77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
それにしても、ずいぶん痩せちょるの小僧
[断りもなく、迷いもなく白無垢をはだけさせて薄い胸元をねっとりと撫でまわす
見たところまだ子供からようやく抜け出した程度の歳だろうが
天狗が力を与えている以上、食うには困らぬ村のはずとの疑問は今は放り投げた
]
なぁに、暴れたりしなきゃ最初はすぐ終わらせてやる
男を犯るのは数十年ぶりなんで加減は利かんかもしれんがの
[そう言って再び小僧の顎を捕らえて口を吸った
舌先で唇と歯列をこじ開けて、まずは口内に天狗の毒を注ごうと**]
| [鬼子の身の丈は、村人の中で頭一つ抜きん出るとはいかなくとも高い部類に入る。 成長の時期を満足な食事も取れず過ごしても、どうしてか縦にはそれなりに身体が育った。 しかし、真の鬼にとっては子供のようなものに変わりないだろう。 座していても頭を垂れねば声が聞き難いらしく >>0:390、こちらも膝に手を添えて見上げやっと近づいた実感を得られる程の差。 だから漸く得た距離から覗いてやり、教えてやったのだ。 無垢で哀れな幼子ではないと知らしめる為に、人間を見下す鉄面じみた顔の裏側からくだらない優しさではない感情を引き摺り出す為に! ] (22) 2021/06/19(Sat) 11:54:16 |
| ……あーあ、つまんねぇなァ なんなんだあんた。妖怪って皆こうなのか? [なのに何も分かりやしない。紅色は凪いだまま揺らがない。 覚れはしない心の中で >>0:392、未だ自分が被害者として留まり続けていることだけは理解出来た。 謝るのは形ばかりで傷ついた様子もなく、未だどこかでは勘違いしたままの鬼は自分を選んだ理由すら、とうに死んだ人間が要因だったという。 鬼の想像通り >>0:393そんな話には興味も示せず、面白くなさそうに舌を打って布団の上に戻った。 むっすりと不服さを隠さない顔で、一応は話を最後まで聞こうとする。] (23) 2021/06/19(Sat) 11:54:31 |
| 思わされている、ねぇ [先程から >>0:391繰り返される言葉。 引っ掛かる物言いだと、呆れたようにため息をつく。理解出来ない。 過ぎる感情は置き去った祖母である老婆に向けていたものに近い。 一種の打ち明け話をしたつもりだが、何も望んだように変わらなかった気がする。 しかし、不動とは悪い傾きも齎されなかったということ。 低く穏やかな、どこか心地よく響く声 >>0:394が力強く鼓膜を揺らす。 想いは届かなくても、音は耳があれば届く。当たり前のこと。] (24) 2021/06/19(Sat) 11:54:48 |
|
はは、成程なァ あんたってさ、人間より人間らしいな
[常とは違う静かな笑いが一度落ちた。 誰かが似たような意味の言葉をかつて口にしたことを、千太郎と呼ばれる鬼子は知らない。]
善良で、瞿曇だよ
[こいつは人間としてあの村に関わらず済んで幸せだ。 異形の無い男がどんな人生を辿ったか想像し、昏い黒色が細まる。 有り得なかったのだろう可能性は、語らずに胸に残るのみ。]
(25) 2021/06/19(Sat) 11:55:06 |
| くだらねぇ [今更の確認 >>0:395を鼻で笑う。それが答え。 本当にくだらない。 もう答えを知っているのに問うことも、 実を結ぶことなど元より無い花嫁という名の贄に、性別の敷居を設けることも。 正直者の癖に気づかないふりをし、自分を上手く扱おうとすることも。] (26) 2021/06/19(Sat) 11:55:22 |
| [嗚呼、この鬼の心を理解するには目を覗き込むのでも見えない棘で刺し回るのでもなく ただただ側に在り、紡がれるままの言葉を受け止めたらよいのだろう。 何を思い語ったのかもどれが真でどれが嘘なのかも、非常に分かりやすく伝わるのだから。] まあ、そう言ってくれて良かったさ 宜しくな、旦那様 [屈み差し出す大きな掌 >>0:396に自分の手を重ねつつ、鬼子はそんなことを考えていた。] (27) 2021/06/19(Sat) 11:55:53 |
| ─ →外 ─ 花が好きなのか?全く似合わないな、ひひッ [その手も寺から出る前に離れた。 >>397腕を上に伸ばされ続ける苦にあちらが自分で気づき、離したのだ。 いかにも優しい気遣いは結果的に別の問題を呼んだし、される鬼子が望んだ相応でも無かった。 ──叶えないつもりでいることなど、分かっている。 起き際の、何気ない会話。 >>0:387食事の後聞こえた、笑えるくらい呑気な一言。 >>0:388そんな人間の真似事のような時間が、鬼の望み。] (28) 2021/06/19(Sat) 11:56:19 |
| ……違うだろ 六枚あるように見えるだけで、全部繋がっている。ほら [合わない歩幅でなんとか共に歩こうとしながら向かった先、枝が詰まった樹木について語り聞かせてくる。 少し離れた場所から誂いを向けていたが、ふと近寄って覗き込み、一輪を摘んで根本を見せる。 それは話の途中、露骨に途切れた間の後に >>0:398無理がある何事も無いふりに、気づかないふりをしてやる為の。 先程の意趣晴らしだ。何も形ばかりでこちらを花嫁とする鬼を気遣ったわけじゃない。 そんなことを、嫌われ者の鬼子がするわけがないだろう?**] (29) 2021/06/19(Sat) 11:58:02 |
[胸元を滑る手は、まるで検分でもされているかのよう。
]
え?
そんなことも……
[無いとも言い切れないのだが、自覚がないから戸惑う。
ただ、役立たずとは幾度となく言われていたから、そう言うことかとも思う。
実際のところ、年よりは5つばかりは幼く見える体格であるのだが、そのことは茅本人すら知らないことだ。なんなら村の人たちも。
なんとなく、居心地が悪くて少しだけ身を捩った。抵抗したわけでは無い。]
えぇ…と……
[暴れなければ、とか。
最初は、とか。
男を…とか…何やら引っかかることはたくさんあるはずなのだが、あり過ぎて青年の思考容量を超えた。
結果、よくわからないままに、流し、流され…気づけばまた顎を掬われて。]
ん…んっ!?
[混乱に何もかもが流れゆく。
待って欲しい、口と口を合わせるのは、なんかこう、アレだ。
なんだっけ。
……なんだっけ?
混乱しているうちに、舌先が口内を明け渡すよう要求してくるから、『抵抗するな』の命令通り、促されるまま口を開いた。]
んぁ…あッ、
[口吸いなど経験がないから、それはさながら餌を求めた雛鳥のような、ただただ開いただけの動作。
けれど餌付けではないのだから、侵入してくるのは総じて異物だ、それでも口閉じること叶わずに。
とろ、とした蜜が、喉を滑り落ちる。
]
[びく、と身体が不随意に跳ねる。]
ッぁ……
[ちか、と瞼の裏で星が瞬く。
喉を通った
毒
は熱く、焼けるほどに
甘
かった。
それはまさに
劇薬
で、けれど青年はまたひとつ、ごくりと喉を鳴らす。
青年の目元がとろ、と溶けた。
無意識に、自ら舌先を差し出すなどする。
息苦しさもあるはずなのに、今も止めるべきが空気かその
蜜
なのか、よく分からないままに、無自覚に飢え切った雛鳥はまた口を開けて見せ…**]
[天狗の言葉も行動も、やはりよくわかっていない様子の小僧
戸惑いか羞恥か、身を捩る様子さえ天狗には物珍しかった
だからと言って優しくするとか加減をするとか、考えないのが物の怪というもので
むしろ、もっと手酷く扱って愉しもうかなどと
戸惑うままの小僧に毒を注ぎ込む……情欲引き出す蠱惑の毒を]
ん くちゅ……
[されるがままに開かれた口内に、とろりとそれを流し込めば
何かも知らぬままに飲み下す様子がわかる、そうして]
どうじゃ? 善かろ?
[身を撥ねさせ、その目がとろりと蕩けていくのを見る
これなら、この先の痛みも多少は和らぐだろう
痛みに啼く姿は情欲を煽るが、壊れてしまっては困るのだから
丁寧に気持ちよくしてやろうというという考えも、まあ無かったが]
ほう、もっと欲しいか?
[強請るかに口を開け、舌を差し出すのに応えるように口を吸い
開かれた中に舌を差し入れ思うがままに蹂躙して舌先絡めて吸い上げた
思った以上に反応がいいことに目を細め、口を合わせたまま再び胸を弄った
女に比べれば慎ましいだろう尖りを掻いてやれば、さてどんな反応を見せたやら]
は
[合わせていた口を離して小僧を見下ろす
己が体に起きていることにどう反応しているかを確かめるように
愉しむかのように、見下ろして]
いい顔しちょるの、小僧
[と意地悪く間近で囁く
その目に、先ほどまでとは違うあからさまな熱が宿るのを
無垢な小僧はどう捉えるか**]
[よかろ?
問われ青年は、またひとつ喉を鳴らして、それからこくりと頷きを返す。
何が良いのかはよくわからないが、とにかく注がれる毒
が、甘くて、甘くて。
漸く継いだ息が、熱く零れた。]
ん、ぁ、
[もっと、と言わんばかりに嘴を開ければ与えられる、その事実に軽く酔う。
抵抗するなとは言われたが、欲しがるなとは言われていないなそういえば。
赦されるのを良いことに、与えられるまま吸うて、]
ぅぁ、ん…ッ
[かりりと掻かれた胸の先、またびくりと身体を跳ねさせる。
その反応に青年自身が驚くけれど、酔った頭に恐怖などは微塵も残らず、ただ、青年の指先が淡く『山神さま』の手に添うた。
唇が離れれば、その視線に出会う。
嗚呼……愉しんで、いるようだ。]
いい…顔……?
[はふ、と継いだ息の隙間、微かに問う。
それが意地悪だなどと、善良な青年にはあずかり知らぬことで、『いい』と言われたことで、安堵する。
ただ、その表情が新たに帯びる熱には流石に気づいて、つい……ぽかん、と、見惚れた。
だから数拍の間を置いて、つい、手を伸ばしたのはそう、完全に出来心だったのだ。]
ッァ、
[伸ばした手の先がどこへ向かおうとしたのか、直後与えられた刺激にびくりとまた身をすくませると、反射でその掌は空を握る。
まるで熱に浮かされたような脳みそはその瞬間、村のこともお嬢さんのこともすっかりと忘れていた。
茅という青年は、恐ろしいほどに順応性が高かったので。**]
[無垢な体は思った以上に反応がよく
無知な小僧は予想以上に順応性が高かった
今まで多くの嫁を迎えたが、此度は特に「あたり」らしい]
ああ、いい顔じゃ
[言いながら意地悪く刺激を送れば、伸ばされかけた手が空を掴む
無垢なくせにこうも感度がよいとなれば、自然欲は高まるというもの
元より時間かけて馴染ませるなどする気もなかったが]
どぉれ、もっとワシ好みになるようにしてやろうかね
[そう言うなり両の手で今だ僅かに重なっていた白無垢を広げ
その内に着ていた服をも剥いで小僧の体を曝け出してしまう
そうして、その肌に一つ、二つとまた印を刻み込み]
こっからが本番じゃ小僧
ワシのもんになるっつーことがどういうことか
しーっかりと体に教えてやる
[言い終えて胸元から手を滑らせて下へ
何の前振りもなしに、下着の上から小僧の「小僧」を握り込む
天狗の毒を受けて、そこは一体どうなっていたか気付かせるかのように手を動かす]
なあ、ここもこうされると善かろう?
気持ちいいって泣いとるわ、ほれ
[下着が湿り気を帯びてくればわざとらしくそれを強調するように擦り上げ
小僧に問うこともなしに下着をはぎ取ってしまおうか
そうして、ついにははだけ落とした白無垢の上に、小僧の全てを晒させて
ふと、気付いたかのように繋がれたままの足元を見る]
あぁ、こいつは外さんといかんなぁ
[痛そうだからではなくただ邪魔なだけだが、足枷に手を触れればその戒めは解けるだろう
逃げる心配も、もうないだろうから
痕のくっきり残った足首を持ち上げべろりと舐めて]
これも、ワシのモンじゃって印じゃがの
本当の「
印
」はこれからじゃ
[足首を持ち上げたままもう片方の手で小僧の芯を弄ぶ
雫が零れだしたならそれをたっぷりと手に絡ませる
愉しげに、それこそ恐ろしいほどに愉しげに
承諾も確認もない、小僧は天狗のものだから**]
[ああ、いい顔じゃ、って
また聞こえたものだから、青年は無意識に淡く笑む。
『これは良いこと』と認識したものだから、踏みとどまる理由がない。]
ん……ッぁ……、あ、
[肌に華を咲かされる度、喉を鳴らして身を震わせて、洞窟内の湿った空気は夜陰に更に冷たいのだろうに、青年の肌は与えられる熱に汗ばんですらいる。
触れる熱が、心地よかった。
……まるで、求められているように錯覚して。
だから、『抵抗するな』という命令に関わらず、その手に逆らおうという気持ちなんて、今やこれっぽっちもなかった、のだけれど。]
あ……ッ、ゃ、ぁ!
[突然の強い刺激
に、青年は眼を見開いて高く啼く。
青年のまだ、子供じみた格好をした中心は、それでも健気に『悦』を主張していた。
そこを急に握りこまれたものだから。
なお、青年自身には自ら触った記憶はほとんどない。
それがどういう反応なのか教えてくれる者はいなかったし、一度触れてみたら何やら未知の感覚がしたものだから、それ以来どうにも触りづらかったのだ。
与えられた刺激に軽い恐怖に似た感情を覚え、握りこむ大きな手へと己の手を伸ばすが、触れたところで指先で何かを訴えるのみ、力などまるで込められたものではない。]
ぁ、あッ……ゃぁ…ぁ、
[気持ちよくて泣くのは握りこまれたところだけではない、青年本人もだったりする。
やぁ、と泣くと、揶揄するように下着を奪われてしまった。
とたん、下半身がすぅとして、それすら刺激になり、ひくひくと薄い下腹を震わせる。]
ぁ……
[足首を縛めていた枷が、いともたやすく取り上げられて、ほっとしたような声を漏らす。
足首を掬われて、縛められていた痕を舌先がなぞり、またひくりと内腿を震わせた。
舐められたところが熱を帯びる。
なんだか『山神さま』のその行為が、傷を労わられたような、
そんなはずはないのだけれど、まるで……慈しまれたような、
錯覚を覚え、ぶわと心臓が熱を帯びる。
けれどその正体をゆっくりと考える間など与えられないから、持ち上げられた足首をそのままに、股を開かれるようにして、立ち上がり切ったその場所をまた握られて、遊ばれて]
や、ゃぁ、もう……ま…って、
[ぁ、あ!と啼くと同時、赦されるなら白濁が弾けたことだろう。
赦されなかったなら、体内を駆け巡る熱にまた泣いて。
それが、『気持ちよい』のだと、『快楽』なのだと、青年が学ぶまで、あと僅か。**]
[触れた小僧のそれはいまだ大人にはなり切れておらず
それが年相応なのか、栄養が足りていないか判断しかねた
子供の様に素直な無垢な表情のまま淫欲に染まっていく様は
毒に中てられたとわかっていても、それ以上に好ましく「旨そう」で
早く皆まで喰らってしまいたいと疼く熱は、天狗の鼻のごとく主張を始める]
や、じゃなかろ?
そんな顔しとらん、それは「気持ちええ」って顔じゃなぁ
[自分でしたこともないのか、戸惑うように鳴くのをそう揶揄って
毒に侵されただろう頭の中に、それが何かを浸み込ませて]
待て、って顔じゃ無かろう?
ほれ
[零れた声、それは小僧にもわからない物だろう
明確な意思をもって立ち上がった芯の先を責め上げれば
短い声と共に天狗の手を熱い白濁が濡らす
それを掌で受けながら、からからと声を上げて笑って見せた]
あっという間じゃの、そんなによかったか
ほれ、こんなにたっぷり出して
[言いながら掌で受けたそれを見せつけるようにぺろりと舐めてみせる
愉しげな様子は、それが「悪いこと」ではないと小僧に教えるかのように
我慢させて、焦らしてからのそれも面白いが
解放を知ればなお「耐えるのが」苦しくなると知るがゆえ
それは後の愉しみにと]
本当に小僧は素直で覚えがいいのぉ
それでいい、ワシのすることを
受け入れて善がり啼いて
いればええ
[小僧のすることを肯定するような言葉を投げながら、手の内で受け止めた精をこね回す
女と違い、男は挿れるのに苦労すると知っているので]
さて、今度はワシの番じゃ
おとなしくしとればすぐにお前さんも「よくなる」
[汚れていない方の手で脚を支え開かせると、精に塗れた手を尻へと伸ばす
そうして、何の前触れもなくその奥で小さく窄んだ孔に触れ、つついて]
こっから先は嫌といっても止まらんぞ
お前は、
全部ワシのモンになる
んじゃ、小僧
[いうと同時にその狭い孔に中指を押し込む
精の滑りがあるとはいえ狭く硬いそこを容赦なく推し進めて**]
きもち……えぇ…?
[教え込まれるまま繰り返した言葉は音になっていたか否か。
けれど新たなその感覚は、確実に青年の中に根を下ろし、芽吹きを迎える。]
ぁ、あ!
[ほれ、と煽られ、抗いようもなく白濁を散らす。
ちかちかと、頭の中が真っ白に染まり、全身を駆け抜けた衝撃に刹那身を固くして、それからふっと力が抜けた。
はく、と喉を震わせて、息を整えようと、呼吸を繰り返し。]
は…ぁ……
よか…た……?
[『気持ちいい』のだと、『よい』のだと、繰り返されて、そういうものかと、
端的に、怖がるようなものではないのかと、漠然と理解して、飲み込んで。
見やった『山神さま』が舐める掌を汚したのが自分だと、それすらもまともに理解せぬままに、ぼんやりと眺める。]
[『覚えがいい』なんて、それはシンプルに誉め言葉だ。
青年はふわと笑う。
ずーっと覚えが悪いと言われては、打たれてきた青年だ。
褒められれば、嬉しくなってしまう。]
は…ぃ、
[だから、それでよいのだと、受け入れるのが正解なのだと言われたならば、諾として従う。
もう、命令などなくても抵抗する気など微塵も残ってはいなかった。されるまま、受け入れれば褒められる。
そのシンプルな構図はあまり頭のよろしくない青年にもわかりやすかった。
だから、脚を開かせる手の力にも抗うことなく、促されるまま大きく開き、指先で窄まりへ触れられたときにもひくりと孔を震わせるのみで、制止の声ひとつあげなかった。]
ん……
[ピリピリとした痛みと共に、胎内へと埋め込まれる指に、僅かに喉を鳴らす。
『全部ワシのモンになる』だって。
]
っぁ、
[きゅうと胸元に握りこぶしを抱いて、侵入を阻まぬよう、下半身から力を抜こうと試みながら、瞼を閉じ青年は息を吐く。
わざわざ言葉にするくらい、俺のこと欲しいのかな。なんて。
]
ぁう……っぅ、
[はじめこそ、排泄間に似た異物感に呻くが、そこに質量が存在することに慣れてくれば、あとは物理的に声が押し出されるだけだ。
青年の口元が笑みを描く。
]
はぁ……っぁ、あッ
[侵入してくるそれが、嬉しいだなんて、
だって俺…
あんたの何もかもを、受け入れたいって、思ったんだ。
**]
[教えたことをそのまま飲み込んでいく様子は天狗にはとても好ましく映る
ヒトの嫁など思うまま慰み者にするためでしかないというのに
この小僧は疑うこともなく「天狗のモノ」になろうとしている
この天狗を、悪童の卑劣感を、信じている]
ああ、お前はいい子だ、小僧
[天狗からすればそれは、その気にさせるための出まかせにすぎない
それを信じ切った小僧はうれしそうで、安心しているかのようで
どういうわけだか胸が疼く
ここまで毒されているのなら好きに蹂躙しても構わないだろうと
いつもなら気に掛けもしないことを、今更のように考え口元を緩めた
泣かせたくない、とからしくもないが
小僧ならこの先も天狗を受け入れるに違いない、と]
[些か乱暴に指を突き入れたというのに
痛みに呻きながらも懸命に受け入れようとする様子は天狗にはとても新鮮に見えた]
ああ、いい声じゃ
それに、ここの具合もいい感じじゃの
ほれ、もっと欲しかろう?
[精の滑りを借りながら抜いて挿して指を増やして押し込んで
気持ちよくするためじゃなくただ孔を広げるためのそれ
声は苦し気なのに体は毒のせいとはいえ受け入れようとして
苦し気な中で笑みなど浮かべられたなら、何故だか天狗の眼が止まる
どくり、と、今までにないほどに胸が跳ねる
今までに感じたことのない思いと共に、情欲は増していき
もう我慢できぬとばかりに指を引き抜いた**]
|
─ それから/鬼との日々 ─
こんなのはあんたの手で掴んだほうが沢山取れるだろうさ、きっと
[暴れる小魚を眺め、隣の鬼を鬼子は半目で見遣る。心から褒めていそうなのが救えないと内心ぼやいた。 退屈がる人間を宥めて宥めて、やっと結果が出て感動もひとしおというところなのだろうか。
初めて自分で食事を拵えた時もこんな風に喜ばれた気がすると、記憶に新しい過去を思い起こす。 台所で細々とした作業をするのが、大柄過ぎる鬼には大変だったからかも知れないけれど。それが鬼子が積極的に料理を覚えようとした理由でもあったわけだから。 ただやはり肉しか喰わないらしく、相手に幾ら勧めてもいつも傍らで干し肉を食べるばかりなのだが。
村で鬼の子と呼ばれていたのはそんな意味では無かったのだが、息子だと思われているのかもしれない。 五月雨の季節に輿入れし今や初夏を迎える程経った時間、記憶に残る出来事は料理以外もどれもそのように感じられるものだった。]
(75) 2021/06/20(Sun) 20:24:36 |
|
[木々の合間から差し込む日光が、鬼と鬼子、そして彼らが面する川に届く。
水面を眺める花嫁の光を透かす髪は今も色素を持たぬまま、隈も変わらずに縁取っている。 ただ肌の色は目に見えて変わり、力仕事は任されずともこうして歩くことではない目的で鬼に連れられる程には身体も見れるものになっていた。
深まる緑と強くなる日差しの中、紅色が見つめる白色も少しずつ変わっていく。 高価で山歩きには重たい白一色の着物も今はしまわれて、持ち込んだそれよりは安価で薄く色が付いたものを纏っている。
何処かできっと起きている悲劇は遠い出来事、名ばかりの夫婦の閉じた世界の時間は穏やかに流れていった。]
(76) 2021/06/20(Sun) 20:25:12 |
|
まあ、こういうのも悪くはないけどな
そっちは中々掛からねぇな? やっぱり手掴みで獲ったらどうだ、きっと似合うぞ?ひひッ
[少なくとも花を書物で潰すよりは有意義だと意地悪く笑うが、それ以上の悪態は続かない。
重石にするより読みたいと、鬼が持って来た歴史書を見て文句を付けはしたものの。止めようとは言わず、不器用そうな手の代わりに自分が花を紙の上に置いた。 行いを咎め伸ばされた手に大人しく摘んだ花を渡したように、「やっぱり花が好きなんじゃないか?」と悪びれず誂いながらも反論せず説かれたように。 そもそも押し花の話に異を唱えなかったからこそ、鬼は行動したわけだから。]
(77) 2021/06/20(Sun) 20:26:26 |
|
[平らな花が出来上がったとして、一体どうするというのか。 考えていないことは分かりきってるので、いつか忘れた頃確認するまでその誂いは取っておこうと閉じた書物を眺めて鬼子は考えた。
廃墟同然の建物に棲まい行水はしても風呂など使っていなかっただろう鬼の身体を、桶に汲んだ湯で手拭いを濡らし擦ってやりながら 右半身の黒い跡を眺めそれについて結局聞かなかった時も。
未来への約束を無意識の中積み上げていく自分がいることに、久しぶりに眠気がやってこなかった湿った暑い寝苦しい夜鬼子は気づく。
いつまでも「相応」は与えられず、こちらばかりが用意されたぬるま湯に浸り始めている。]
(78) 2021/06/20(Sun) 20:27:13 |
| [────気に食わない。] (79) 2021/06/20(Sun) 20:27:54 |
|
─ ある夏の日/山奥 ─
そんなに大した怪我じゃねぇよ 未だ何も採ってないのに、ここまで来て帰れないだろ
[だからこんなことで目的を果たさずに戻る必要は無いと言い、額を拭う。
すっかり夏が訪れ、虫達が活発になった頃。今日は山の奥まで薬草を採りに来ていた。 大きな木の根元で腰を下ろし、昼の握り飯──自分で作っているから形はともかく大きすぎない──を食べた後 変わった草を見つけ不用意に伸ばした指の腹、一筋傷が入ったのがこの問答の原因。
百数十年の山暮らしがずっと牢にいた者に向けるには当然の心配なのかも知れないが 相変わらず親気取りのような過保護だと、鬼子の呆れは声に顔に表れる。
初めの頃などすぐ寺の中に戻されるから、鬼が薪割りなどで外にいる間非常に退屈していたものだ。 自分は二つの意味で子供ではない。きちんと理解してほしい。
悪意のない人外と知っているからこそ、その不満はいつも胸にある。 語り聞かされることはなくとも、さと、さとと事あるごとに死んだ人間の名前が出てくると一層想いは強いものになった。]
(80) 2021/06/20(Sun) 20:29:41 |
|
……なあ、旦那様よう
[だからたまには、この男が相手では疼きずらい悪癖が主張してしまうのだ。**]
(81) 2021/06/20(Sun) 20:29:56 |
[疑うことを知らぬ青年は、与えられるものを与えられるままに飲み込んでゆく。
それはきっと、ヒトというものを知れば知るほどに異様な様相だったろう。
だからこそ、青年はヒトの世で生きづらかった。青年自身に自覚は無くても。
いい子だ、って、褒められるからまた、青年は喜ぶ、悦ぶ]
ぁ…ッ、あ……んッ!
[粘膜を擦られる感触が、気持ちいい
青年の知らぬ感覚だ
だが押し込まれたところからぞわぞわと背筋へと走る感覚は、嫌ではない
何かの衝動に流されるように、声を上げる
指が増やされても、孔が広げられても、それを厭うことなく受け入れる
綻ぶ身体は毒だけが理由では、きっとない。]
んぁ……ほ、し……
[強請ることは、きっと赦されると、今度こそ『山神さま』へ、手を伸ばす。
両手を差し伸べて、口を開いて、もっとあの甘い蜜
が欲しいと訴えて。]
[求めたものは与えられたか否か、
与えられればまた一つ満足げに、与えられなかったなら指先が『山神さま』を求め、
温もりを、熱を描き抱くように、その腕をさし伸ばして
それすらも与えられなかったなら、寂し気にくぅんと鼻を鳴らす]
んぁ……ぁぅ、
[けれど胎内に埋め込まれた指……もはや何本だったのか、勿論青年にはわからない……が抜かれると、拡げられた孔が戦慄いて、小さく鳴いた。
続く行為を青年は知らない。
けれど本能的に悟ったかのように、再度股を開くようにして、それはあたかも迎え入れるかのような素振りで、
それはただただ抜かれた所が寂しかっただけなのだけれど。
『山神さま』の怒張が見えたなら、あるいは触れたなら、その熱量に、質量に、ごくりとつばを飲み込んで
きっとその姿には恐怖よりも期待が見えることだろう
頬どころか肌全体を主に染めて、はぁと熱い息を吐き、とろりと蕩けた眼差しで
誘 う
**]
[天狗は本来、特に麓の村人たちには恐れられるものだ
そうなるように仕向けたこともあるが、子供の頃よりそれが当たり前だったから
毒を与えたせいとはいえ、小僧がここまで「懐いてくる」のが天狗には不思議だった
暴かれる痛みさえすぐに飲み込んで、もっとと欲しがる
それを嬉しいと、愛しいと思うなど気のせいと打ち消して
]
気に入ったか、これが……ん
[雛が強請るように口を開くのに、唇を重ねて毒を注ぎ込む
過剰な毒はそれだけ早く蝕んでいくだろうに
欲しいなら与えようと慈悲めいたことを思ったことに驚いて
縋りついてくる手が心地よいと思うなど、らしくないと己を嗤う
目の前にいるのは欲を満たすための嫁なのだ、己が欲を満たせばいい]
[指を引き抜く、天狗の逸物を収めるにはまだ足りないだろうが
小僧があまりにもおいしそうに啼くものだから、もう堪らずに
猛るソレを小僧に見えるように曝け出す
赤
黒く脈打つソレは並の人より大きく、大人のそれを知らずとも「違い」は知れるだろう
今度こそ怯えるだろうと見遣れば、こくりと息を呑むのが見えた
怯えて逃げようとしたところで天狗はやめる気は無いが
が]
小僧、お前
[熱に蕩けた視線を向け、脚を広げて誘うような姿に
胸にあった疑問も迷いも弾け飛んで、「喰らいたい」という欲が渦を巻いた]
ああ、望み通りに犯してやる
いや、も、やめろも聞かんぞ
[言いながら両足を掴んで大きく開かせた
その間に自身の体を割り込ませ、指で弄んだ孔に熱く滾るモノを押し当てる]
いいか小僧、天狗が喰らうんはこういうことじゃ
お前はワシのモンじゃ、ワシのモンになるってのは、こういうことじゃ
[孔の入り口に何度か擦り付け先走りという毒を塗り込んで
持ち上げた両の脚を肩に乗せ、腰をしっかりと押さえつけて]
そらっ!
[掛け声とともに狭い中へと無理やりに押し入る
女陰のように一息に貫くとはいかないが、強引に亀頭を飲み込ませ、揺さぶる
そうして遠慮なく腰を使いながら更なる奥を目指そうと**]
[求めるままに与えられる密に、伽藍堂だったナニかが『満たされる』ような心持ちがした。
求めることを赦され、
触れることを赦され、
青年は初めて己の『飢え』を知る
まだ…まだ、自覚こそないけれど
そうして求めた毒は更に青年を酔わせて、曝け出されたモノを知らず求めた。
青年が正しく『行為』を理解していたわけでは無い。
けれどどういうわけか、『何を求められているのか』を漠然と悟る。
求められること自体が悦びと変われば、青年はくったりと力の抜けかけた身体を開いてみせるのだ]
[いや、も、やめて、も無い。
自ら開いた脚の間に『山神さま』が陣取って、赤黒く膨らんだ熱を、指抜かれて寂しい所に擦り付けるものだから、喉を逸らせて鳴らす。
触れたところが熱く、疼く。
はくはくと、その先端を食むように戦慄いて、ぞくぞくと、背筋に甘い電流が走る。
これは『快感』だと。脳が、覚えた。
山神さまに…天狗さまに、喰らわれる。
天狗さまの、モノに……]
っぁ、
[苦しい態勢に、小さく息を吐いて、けれど胸を潰すのは…これは、きっと。
『多幸感』、だった。
たべて、
吐息に混ざった囁きは、音になったか否か。
ぐ、っと腰を掴まれて、直後、熱に貫かれる。]
ぅぁ、あっ……ぁッ!
[苦しくて、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。
けれど、苦しいけれど、必死に受け入れようとする。
縋るところを探した指先が、腰を捕まえた手を探り当て、添う。]
ぁっ……あ、ぁッ
[揺さぶられる度、腹の奥から押し出されるように声が漏れ、それを抑えようとも思わないから幾度となく鳴く。
それが苦しさから来るものなのか…それ以外に端を発するものなのか、それすら分からないままに、けれど穿たれたところが熱くて、無理矢理に押し入られた痛みすら、気づけば快感に塗り替えられる。
堪らず腰をくねらせた。]
あっ…ぁぅ、ぅ……んん、
[じくじくとした痛みから生まれる熱に浮かされて。
繋がらんとするところから、注ぎ出される毒にどこまでも酔わされて**]
[苦しい姿勢を強いているというのに
欲しがるように自ら合わせようとしてくるのに、じぃ、と小僧を見る
小僧の胸の内など知らぬ
だが、擦り付けた熱を欲しがるようにひくつく孔と
震える唇が形作る言葉に
本来ヒトに情など抱かぬ天狗の体が「かぁ」と熱を上げた
ただ、毒に当たって溺れているのではない
この小僧は、自分の意志で天狗を欲しがり受け入れようとしているのだと
理由など知らぬ、要らぬ
小僧が欲しい、喰らって、天狗のものにしてしまいたいと
欲しがる孔に熱源を突き入れれば、上がるのはやはり苦しげな声]
ああ、ええ声じゃ
我慢しないで好きなだけ声を上げぇ
[触れてくる手を払いはしない、縋るものがあれば少しは楽になる
竿の先から常に零れる毒も、痛みを快楽に変えるだろう
腰がくねるのをいいことに、容赦なく奥へ奥へと腰を使い
やがて辿り着いた奥の奥を、逸物の先でぐりりと捏ねて]
は、さすがにきついの、小僧
じゃが、熱いのぉ、お前さんのここは
嬉しいか、ワシに犯されて、ワシに食われて嬉しかろう?
[言葉で煽りながらゆっくり抜き差しを繰り返し、腰を支えなおす]
ああ、小僧、こんな気持ちいい体は久しぶりじゃ
流石のワシも我慢できん、乱暴になるが容赦せえよ
[天狗らしくない言葉をかけて、宣言通りに手荒く攻め立てる]
[小僧を気持ちよくする、などという余裕は珍しく欠いていた
湿った肉がぶつかり合い、擦れ合う音と荒い吐息
そこに小僧の声も混ざり合えば、引き摺られるように上り詰め]
イク、ぞ、小僧っ!
[声を上げると同時、ズンッ、っと最奥まで突き入れて
その奥の奥に滾る精をぶちまけた**]
|
[影色に顔をすり寄せて、恍惚と息を吐く。**]
(122) 2021/06/21(Mon) 23:01:00 |
ぁ、あッ……!
[声を上げることを赦されて、
触れることを赦されて。
腰をくねらせればさらに奥へ、奥へと熱は割り入ってくる。
胎がいっぱいに埋められるような錯覚に、浅く息を吐いてはまた啼いて。
切っ先が、最奥を貫かんと、]
ひぁ、あんッ!
[強く押し上げられるような鋭い刺激に一際高い聲を上げた。
はくはくと、声にならない声で唇を戦慄かせ、触れた手の甲にかりりと爪を立てる。
ぼろぼろと止まらぬ涙が零れ落ちて敷布を濡らす。]
ぁ……あ……ッ
[『嬉しい』問われるままに、青年は何度も頷く。
嬉しかった、ひたすらに悦んでいた。
青年自身には何が何やら分かってはないが、とにかく嬉しかった。
表情こそ、慣れぬ刺激に歪んではいるが、悦ぶ目の色は隠しようもなく。
ゆっくりと、言葉で身体で煽り立てられて、子供じみた分身も健気に天を突こうと立ち上がって震える。]
[『気持ちいい』と天狗さまが言うから。
嬉しくて。
『我慢できない』と天狗さまが求めるから。
悦んで。
間断なく与えられる衝撃に泣きながら、笑み浮かべる。]
ぁ、あっあぁッん…ッ!
[強引に引きずり上げられるように、青年の身体も高みへと、叩き込まれるようにして、
あ、あ、気持ちい、気持ちいい、って
もう、そればかりしか考えられなくて、]
[ずん、と最奥に叩き込まれた重たい衝撃に、
ぴんとつま先までを強張らせ、絶頂を迎えた。]
[青年はそれが何か、勿論知らず、知らぬまま、ちかちかと脳裏を占める白い光の中に揺蕩うように、全身を投げ出して、明け渡して、暫くは息も忘れたように、呆然としてしまう。
じわじわと、胎の奥に広げられた熱に呼び戻されるようにして、手足の感覚が戻ってくると、そ、と腹を撫でる。
新たに腹を汚す白は無かったが、それすら気づかぬままに、胎の内で脈打つ熱を、そ、と噛みしめるように、感じて。
漸く、深く深く息を吐いた。
じわじわ、じわじわ。
胎に注がれた毒を、青年の身体は貪欲に飲み込む。
甘い、甘い
蜜
のような
毒
は、
青年の身体を内側から
犯して
、
侵して
、
そうして青年の身体を巡る体液と混ざり合い、
青年の身体はそれを……
受け入れた。
]
|
[たった一瞬の出来事で熱は冷え切る。 草地に身体を打ち付けられ、無様に転がった。]
…………
[そのまま黙って頭上から届く声を聞いていた。
分かりきっていた筈の本心、 望んでいない「お前の為」 そして、「さと」
起き上がり乱れた衿元を正しながら、鬼子の目もどこか遠くを見た。 先を行く相手を追い掛けるのが辛くとも、何も言わなかった。 傷薬を受け取り部屋に戻り、その日は部屋から出てくることはなく。 どれだけの時間鬼が帰ってこなかったのか、それすら知りもせず。]
(135) 2021/06/22(Tue) 3:19:42 |
|
[その日は眠れなかった。 翌朝、何事も無かったように接されて、合わせて振る舞った。 次の日も眠れなかった。 更に翌日も、ずっと、ずっと。
毎晩暗闇で手首に残る赤紫色の跡をじっと眺めていた。
既に塞がり始めていた傷のように、消えてしまうことがどうしても──だったから。 もうあの時のようにはしてくれないと分かっていても。]
(136) 2021/06/22(Tue) 3:20:01 |
|
[それでも、疑いもなく信じていた。 その内関係も元に戻れると、これからも一緒なのだと。
未だ押し花は確かめていないし、 身体の跡の理由も聞いていなくて、 川に入ってもいなかったのだから、 沢山の約束が鬼と鬼子にはあった筈なのだから。
役目を果たせない日々が、まるで牢の飼い殺しと変わらないと思っても 心苦しく虚しくても、────何にもない日常が、嫌だったわけじゃなかった。]
(137) 2021/06/22(Tue) 3:20:19 |
|
─ そして ─
なあ旦那様、なんで抱えるんだ あの時以外今までちゃんと歩いてただろう俺は
この風呂敷の中身はなんだ 何が入っていたらこんなに重くなるんだ、なあ
[理由と行動が全く合っていない。抱き上げられた瞬間には指摘していた。 少しも解決にならない返答に何も返せなくなっても、すぐに別のことを問いたくなる。]
(138) 2021/06/22(Tue) 3:21:59 |
|
そもそも何処に行くっていうんだい ここは村に行く人間が通るところだよ、なあ あんた見つかっていいのかい、怯えられちまうぜ
帰ろう、なあ……
…………紅鉄様
[語らいながら何を思っているのかは理解しても、傍にいない時の脳裏の思考まで分かるわけがない。 理解出来ないまま広がっていく不安に似合わない狼狽えを鬼子は見せ、暴れて嫌がり触れた身を離すことを躊躇い指一つ動かせなかった。
どれだけ見上げても声をかけても、紅色は白色を見ない。**]
(139) 2021/06/22(Tue) 3:22:19 |
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