩りの船は そろそろ帰港ではなかったか。 それとも既に着いていたか。 悪いが昨夜は忙しかったんでな」 元凶は元凶でも、一般的な賑わいの方。 国ぐるみの喧騒なら、あなたの方が詳しいはずだ。 肩を竦めて、水平線を見る。 崖下を覗き込んでも、もうそこに花は見えないだろう。 花と同じように、何か、手に対してずっと小さなものを ひとつ、ふたつ……海に向かって放った。 手を軽く払い、振り返る。 葉巻を一本咥えて、火をつけようとして、 その背に向けて吹いた咎めるような強い潮風に―― ふ、と。いびつにわらって、葉巻をしまいこんだ。 (34) 2021/12/17(Fri) 0:02:35 |
| (a35) 2021/12/17(Fri) 2:33:54 |
| (a36) 2021/12/17(Fri) 2:35:46 |
| (a37) 2021/12/17(Fri) 2:36:12 |
| (a38) 2021/12/17(Fri) 2:36:46 |
彼の発言を聞いて、後回しにする要素が見当たらなかった。そこで止められたらそれはそうなる。
悪い可能性をほとんど口にしない。可能性を断ち切るように、目指すものを言う。
ミズチもあの時、同じくしてローダンセの花を手にしたのだ。
なんとなくカウンターの花瓶に、スミレの花を挿しました。
そういえば、羽のない今なら 気兼ねなくお風呂に入れるのでは?
でも傷が痛むかもしれないのです。
アイシャはちょっと悩んでいます。
煙の魔女と取引をした。ついでに、己が探されていたことも聞いた。
| (a47) 2021/12/18(Sat) 13:55:57 |
| スカリオーネは、しかしそんな望みは贅沢が過ぎるとも思っている。 (a48) 2021/12/18(Sat) 13:56:21 |
| (a49) 2021/12/18(Sat) 13:57:26 |
| 「…………」
もう、幾らかの時間が経てば。 ここ数日そうされてきたように、 衛兵がやってきて男を連れていくのだろう。
その時間までは、せいぜいいつも通りに。 酒場の中の、窓際の。いつもの席で、過ごしている。 (40) 2021/12/18(Sat) 13:59:52 |
| >>@5 フェリックス 「…………」 また、肯定。 丘を下り、街へと足を向ける。 船の帰還報告に、ならまた騒がしくなるな、と 出かけて行った者達の顔ぶれを思い出しながら。 消えた風に何を思うか、語り口の違う詩人に視線をやって。 「誰だって、夜には静かに寝るべきだ」 墓場の土を踏みしめて、ひとつめの答え。 それから、すれ違っていく頃に、もうひとつ。 「人の域なんてものは、俺にはわからん。興味もない。 それに、お前の言い草だけでは判断は出来ん。 ……人だろうが、獣だろうが、ヒバリだろうが、 蘇り、他者の安寧を奪うなら、俺が出向いて再殺する。 俺が殺すのは、屍人であって、死者ではない。が、」 「自分を死者と思っているような奴は、 『死にぞこない』は、いずれ……もう一度死ぬだろうな」 それで、男は丘を後にした。 騒がしい街へ、帰っていく。 その背は人混みに混じるほど小さくはなかったが、 今日は幾分早く、街に呑み込まれて消えた。 (41) 2021/12/18(Sat) 17:10:17 |
「……このままいなくなるのなら、私も仕事がしやすくなるかしら」
大人しくその時を待っている姿を見て、何気なしに呟く。
「……いえ、やることは変わらないか。私も、誰も、彼も」
| スカリオーネは、居なくなっても仕事は止まらないよう部隊に通達済みだ。 (a51) 2021/12/18(Sat) 17:29:37 |
フェリックスに舌打ちをしてその背を見送る。「そんなことわかっているんですよ、だから信じられないんです」
それでも、貴方は私のひかりです。そう信じています。
| (a60) 2021/12/18(Sat) 20:51:31 |
「…………」
役者騙りの騎士は、誰かと二人連れ立って。
暫くの間、何処かへ姿を消した後。
夜には酒場へ戻って来て、適当な席で茫としていた。
何処かへ消えていた武器は二つ、再び在るべき場所へ。
がり、ごり。
甘いものは、好きな方であるはずなのに。
乳白色の飴に歯を立てても、今は何も満たされない。
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