人狼物語 三日月国


68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】

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 ベッド、ドレッサー、クローゼット。
 小さなカーペットが敷かれた、板張りの床。
 他にも多少の調度品はあるだろう。

 そんなごく一般的な、とある少女の客室。

 ベッドの上、乾いて一部が茶色く変色した、赤い海。
 揺蕩うように、静かに横たわったふたりに朝は来ない。

 少女の名前は、ニア。
 高く二つに結わえられていた黒髪は下ろされ、
 はらりとベッドに広がっている。
 華奢な肩を晒す白いシャツと、
 素足にキュロットだけを身につけた無防備な姿。

 青年の名前は、シトゥラ。
 括られていた長髪は解かれ、毛先を赤に浸している。
 帽子も上着も取り払い、
 シャツとズボンを纏った、いくらか身軽な姿。

(→)



 少女の細い首に残る扼痕。
 青年の胸に深々と突き立ったナイフ。

 ふたりの首には『シータの痕』がふたつ。
 生きている誰もが知る由もない、
 とあるテストに関連した死者へ与えられる印。
 それを模して刃物で刻み込まれた、もうひとつの瘢痕。
 
 ふたりの手は絡めあうように握られている。
 青年の薬指に残された噛み痕が、苛烈な恋を咲かせている。


 何よりも雄弁な少女の瞳は、閉じられたまま。
 滑らかに言葉を紡ぐ青年の口は、閉ざされたまま。

 最期に映したものは、音にしたものは何だったのか。
 死人に口無し――語る者はもう、ここにはなく。

 少女の持つ、壊れた弓が直ることは無かった。

部屋の中に、ふたりの人影がある。
赤い血の海に浮かぶ手は繋がれていて、その双方の頸には事件の象徴が刻まれていた。

海の底のような、静かな部屋の中には音がない。
冷たい月明かりだけが、そこで起きたことを見ていた。

ふたりを繋いだ証はそこになく、ただ青年の指に残る痕だけがそこにあった熱を覚えている。→


青年が辿った肌は温度を失い。
少女が噛んだ指は力を失い。
ふたりの閉じた瞳は光を失い。

果たされなかった未来は約束を失った。



沈黙は秘密を隠す手段になり得ない。
ここにあったすべてが、誰かの絆を語っている。

叶うはずのなかった想いは、
繋がれるはずのなかった糸は、
やがて喪失を得てはじめて、

──ひとつの恋になった。
 

【人】 反抗期 カウス

「いるよ。……昨日の事件についての
 報告がまだだったね。
 集まる前だけど、先に伝えてもいいかな」
(5) 2021/04/22(Thu) 22:41:35

【人】 反抗期 カウス

ヌンキに促されれば>>10、少年は頷く。

「まずひとつ。
 アンタレスが死んだ。
 細い刃物みたいなので刺されてた」

身内の死だと言うのに、平然と告げる。

「ふたつめ。
 アンタレスの首には、“シータ”の形をした痕が
 浮き上がってた。

 
多分アンタレスを殺したやつも、
今までと同じくシータの痕事件に関与している


その言葉は、この場にいた全員に告げられる。
(11) 2021/04/22(Thu) 22:50:43

【人】 反抗期 カウス

報告義務を終えた少年は、
立ち尽くすハマル>>a7に気づく。

「元気ないね、今日は」
(17) 2021/04/22(Thu) 23:02:22

【人】 反抗期 カウス

>>22 >>24 ハマル
「シトゥラの……声?」

少年が首を傾げた頃、
メレフが死体の発見を告げただろうか。

「……あ、バカ──」

少年は、慌てた様子であなたを追いかける。
(25) 2021/04/22(Thu) 23:13:41
メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

カウスは、悪趣味だ、とメサの言葉を思い出した。
(a13) 2021/04/23(Fri) 0:21:01

自分が酷い人間であると分かっていた。

自分の選択を後悔していなかった。

己の捨てた物の重さを知っていた。

カウスは、ハマルの様子を気にしている。
(a17) 2021/04/23(Fri) 1:01:32

ハマルに声を届ける術がない。

ハマルとの時間が好きだった。

竪琴の音が好きだった。

囁く。「さようなら、……カウス」

ハマルの頭を撫でたかった。けれど、その権利は自らが捨てた。

>>=4が聞こえている。

ずっとハマルの声を聴いてきた。

聴くことしか出来ない。

その気持ちに返せる言葉を持たない。

反抗期 カウスは、メモを貼った。
(a22) 2021/04/23(Fri) 9:31:06

【ソロール】

 微睡むように、周囲の声を聞いていた。

 いくらかの言葉を返したような気もするし、
 いつもみたいに口を噤んでいただけのようでもある。

 少女の瞼は閉じたまま。
 穏やかに、眠るように――
 ……きっと、手を繋ぐ彼の夢を見ていた。

(→)


 ――これは、少女の恋が花開くまでの過程。その一端。
 この夢を覗く不躾なあなたへ、
 ほんの少しだけお披露目しましょう。

 ❀

 初め、少女はかの青年のことが嫌いでした。
 あれも嫌これも嫌、嫌いなものばかりの少女ですが――
 その中でもいっとう、優しい人が嫌いなのです。
 ぽつんと座る、不機嫌な女の子をわざわざ気にかけるような
 優しい人のことが、世界でいちばん嫌いなのです。

 だから、突き放してそれでおしまい。そのつもりでした。
 けれど、そうはならなかった。

 青年が踏み込んだのではありません。
 少女が歩み寄ったのでもありません。

 青年の持つ技術が少女には好都合だった――
 ――ただ、それだけのはじまりです。
 少女は、壊れた弓を持っていた。
 少しばかり薄暗い経緯で手に入れた武器を。


 その日のうちに、青年は約束を守りました。
 弓の修理を請け負った彼は、少女の部屋へ訪れたのです。

(→)


 そこで、ふたりはいくらかの話をしました。
 青年の手は幾度も、少女の頭を撫でました。
 少女がそれを拒まなかったのは、彼がこう言ったからです。

 ――僕、寂しがり屋なんで。人に構うのが趣味なんですよ。
 それだけ。優しさなんかじゃない、これは打算です。


 優しさを厭いながら、焦がれる少女に――
 ……いいえ。優しさに焦がれるあまり厭うことしかできない、
 不器用で意地っ張りな、途方もない寂しがりに。
 その言葉はひどく甘く響きました。

 ❀

 少女は幾人かについたのと同じ嘘を吐きました。
 行方不明になった兄さんの代わりに、ここへ来た。
 犯人に復讐したい。そんなしらじらしい大嘘を。

 ――ああ、でも。
 誰かに言った『事件に関する情報を集めている』。
 これはまるっきり嘘というわけでもありません。
 少女はたしかに集めていました。
 探していました。無意識のうち、求めていました。
 とっても悪い子な自分を見つけてくれる、誰かのことを。
 あの男への痕だって、だから刻んだのです。

 ……話が逸れましたね。
 とにかくその日はそれでおしまいでした。 (→)


 それから、いくらかの時が経って。
 青年は弓の修理のため、ふたたび少女のもとへ訪れました。

 少女がこの部屋で直してくれと頼んだからです。
 目の届かないところへやりたくないと。
 盗品なのだから、当然のことです。
 ――しかし、結局。弓が直されることはありませんでした。

 ❀

 青年は知っていました。少女がとっても悪い――
 『殺したいから殺す』と嘯いてあっさり人の命を奪うような、
 とってもとっても悪い子であることを。

 青年は知りませんでした。
 少女が明るく真っ直ぐなとある冒険者を殺したことを。
 青年と親しかった、ひとりの女性の命を散らしたのが、
 他ならぬ目の前の少女であることを。

 それを少女の口から聞かされた青年は――――。

 ❀

 ……これより先は、ふたりだけの秘密です。
 少女の口から語られることはないでしょう。

 ただ、ひとつ言うのなら。
 少女はようやく出会えたのです。
 餓え焦がれていたものを、手に入れたのです。 (→)


 少女は恋をしています。
 自分を見つけてくれた、愛してくれる――

 シトゥラという青年、ただひとりに。

 ――王子様というには、随分と悪どいひとだけれど。
 悪い子のニアには、お似合いの相手かもしれませんね。

(→)


 夢の続きはもうしばし――

 少女の瞼が持ち上がって薄紫がふたたび露わになり。
 かの青年の唇がまた言葉を紡ぎはじめるその時まで、お預け。

 ……きっと、そう遠いうちではないだろう。

【ソロール:梔子の夢 完】

 少女はパチリと瞼を開く。
 薄紫が光を宿す。

 ――そこは街外れの深い森。
 鬱蒼と茂った木々の中、伸びる道の途中に立っていた。

 目を瞬かせ、首を傾げる。
 高く二つに結った黒髪がさらりと揺れて頬を掠める。
 ぱちりと瞬きをして、視線を下ろす。
 ――外したはずの上着も、タイツも、
 首元のリボンもきちんと身につけられている。
 少女はこれまで通りの姿でそこにある。

 ただひとつ、違うのは。白いブラウスの襟から覗く、
 細い首に刻まれたシータの痕――の、紛い物。

 少女は顔を上げ、道の続く正面を、
 霧に包まれた背後を、…………誰の姿もない、傍らを見て。

 あてどなく、歩みはじめた。

「――――しとぅら、」

 

歩き出した。

恋をしている。

【人】 反抗期 カウス

「なに? 呼んだ?」

自分を探すキューの姿>>a48に足を止める。
少年は今日も、いつもと変わらない。
平然としていた。
(105) 2021/04/23(Fri) 19:48:03

【人】 反抗期 カウス

>>107 キュー
「昨日? さあ、何のこと?」

きっと想像された通り、
少年は平然ととぼけて見せる。
しかしその瞳だけは、またあなたを
見定めるように静かに澄んだ。

「何もしてないよ、俺は」

少年は、平然と嘘をつくことが出来る。
(110) 2021/04/23(Fri) 20:08:04
カウスは、物凄い反射神経でキューの抱擁を避けた。
(a53) 2021/04/23(Fri) 20:12:44

【人】 反抗期 カウス

>>111 キュー
「……『もうひとり』?」

少年はあなたを見ている。
今日も、値踏みの視線で。

「いいよ。行こうか」

もしかしたら仲間がいるのかもしれないとすら
考えることが出来る言葉だ。
しかし少年は、躊躇の様子もなく頷いた。

断る理由は、見当たらない。

/*
移動、了解したわ。お任せするわね。
(113) 2021/04/23(Fri) 21:20:54


 真っ直ぐ前を見て歩いていた少女は、進む先から声をかけられ。
 、、、、、、、、、、、、
 それでようやく気がついた、という顔をして、
 その人物の姿を目に映す。
 かつてその手で命を摘み取った、一番槍だった彼女を。

「ごきげんよう。
 ――ねえ、あのひとがどこにいるのか、知らない?」

 顔色ひとつ変わらない、淡々とした問い。
 『あのひと』が誰を示すのか、考えなくたって分かるはずだ。



「そうかしら」

 ぱち、と瞬いて首を傾げた。さらり、揺れる髪。

「――そう、探してるのよ。
 知らないのなら……もういいかしら。
 わたし、あんたに構ってる暇、ないの」

【人】 反抗期 カウス

>>118 >>119 キューの拠点
「……
また散らかってるよ……


少年は、少し呆れた様子だった。
先日訪れた時と何ら変わらないように見える。
例え多少変わっていたとしても、
ここまでモノが溢れていると気付くこともない。

「今日はいいんだ。ふうん」

以前は
きていい
と言われた。
それを素直に受け入れた少年ではなかったが、
確かにその部屋に入りはしなかった。

少年は、誘われるままその部屋へと足を踏み入れる。

(120) 2021/04/23(Fri) 22:28:42

【人】 反抗期 カウス

>>118 >>119 キューの拠点

その扉の先は、真っ黒だった。


「………」

それを見ても少年は動きを止めない。
例えどんなに異質であろうと、
そんなことは足を止める理由になり得ない。

「──えーと。座ればいいわけ。
やっぱアンタめんどくさい


促されるまま、座ろうと試す。
なるほど、道理で何の物音もしないわけだ。
少年は場違いに、納得をしていた。
(122) 2021/04/23(Fri) 22:33:49


「……見つかるかしら」

 手を引く。これは目の前の女性だからではない。
 ただ、この手に触れていいのはたったひとり、それだけのこと。
 けれど、その動きは緩慢で。
 捉えようと思えば、簡単にその手を掴むことが出来るだろう。

 今の彼女は、夢から覚めたばかり。
 『仮想世界』のことも『テスト』のことも、
 それから自身への『課題』も未だ認識できてはいない。
 ……ついでに言うのなら、少女の餓えは未だ満たされず。
 これまでよりもいっそう強く、その心を蝕んでいる。
まるで、バグのよう。



 強く握られた痛みに、わずかに顔を顰めて。
 引かれるままに、駆けていく。

「……? どこに、行くの?

 ――ええ、やっと……やっと、見つけたの。
 …………見つけて、もらった……――、?

 
アピール
、って、なんのこと……?」

 きっと息を切らしながら。手を引く彼女はきっと、今度は――
 少女の歩調を気にしてくれはしないだろうから。



「ああ……これ、そうね、そうだったかしら」

 掴まれたのとは反対側の手でそっと首元に触れ、
 歪に抉れた痕を指先でなぞる。

「でも、これだけは特別。あのね、」

 ――お揃いなの。
 ひそやかに、淡い想いを打ち明けるように。
 まるでふつうの女の子みたいに、少女は微笑んだ。

 今の少女の興味の対象は、ただひとり。
 それ以外は眼中に無い。少女
のデータ
はそういうふうに壊れた。

遠くなる意識の前、竪琴の音を聴いた気がする。
青年は結局返事が出来なかったことを思い出した。

「はァ。上手くいかないもんですねェ」

手を握って、開いて。
掌が覚えている感触を辿る。

(ああ、そうかァ。僕はニアを殺したんだった。
──で、胸をナイフで一突き。)

あの現場はどう、映っただろう。
あれを見た、遺してきた人間はどう思っただろう。
青年にはもう知る術はないけれど。⇒



「     」

青年は誰かを呼んだ。

「──僕は、欲しかったんですよ。あの子の、全部が。
僕が、一番になりたかった。
僕が、守りたかった。でも出来なかった。

ふたりで一緒に居るには、あまりに僕たちは歪だった。
ずっとふたりで一緒に居ることなんて、出来なかった。
気付いたら、手遅れだったんですよ」

誰に言うでもなく、空間に落ちる声。

「僕の選択は、間違っているんでしょうね。
そんなこと、誰より知ってますよ。
でも、僕は“そうしたかった”」

──青年は、笑って。
自身の薬指の痕に口付けた。

「誰を、何を失くすことになっても。」

【人】 宝物庫 カウス

>>143 >>144 キューの拠点
「……え?」

無事腰掛けた少年は、
真っ黒の中、聞こえた声に呆気に取られる。

「アンタ……キュー?」

見回した。
当然あなた以外、誰もいないのだろう。
しかし、『聞こえる』と受け取るのは容易だ。
(146) 2021/04/24(Sat) 8:32:00

【人】 宝物庫 カウス

「……え」

少年はハッと手を引いた。
ショルダーバッグに触れているのは
本当に無意識だったものだから。

「違うよ。鞄は……どーでもよくて。
 ただ中に、俺の【宝物】が入ってるから。
 たまに気になるんだ。
 中身、ちゃんとあるかな、って」
(150) 2021/04/24(Sat) 10:23:52
カウスは、間違えたわ・・・見なかったことにして頂戴!
(a82) 2021/04/24(Sat) 10:29:28

【人】 宝物庫 カウス

>>148 キューの拠点
「……『もうひとり』って、ソウイウ」

少年は呟いた。
言葉の意味が分からないほどバカではない。
疑問形すら使われなかったその言葉に、
しらばっくれるだけ無駄だと感じた。

「ハイハイ、どーも。
 時間を有意義に、っていうならさ
 無駄な感謝の言葉とかいいから。

 ……さっさと本題、聞かせてもらえる?
 何で俺のこと呼んだの、アンタ」
(153) 2021/04/24(Sat) 10:37:22

【人】 宝物庫 カウス

>>160 キューの拠点
「……なるほどね。
 つまりこの時間を『無駄なもの』にするかは、
 俺次第ってわけ」

見えない椅子にあぐらをかいて、
少年は頬杖をついている。

「疑問ね。あるよ。
 アンタなら答えられるやつがさ。
 アンタも何聞かれるか、分かってんだろうけど」

少年が、会合の初日から警戒する相手。
でなければ、得体の知れないあなたの家になんて、
訪れたりはしないのだ。

アンタ、何?

 アンタと、『壊れた時報』について、
 教えてくれるって考えていいわけ?」

あの日の質問を、少年は再度投げる。
(164) 2021/04/24(Sat) 13:43:03

【人】 宝物庫 カウス

>>167 >>168 キューの拠点
「……」

作られた存在。
制限という言葉に少年は、妙に納得をした。
病や呪いと呼ぶには、
キューの言葉は余りにも規則じみていたから。

「あるよ。1番聞きたいやつ」

そもそもあなたを調べることになった理由。
事件とは関係のない、個人的な話。
あの宝石を手に入れるのは、
少年の知る『壊れた時報』には不可能のはずだ。


(186) 2021/04/24(Sat) 17:37:35

【人】 宝物庫 カウス

>>167 >>168 キューの拠点
「でもその前に。

 なんで『奴隷』を必要としたの。
 いや、体のいい駒が必要ってのは分かるよ。
 でもアイツは……アンタの言う『壊れた時報』は
 そんなんに向いてないだろ」

少年は、彼のことをバカだと思っていた。
言いたくないことがあるなら、言わなければいい。
それが出来ない彼だから少年は疑心を抱き、
気味が悪いと思ったのだ。

「わざわざ上位の存在になってまで、
 あんなバカを使役すんのはなんで?
 バレたくないからわざわざ、
 めんどくさい喋り方でアイツを縛ってんだろ?」

少しだけ、イラついていた。
誰にだろう。あなたにか、それともアイツにか。
(187) 2021/04/24(Sat) 17:57:59

【人】 宝物庫 カウス

/*
『作られた』までは言ってなかったわね。
読み飛ばして頂戴……kiss……
(188) 2021/04/24(Sat) 17:58:39
 少女に与えられた役割は「餓狼」。
 強すぎる承認欲求。倫理観の著しい欠如。
 それは今、壊れて。ただひとりへの渇望へ成り代わっている。
 ゆえに少女はただひとりにしか興味を向けられず、

 ――目の前の人物が誰なのか、その目にはっきりと映すまでに
 とてもとても時間がかかった。



「メ、サ……?」


 少女の体から力が抜ける。
 進めなくなった足がもつれる。転ぶ。
 膝を擦りむいて血が滲み、タイツが少し破れた。

「……わたし、え、あれ……?」

 目の前の彼女を見上げて、少女は問いかける。
 その小さな唇も、地面を掻く細い手もひどく震えている。

「わたしたち、どうして、死んでないの……?」


 あの日、穴に飛び込んだ兎は。
 餓えた獣の役割を与えられた、
 ただの『村人』になりたかった女の子は。

 歯車の狂った、機械仕掛けの甘い夢から――
 いっとき、目を覚ます。睫毛がふるりと震える。
 薄紫を驚愕と悲嘆と絶望に染めて――
 少女はその手で犯した罪を、正しく理解した。

「ぁ――」


 幽かな呟きは、風に攫われる。

(→)



「わたし……ひとを、……あんたを、……ころし、」


 ナイフのグリップの太さ。さくり、突き立てる感触。
 そこからくるりと軽く捻れば人は簡単に死ぬ。
 人の命を摘み取る瞬間を、この汚れ切った手が覚えている。
 薄寒いほどの無感動を、心が覚えている。

「…………めさ、……」


 少女はかつて殺したひとを見上げて、名を呼んだ。
 それ以上は、なにも。かける言葉を持たない。
 後悔も懺悔も何もかも、今となっては意味をなさない。


 目に映れば、理解する。……それだけの話。
 少女に届いたのは
■■
。祝いは、届かなかった。

【人】 宝物庫 カウス

>>195 >>196 キューの拠点
「そうだね。確かに俺は、アンタを信用してないさ。
 でも、アンタがよく喋るから、
 信用してないってわけじゃない」

立ち上がる。イラついていたのだ。
バカだと感じていたそいつが、
誰かの手駒であることに。
けれど決してそれは、正義感なんかじゃない。

「バカだね。アンタもさ。
 俺たちと会話してきたのは【キュー】だ。
 『壊れた時報』なんかじゃない。

 アンタの声を、キューが代弁してたってんなら
 俺ももう少し信用しただろうさ」

しかし事実はそうではない。
なるほど確かにあなたは、誠実であろうとしている
のかもしれない。
口にしなければ信用だってされることも、
こんなに雄弁に語ってくれる。

少年は、名前を呼ばれたような気がした。


(204) 2021/04/24(Sat) 19:08:30

【人】 宝物庫 カウス

>>195 >>196 キューの拠点
「アンタはもう、【キュー】じゃない。
 成り代わられてんだよ。気づかない?」

少年は、上に立つものが嫌いだ。
誰かを操っているつもりの者が、大嫌いだ。

だから、少しイラついていた。
キューにはキューの意思があると、
あなたがそう告げたのだ。

「俺は、アンタじゃなく【キュー】と話したい。
 
今すぐ変わって。簡単だろ


呼ばれた気がした。その声は、
『助けてほしい』と、そう言ったような気がしたのだ。
(207) 2021/04/24(Sat) 19:19:53

【人】 宝物庫 カウス

>>215 >>216 >>217 キューの拠点
「バカにバカとか言われたくねーよ。
 
バカな子供にバカにされたクセにさ


鼻を鳴らした。後悔はない。
その結果がどう転ぼうと、関係ないとも言いやしない。

「キュー。アンタがどこまで、
 アイツから聞いてるか知んないけどさ。
 
俺アイツ嫌い。

 だからその分、言いたいこと言っちまった」

冷静であれば、きっともっと情報を抜いただろう。
しかし少年は子供であった。反抗期であった。

「本当はアンタがどうしたいか聞きたいんだけど、
 アイツの検閲入るんだろ?
腹立つな……


少年はまだムカついているらしい。
言動からも、表情からも、それが滲んでいた。

/*
日付変更が近いわね。
長引きそうなら秘話に移行でアタイは構わないわ。好きにして頂戴……kiss……
(222) 2021/04/24(Sat) 20:58:20


 髪を掴まれ上へと引っ張られる。
 痛みに顔を歪める。じわりと滲んだ涙で視界が歪む。

「そんな、つもり……」


 なかったと言い切れないことに愕然とする。
 だって――覚えている。なにもかも、ぜんぶ。

 この優しいひとを殺してしまおうと思った瞬間のことを。
 守ってくれる背中を
嬉しく
頼もしく
憎く思ったのを。
 背後からナイフを刺したことを覚えている。
 心臓のある位置を。
 手首を捻ると中身が抉れたことを。
 感触を。においを。色を。
 彼女の声を。リボンを引かれたことを。
 息が細くなっていく彼女を見下ろして、
 首元の痕をじっくりと眺めていたあの景色を。



「――――った、わ…………」


 どちらの答えを口にしたかったのか、分からない。
 縋るように首元の『お揃い』に触れる。

 顔を下げられないまま、目を伏せて。
 少女は今にも折れそうな、か細い声で呟いた。

「……ごめんなさい、」

メモを貼った。

メモを貼った。


/*肩書きミス

正:
N[IA<NβP村C★]>人≪観≫θ
 ニア

【人】 宝物庫 カウス

>>225 キューの拠点
「間違ってる……いいんじゃない。
 アンタがそう思っても、
 俺はアンタこそキューだと思うから」

事実の程はどうでもいい。
少年にとり、『アイツ』はキューではない。
キューはあなただ。

助けたいと感じたわけじゃない。
自分はそこまで生ぬるくもないつもりだ。
ただ、あなたがその声で助かりたいと言うのなら
話は少し変わってくる。


「……
覚えてない
? どういうこと?
 それ口にして、大丈夫なやつ?
 だったら、詳しく聞かせてよ」

この会話も聞かれているかもしれない。
どうやら相手は
上位存在様
であるらしいから。
ムカつく話だ。バカにしやがって。

少年は、あなたの言葉に、耳を澄ませる。

/*
了解したわ。この時間だもの、秘話に移らせてもらうわね。kiss……
(235) 2021/04/24(Sat) 21:47:51
  を知っている。

見ることが出来る。

見守っている。

カウスは、本のページを捲っている。
(a132) 2021/04/24(Sat) 21:55:17

 




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注目:カウス 解除する

生存者 (5)

ラサルハグ
3回 残 たくさん

あんまいない

ヌンキ
52回 残 たくさん

全◯/置きレス

ルヘナ
33回 残 たくさん

レス通知求

ハマル
43回 残 たくさん

全○

メレフ
44回 残 たくさん

新秘○/置 謝謝

犠牲者 (6)

サルガス(2d)
0回 残 たくさん

 

ニア(4d)
42回 残 たくさん

新規・秘話○分裂

キファ(5d)
72回 残 たくさん

置かかってこいや

ヘイズ(5d)
14回 残 たくさん

【雲】ここどこ?

ゲイザー(6d)
40回 残 たくさん

全◯なんでもこい

ルヴァ(6d)
13回 残 たくさん

新◎/います

処刑者 (6)

アンタレス(3d)
1回 残 たくさん

新規〇置きレス

シトゥラ(4d)
20回 残 たくさん

またね

サダル(5d)
54回 残 たくさん

新◎秘◎

カウス(6d)
58回 残 たくさん

全〇Love…

キュー(7d)
30回 残 たくさん

置き

ブラキウム(7d)
24回 残 たくさん

全◎置きだぞ!

突然死者 (0)

裏方 (3)

エルナト
0回 残 たくさん

レグルスkiss

レグルス
2回 残 たくさん

ぜんぶ○/生存

メサ
12回 残 たくさん

全部◎昼は置き

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
裏方
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.19 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
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