77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
それにしても、ずいぶん痩せちょるの小僧
[断りもなく、迷いもなく白無垢をはだけさせて薄い胸元をねっとりと撫でまわす
見たところまだ子供からようやく抜け出した程度の歳だろうが
天狗が力を与えている以上、食うには困らぬ村のはずとの疑問は今は放り投げた
]
なぁに、暴れたりしなきゃ最初はすぐ終わらせてやる
男を犯るのは数十年ぶりなんで加減は利かんかもしれんがの
[そう言って再び小僧の顎を捕らえて口を吸った
舌先で唇と歯列をこじ開けて、まずは口内に天狗の毒を注ごうと**]
[胸元を滑る手は、まるで検分でもされているかのよう。
]
え?
そんなことも……
[無いとも言い切れないのだが、自覚がないから戸惑う。
ただ、役立たずとは幾度となく言われていたから、そう言うことかとも思う。
実際のところ、年よりは5つばかりは幼く見える体格であるのだが、そのことは茅本人すら知らないことだ。なんなら村の人たちも。
なんとなく、居心地が悪くて少しだけ身を捩った。抵抗したわけでは無い。]
えぇ…と……
[暴れなければ、とか。
最初は、とか。
男を…とか…何やら引っかかることはたくさんあるはずなのだが、あり過ぎて青年の思考容量を超えた。
結果、よくわからないままに、流し、流され…気づけばまた顎を掬われて。]
ん…んっ!?
[混乱に何もかもが流れゆく。
待って欲しい、口と口を合わせるのは、なんかこう、アレだ。
なんだっけ。
……なんだっけ?
混乱しているうちに、舌先が口内を明け渡すよう要求してくるから、『抵抗するな』の命令通り、促されるまま口を開いた。]
んぁ…あッ、
[口吸いなど経験がないから、それはさながら餌を求めた雛鳥のような、ただただ開いただけの動作。
けれど餌付けではないのだから、侵入してくるのは総じて異物だ、それでも口閉じること叶わずに。
とろ、とした蜜が、喉を滑り落ちる。
]
[びく、と身体が不随意に跳ねる。]
ッぁ……
[ちか、と瞼の裏で星が瞬く。
喉を通った
毒
は熱く、焼けるほどに
甘
かった。
それはまさに
劇薬
で、けれど青年はまたひとつ、ごくりと喉を鳴らす。
青年の目元がとろ、と溶けた。
無意識に、自ら舌先を差し出すなどする。
息苦しさもあるはずなのに、今も止めるべきが空気かその
蜜
なのか、よく分からないままに、無自覚に飢え切った雛鳥はまた口を開けて見せ…**]
[天狗の言葉も行動も、やはりよくわかっていない様子の小僧
戸惑いか羞恥か、身を捩る様子さえ天狗には物珍しかった
だからと言って優しくするとか加減をするとか、考えないのが物の怪というもので
むしろ、もっと手酷く扱って愉しもうかなどと
戸惑うままの小僧に毒を注ぎ込む……情欲引き出す蠱惑の毒を]
ん くちゅ……
[されるがままに開かれた口内に、とろりとそれを流し込めば
何かも知らぬままに飲み下す様子がわかる、そうして]
どうじゃ? 善かろ?
[身を撥ねさせ、その目がとろりと蕩けていくのを見る
これなら、この先の痛みも多少は和らぐだろう
痛みに啼く姿は情欲を煽るが、壊れてしまっては困るのだから
丁寧に気持ちよくしてやろうというという考えも、まあ無かったが]
ほう、もっと欲しいか?
[強請るかに口を開け、舌を差し出すのに応えるように口を吸い
開かれた中に舌を差し入れ思うがままに蹂躙して舌先絡めて吸い上げた
思った以上に反応がいいことに目を細め、口を合わせたまま再び胸を弄った
女に比べれば慎ましいだろう尖りを掻いてやれば、さてどんな反応を見せたやら]
は
[合わせていた口を離して小僧を見下ろす
己が体に起きていることにどう反応しているかを確かめるように
愉しむかのように、見下ろして]
いい顔しちょるの、小僧
[と意地悪く間近で囁く
その目に、先ほどまでとは違うあからさまな熱が宿るのを
無垢な小僧はどう捉えるか**]
[よかろ?
問われ青年は、またひとつ喉を鳴らして、それからこくりと頷きを返す。
何が良いのかはよくわからないが、とにかく注がれる毒
が、甘くて、甘くて。
漸く継いだ息が、熱く零れた。]
ん、ぁ、
[もっと、と言わんばかりに嘴を開ければ与えられる、その事実に軽く酔う。
抵抗するなとは言われたが、欲しがるなとは言われていないなそういえば。
赦されるのを良いことに、与えられるまま吸うて、]
ぅぁ、ん…ッ
[かりりと掻かれた胸の先、またびくりと身体を跳ねさせる。
その反応に青年自身が驚くけれど、酔った頭に恐怖などは微塵も残らず、ただ、青年の指先が淡く『山神さま』の手に添うた。
唇が離れれば、その視線に出会う。
嗚呼……愉しんで、いるようだ。]
いい…顔……?
[はふ、と継いだ息の隙間、微かに問う。
それが意地悪だなどと、善良な青年にはあずかり知らぬことで、『いい』と言われたことで、安堵する。
ただ、その表情が新たに帯びる熱には流石に気づいて、つい……ぽかん、と、見惚れた。
だから数拍の間を置いて、つい、手を伸ばしたのはそう、完全に出来心だったのだ。]
ッァ、
[伸ばした手の先がどこへ向かおうとしたのか、直後与えられた刺激にびくりとまた身をすくませると、反射でその掌は空を握る。
まるで熱に浮かされたような脳みそはその瞬間、村のこともお嬢さんのこともすっかりと忘れていた。
茅という青年は、恐ろしいほどに順応性が高かったので。**]
[無垢な体は思った以上に反応がよく
無知な小僧は予想以上に順応性が高かった
今まで多くの嫁を迎えたが、此度は特に「あたり」らしい]
ああ、いい顔じゃ
[言いながら意地悪く刺激を送れば、伸ばされかけた手が空を掴む
無垢なくせにこうも感度がよいとなれば、自然欲は高まるというもの
元より時間かけて馴染ませるなどする気もなかったが]
どぉれ、もっとワシ好みになるようにしてやろうかね
[そう言うなり両の手で今だ僅かに重なっていた白無垢を広げ
その内に着ていた服をも剥いで小僧の体を曝け出してしまう
そうして、その肌に一つ、二つとまた印を刻み込み]
こっからが本番じゃ小僧
ワシのもんになるっつーことがどういうことか
しーっかりと体に教えてやる
[言い終えて胸元から手を滑らせて下へ
何の前振りもなしに、下着の上から小僧の「小僧」を握り込む
天狗の毒を受けて、そこは一体どうなっていたか気付かせるかのように手を動かす]
なあ、ここもこうされると善かろう?
気持ちいいって泣いとるわ、ほれ
[下着が湿り気を帯びてくればわざとらしくそれを強調するように擦り上げ
小僧に問うこともなしに下着をはぎ取ってしまおうか
そうして、ついにははだけ落とした白無垢の上に、小僧の全てを晒させて
ふと、気付いたかのように繋がれたままの足元を見る]
あぁ、こいつは外さんといかんなぁ
[痛そうだからではなくただ邪魔なだけだが、足枷に手を触れればその戒めは解けるだろう
逃げる心配も、もうないだろうから
痕のくっきり残った足首を持ち上げべろりと舐めて]
これも、ワシのモンじゃって印じゃがの
本当の「
印
」はこれからじゃ
[足首を持ち上げたままもう片方の手で小僧の芯を弄ぶ
雫が零れだしたならそれをたっぷりと手に絡ませる
愉しげに、それこそ恐ろしいほどに愉しげに
承諾も確認もない、小僧は天狗のものだから**]
[ああ、いい顔じゃ、って
また聞こえたものだから、青年は無意識に淡く笑む。
『これは良いこと』と認識したものだから、踏みとどまる理由がない。]
ん……ッぁ……、あ、
[肌に華を咲かされる度、喉を鳴らして身を震わせて、洞窟内の湿った空気は夜陰に更に冷たいのだろうに、青年の肌は与えられる熱に汗ばんですらいる。
触れる熱が、心地よかった。
……まるで、求められているように錯覚して。
だから、『抵抗するな』という命令に関わらず、その手に逆らおうという気持ちなんて、今やこれっぽっちもなかった、のだけれど。]
あ……ッ、ゃ、ぁ!
[突然の強い刺激
に、青年は眼を見開いて高く啼く。
青年のまだ、子供じみた格好をした中心は、それでも健気に『悦』を主張していた。
そこを急に握りこまれたものだから。
なお、青年自身には自ら触った記憶はほとんどない。
それがどういう反応なのか教えてくれる者はいなかったし、一度触れてみたら何やら未知の感覚がしたものだから、それ以来どうにも触りづらかったのだ。
与えられた刺激に軽い恐怖に似た感情を覚え、握りこむ大きな手へと己の手を伸ばすが、触れたところで指先で何かを訴えるのみ、力などまるで込められたものではない。]
ぁ、あッ……ゃぁ…ぁ、
[気持ちよくて泣くのは握りこまれたところだけではない、青年本人もだったりする。
やぁ、と泣くと、揶揄するように下着を奪われてしまった。
とたん、下半身がすぅとして、それすら刺激になり、ひくひくと薄い下腹を震わせる。]
ぁ……
[足首を縛めていた枷が、いともたやすく取り上げられて、ほっとしたような声を漏らす。
足首を掬われて、縛められていた痕を舌先がなぞり、またひくりと内腿を震わせた。
舐められたところが熱を帯びる。
なんだか『山神さま』のその行為が、傷を労わられたような、
そんなはずはないのだけれど、まるで……慈しまれたような、
錯覚を覚え、ぶわと心臓が熱を帯びる。
けれどその正体をゆっくりと考える間など与えられないから、持ち上げられた足首をそのままに、股を開かれるようにして、立ち上がり切ったその場所をまた握られて、遊ばれて]
や、ゃぁ、もう……ま…って、
[ぁ、あ!と啼くと同時、赦されるなら白濁が弾けたことだろう。
赦されなかったなら、体内を駆け巡る熱にまた泣いて。
それが、『気持ちよい』のだと、『快楽』なのだと、青年が学ぶまで、あと僅か。**]
| ……気づかなかった 千太郎は賢いな。それに、何でもよく見ているようだ [ 細い指が一輪を摘み上げる。 >>29 出会った時程ではないが、早まる瞬きが鬼の驚きを示した。 それは教えられた内容と、 やはり関心が無さそうだと思っていた千太郎が 不意に寄りつき起こした行動への。 誂いに対してそういうわけではないと返しはしたが >>28 この地で生きた年月を考えれば、 花弁の仕組みが一度も視界に入らなかったとは思えない。 目に入っても気づかなかったのか、知ろうともしていなかったのか それとも無数の花を通して別の数多を視ていたせいなのか。 ──自分のことながらよく分からなかった。 ] (48) 2021/06/20(Sun) 2:08:31 |
| だが、簡単に摘んではならないぞ 花もまた命であり、意味も無く奪ってはいけないのだ 特にこの花は、全てが実を結ぶわけではないのだから [ 相手へと伸ばされる手は、今度は重ねる為ではなく >>27 花を受け取ろうと指先へ向かうが、無論乱暴なことはしない。 渡す気がないのなら、諦めて戻るだけ。 咎めはすれど、花よりも目の前の若者が鬼には大切で 彼のこれからの為に語ったつもりだった。 ] ……ああ、そうだ 花を書物に挟んで重石を乗せておけば、平らに形と色を残せるらしい 聞いた話で経験は無いがな [ 教えてくれた誰かは、清潔で豊かな家に住む若い村娘で 自分にも千太郎にも似合ったものでは無いだろうが 少しは意味が、生まれるかもしれない。 潰される花は決して喜びはしないだろうが、 犠牲に生じる意味とはそういうものだ。 ] (49) 2021/06/20(Sun) 2:08:55 |
| 色々言ってしまったが、お前の気持ちは嬉しかった やはり、さとの子だ [ 心よりの言葉に対して不服を態度に示すのも >>23 想い届かずつかれたため息も >>24 冷めきった笑いも >>26 きっと、置かれた環境で生まれた歪みの表れ。 しかしその奥にあるのではないだろうか 他者と何も変わらないような、温度のある部分が。 母親のような優しさが。 浮かべた表情は違えども──面影を宿す言葉に、 あの時息を呑んだことを彼が気づいたかは知らない。 >>25 ] これからも、瞿曇な私に気づいたことを何でも教えてくれ [ 違う目線で同じものを見る誰かが側にいるというのは、 とても幸福なものなのかもしれないと、鬼は思った。 ]* (50) 2021/06/20(Sun) 2:09:42 |
| ── 鬼と鬼の子の日々 ── [ それから鬼は毎日花嫁を外へと連れ出した。 最初は寺の敷地内を歩きながら、見えるものや山について話をし、 時間を掛けて出掛ける範囲を広げてゆく。 決して自分から離れないように、 迷った時は探すよりも寺に戻るように。 その頃には既に上手く隣を歩けるようになっていたが、 奥へと初めて連れて行く時何度もそう繰り返すように教えた。 魔を退けるとは鬼が側に平気で棲まう以上迷信なのだろうが あの花の香りは、山の妖怪の殆どが嫌っている。 一定の時期だけでもきっと、何かあれば守ってくれるだろう。 帰る時間はいつも鬼が決めた。 輿入れの日もそうだったが、 千太郎は聞けば答えど自分から疲労を訴えはせず平気な顔でいる。 限界が来なければ見ているだけでは分からない。 小さき者には覗き込むのも辛い程目線が離れている時も、 >>22 鬼の目にはいつでも白色ばかりが映っていた。 ] (51) 2021/06/20(Sun) 2:10:16 |
|
[ 山の中になど花嫁を迎えるのなら、 生活に必要なものをその同族に求める必要が当然生まれる。 ……きちんと行うのは全員ではなく、長くも続かないが。 鬼も色々なものを求め、事前に廃寺に運び込んでいた。
慣れてきた頃山の中を流れる川を教え、魚釣りを試みた。 もしつまらなさそうにしていても、 本来饒舌ではない身でなんとか話を見つけて場に留め 釣り上げた時はどれだけ小さな小魚でも褒め称えた。
廃寺の中で汚い壁を眺めていては、座敷牢の日々と対して変わらない。 体力と生きる知恵を付け、世界を見る必要がある。 千太郎の身体に少しずつ少しずつ、生命力を戻しながら 自分は寺の中保管している干し肉ばかり食べるようになっていた。 ]
(52) 2021/06/20(Sun) 2:11:08 |
|
[ 摘み取られた花がどうなったのかは、千太郎次第だが 嫌がることが無ければ鬼はあの日寺に戻った後 埃をかぶった古い書物を彼の部屋に持って来ただろう。
誰かが村に帰るのを嫌がった時、 此処で読み忘れて行った、遂に取りには来なかった歴史書だった。
ただ、いつまで閉じておけばよいのだろうか。 それは聞いていなかったと少し経ったある日に首を捻る。 まあ、忘れた頃にはらりと落ちてくる。 思い出とは案外そんなものかもしれない。 ]**
(53) 2021/06/20(Sun) 2:11:49 |
[触れた小僧のそれはいまだ大人にはなり切れておらず
それが年相応なのか、栄養が足りていないか判断しかねた
子供の様に素直な無垢な表情のまま淫欲に染まっていく様は
毒に中てられたとわかっていても、それ以上に好ましく「旨そう」で
早く皆まで喰らってしまいたいと疼く熱は、天狗の鼻のごとく主張を始める]
や、じゃなかろ?
そんな顔しとらん、それは「気持ちええ」って顔じゃなぁ
[自分でしたこともないのか、戸惑うように鳴くのをそう揶揄って
毒に侵されただろう頭の中に、それが何かを浸み込ませて]
待て、って顔じゃ無かろう?
ほれ
[零れた声、それは小僧にもわからない物だろう
明確な意思をもって立ち上がった芯の先を責め上げれば
短い声と共に天狗の手を熱い白濁が濡らす
それを掌で受けながら、からからと声を上げて笑って見せた]
あっという間じゃの、そんなによかったか
ほれ、こんなにたっぷり出して
[言いながら掌で受けたそれを見せつけるようにぺろりと舐めてみせる
愉しげな様子は、それが「悪いこと」ではないと小僧に教えるかのように
我慢させて、焦らしてからのそれも面白いが
解放を知ればなお「耐えるのが」苦しくなると知るがゆえ
それは後の愉しみにと]
本当に小僧は素直で覚えがいいのぉ
それでいい、ワシのすることを
受け入れて善がり啼いて
いればええ
[小僧のすることを肯定するような言葉を投げながら、手の内で受け止めた精をこね回す
女と違い、男は挿れるのに苦労すると知っているので]
さて、今度はワシの番じゃ
おとなしくしとればすぐにお前さんも「よくなる」
[汚れていない方の手で脚を支え開かせると、精に塗れた手を尻へと伸ばす
そうして、何の前触れもなくその奥で小さく窄んだ孔に触れ、つついて]
こっから先は嫌といっても止まらんぞ
お前は、
全部ワシのモンになる
んじゃ、小僧
[いうと同時にその狭い孔に中指を押し込む
精の滑りがあるとはいえ狭く硬いそこを容赦なく推し進めて**]
きもち……えぇ…?
[教え込まれるまま繰り返した言葉は音になっていたか否か。
けれど新たなその感覚は、確実に青年の中に根を下ろし、芽吹きを迎える。]
ぁ、あ!
[ほれ、と煽られ、抗いようもなく白濁を散らす。
ちかちかと、頭の中が真っ白に染まり、全身を駆け抜けた衝撃に刹那身を固くして、それからふっと力が抜けた。
はく、と喉を震わせて、息を整えようと、呼吸を繰り返し。]
は…ぁ……
よか…た……?
[『気持ちいい』のだと、『よい』のだと、繰り返されて、そういうものかと、
端的に、怖がるようなものではないのかと、漠然と理解して、飲み込んで。
見やった『山神さま』が舐める掌を汚したのが自分だと、それすらもまともに理解せぬままに、ぼんやりと眺める。]
[『覚えがいい』なんて、それはシンプルに誉め言葉だ。
青年はふわと笑う。
ずーっと覚えが悪いと言われては、打たれてきた青年だ。
褒められれば、嬉しくなってしまう。]
は…ぃ、
[だから、それでよいのだと、受け入れるのが正解なのだと言われたならば、諾として従う。
もう、命令などなくても抵抗する気など微塵も残ってはいなかった。されるまま、受け入れれば褒められる。
そのシンプルな構図はあまり頭のよろしくない青年にもわかりやすかった。
だから、脚を開かせる手の力にも抗うことなく、促されるまま大きく開き、指先で窄まりへ触れられたときにもひくりと孔を震わせるのみで、制止の声ひとつあげなかった。]
ん……
[ピリピリとした痛みと共に、胎内へと埋め込まれる指に、僅かに喉を鳴らす。
『全部ワシのモンになる』だって。
]
っぁ、
[きゅうと胸元に握りこぶしを抱いて、侵入を阻まぬよう、下半身から力を抜こうと試みながら、瞼を閉じ青年は息を吐く。
わざわざ言葉にするくらい、俺のこと欲しいのかな。なんて。
]
ぁう……っぅ、
[はじめこそ、排泄間に似た異物感に呻くが、そこに質量が存在することに慣れてくれば、あとは物理的に声が押し出されるだけだ。
青年の口元が笑みを描く。
]
はぁ……っぁ、あッ
[侵入してくるそれが、嬉しいだなんて、
だって俺…
あんたの何もかもを、受け入れたいって、思ったんだ。
**]
[教えたことをそのまま飲み込んでいく様子は天狗にはとても好ましく映る
ヒトの嫁など思うまま慰み者にするためでしかないというのに
この小僧は疑うこともなく「天狗のモノ」になろうとしている
この天狗を、悪童の卑劣感を、信じている]
ああ、お前はいい子だ、小僧
[天狗からすればそれは、その気にさせるための出まかせにすぎない
それを信じ切った小僧はうれしそうで、安心しているかのようで
どういうわけだか胸が疼く
ここまで毒されているのなら好きに蹂躙しても構わないだろうと
いつもなら気に掛けもしないことを、今更のように考え口元を緩めた
泣かせたくない、とからしくもないが
小僧ならこの先も天狗を受け入れるに違いない、と]
[些か乱暴に指を突き入れたというのに
痛みに呻きながらも懸命に受け入れようとする様子は天狗にはとても新鮮に見えた]
ああ、いい声じゃ
それに、ここの具合もいい感じじゃの
ほれ、もっと欲しかろう?
[精の滑りを借りながら抜いて挿して指を増やして押し込んで
気持ちよくするためじゃなくただ孔を広げるためのそれ
声は苦し気なのに体は毒のせいとはいえ受け入れようとして
苦し気な中で笑みなど浮かべられたなら、何故だか天狗の眼が止まる
どくり、と、今までにないほどに胸が跳ねる
今までに感じたことのない思いと共に、情欲は増していき
もう我慢できぬとばかりに指を引き抜いた**]
[疑うことを知らぬ青年は、与えられるものを与えられるままに飲み込んでゆく。
それはきっと、ヒトというものを知れば知るほどに異様な様相だったろう。
だからこそ、青年はヒトの世で生きづらかった。青年自身に自覚は無くても。
いい子だ、って、褒められるからまた、青年は喜ぶ、悦ぶ]
ぁ…ッ、あ……んッ!
[粘膜を擦られる感触が、気持ちいい
青年の知らぬ感覚だ
だが押し込まれたところからぞわぞわと背筋へと走る感覚は、嫌ではない
何かの衝動に流されるように、声を上げる
指が増やされても、孔が広げられても、それを厭うことなく受け入れる
綻ぶ身体は毒だけが理由では、きっとない。]
んぁ……ほ、し……
[強請ることは、きっと赦されると、今度こそ『山神さま』へ、手を伸ばす。
両手を差し伸べて、口を開いて、もっとあの甘い蜜
が欲しいと訴えて。]
[求めたものは与えられたか否か、
与えられればまた一つ満足げに、与えられなかったなら指先が『山神さま』を求め、
温もりを、熱を描き抱くように、その腕をさし伸ばして
それすらも与えられなかったなら、寂し気にくぅんと鼻を鳴らす]
んぁ……ぁぅ、
[けれど胎内に埋め込まれた指……もはや何本だったのか、勿論青年にはわからない……が抜かれると、拡げられた孔が戦慄いて、小さく鳴いた。
続く行為を青年は知らない。
けれど本能的に悟ったかのように、再度股を開くようにして、それはあたかも迎え入れるかのような素振りで、
それはただただ抜かれた所が寂しかっただけなのだけれど。
『山神さま』の怒張が見えたなら、あるいは触れたなら、その熱量に、質量に、ごくりとつばを飲み込んで
きっとその姿には恐怖よりも期待が見えることだろう
頬どころか肌全体を主に染めて、はぁと熱い息を吐き、とろりと蕩けた眼差しで
誘 う
**]
[天狗は本来、特に麓の村人たちには恐れられるものだ
そうなるように仕向けたこともあるが、子供の頃よりそれが当たり前だったから
毒を与えたせいとはいえ、小僧がここまで「懐いてくる」のが天狗には不思議だった
暴かれる痛みさえすぐに飲み込んで、もっとと欲しがる
それを嬉しいと、愛しいと思うなど気のせいと打ち消して
]
気に入ったか、これが……ん
[雛が強請るように口を開くのに、唇を重ねて毒を注ぎ込む
過剰な毒はそれだけ早く蝕んでいくだろうに
欲しいなら与えようと慈悲めいたことを思ったことに驚いて
縋りついてくる手が心地よいと思うなど、らしくないと己を嗤う
目の前にいるのは欲を満たすための嫁なのだ、己が欲を満たせばいい]
[指を引き抜く、天狗の逸物を収めるにはまだ足りないだろうが
小僧があまりにもおいしそうに啼くものだから、もう堪らずに
猛るソレを小僧に見えるように曝け出す
赤
黒く脈打つソレは並の人より大きく、大人のそれを知らずとも「違い」は知れるだろう
今度こそ怯えるだろうと見遣れば、こくりと息を呑むのが見えた
怯えて逃げようとしたところで天狗はやめる気は無いが
が]
小僧、お前
[熱に蕩けた視線を向け、脚を広げて誘うような姿に
胸にあった疑問も迷いも弾け飛んで、「喰らいたい」という欲が渦を巻いた]
ああ、望み通りに犯してやる
いや、も、やめろも聞かんぞ
[言いながら両足を掴んで大きく開かせた
その間に自身の体を割り込ませ、指で弄んだ孔に熱く滾るモノを押し当てる]
いいか小僧、天狗が喰らうんはこういうことじゃ
お前はワシのモンじゃ、ワシのモンになるってのは、こういうことじゃ
[孔の入り口に何度か擦り付け先走りという毒を塗り込んで
持ち上げた両の脚を肩に乗せ、腰をしっかりと押さえつけて]
そらっ!
[掛け声とともに狭い中へと無理やりに押し入る
女陰のように一息に貫くとはいかないが、強引に亀頭を飲み込ませ、揺さぶる
そうして遠慮なく腰を使いながら更なる奥を目指そうと**]
| いいや、小さく動くものを掴むというのは案外困難なことだ 私には動物で精一杯だとも [ 向けた賞賛にも少しも嬉しそうではない姿 >>75 鬼は気にすることもなく、陽を浴びて輝いて見える髪の若者を眺め 意地の悪い笑みに >>77、微かに口元を和らげすらした。 何だかんだ言いながら本当の拒絶は口にせず、隣に居続ける。 不意に落ちる素直な言葉が、鬼には可愛げのように感じていた。 人間たちが怯える様を心底愉しげに見ていた者の中にあった一面。 ] (91) 2021/06/21(Mon) 10:25:21 |
| だが、興味があるというのなら もっと暑くなってきたら、今度は共に川に入ってみるか? きっと心地良くもあるだろう [ 自分が求められているものに知らぬふりをし、 本来の夫婦の如く寄り添いながら千太郎に健全というものを教える その道を選んだから、彼はこうしていると分かっていた筈なのに。 生気に欠けた白色が変わっていく様子をずっと見ていたら >>76 いつの間にか、未来を考えるのが心から楽しくなってきていた。 押し花だってそうだろう。 鬼が望んだのは平たい花ではなく、それを眺めて語る時間。 >>78 ] (92) 2021/06/21(Mon) 10:25:51 |
| ── ある夜に ──
葬ってはやったのですね?
[ 暑く寝苦しい夜のことだった。 今年輿入れした他の花嫁の行く末を、あの男が伝えにやって来た。
毎年起きることだ。何も言われる前に様子で察するものがある。 ]
今年は早かった。いや、今年もなのか
[ あの子は眠っているだろうが、届かぬよう自分が外に出て 廃寺よりも奥、光の届き難く道の無い闇の中で話を始める。
結末を知りながら送り届ける、同胞に飢えを強いれない妖怪には 彼女らを悼む権利も本来は無い。 表に出さないまま、いつも鬼の胸の内に悲壮は留まった。 しかし、今年は其処にはある一人の居場所があった。 大切にせねばならないと、強く想った。 ] (93) 2021/06/21(Mon) 10:26:11 |
| [ ──その時が来るまでは ] (94) 2021/06/21(Mon) 10:26:30 |
|
あの子は生きています……そうですか、見ていましたか 随分元気になりました もう少し身体がしっかりすれば、里に下ろすつもりでいます
勿論、村に帰したりなどしませんよ 本当はもっと遠くに行かせてやりたいのですが、 山を出るまでは、私が共に
[ 両者の合間を空気の流れが吹き抜け、葉が擦れ鳴る。 暑く湿った夜、その風だけは何故か冷たかった。
暗い場所でも目立つ相手の髪が乱れる。 彼はそれを直すことせずじっとこちらを見つめ、口を開いた。 ]
(95) 2021/06/21(Mon) 10:26:47 |
|
「お前さん、本当にいいのか?」
それはどういう意味で──?
[ 答えを得ることは無いまま、鬼の男たちは別れる。 ]*
(96) 2021/06/21(Mon) 10:27:04 |
| ── 夏の日・山奥で ── しかし、薬は帰らねば塗ってやれないぞ 傷は小さくても恐ろしいものなのだ [ 問答は互いに殆ど同じ内容を繰り返しながら、終わらない。 >>80 相手のように顔には出ずとも、引かんとする強情さはそこに表れる。 向かい合うように近くの木の下で座す鬼は、腕を組み頷かない。 千太郎はずっと外に出れなかったから、きっと分かっていない。 壁のようにただ板を打ち付けるとはいかなかった風呂釜の修理 直せるまでの間は拭うだけで我慢してもらったが その時見た身体には少なくとも今傷は残っていなかった。 無償で村人に物資を求め続けることが心苦しく、 人間は立ち入れない場所にしかない薬草を探しに来たのが今日。 未だ早かったのか、はたまたこうした経験も必要か。] (97) 2021/06/21(Mon) 10:27:22 |
| どうした? [ 鬼には心は読めず、覗き込もうとも思わない。 そして今相手を想うという自分の感情で頭がいっぱいだった。 故に、花嫁の中で燻るものに気づくことはなく >>81] (98) 2021/06/21(Mon) 10:27:51 |
|
[ 息が上がる。日差しではないもので身体が熱を持つ。 言葉も忘れる程に夢中になっていた。
未だ逞しいとは言えない手首を掴む力に、常の気遣いは無い。 四方から聴こえる虫の声は、真昼の狂宴の蚊帳の外。 ]**
(99) 2021/06/21(Mon) 10:33:17 |
[求めるままに与えられる密に、伽藍堂だったナニかが『満たされる』ような心持ちがした。
求めることを赦され、
触れることを赦され、
青年は初めて己の『飢え』を知る
まだ…まだ、自覚こそないけれど
そうして求めた毒は更に青年を酔わせて、曝け出されたモノを知らず求めた。
青年が正しく『行為』を理解していたわけでは無い。
けれどどういうわけか、『何を求められているのか』を漠然と悟る。
求められること自体が悦びと変われば、青年はくったりと力の抜けかけた身体を開いてみせるのだ]
[いや、も、やめて、も無い。
自ら開いた脚の間に『山神さま』が陣取って、赤黒く膨らんだ熱を、指抜かれて寂しい所に擦り付けるものだから、喉を逸らせて鳴らす。
触れたところが熱く、疼く。
はくはくと、その先端を食むように戦慄いて、ぞくぞくと、背筋に甘い電流が走る。
これは『快感』だと。脳が、覚えた。
山神さまに…天狗さまに、喰らわれる。
天狗さまの、モノに……]
っぁ、
[苦しい態勢に、小さく息を吐いて、けれど胸を潰すのは…これは、きっと。
『多幸感』、だった。
たべて、
吐息に混ざった囁きは、音になったか否か。
ぐ、っと腰を掴まれて、直後、熱に貫かれる。]
ぅぁ、あっ……ぁッ!
[苦しくて、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。
けれど、苦しいけれど、必死に受け入れようとする。
縋るところを探した指先が、腰を捕まえた手を探り当て、添う。]
ぁっ……あ、ぁッ
[揺さぶられる度、腹の奥から押し出されるように声が漏れ、それを抑えようとも思わないから幾度となく鳴く。
それが苦しさから来るものなのか…それ以外に端を発するものなのか、それすら分からないままに、けれど穿たれたところが熱くて、無理矢理に押し入られた痛みすら、気づけば快感に塗り替えられる。
堪らず腰をくねらせた。]
あっ…ぁぅ、ぅ……んん、
[じくじくとした痛みから生まれる熱に浮かされて。
繋がらんとするところから、注ぎ出される毒にどこまでも酔わされて**]
[苦しい姿勢を強いているというのに
欲しがるように自ら合わせようとしてくるのに、じぃ、と小僧を見る
小僧の胸の内など知らぬ
だが、擦り付けた熱を欲しがるようにひくつく孔と
震える唇が形作る言葉に
本来ヒトに情など抱かぬ天狗の体が「かぁ」と熱を上げた
ただ、毒に当たって溺れているのではない
この小僧は、自分の意志で天狗を欲しがり受け入れようとしているのだと
理由など知らぬ、要らぬ
小僧が欲しい、喰らって、天狗のものにしてしまいたいと
欲しがる孔に熱源を突き入れれば、上がるのはやはり苦しげな声]
ああ、ええ声じゃ
我慢しないで好きなだけ声を上げぇ
[触れてくる手を払いはしない、縋るものがあれば少しは楽になる
竿の先から常に零れる毒も、痛みを快楽に変えるだろう
腰がくねるのをいいことに、容赦なく奥へ奥へと腰を使い
やがて辿り着いた奥の奥を、逸物の先でぐりりと捏ねて]
は、さすがにきついの、小僧
じゃが、熱いのぉ、お前さんのここは
嬉しいか、ワシに犯されて、ワシに食われて嬉しかろう?
[言葉で煽りながらゆっくり抜き差しを繰り返し、腰を支えなおす]
ああ、小僧、こんな気持ちいい体は久しぶりじゃ
流石のワシも我慢できん、乱暴になるが容赦せえよ
[天狗らしくない言葉をかけて、宣言通りに手荒く攻め立てる]
[小僧を気持ちよくする、などという余裕は珍しく欠いていた
湿った肉がぶつかり合い、擦れ合う音と荒い吐息
そこに小僧の声も混ざり合えば、引き摺られるように上り詰め]
イク、ぞ、小僧っ!
[声を上げると同時、ズンッ、っと最奥まで突き入れて
その奥の奥に滾る精をぶちまけた**]
ぁ、あッ……!
[声を上げることを赦されて、
触れることを赦されて。
腰をくねらせればさらに奥へ、奥へと熱は割り入ってくる。
胎がいっぱいに埋められるような錯覚に、浅く息を吐いてはまた啼いて。
切っ先が、最奥を貫かんと、]
ひぁ、あんッ!
[強く押し上げられるような鋭い刺激に一際高い聲を上げた。
はくはくと、声にならない声で唇を戦慄かせ、触れた手の甲にかりりと爪を立てる。
ぼろぼろと止まらぬ涙が零れ落ちて敷布を濡らす。]
ぁ……あ……ッ
[『嬉しい』問われるままに、青年は何度も頷く。
嬉しかった、ひたすらに悦んでいた。
青年自身には何が何やら分かってはないが、とにかく嬉しかった。
表情こそ、慣れぬ刺激に歪んではいるが、悦ぶ目の色は隠しようもなく。
ゆっくりと、言葉で身体で煽り立てられて、子供じみた分身も健気に天を突こうと立ち上がって震える。]
[『気持ちいい』と天狗さまが言うから。
嬉しくて。
『我慢できない』と天狗さまが求めるから。
悦んで。
間断なく与えられる衝撃に泣きながら、笑み浮かべる。]
ぁ、あっあぁッん…ッ!
[強引に引きずり上げられるように、青年の身体も高みへと、叩き込まれるようにして、
あ、あ、気持ちい、気持ちいい、って
もう、そればかりしか考えられなくて、]
[ずん、と最奥に叩き込まれた重たい衝撃に、
ぴんとつま先までを強張らせ、絶頂を迎えた。]
[青年はそれが何か、勿論知らず、知らぬまま、ちかちかと脳裏を占める白い光の中に揺蕩うように、全身を投げ出して、明け渡して、暫くは息も忘れたように、呆然としてしまう。
じわじわと、胎の奥に広げられた熱に呼び戻されるようにして、手足の感覚が戻ってくると、そ、と腹を撫でる。
新たに腹を汚す白は無かったが、それすら気づかぬままに、胎の内で脈打つ熱を、そ、と噛みしめるように、感じて。
漸く、深く深く息を吐いた。
じわじわ、じわじわ。
胎に注がれた毒を、青年の身体は貪欲に飲み込む。
甘い、甘い
蜜
のような
毒
は、
青年の身体を内側から
犯して
、
侵して
、
そうして青年の身体を巡る体液と混ざり合い、
青年の身体はそれを……
受け入れた。
]
| ッ! すまない、痛かっただろう。大丈夫か?
[ 思わず、突き飛ばすように狭い肩を押してしまう。 離れなくてはならないと思っただけ、敵意からではない。 故に力の全てを出してはいなかったのだが、 それでも小さな人間には、特にこの若者には痛かろう。
未だ整わない息もそのままに、傍に寄ろうと上げかけた腰 ──は再び草の上、手も伸ばさなかった。
何かを堪えるように唸り、癖のある短髪を掻き乱す。 ] (130) 2021/06/22(Tue) 3:16:46 |
|
──……千太郎
お前にいくら望まれても、それだけは出来ない もうこんなことはしないでほしい
分かってくれ。さとの為にも
[ そして、生きてくれ。
伝える声は強く切実に響けども、 語る鬼は今の千太郎の姿から目を逸していた。 ]
(131) 2021/06/22(Tue) 3:17:33 |
|
やはり今日は帰ろう。涼しい場所でお互い頭を冷やしたほうがいい 薬草は私が後で採ってくるから、気にするな
[ そうして千太郎が立ち上がれるようになるまでは待つが、 帰路では少し先を行き、時折歩を緩めても振り返りもしない。
二人の間には沈黙が流れ、虫の声だけが喧しく聞こえていた。
帰っても傷薬は手渡すだけで、手当ては本人に任せて 自分はすぐに廃寺を出て行った。 ]
(132) 2021/06/22(Tue) 3:17:49 |
|
[ 充分な貯蓄があるのに、多過ぎるほどに薪を割る。 千太郎の為に時間を使い、 離れることも惜しんで行っていなかった狩りにも足を運ぶ そうしなければ落ち着けそうになかったからだ。
寺から離れた場所で解体作業を行いながら、鬼は思う。
やはり、これではいけない。 これではいつか望むままのことをしてしまうと、 鬼の心中は穏やかでは無かった。
だから────予定を早めようとした。 ]
(133) 2021/06/22(Tue) 3:18:09 |
| ── そして ──
千太郎も随分体力がついてきたからな 今日はいつもより遠くに行こう 準備をしてくるから、此処で待っていてくれ
[ そう言って、外に連れ出した後に鬼は一度戻った。
何事も無かったように接し続け数日後、 夏の終わり、最後の燃え盛りを思わせるような暑い日だ。
戸を開いた時には、いつかのように風呂敷包みを抱えている。 横抱きにした彼の上に置くように荷を乗せる。 随分重たいことに、きっと気づいてしまうだろう。 言葉と行動の矛盾に気づくだろう。
問われるのならば何度でも 大丈夫だ、気にするな、と空虚な返事ばかり繰り返して歩みは止めず 村を出入りする時に人間が通る山道を行く。 ]** (134) 2021/06/22(Tue) 3:18:51 |
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