84 【R18G】神狼に捧ぐ祀【身内】
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「……なんじゃ?寝てる間に移動させられてたんじゃが。ここは何処かの?」
辺りを見渡す。祭りの会場ではなさそうだ。
立ち上がり歩いてみれども何もなし。
「つまらんのぉ。これでは暇つぶしにもならぬわ」
退屈そうに小石を蹴った。
「人の身は不便じゃのお。睡眠も必要だしのぉ」
小石を蹴ってさっき蹴った小石に当てている。
暇の極みだ。
あと昨日は体調不良おこしておりまして来れませんでした。申し訳ありませんでした(陳謝)
「こういうときは、この すまほ という板があれば外の様子がわかるんじゃったな。どれどれ」
胸元をあさりスマホを取り出すが、無情にも圏外と表示されている。
「なんじゃ、使えんの。誰ぞおらぬか。妾は酒と甘味を所望するのだが」
外に向かって呼びかける。
「祭の屋台荒らしすぎてしまったかの。差し入れ感謝じゃよ、宿の」
嬉しそうにベリーベリーミルクsakeとフォンダンショコラsweetを受け取った。
まるで広大な獣の胎のように
湿り気の漂う薄暗い祠の中で
座して黙する青年が、その暗い瞳を浮かべていた。
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