ナツメは、普通の少女だ。 (a50) 2022/02/28(Mon) 16:58:28 |
ナツメは、えいっ。フォーチュンクッキーを思い描いた。 (a60) 2022/02/28(Mon) 20:16:56 |
ナツメは、ぱき。中身は、<<エノ>>。 (a62) 2022/02/28(Mon) 20:22:22 |
ナツメは、どさっ。後頭部を肘掛けにぶつけた。 (a66) 2022/03/01(Tue) 1:04:16 |
ナツメは、ごっ。「いたっ」 (a67) 2022/03/01(Tue) 1:04:28 |
【人】 普通 ナツメ少女は、図書館に向かう道すがらでそのメッセージを受け取った。 銃。刃物。 画面や紙面のなかにあるもの。 物騒なそれらを持って睨みあう、立ち入り禁止の脳内映像。 その次のメッセージで、一変する。 ――――怪我。……血? 睨みあう誰かと誰かが、倒れ伏す。 生気のない顔が、ころり、かたむいて、私を。 ネイルが欠ける。 グラスが割れてジュースがこぼれる。 『来れます?』 その問い、たった一つで他人事ではなくなって。 少女は呆然と立ち尽くす。 頭がじん、と痺れて、指の先が冷たくなる。 胸が浅く上下して、瞬きを忘れた瞳が、茫洋と。 有意義無意味、散漫なイメージがうら青い脳内を駆け巡る。 (27) 2022/03/01(Tue) 17:57:39 |
ナツメは、はくり。音もなく、呟いた。 (a72) 2022/03/01(Tue) 17:57:54 |
ナツメは、ナツメを泣かした誰かさんと図書館を出て、薬局へ向かう。 (a78) 2022/03/01(Tue) 19:47:37 |
【人】 普通 ナツメ>>薬局 「ユスくんと来ました」 三歩分遅れて、建物の中に入る。 冷やしながら歩いてきた目元は、それでもちょっと赤い。 血の流れたあと。命が削られた痕跡。 いやに静かな、すべてが決着した後のその場所。 「……ごめんね。 来るの。おそすぎたかな……」 長身に隠れて、まだ、決定的な何かは見ていない。 (37) 2022/03/01(Tue) 20:01:32 |
【人】 普通 ナツメ>>薬局 もうひとつ続きます 「え」 ――――死んでしまった? ――歩けないほどの、怪我? 身じろぎすると、ひやり。 スカートの生地越し、鋭い冷気を腿に感じる。 一瞬、目の前の光景にくらりと遠のきかけた思考が鮮明に呼び戻される。 まだ溶け切っていないそれで、 赤い目を冷やしてきた理由を思い出して。 自分への呼びかけに、ひとつ頷いて動き始めた。 (40) 2022/03/01(Tue) 20:26:11 |
【人】 普通 ナツメ>>薬局 息を吸って、吐いて。 「大丈夫、アクタくん。 がんばってくれて、ありがとう。 ……遅れて、ごめんね?」 駆け寄って、そう口に出す。 もう大丈夫だから、と伝わるように。 それから、膝をついて、怪我人の顔を覗き込んで。 「えっと……大丈夫……? じゃ、ないと、おもうんですけど……」 「休めるとこ、運びます。 合議は、ちょっとくらい、待ってくれるはずです。 あ……運ぶのに、担架、みたいなの。いるんだね」 「ユスくん、出せそう?」 少女は、息をしているものを優先した。 この場で頽れずに直視できる、ぎりぎりがそこだった。 (41) 2022/03/01(Tue) 20:28:56 |
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